上 下
22 / 681
連載

62 双子の自己紹介。そして、お父さんは?

しおりを挟む
『さあ、二人とも』
『ご挨拶しましょう』
さっきからモジモジしてフゥとクゥの足に隠れている双子。
そろ~っと半分顔を出しては、ぴゅって引っ込んで、またそろ~って出てます。
フゥとクゥが頑張れ!と前に押し出します。それでも緊張して固まってる双子の頭をフゥとクゥがぽんぽんってすると…

ぴゅいきゅい?『『お、おとうしゃん?』』
ぴゅぴゅ『モモでしゅ』
きゅきゅ『スイでしゅ』
ぴゅいきゅい『『はじめまちて』』
フゥとクゥを見たりお父さんを見たり、不安そうにしながらごあいさつ出来ました。

『ああ。はじめましてだな。モモとスイ、サーヤに名前をつけてもらったのか?』
お父さんの方も、なんだかカチコチです。

ぴゅいきゅい『『そうだよ』』
双子もなんとか頑張ってお話してます。

『そうか。良い名をつけてもらったな』
少しにっこり笑ってお父さんが言うと、安心したのか、嬉しかったのか、一気に…

きゅぴゅ『『あい!』』
きゅいきゅい『サーヤおなまえ、かんがえてくれたの』
ぴゅいぴゅい『サーヤあったかいの』
きゅいぴゅい!『だいすきなの!』
ぴゅいぴゅい『フゥとクゥも!』
きゅいきゅい『やさしいの!』
ぴゅいぴゅい『サーヤとモモとスイ』
きゅいきゅい『おそらから、いっちょにおちてたの!』
きゅいぴゅい『『たしゅけてくれたの!』』
パーッと、おめめキラキラさせてモモとスイは堰を切ったよう話し出しました。こんなことしてもらったんだよって、サーヤとフゥ、クゥの自慢話が混ざってます。

「さーにゃも、みんにゃだいすち!」
ぴゅいきゅい~『『うん!だいすき!』』
『ふ、二人とも落ち着いて』
『そうだぞ!ゆっくりな』
『サーヤも今はダメよ』
「あい。ごめしゃい」
お顔を真っ赤にしたフゥとクゥが慌てて止めてます。

『ははは、そうかそうか。フゥ、クゥ、子らが危ないところ助けてもらったのだな。ありがとう』
お父さんはお礼を言ってくれます。すごく偉いドラゴンさんにお礼を言われちゃったフゥとクゥはもうワタワタです。それで

『い、いえ 気にしないで下さい』
『そうです。それにおれたちもサーヤに頼まれて助けたんです!』
『だから、お礼ならサーヤに!』
なんて、言うんだよ。

「ふにゅ?どちて?さーにゃ、にゃにもちてにゃい何もしてない。ふぅ、くぅが、たしゅけちゃ助けた
 サーヤは何もしてないよ?落ちてただけだよ?

『ふふ …いいや。サーヤも命の恩人だ。ありがとう』
お父さんがサーヤにもありがとうしてくれました。

「うにゅ~?まっいっかぁ」にぱっ
何にもしてないけど~。あっ!そうだ!

「ももちょ、すいにょ、おとうしゃま、じゅっちょいっちょずっと一緒いちぇくりぇりゅいてくれる?」
大事な事聞かなきゃ!

『ああ。ずっと一緒にいる。主神様からも双子を鍛えるように言われているからな』
おお!そうなんだね!やっぱり親子は一緒がいいよ!イル様えらい!

「しょっかぁ。よかっちゃね~もも、すい。いっちょだって!」
これからずっと一緒にいられるよ!

きゅぴゅ『『うん!うれちい!!』』
良かったね!

そうとなったら、てしてし。てしてし。おぉ!お胸も腕もすごい筋肉!!細く見えるのに!
  
