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153 水の中の精霊樹へ
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サーヤはフゥとクゥを道連れに、うへへへ~と夢の中。
『『助けて…』』
「ふへへへ…」すぴ~
おいちゃんとちびっこ同盟はわいわいしながら色々散策を楽しんでいる頃、
『おいちゃ~ん!これはどうかな~?』
ぴゅいきゅいっ『『これは?』』
『『これも見て~?』』
『『『これ、おいしい?』』』
『おーっ!みんな偉いな!全部使えるし、妖精トリオのは食えるぞ!』
『ほんと~?』
ぴゅいきゅいっ『『やった~!』』
『『もっと探すぞぉ!』』
『『『おーっ!』』』
精霊樹の精様とケルピーのじぃじたち、妖精たち泉の住人たちは水中の精霊樹の元へ来ていた。
『こんな所にいたのねぇ』
のんびりと暢気なことを言いながら、水の中で光を浴びる樹に触れて見上げる精霊樹の精様。
『精霊樹の精様、やはりこの樹は先程のお話の…』
遠慮がちに声をかけるケルピーのじぃじ。それを見守る泉の住人たち。お魚さんたちまでなんだなんだと見ているようだ。
『間違いないわぁ。あの時の種の子ねぇ。まさかこんな泉の底でこ~んなに育つなんて。びっくりねぇ。こんなに大きくなってぇ偉かったわねぇ』
そう言いながら樹を撫でるどこまでも暢気な精霊樹の精様。
『精霊樹の精様、この樹はこのままここにあって良いものなのでしょうかの?』
『地上に移さないで大丈夫でしょうかのぉ?』
じぃじたちが心配そうに聞く。
『大丈夫よぉ。というより、この子はもうここで役割りを持っているから、移せないわぁ』
ぽんぽんと幹を軽く叩きながら言う。
『え?役割ですかの?』
『それはどのようなものでしょうかのぉ…』
役割と聞いて驚いたじぃじと亀じぃ。妖精さんたちは口を開けてポカンとしている。
『この泉、明らかに他の泉と違うわよねぇ?水は清らかだし、貴重な花や水草、薬草がそこかしこに生えてるでしょう?これはここの地上が聖域になるずっと前からよねぇ?』
精霊樹の精様はここに来るまでの景色を思い出しながら話す。
じぃじと亀じぃは顔を見合せ
て昔を思い起こします。
『そういえば』
『その通りですのぉ』
『清らかな水に、豊かな水性植物、そして生き物』
『昔から確かに変わっておりませぬのぉ』
精霊樹の精様は頷く
『やっぱりねぇ。もう随分前から、この樹が水中に聖域に似たものを既に作っていたのよ。地上の精霊樹が土壌を豊かにし大気を清浄にし、豊かな実りをもたらし、小さな聖域を作るように、この樹はこの水中の土壌を豊かにし、大気の代わりに水を清浄にしていた。だから水はどこまでも澄み渡り、貴重な植物も育っている。言わば水の精霊樹という感じかしら。ねえ?』
そこで一度言葉を切り、水の妖精たちを見る。
『違うかしら?自称水の妖精さんたち?』
見つめられたいつも賑やかな水の妖精たちが何も言わずに黙りこんでしまった。
『『助けて…』』
「ふへへへ…」すぴ~
おいちゃんとちびっこ同盟はわいわいしながら色々散策を楽しんでいる頃、
『おいちゃ~ん!これはどうかな~?』
ぴゅいきゅいっ『『これは?』』
『『これも見て~?』』
『『『これ、おいしい?』』』
『おーっ!みんな偉いな!全部使えるし、妖精トリオのは食えるぞ!』
『ほんと~?』
ぴゅいきゅいっ『『やった~!』』
『『もっと探すぞぉ!』』
『『『おーっ!』』』
精霊樹の精様とケルピーのじぃじたち、妖精たち泉の住人たちは水中の精霊樹の元へ来ていた。
『こんな所にいたのねぇ』
のんびりと暢気なことを言いながら、水の中で光を浴びる樹に触れて見上げる精霊樹の精様。
『精霊樹の精様、やはりこの樹は先程のお話の…』
遠慮がちに声をかけるケルピーのじぃじ。それを見守る泉の住人たち。お魚さんたちまでなんだなんだと見ているようだ。
『間違いないわぁ。あの時の種の子ねぇ。まさかこんな泉の底でこ~んなに育つなんて。びっくりねぇ。こんなに大きくなってぇ偉かったわねぇ』
そう言いながら樹を撫でるどこまでも暢気な精霊樹の精様。
『精霊樹の精様、この樹はこのままここにあって良いものなのでしょうかの?』
『地上に移さないで大丈夫でしょうかのぉ?』
じぃじたちが心配そうに聞く。
『大丈夫よぉ。というより、この子はもうここで役割りを持っているから、移せないわぁ』
ぽんぽんと幹を軽く叩きながら言う。
『え?役割ですかの?』
『それはどのようなものでしょうかのぉ…』
役割と聞いて驚いたじぃじと亀じぃ。妖精さんたちは口を開けてポカンとしている。
『この泉、明らかに他の泉と違うわよねぇ?水は清らかだし、貴重な花や水草、薬草がそこかしこに生えてるでしょう?これはここの地上が聖域になるずっと前からよねぇ?』
精霊樹の精様はここに来るまでの景色を思い出しながら話す。
じぃじと亀じぃは顔を見合せ
て昔を思い起こします。
『そういえば』
『その通りですのぉ』
『清らかな水に、豊かな水性植物、そして生き物』
『昔から確かに変わっておりませぬのぉ』
精霊樹の精様は頷く
『やっぱりねぇ。もう随分前から、この樹が水中に聖域に似たものを既に作っていたのよ。地上の精霊樹が土壌を豊かにし大気を清浄にし、豊かな実りをもたらし、小さな聖域を作るように、この樹はこの水中の土壌を豊かにし、大気の代わりに水を清浄にしていた。だから水はどこまでも澄み渡り、貴重な植物も育っている。言わば水の精霊樹という感じかしら。ねえ?』
そこで一度言葉を切り、水の妖精たちを見る。
『違うかしら?自称水の妖精さんたち?』
見つめられたいつも賑やかな水の妖精たちが何も言わずに黙りこんでしまった。
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