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ある日の節分日記 番外編
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ある日
ピカーっ
〖のんちゃん、みんな~〗
〖豆まきするのじゃ〗
またまた神様がやって来ました。しかも二人仲良く。
「あ~ぱぁぱ、ぐりゃんぱ、おかいり~♪」
『『『『『おかえりなさいですーっ』』』』』
〖わあっどうしたの?〗
〖どろんこじゃの〗
「おちろーっ」
『ぴよ~ぴよ~(聖十郎がね~砂場作ってくれたんだよ~)』
『それで、今日は週に一度の泥んこデーなのよね』
「あい!」
みんながのんちゃんとちびっ子を見守ってます。
『いくらクリーンの魔法があるっていってもねぇ、毎回泥んこはねぇ。だから、砂場に水を入れていい日は週に一度だけって決めたんだよ』
『それで今はお城を作っていて、もうすぐ』
「とんねりゅ!」
『きゃんっ(もうすぐ~)』しゃかしゃか
『こんっ(かいつ~)』さくさく
『きゅんっ(いくよ~えいっ)』ずぼっ
「かいちゅ~わあいっ」ぱちぱちぱち
『『『きゅんっ(やった~♪)』』』
ぽむちゃんと、いなりちゃんが、ここ掘れわんわんとばかりに両側から掘って、最後にあんみつちゃんがズボッと開通!
〖〖おお~やったね(の)〗〗
『『『おめでとう~』』』
「ありがちょ」
『『『きゅいっ(がんばった~)』』』
『ぴよ~(すごいすごい~)』
みんなが拍手でお祝い!
『あら?神様たちまた来てたの?』
『今日はどうしたの?』
森の中から狩りに行っていたねぇねたちも帰ってきました。
〖そうそう。豆まきだよ〗
〖そうじゃ。のんちゃん、豆まきやろう〗
「ほえ?おには~しょと?」
〖そうじゃ!福は~内じゃ!豆も升も鬼のお面も持って来たんじゃ〗
「ふお~やりょう!」
豆まき!
『豆まきって節分ってやつかい?』
〖おや、ママは知ってたのかい?〗
〖聖一郎かの〗
『そうだよ。待っといてくれ。たしか···あ』
〖〖あ?〗〗
珍しくママがピタっと停止しました。
『どうしたの?ママ』
『何かあるのかい?』
『主、あそこだよ。封印の間···』ギギギ
『あ』ピシッ
〖〖『封印の間ぁ?』〗〗
「う?」
ふういん?ママとパパかちかち?
『ぴ~ぴよ~(あ~あれかな~?)』
「ひまちゃん?にゃぁに?」
『ぴよ~ぴよぴよ~?(あのね~聖一朗の奥さんがね~これはやり過ぎ!って怒って聖一朗から取り上げた物をしまう部屋があったような~?)』
「ほあっ?」
やり過ぎ?
『ぴよ~ぴよ~(そう~。だからね~子どもたちからは『やりすぎ部屋』って呼ばれてたんだ~。子どもたちは大きくなってお母さんのお許しが出るまで立ち入り禁止だったんだよ~)』
〖聖一朗···またかのぉ〗がくぅ
『なんか、聞けば聞くほどとんでもない人だったのね』
『え~そこに封印されてるもの気になる~』
『陽葵、どんな物がその部屋に入れられたんですか?』
『すごい危ないものとかかな?』
ねぇねたちは部屋の物が気になるみたいです。
『ぴよ~(えっとね~危ないものもあるけど~)』
『『『『けど?』』』』
『ぴよ~(大概は~子どもたちを喜ばそうと思って聖一朗が張り切るんだけど~)』
『『『『だけど?』』』』
『ぴよ~ぴよぉ~(やり過ぎて泣かせちゃうんだよね~。そういうのは一発でやりすぎ部屋行きで~必ず聖一朗が頭におっきなたんこぶ作って寝てるんだよ~ぷしゅ~って)』
「ふおお?」
『『『···っ』』』ぷるぷるぷる
もしかしてこわこわ?