『ん?なにかな?サーヤ』
お胸をてしてしして双子のお父さんにお願いします。

「ももちょ、すいにょおとうしゃま、おろちて?」
気がついたらサーヤはずっと抱っこされっぱなしでした。

『はい、いいですよ』
優しくおろしてくれる双子のお父さん。てててと双子に走りよったサーヤは、今度は双子をお父さんの前に連れてって、

「ももちょ、すいみょ、だっこ!」
にこにこしながら双子とお父さんを見て、今度は双子の番だよ!ってつたえます。サーヤが抱っこしてもらったんだから、スイとモモも抱っこしてもらわなきゃ!そもそも順番逆だよね?モモとスイごめんね。
 
『え?』
ぴゅいきゅい『『ええ?』』
でも、これには双子もお父さんも固まってしまった。なにせ、親子なのに初対面なのだ。お互いにどうしていいか分からない。

「う?」
だが、そんなことはサーヤには分からない。早い話、おかまいなし!

「だっこ ちにゃいにょ?」うりゅう
なんで『え?』なの?

周りもハラハラである。
そんな中、魔神がひょいっと双子を抱き上げ、有無を言わさず父親の腕に双子を抱かせた!

〖まったくいい歳して何を子供相手に緊張してるの。ほら!ちゃんと抱きしめてあげなさい〗
さすがジーニ様!

最初は豆鉄砲くらったような顔をしていた父親も、ぎこちなく笑いながら双子を抱き直した。

『子らよ……』
「ももちょ、すいにゃにょ!」

あまりに硬い言い方にサーヤが突っ込んだ!

『そうであったな、モモ、スイ』

苦笑いしながら言い直した双子のお父さんに、サーヤは短い腕を組んで、うんうん。と頷き
『組めてないよな?』
『組めてないわね』
〖かわいいからいいのよ~♪〗
その様子にフゥとクゥが突っ込めば
ジーニ様も突っ込む。

『今まですまなかった。まさか神界で保護されていたとは…これからは私もここにいる。一緒にやっていこう。よろしくな』

双子が父親とサーヤを交互に見る。サーヤはにこにこ、父親は困ったように笑っている。

ぴゅ『おとうしゃん』
きゅ『いっしょ?』
『ああ。そうだ』

さっきも一緒って言ってたよ!

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、ちゅよい?』』
『ん?まあ、ドラゴンの中では強い方か?』
お父さんが軽くそう言うと

〖何言ってんのよ…ドラゴンどころか地上最強でしょうに〗
呆れたように魔神が言い返した。

ぴゅきゅ『『え?』』
『いやいや』
双子はジーニ様の言葉に驚いて、お父さんの方は、なんだか気まずそうにいやいや、って言ってます。なんか、変?

つんつん。
〖なあに?サーヤ〗
下からつんつんされているのに気づいたジーニ様。サーヤを抱き上げながら聞いてくれます。

「じーにしゃま、すいちょ、ももにょおとうしゃまちゅよい?」
最強って言ったよね?

〖強いわよ~。何せ主神が作り出した最初の神獣、エンシェントドラゴンだもの〗
「しんじゅう?ぎんしゃまちょ、いっちょ?」
〖そうね。でも、ギンのずっとずっと先輩ね〗
「しょっか~」
すごいんだね~

〖何百年前だったかしら?どっかのバカがあいつを怒らせてね?地上には抑えられる奴がいなくて、私たち神が数人がかりで抑えたのよ~懐かしいわ~。ねぇ?〗
心無しか魔神の笑顔が怖い。

『ハハハ  若気の至りですよ。あの時は申し訳なかった』
困ったように笑うお父さんだけど

〖ホントよまったく。あんたのおかげで山脈がいくつ無くなったと思ってるのよ。後始末大変だったんだからね 〗 
ジーニ様のボヤキは止まらない。

『いや、まことに申し訳ない』
魔神はぷんぷん、父親は苦笑い。軽い感じで話しているとんでもない内容に周りは口を開けてポカーンとしている。

「しゃんみゃく?にゃに?」
〖たっくさんのお山がある所よ〗
サーヤが周りを見る。
そういえば空の上から見たときもあんまり山はなかったような?きょろきょろしながら
「おやま、ないにょ?」
〖そうよぉ。この辺りの山、み~んなこいつが壊しちゃったのよ!まったく!〗
ジーニ様、更にぷんぷん!

