上 下
37 / 681
連載

77 はみがきって?

しおりを挟む
   おばあちゃんとしていた体にいいことを聞かれたサーヤは、何を勘違いしたのかおばあちゃんとしていた日課を語り出した。まあ、あながち間違いではない?
   なんやかんやで、みんなのところに戻り、改めて皆で話を聞くことにした。
まずは二回出てきたからにはきっと重要だったのだろうと、

〖サーヤ、二回出てきた「はみがき」ってなあに?大事なこと?〗
ジーニ様が歯磨きについて聞きます。

「んちょ、はぶりゃちっちぇゆう、ちっちゃい、ぶりゃちで、はと、べりょ こちこち。むちばよびょう 、びょうきよぼう」
お口をいーってして、身振り手振り顔芸を混ぜて、はみがきを説明。

『はぶらし?それはなぁに?それが病気の予防になるのぉ?』
精霊樹の精様が不思議そうに聞いてきます。病気などの予防になるようだというのは分かったようだが

「あい。こーにょくりゃいにょ、ぼぉに」
顔の前で二本指を立てて棒の長さを説明。
「こぉにょくりゃい…」
ちっちゃい手でOKマークを作って大きさを示そうとするが、立ってる指三本が丸まってプルプルしている。ついでに片目も閉じてウインク状態。やはりぷるぷるしている。
そして、なぜか前のめりのつま先立ち。やっぱりぷるぷるぷるぷる。
そして、見ている皆の肩もぷるぷるしている。

「ちっちゃい  ぶりゃちで」
指をギザギザに動かしている。
歯ブラシの形を表現したいらしい。
「はちょ、べりょをこちこち」
歯をいーっと見せてこしこし、舌をあっかんべーと見せてこしこし?して見せているが、やりすぎたのか、
「うぎゅ!うぇー」
となっている。
フゥが慌てて駆け寄って背中をさすっている。
みんなは顔を背けてぶるぶるしている。
けほけほして落ち着いたサーヤが説明を再開。

「おくちにょにゃか、ばっちいちょ、むちばにゃりゅ だめだめ!うきゃーっ」
ムンクの叫び!!

ぴゅい?『むちば?』
きゅい?『にゃに?』
双子が何それ?と、同じ方向に首をこてん。
「ん~、む~…し!ばっ」はあはあ
し、が言えなくてはあはあしてるサーヤの背中をフゥがぽんぽん。
みんなはまた肩がぷるぷる。

「むちばきん」

『むしばから、むちばに戻ったのね』
なんですか?フゥ。

「むちばきん、はに くりょい あにゃ あけりゅ。いちゃいいちゃい。はいちゃちゃん、や!きゅいーん!ががががっ!やー!」

サーヤは頭に指で角を立ててから、ドワーフが穴を掘るような動きをして、耳に手を当てて、いやーとしゃがみこんでしまった。

その様子を見てちびっこ同盟は
『お父さ~ん』
ぴゅいきゅい『『いやーん』』
『『こわい~』』
『『『ぶるぶるぶる』』』
サーヤと一緒に震えている。わけは分からないが痛いのと怖いのは伝わったらしい。

『ん~、歯に黒い穴あける?確かに汚い冒険者とか見ると、歯がない奴とか多いか?』
『魔法使える冒険者とか、身綺麗にしてる冒険者は歯あったかも?』
フゥとクゥが見た事のある冒険者を思い出しながら言う。

〖だとすると、クリーンが有効なのかしら。歯の隙間や舌まできれいにするのなら、体にクリーンかける時一緒にやればいいかしらね?〗
う~んとジーニ様が推測すると
『ジーニ様。もしかして口の中だけは何か食べたらクリーンをかけた方がいいのでは?』
ギン様が更に推測を重ねる。
〖どういうこと?〗
『ちょっと、サーヤに聞いてみます。サーヤ』

そう言うとイヤーっとしゃがんだままのサーヤにギン様がたずねます。

「あい。なんでしゅか?ぎんしゃま」
『もしかして、ご飯の後、毎回そのはみがきをしていなかったか?』
食べた後に出てくるので、もしかしてと聞いてみたのだ。

「あい。たべちゃら、はみがち!はにょあいじゃ、ごみ、だめだめ。ちょくに、よりゅちょ、あちゃ おっきちたりゃ、じぇっちゃい!!むちばきんじゃにゃい、ばいきんみょいっっっぱい!びょうきにょもちょ!!」
サーヤは一生懸命に歯磨きしないとダメだと説明する。
虫歯菌もバイ菌も、怖い怖い病気の元です!