〖聖一朗よ···〗はぁぁ
『『『『だめだめじゃん···』』』』
ねぇねたちのお目目が、チベットスナギツネみたいになってるよ
『どうする主?見に行くかい?』
『やめておこうか···』
それが正解かも
〖ちなみにグランパがお持ちになったのは?〗こそ
〖ワシか?ワシのは恐らくかわいい方だと思うがの?〗こそこそ
〖どれどれ?···これは、逆に可愛すぎでは?〗
〖のんちゃんが怖がったら嫌じゃろ?〗
〖まあ、そうですが、可愛すぎて豆をぶつけられないのでは···〗
〖三人分でちょうど良いと思ったんじゃがのぉ〗
『『『かわいいです』』』ひょこ
『『『のんちゃんにかぶって欲しいです』』』ひょい
『『『ですです』』』ぴょこ
〖〖わっ〗〗
〖家妖精たち···見られちゃったかぁ〗
〖やっぱり可愛すぎかの~〗
『『『これに合わせてお洋服作るです』』』
『『『ですです』』』
ぴくっ
『どれどれ。···作ろう。ちなみにグランパ、どんな服か分かるかい?』
ママが反応してやってきた。
〖ん?これじゃよ〗ピッ
グランパが取り出したスマホで見せたそれは··
ゴ〇ピ〇ドン···
そりゃ、怖くない
『ちなみにホントの鬼は?』
〖こんな感じじゃな〗ぴっぴっぴっ
『『『ひゃあですぅ!』』』ぶるぶる
『『『こわいですぅ!』』』ぶるぶる
『こりゃあ、ちびっこは泣くねぇ』
〖じゃろ?じゃからのこんな感じでちょいとかわいく〗ピッピッピッ
『ふんふん。この位なら···ねぇ、白騎士たち、ちょいと』こいこい
『『『はい』』』
手招きして呼ばれた白騎士たちは
『『『わ、何ですか、これ?』』』
初めて見るスマホに驚きつつ
『まあまあ、それよりこんな感じのお面作れないかい?のんたちが泣かないくらいの』
『うん。この位でしたら』
『大した手間じゃないですね』
『いくつ必要ですか?』
〖ならのぉ···〗
『『『分かりました。行ってきます』』』
『私らも行くよ。ちび共』
『『『はいです!』』』
『忙しくなるねぇ。ご飯も作らないといけないしねぇ』いそいそ
ひとしきり相談していた面々が別れていくと
「いっちゃったにぇ」
『行っちゃったね。どうしようか?』
『グランパ、何かお土産ないの?』
〖あるぞい。元和菓子職人がワシの宮で働いてくれていての。有名和菓子屋に負けぬ菓子を作ってくれるんじゃよ。今日は最中と練り切りじゃ。汁子もあるぞ〗にこにこ
「ふおお」きらきら
『きゅ~ん♪(おしるこ~♪)』きらきら
あんこ~♪あんみつちゃんもあんこ好きだもんね!
〖口直しにこれも元煎餅職人が作った手焼きせんべいもあるぞい〗にこにこ
「ふおおっ」きらきら
おせんべ~
〖ちゃんとのんちゃんにも食べられる硬さにしてもらったからの〗
「ふおおっ」きらきら
やった~♪
『ふふ。それじゃあ綺麗にしてお茶にしようか』
「あ~い!」
『ぴよ~(いこ~)』
『『『きゅん(おかし~♪)』』』
〖たのしみじゃの~〗
こうしてのんびりお茶をしながら待っていると
『待たせたね!のん!お着替えだよ!』スパーンっ
『『『着替えるです!』』』
『『『ですです!』』』
「ふおお?」ずびっ
お茶こぼさなくて良かった
そして
『『『かわいいです~♪』』』
『うんうん。さすがに虎柄かぼちゃパンツ一枚じゃねぇ。ワンショルダーのワンピースにしたよ』
「えへ?」ドドン♪
太鼓もあるよ!お面は頭に斜めについてるよ!ちなみにピンクの髪の鬼さんです!