『『…………』』
爆弾発言である。みんな呆然とする中、逆に目を輝かせる一団が……

「しゅご~い!」
『スイたちのお父さんつよいんだね~』
『『すご~い』』
『『『どうやったの~?』』』

最後、なんだか聞いてはいけない質問が…

『ん?ドラゴンブレスでな?こう、ぐわっと』

『『『みせて~』』』
いやいや!やめてくれ!妖精トリオ!!

ぴゅ『おとうしゃん』てしてし
きゅ『おとうしゃん』ぱしぱし
話を聞いていたモモとスイは、でお父さんを呼ぶと

『ん?なんだ?』

ぴゅぴゅ『わたちたちもできる?』
きゅきゅ『ちゅよくなる?』
キラキラおめめで聞く

『強くなりたいか?』

きゅ『なりたい!』
ぴゅ『なるの!』
きゅぴゅ『『サーヤまもるの!!』』
双子は力強く答える

『そうか』
我が子らの言葉に笑顔が広がる

きゅ『おしえてなの!』
ぴゅ『つよくしてなの!』
双子が真剣なおめ目でお願いすると

『もちろんだ。一緒に頑張ろう』
お父さんは今日一番の笑顔で応える

きゅい『ほんと?』
ぴゅい『おしえてくれる?』

『ああ』
とってもいい笑顔です。

きゅぴゅー!『『やった~!!』』

どうやら親子上手くやれそうである。ただし、

〖また、この辺り無くならないといいわね〗
 ふぅ。とため息をつく魔神。

この森の主、ギン様は切に願った。
やめてくれ…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!

ありぽん
ファンタジー
[お知らせ] 書籍化決定!! 皆様、応援ありがとうございます!!      2023年03月20日頃出荷予定です!! 詳しくは今後の刊行予定をご覧ください。  施設で暮らす中学1年生の長瀬蓮。毎日施設の人間にいいように使われる蓮は、今日もいつものように、施設の雑用を押し付けられ。ようやく自分の部屋へ戻った時には、夜22時を過ぎていた。  そして自分お部屋へ戻り、宿題をやる前に少し休みたいと、ベッドに倒れ込んだ瞬間それは起こった。  強い光が蓮を包み込み、あまりの強い光に目をつぶる蓮。ようやく光が止んできたのが分かりそっと目を開けると…。そこは今まで蓮が居た自分の部屋ではなく、木々が生い茂る場所で。しかも何か体に違和感をおぼえ。  これは蓮が神様の手違いにより異世界に飛ばされ、そこで沢山の友達(もふもふ)と出会い、幸せに暮らす物語。 HOTランキングに載せていただきました。皆様ありがとうございます!! お気に入り登録2500ありがとうございます!!

転生美女は元おばあちゃん!同じ世界に転生した孫を守る為、エルフ姉妹ともふもふたちと冒険者になります!

ひより のどか
ファンタジー
目が覚めたら知らない世界に。しかもここはこの世界の神様達がいる天界らしい。そこで驚くべき話を聞かされる。 私は前の世界で孫を守って死に、この世界に転生したが、ある事情で長いこと眠っていたこと。 そして、可愛い孫も、なんと隣人までもがこの世界に転生し、今は地上で暮らしていること。 早く孫たちの元へ行きたいが、そうもいかない事情が⋯ 私は孫を守るため、孫に会うまでに強くなることを決意する。 『待っていて私のかわいい子⋯必ず、強くなって会いに行くから』 そのために私は⋯ 『地上に降りて冒険者になる!』 これは転生して若返ったおばあちゃんが、可愛い孫を今度こそ守るため、冒険者になって活躍するお話⋯ ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ こちらは『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』のスピンオフとなります。おばあちゃんこと凛さんが主人公! が、こちらだけでも楽しんでいただけるように頑張ります。『転生初日に~』共々、よろしくお願いいたします。 また、全くの別のお話『小さな小さな花うさぎさん達に誘われて』というお話も始めました。 こちらも、よろしくお願いします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!

ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち? 突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯? ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ 『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。 よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。 10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!! 江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。 先生、ありがとうございます。 今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。       ********* 小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。 次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。 そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。 すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。 そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。 ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。 そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。

小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!

ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。 一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて? 主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍? 「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」 『わふっ』 もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。