『やはりそうか。ありがとう。サーヤ』
「あい!」
サーヤはギン様の質問に答えられてにこにこしている。

『今の話から察するに、やはり食事によってついた汚れが虫歯という病気を引き起こすようですね。更に口の中には虫歯になる原因の他にも色々な病気の原因がいると。歯磨きによりその汚れを落とすことで虫歯予防、病気予防になるなら、やはり毎回した方が良さそうですね』
ギン様がサーヤの話を分析しながらまとめると、

〖そうね。歯の汚れは毎回クリーンをかけるとして、こしこし?してたってことは、多分マッサージ効果みたいのもあったのかもね。それは夜だけでもいいんじゃないかしら?〗
ジーニ様も頷きながら、違う可能性に目を向ける。

『でも何で?我々のような獣なら、そこらの木でもいいでしょうが…』
ギン様がごもっともな疑問を投げかけるが、みんな

〖『『『『う~ん⋯』』』』〗

一様に黙り込んでしまった。
そこへ、下からちょいちょいとクモのお母さんが。おしりから出した糸を丸めてみんなに見せている。

〖 『『『『あっ』』』』〗

「んにゅ?」
なあに?
クモのお母さんがみんなに糸を見せてくれます。

『そうか、マッサージだけなら、ちょうどいい硬さの糸をサーヤとクモさんで見つけてもらえばいいですね』
『じゃあ、はみがきはなんとかなりそうね~』
フゥと精霊樹の精様はこれで何とかなりそう!良かった~と喜んでいると、

〖クリーンの魔法は当面、私がかけるけど、早めに自分でできるように覚えてもらいましょう〗

「ふお?まほー?じーにしゃま、まほー、できりゅ?」
魔法と聞いて途端にサーヤのおめ目はキラキラ!
〖ええ。みんな一緒に練習しましょうね〗
「やっちゃ~!がんばりゅにぇ!」
わ~い!と、ぴょんぴょん。
〖ええ、期待してるわね〗
思わぬ所から、サーヤの魔法の練習開始が決定した。

『あとは、何を言ってましたっけ?』
フゥが歯磨きの他にも何かたくさん言ってましたよね?って、聞くと

『え~と、たしかぁ、おばあちゃんとたいそう?』
思い出しながら精霊樹の精様がいいます。

「あい。けがちないように、じゅんびたいしょう。いち、に、しゃん、ち。ごう、りょく、にゃにゃ、はち」
号令をかけながら奇妙な動きをするサーヤに、みんなが首をひねっていると

『とにかく、怪我をしないためなら、後で一緒にやってみよう』
アルコン様が人型のもの達に目配せをすると、みんなが頷く。そして、

きゅい『にわとりと、たまご?』
スイが次はぼくだよ!って質問してきました。
「こけこっこー なく、とりしゃん。あしゃに、ちゃまご うんじぇくりぇりゅにょ」
コケコッコーと鳥が歩く真似してからお尻ふりふり。もしかして卵産むまね?
『なるほど、鳥を飼育して、卵をあさに収穫してたのか。それなら毎日新鮮だもんな』
クゥが納得しています。

ぴゅい『じゃあ、モーモーさんとミルク?』
「おちょなりのおいちゃんの、もーってなく、うししゃん、おちち  ちぼりゅ」
両手出してしゅっしゅっ。乳搾り?

『ん~?母乳を出す動物をお隣のおじさんが飼育してて、お乳をもらってたってことぉ?』
精霊樹の精様が話を整理しようとしてます。
『この世界にもいるか?』
アルコン様、もっともな疑問。
『あ~いたかもぉ。でも、けっこう大きい動物だったわよねぇ?飼えるのかしらぁ?』
『どうだろな?』
〖どの道、家畜はあとよ。探さなきゃいけないもの〗
ジーニ様の一言で家畜関係は一旦保留になりました。

ぴゅいきゅい『『はたけと、やしゃいは?』』
「だいこん♪ちょまちょ、に~んじん♪ほかにみょ い~っぱい!」
サーヤが歌いながら説明します。

『くっく  これは、畑作らなきゃな。種はサーヤが出せるんだろ?』
『そうですね。後で畑にする場所を見に行きましょう』
アルコン様とギン様が楽しそうにするサーヤを見て、これは急がないとな。って言ってます。更に