〖じゃあ、暗くなる前に始めようかの。よいか?豆を巻いたら素早く窓を開け閉めるんじゃよ〗
「あい!」ぴしっ
〖鬼は~外!〗ばらばら
「おには~しょと!」ぺいっ
〖福は~内!〗ばらばら
「ふくは~うち!」ぱらっ
『えいっ』ぴしゃ
せっかくお家に来てくれた福の神が出てかないように!追い出した鬼さんが戻って来ませんように!
〖ふふ。面白い風習ですね。どんどん行こう~!〗
「おー!」
『『『『おー!』』』』
楽しいな~♪
このあと
『悪い子はどこだ~』
『みんなと仲良くできない子はどこだ~』
『お残しする子はどこだ~』
自作のあんまり怖くない鬼のお面をかぶり、ギリシャ彫刻のような美しい上半身を晒した虎柄の腰布を巻いた白騎士さんたちが鬼役で登場したが
「···おに、ちやう」
〖···違うのぉ〗
美しすぎる鬼に固まるのんちゃんとグランパ···
『う~ん、やっぱりワンショルダーのチュニック位にすべきだったかねぇ』
『『『ですです』』』
『ちょっと、豆当てにくいわね』
『そうだな』
みんな美しすぎる鬼に困惑···
『『『え、ええと、皆さん、そんなこと言わず···』』』
思わず鬼約がこう言うほどのなんとも言えない間が···
〖ま、まあ、ほら、とにかく鬼には違いないんだから、追い返さないと~、ね?〗
ぱぁぱの必死のフォローで
「しょ、しょっか、おにしゃん、ごめしゃい!みんないい子だもん!おには~しょと~」ぺしっ
『『『きゃんっ(なかよちだもんっおには~しょと)』』』ぱしっ
『『『おいしいからおのこししないぴょんっ!鬼は~外っ』』』ぱらっ
『『『そうだよ!福は~内!』』』ぱらぱら
『ぴよ~(鬼はあっちいけ~福はうち~)』
『『『『そうだそうだ~福は内~』』』』
『わああ豆だ~』
『目を潰されるぞ~』
『逃げろ~』
棒読みなセリフを残して、鬼さん達は逃げていきました。
「かっちゃ!」ふんすっ
『『『『わ~い♪』』』』
みんなでバンザイです!
〖ほっほっほっ、来年は人選も考えねばのぉ〗
〖そうですね~〗
『さあさ、それじゃ、恵方巻きの用意しようかねぇ』
『『『ですです』』』
そして
『恵方も何も神様がここにいるからねぇ』
〖じゃあ、東北東のやや東、この辺りにいようかの〗
〖え?私もですか?〗
というわけで
「『『『『···』』』』」もくもくもくもく
〖〖···〗〗もぐもぐ
みんなは無言で神様を見つめながら食べ、神様たちは向かい合って食べると言う奇妙な光景が出来上がりましたとさ。
「ぷはぁっくるち」
『ぴよ~(のんちゃん、息はしてよかったんだよ~)』
「あい」
分かってるけど難しいね。それから
「おまめ、みっちゅ」
年+ひとつじゃあっという間だね。
ママたちは
『ふふふ。私らは遠慮するよ』
『そうよね。私たちは永遠に二十代だけどね』
『『ふふふ』』
うん。聞いちゃダメなやつだね。
パパたちは
『お腹はち切れちゃうからね。遠慮しとくよ』
〖〖同じく〗〗
そうだね。お腹からお豆バーンは恐いね。
そんなこんなで、無事に豆まき終了です。
「たのちかった♪」にぱ
〖それは良かったのじゃ〗にこにこ
余談
『悪い子はいねが~』ぱしんっ
襖を勢いよく開け地が震えるような低い声と共に現れたのは···
もじゃもじゃの長い黒髪を振り回し、赤い大きな顔に、ピカーっと光を放つつり上がった大きな目、大きな牙を生やした口からはスモークが。背後には何かおどろおどろしいオーラが···
太くて真っ赤な腕、大きく振り上げた右手に鎌、左手に棍棒···
『『『ぴょあああああっ』』』
『あなた··!』どこんっ
『ぐえっ』ばたん ぷしゅー
