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305 いろいろいろいろ

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    ん~?何か忘れてるような?

『ねぇねぇ、ジーニ様?お母さんたちはどうしたの?死んじゃったの?』
そうだった!それだった!

「じーにしゃま?」
どうなったの?

〖大丈夫よ。生きてるわよ。ただ、今はあんな感じだけどね?〗
ジーニ様が指さす方を見ると、

「ほわぁ~」
『赤ちゃん?』
ちっちゃなわんちゃんが、二匹落っこちてます!

〖あれが、あの二匹よ〗
ジーニ様が言います。あの二匹?ええ?

『ジーニ様~もしかして、あれが、お母さんたちなの~?』
ハクが不思議そうに聞きます。

〖そうよ。消滅させても良かったけど、そんなことしたらハクとサーヤが泣いちゃうでしょう?だから、あれが、ギリギリの落とし所ね〗
ジーニ様、色々考えてくれたんだね。

『そっかあ。ぼくより小さくなっちゃったんだね~。ぼくのこと、覚えてるのかな?』
ハクが、色んな気持ちが混ざったお顔と声をしてます。悲しそうだったり、心配だったり、あとは、怖い?

〖いいえ。魂を浄化させたの。だいぶ、汚れてしまっていたから。記憶はその時に、一緒に消えてしまったはずよ〗
ジーニ様がやっぱり悲しそうなお顔と、心配のお顔でハクの前に膝まづいてお話してくれます。

『そっかあ』
ハク、複雑そうなお顔してます。

〖でもね?同じ魂には違いないの。だから、また、同じようになってしまう可能性もあるの。でも、決してそうなってはいけないわ〗
ジーニ様がお話しながらそっとハクのお顔を撫でると、ハクが一瞬ビクッとしました。

〖だからね?ハクや、みんなで見守ってあげて欲しいの。悪い方に行かないように〗
ジーニ様は両手でハクのお顔を触って、おめ目を見てお話を続けてます。サーヤたちは、見てるしか出来ません。

『ぼくたちで?』
ハクのおめ目、うるうるしてます。

〖そうよ。ハクと、みんなで。お願いできるかしら?〗
ハクがジーニ様のおめ目から、サーヤや、みんなのおめ目を見ました。みんなで、うんうん!です。

『うん!ぼく、がんばるよ~』
〖そう。偉いわ、ハク〗
ハクが、涙をこらえて、真っ直ぐジーニ様のおめ目見て答えました。だから、サーヤたちも

「サーヤみょ!がんばりゅ!」
ぴゅいきゅい『『あそんだげるね!』』
『『森のこと教えてあげる!』』
『『『うんとねっ  がんばる!』』』
みゃ~『まかせてにゃ!』
きゅるるん『『『はいはいはい!』』』
『『『『わたちたちもいるよ!』』』』
みんなでがんばるよ!

〖ありがとう。いい子たちね〗
ジーニ様がハクから順番にみんなをなでなでしてくれます。

〖それとね、教育係をつけることにしたの。今のところ医神よ。この二匹は今、フェンリルではなくなってるわ。ただの仔犬よ。これから何になるかは、あなた達と、この二匹次第ね〗 

医神様が育てるの?それじゃあ

『ねぇねぇ、お名前はどうするの~?』
そうだよね?
「ちゅける?」
ぴゅいきゅい『『エリュしゃまがちゅけるの?』』
『『サーヤがつける?』』
『『『みんなでつける?』』』
みゃ~『つけないってことあるにゃ?』
みんなで聞きます。

〖そうね、お名前はあとでみんなでどうするか相談しましょう〗

そうだね。みんなで育てるんだもんね!
『うん!』
「あい!」
ぴゅいきゅい『『は~い』』
『『『『『わかりました~!』』』』』
みゃ!『はいにゃ!』
きゅるるん『『『『『『『は~
い』』』』』』』

〖うん。いいお返事ね。頑張ってね〗にこっ
もちろんだよ!それじゃあ~

「じーにしゃま、あにょね?」
もじもじ、ちらちら

〖いいわよ。抱っこしたいんでしょ?〗くすくす

さすがジーニ様!
「やっちゃ~あ」

わ~い!と、みんなで赤ちゃんの所に。そこには先においちゃんがいました。

『みんな、まだ目も開いてないからな。そっとだぞ』

そう言って一匹渡してくれました。もう一匹はおいちゃんの手の平です。
みんなで、なでなで。
わんちゃんたちキュンキュン泣いてます。

「いいこいいこ」

なでなでしてると、影が出来ました。ギン様に吹雪じぃじに、白雪です。三人とも泣きそうなお顔です。

『お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん』
ハクも心配そうです。

『バカもんどもが…!』
吹雪じぃじが、悲しそうに言います。
『親父』
ギン様はそんな吹雪じぃじのことを心配そうに見てます。
『これで良かったんですよ。きっと』
白雪が静かにそう言います。こうなるしかなかった。そんな感じです。

『あのね~?みんなでこれから、大切にしてあげたらいいと思うんだ~』
ハクが言います。そうだよね!みんながんばるよ!そしたらギン様たちも、

『そうだな。ハクの言う通りだ』
『これからだもんな』
『そうですね。ありがとうハク』
三人とも少し笑ってくれました。そして、

『ジーニ様、皆様、この度は我が一族が大変ご迷惑をお掛けしました』
『ご尽力頂きありがとうございました』
『私も助けていただいて、ありがとうございます』
三人が姿勢を正してから頭を下げて、ジーニ様達にお礼を言います。

〖いいのよ。私たちがここを聖域にしてしまったことも原因なんだしね。それよりも、大事なのはこれからよ〗
ジーニ様が、これからだって。そうだよね!これからが大事!うんうん。

ん?なんか?忘れてる?最近多いなぁ~。色々ありすぎだよ~ぉ。思い出そうとぐるっと見渡します。そして、あっ!大変!

「おいちゃん!あい!こにょこ」
おねがいします!
『おう!ちゃんと挨拶するんだぞ』
おいちゃんはお見通しです!
「あい!」

おいちゃんにわんちゃんを返して、走ります。ぽてぽて。

「しあしゃま~!」
〖サーヤ!〗
ぼすん!
シア様に抱きつきます。
そしたら、シア様もしゃがんでぎゅーしてくれました。

「しあしゃま~やっちょ、あえちゃ~!げんき、なっちゃ?」
みんな心配してたんだよ?

〖ありがとう。もう大丈夫よ。私もようやくサーヤに会うことが出来て嬉しいわ。元気そうですね〗うる

「あい!しあしゃまのおかげ!あいがちょ!」
シア様がフゥとクゥを見つけてくれて、スイとモモと一緒に落としたてくれたから、今、すっごい楽しいよ!

〖そう。良かった。あの時は本当に、ごめんなさいね。ううっ〗
シア様泣いちゃいました。

「だいじぶ!さーや、きにちにゃい!みんなにあえたにょ、しあしゃまのおかげ!だかりゃ、ないちゃ、めっ!」
泣かないで!

〖ふふ。そうね。ありがとう〗
シア様にまたぎゅーされました。優しいぎゅーです。うらやまけしからんお胸だけど、息ができます。
「しあしゃま、ごうかく!」
〖合格?なんのことだかわからないけど、ありがとう?〗
「あい!」にこっ

シア様にぎゅーっしてもらって、ニコニコしてたら、ひょいっと違う人に抱っこされました。

「うにゅ?」
あれぇ?

〖やっと会えた愛し子に、私にも挨拶させてください〗

あっ!

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