「おこめ♪だいじゅ♪お~ちゃ♪」
〖お茶?お茶は飲み物じゃなかったの?〗
「はっぱかりゃ、できりゅの」
〖そうなのね〗
「あい!けんこう!びよう?」
〖作りましょう!〗
美容と聞いて飛びついたが、
『ジーニ様、まずは魔力きたえてからよぉ』
〖も、勿論よ ほほほ〗
精霊樹の精様からツッコミが…

『あとはぁ?』
〖『ゆずの化粧水!!』 〗
「ほぇ?」
今度はジーニ様だけじゃなくてフゥまで食いついた!
『サーヤ、言ってたわよね?』
「あ、あい」
フゥが近いです!
〖他にも何か塗ってなかった?〗
ジーニ様も近いです!
「え、えちょ、ゆじゅのたにぇちょ、なにかまじぇりゅ」
『柚の種と何か?たぶん、異世界辞書で分かるわね』
〖ふふふ。楽しみねぇ〗
こ、こわこわこわ

「あ、あちょ、はちみちゅちょ、あぶりゃ?いりょいりょできりゅ」
〖『はちみつ!?』〗
ぐりっと二つの首が蜂の女王様へ。女王様が突然話を振られてビクッとしている。更に追い打ちをかけるように
『あ~そうよねぇ。私の髪もお肌も蜂さんのおかげでツルツルだものね~』と精霊樹の精様が…

〖そう…〗
『そうなんですか。詳しく聞かないといけないですね』
〖『うふふふふふふ』〗
こ、こわこわこわこわっっ

「は、はちのじょおうしゃま ごめにぇ~」
サーヤは失敗したことに気づいた!
巻き込んじゃったはちの女王様と抱き合って震えていると、
『……』
女王様はぷるぷると首を振ってくれます

こ、こわいよ~
がくがくぶるぶる

しおりを挟む
感想 1,692

あなたにおすすめの小説

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。 10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!! 江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。 先生、ありがとうございます。 今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。       ********* 小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。 次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。 そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。 すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。 そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。 ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。 そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!

ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち? 突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯? ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ 『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。 よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!

ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。 一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて? 主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍? 「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」 『わふっ』 もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!

異世界でチート無双! いやいや神の使いのミスによる、僕の相棒もふもふの成長物語

ありぽん
ファンタジー
ある異世界で生きるアーベル。アーベルにはある秘密があった。何故か彼は地球での記憶をそのままに転生していたのだ。 彼の地球での一生は、仕事ばかりで家族を顧みず、そのせいで彼の周りからは人が離れていき。最後は1人きりで寿命を終えるという寂しいもので。 そのため新たな人生は、家族のために生きようと誓い、そしてできるならばまったりと暮らしたいと思っていた。   そんなマーベルは5歳の誕生日を迎え、神からの贈り物を授かるために教会へ。しかし同じ歳の子供達が、さまざまな素晴らしい力を授かる中、何故かアーベルが授かった力はあまりにも弱く。 だがアーベルはまったく気にならなかった。何故なら授かった力は、彼にとっては素晴らしい物だったからだ。 その力を使い、家族にもふもふ魔獣達を迎え、充実した生活を送っていたアーベル。 しかし変化の時は突然訪れた。そしてその変化により、彼ともふもふ魔獣達の理想としている生活から徐々に離れ始め? これはアーベルの成長物語、いやいや彼のもふもふ達の成長物語である。

エリアスとドラゴンともふもふは、今日も元気に遊んでいます!?

ありぽん
ファンタジー
 アルフォート家の3男、エリアス・アルフォート3歳は、毎日楽しく屋敷の広い広い庭を、お友達のぷるちゃん(スライム)とウルちゃん(ホワイトウルフ)と一緒に走り回っておりました。  そして4歳の誕生日の日。この日は庭でエリアスの誕生日パーティーが開かれていました。その時何処からかエリアスの事を呼ぶ声が。その声を前に聞いた事があるエリアスは、声のする庭の奥へ、ぷるちゃんとウルちゃんと3人進んで行きます。そこでエリアス達を待っていたものは?  剣と魔法そしてもふもふの溢れる世界で、繰り広げられるエリアスの大冒険。周りを巻き込みながら、今日もエリアスはやらかします! *エリアス本人登場は2話からとなります。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。