『没収です』べりっ
『うぅぅ···』ぱたり
『ぴよ~(よせばいいのにね~)』
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
節分、ちょっと過ぎてますが、お許しください。
ピカーっ
〖のんちゃん、みんな~〗
〖豆まきするのじゃ〗
またまた神様がやって来ました。しかも二人仲良く。
「あ~ぱぁぱ、ぐりゃんぱ、おかいり~♪」
『『『『『おかえりなさいですーっ』』』』』
〖わあっどうしたの?〗
〖どろんこじゃの〗
「おちろーっ」
『ぴよ~ぴよ~(聖十郎がね~砂場作ってくれたんだよ~)』
『それで、今日は週に一度の泥んこデーなのよね』
「あい!」
みんながのんちゃんとちびっ子を見守ってます。
『いくらクリーンの魔法があるっていってもねぇ、毎回泥んこはねぇ。だから、砂場に水を入れていい日は週に一度だけって決めたんだよ』
『それで今はお城を作っていて、もうすぐ』
「とんねりゅ!」
『きゃんっ(もうすぐ~)』しゃかしゃか
『こんっ(かいつ~)』さくさく
『きゅんっ(いくよ~えいっ)』ずぼっ
「かいちゅ~わあいっ」ぱちぱちぱち
『『『きゅんっ(やった~♪)』』』
ぽむちゃんと、いなりちゃんが、ここ掘れわんわんとばかりに両側から掘って、最後にあんみつちゃんがズボッと開通!
〖〖おお~やったね(の)〗〗
『『『おめでとう~』』』
「ありがちょ」
『『『きゅいっ(がんばった~)』』』
『ぴよ~(すごいすごい~)』
みんなが拍手でお祝い!
『あら?神様たちまた来てたの?』
『今日はどうしたの?』
森の中から狩りに行っていたねぇねたちも帰ってきました。
〖そうそう。豆まきだよ〗
〖そうじゃ。のんちゃん、豆まきやろう〗
「ほえ?おには~しょと?」
〖そうじゃ!福は~内じゃ!豆も升も鬼のお面も持って来たんじゃ〗
「ふお~やりょう!」
豆まき!
『豆まきって節分ってやつかい?』
〖おや、ママは知ってたのかい?〗
〖聖一郎かの〗
『そうだよ。待っといてくれ。たしか···あ』
〖〖あ?〗〗
珍しくママがピタっと停止しました。
『どうしたの?ママ』
『何かあるのかい?』
『主、あそこだよ。封印の間···』ギギギ
『あ』ピシッ
〖〖『封印の間ぁ?』〗〗
「う?」
ふういん?ママとパパかちかち?
『ぴ~ぴよ~(あ~あれかな~?)』
「ひまちゃん?にゃぁに?」
『ぴよ~ぴよぴよ~?(あのね~聖一朗の奥さんがね~これはやり過ぎ!って怒って聖一朗から取り上げた物をしまう部屋があったような~?)』
「ほあっ?」
やり過ぎ?
『ぴよ~ぴよ~(そう~。だからね~子どもたちからは『やりすぎ部屋』って呼ばれてたんだ~。子どもたちは大きくなってお母さんのお許しが出るまで立ち入り禁止だったんだよ~)』
〖聖一朗···またかのぉ〗がくぅ
『なんか、聞けば聞くほどとんでもない人だったのね』
『え~そこに封印されてるもの気になる~』
『陽葵、どんな物がその部屋に入れられたんですか?』
『すごい危ないものとかかな?』
ねぇねたちは部屋の物が気になるみたいです。
『ぴよ~(えっとね~危ないものもあるけど~)』
『『『『けど?』』』』
『ぴよ~(大概は~子どもたちを喜ばそうと思って聖一朗が張り切るんだけど~)』
『『『『だけど?』』』』
『ぴよ~ぴよぉ~(やり過ぎて泣かせちゃうんだよね~。そういうのは一発でやりすぎ部屋行きで~必ず聖一朗が頭におっきなたんこぶ作って寝てるんだよ~ぷしゅ~って)』
「ふおお?」
『『『···っ』』』ぷるぷるぷる
もしかしてこわこわ?
〖聖一朗よ···〗はぁぁ
『『『『だめだめじゃん···』』』』
ねぇねたちのお目目が、チベットスナギツネみたいになってるよ
『どうする主?見に行くかい?』
『やめておこうか···』
それが正解かも
〖ちなみにグランパがお持ちになったのは?〗こそ
〖ワシか?ワシのは恐らくかわいい方だと思うがの?〗こそこそ
〖どれどれ?···これは、逆に可愛すぎでは?〗
〖のんちゃんが怖がったら嫌じゃろ?〗
〖まあ、そうですが、可愛すぎて豆をぶつけられないのでは···〗
〖三人分でちょうど良いと思ったんじゃがのぉ〗
『『『かわいいです』』』ひょこ
『『『のんちゃんにかぶって欲しいです』』』ひょい
『『『ですです』』』ぴょこ
〖〖わっ〗〗
〖家妖精たち···見られちゃったかぁ〗
〖やっぱり可愛すぎかの~〗
『『『これに合わせてお洋服作るです』』』
『『『ですです』』』
ぴくっ
『どれどれ。···作ろう。ちなみにグランパ、どんな服か分かるかい?』
ママが反応してやってきた。
〖ん?これじゃよ〗ピッ
グランパが取り出したスマホで見せたそれは··
ゴ〇ピ〇ドン···
そりゃ、怖くない
『ちなみにホントの鬼は?』
〖こんな感じじゃな〗ぴっぴっぴっ
『『『ひゃあですぅ!』』』ぶるぶる
『『『こわいですぅ!』』』ぶるぶる
『こりゃあ、ちびっこは泣くねぇ』
〖じゃろ?じゃからのこんな感じでちょいとかわいく〗ピッピッピッ
『ふんふん。この位なら···ねぇ、白騎士たち、ちょいと』こいこい
『『『はい』』』
手招きして呼ばれた白騎士たちは
『『『わ、何ですか、これ?』』』
初めて見るスマホに驚きつつ
『まあまあ、それよりこんな感じのお面作れないかい?のんたちが泣かないくらいの』
『うん。この位でしたら』
『大した手間じゃないですね』
『いくつ必要ですか?』
〖ならのぉ···〗
『『『分かりました。行ってきます』』』
『私らも行くよ。ちび共』
『『『はいです!』』』
『忙しくなるねぇ。ご飯も作らないといけないしねぇ』いそいそ
ひとしきり相談していた面々が別れていくと
「いっちゃったにぇ」
『行っちゃったね。どうしようか?』
『グランパ、何かお土産ないの?』
〖あるぞい。元和菓子職人がワシの宮で働いてくれていての。有名和菓子屋に負けぬ菓子を作ってくれるんじゃよ。今日は最中と練り切りじゃ。汁子もあるぞ〗にこにこ
「ふおお」きらきら
『きゅ~ん♪(おしるこ~♪)』きらきら
あんこ~♪あんみつちゃんもあんこ好きだもんね!
〖口直しにこれも元煎餅職人が作った手焼きせんべいもあるぞい〗にこにこ
「ふおおっ」きらきら
おせんべ~
〖ちゃんとのんちゃんにも食べられる硬さにしてもらったからの〗
「ふおおっ」きらきら
やった~♪
『ふふ。それじゃあ綺麗にしてお茶にしようか』
「あ~い!」
『ぴよ~(いこ~)』
『『『きゅん(おかし~♪)』』』
〖たのしみじゃの~〗
こうしてのんびりお茶をしながら待っていると
『待たせたね!のん!お着替えだよ!』スパーンっ
『『『着替えるです!』』』
『『『ですです!』』』
「ふおお?」ずびっ
お茶こぼさなくて良かった
そして
『『『かわいいです~♪』』』
『うんうん。さすがに虎柄かぼちゃパンツ一枚じゃねぇ。ワンショルダーのワンピースにしたよ』
「えへ?」ドドン♪
太鼓もあるよ!お面は頭に斜めについてるよ!ちなみにピンクの髪の鬼さんです!
〖じゃあ、暗くなる前に始めようかの。よいか?豆を巻いたら素早く窓を開け閉めるんじゃよ〗
「あい!」ぴしっ
〖鬼は~外!〗ばらばら
「おには~しょと!」ぺいっ
〖福は~内!〗ばらばら
「ふくは~うち!」ぱらっ
『えいっ』ぴしゃ
せっかくお家に来てくれた福の神が出てかないように!追い出した鬼さんが戻って来ませんように!
〖ふふ。面白い風習ですね。どんどん行こう~!〗
「おー!」
『『『『おー!』』』』
楽しいな~♪
このあと
『悪い子はどこだ~』
『みんなと仲良くできない子はどこだ~』
『お残しする子はどこだ~』
自作のあんまり怖くない鬼のお面をかぶり、ギリシャ彫刻のような美しい上半身を晒した虎柄の腰布を巻いた白騎士さんたちが鬼役で登場したが
「···おに、ちやう」
〖···違うのぉ〗
美しすぎる鬼に固まるのんちゃんとグランパ···
『う~ん、やっぱりワンショルダーのチュニック位にすべきだったかねぇ』
『『『ですです』』』
『ちょっと、豆当てにくいわね』
『そうだな』
みんな美しすぎる鬼に困惑···
『『『え、ええと、皆さん、そんなこと言わず···』』』
思わず鬼約がこう言うほどのなんとも言えない間が···
〖ま、まあ、ほら、とにかく鬼には違いないんだから、追い返さないと~、ね?〗
ぱぁぱの必死のフォローで
「しょ、しょっか、おにしゃん、ごめしゃい!みんないい子だもん!おには~しょと~」ぺしっ
『『『きゃんっ(なかよちだもんっおには~しょと)』』』ぱしっ
『『『おいしいからおのこししないぴょんっ!鬼は~外っ』』』ぱらっ
『『『そうだよ!福は~内!』』』ぱらぱら
『ぴよ~(鬼はあっちいけ~福はうち~)』
『『『『そうだそうだ~福は内~』』』』
『わああ豆だ~』
『目を潰されるぞ~』
『逃げろ~』
棒読みなセリフを残して、鬼さん達は逃げていきました。
「かっちゃ!」ふんすっ
『『『『わ~い♪』』』』
みんなでバンザイです!
〖ほっほっほっ、来年は人選も考えねばのぉ〗
〖そうですね~〗
『さあさ、それじゃ、恵方巻きの用意しようかねぇ』
『『『ですです』』』
そして
『恵方も何も神様がここにいるからねぇ』
〖じゃあ、東北東のやや東、この辺りにいようかの〗
〖え?私もですか?〗
というわけで
「『『『『···』』』』」もくもくもくもく
〖〖···〗〗もぐもぐ
みんなは無言で神様を見つめながら食べ、神様たちは向かい合って食べると言う奇妙な光景が出来上がりましたとさ。
「ぷはぁっくるち」
『ぴよ~(のんちゃん、息はしてよかったんだよ~)』
「あい」
分かってるけど難しいね。それから
「おまめ、みっちゅ」
年+ひとつじゃあっという間だね。
ママたちは
『ふふふ。私らは遠慮するよ』
『そうよね。私たちは永遠に二十代だけどね』
『『ふふふ』』
うん。聞いちゃダメなやつだね。
パパたちは
『お腹はち切れちゃうからね。遠慮しとくよ』
〖〖同じく〗〗
そうだね。お腹からお豆バーンは恐いね。
そんなこんなで、無事に豆まき終了です。
「たのちかった♪」にぱ
〖それは良かったのじゃ〗にこにこ
余談
『悪い子はいねが~』ぱしんっ
襖を勢いよく開け地が震えるような低い声と共に現れたのは···
もじゃもじゃの長い黒髪を振り回し、赤い大きな顔に、ピカーっと光を放つつり上がった大きな目、大きな牙を生やした口からはスモークが。背後には何かおどろおどろしいオーラが···
太くて真っ赤な腕、大きく振り上げた右手に鎌、左手に棍棒···
『『『ぴょあああああっ』』』
『あなた··!』どこんっ
『ぐえっ』ばたん ぷしゅー
『没収です』べりっ
『うぅぅ···』ぱたり
『ぴよ~(よせばいいのにね~)』
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
節分、ちょっと過ぎてますが、お許しください。
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三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
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神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?
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