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45 ここらで一服
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カコーンっ
この家、鹿威しまであるようです。聖一朗様の執念?
カコーンっ
『はあ、この庭はいつ来ても落ち着きますね』
『この森とは違う世界を感じます』
『初代様は素晴らしい物を残されましたね』
『『『きっと素晴らしい方だったのでしょうね』』』ずず
カコーンッ
『『あ、あはは』』
日本庭園を望む縁側で緑茶をすすりながら一息つく白騎士団。その言葉に、先程の掛け軸の件を思い出し、苦笑いしかないセイジュウロウと家精霊のママ。
カコーンッ
『それで、セイジュウロウ様、今、この森で何が起きているのでしょうか?』
『あなた方ならご存知なのでしょう』
『アイツらでだいぶ遊んでらしたようですし』チラ
アイツらは憎々しげな顔でこちらを睨みつけている。小刻みに揺れている様子から、逃げ出そうとしているのだろうが、武器も取り上げられ、加護も無くした奴らには魔法も使えない。逃げ出すのは不可能だろう。
そして、白騎士の面々はやはり、何かが起こっていること、自分たちが変化していること、それに私たちが絡んでいることに気づいているようだ。
『さすがだね~』ニヤ
『感じたかい?』ニヤリ
『それはもう突然頭の中に声が聞こえたと思いましたら』
『急に体が光って胸の辺りが温かくなりましたから』
『その後たしかに自分たちの中から力が湧き上がって来るのを感じました』
一様に胸の辺りに手を置いている。
『神樹の精様のお力ですよね?』
うん。しっかり理解してるじゃないか。否定しても意味は無いな。
『その通りだよ。君たちには更なる加護が与えられたんだ。反対に』にこ
『奴らは加護を失ったのさ』ふんっ
『『『え?』』』
おや、それは気づかなかったみたいだな
『それでは先程、天に向かって行った多数の光は・・・』
『そう。神樹の精が加護を奪い返したのさ』
『そもそも、この森に生まれてしまったから与えていたお情けの様な加護だったらしいしねぇ』
『それさえ失ったんだ魔法も使えないはずだよ』
バカな奴らだ。白騎士たちの様に正しくあれば良かったものを。最初はお情けであっても、彼らのように努力すれば、それに応えてくれる加護だったのだから。
『そうでしたか。あの数では八割、いえ九割方・・・』
白騎士たちの眉間に皺が寄っている
『そうだね。無事なのは君たち白騎士たちと、同じ思いの家族たち位じゃないかな』
『そうですか』
『それも仕方ないですね』
白騎士たちの表情は悔しそうだ。やるせない気持ちでいっぱいだろう
『それで精霊樹の精様は今どちらに』
『さっきの派手な花火見えたかい?』
『ええ。光の集まる場所に向かって攻撃が。里からの魔道具での攻撃のようでしたね』
『ですが、すべて跳ね返っていたようでしたね』
『今思うと、攻撃が止んだのは充填していた魔力が切れたからでしょうね』
あの時既に魔法は使えなくなってたということだ。
『そうそう。あの攻撃されていたのが神樹の精様だよ』
『そして、向かったのは、あのクソジジイの所だよ』
『ええ?それは大丈夫なのですか?我々もすぐ戻らねばっ』
『まあまあ、待ちなよ。一人じゃないしさ』にやにや
『一人ではない?ですが、セイジュウロウ様はここにいらっしゃいますし、いったいどなたが?』
『『神だよ』』しれっ
あ、面白がってる
『『『は?』』』
『し、失礼、聞き間違えたようです』
『いいい、今なんと?』
『神・・・と聞こえたような?』
一気に嫌な汗が吹き出す白騎士たち
『聞き間違いじゃないよ』
『『創世の神と、だよ』』にやにや
やっぱり面白がってる
『『『え、ええええええ!?』』』
『『ふふふふふふ』』ニヤリ
わ~悪い顔・・・
こそこそ
『『『今度は白騎士さんで遊んでるですー』』』
『『『白騎士さん、純情だからなのですー』』』
『『『遊びやすいですー』』』
『『『・・・かわいそ』』』
『『『・・・』』』こくこく
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
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この家、鹿威しまであるようです。聖一朗様の執念?
カコーンっ
『はあ、この庭はいつ来ても落ち着きますね』
『この森とは違う世界を感じます』
『初代様は素晴らしい物を残されましたね』
『『『きっと素晴らしい方だったのでしょうね』』』ずず
カコーンッ
『『あ、あはは』』
日本庭園を望む縁側で緑茶をすすりながら一息つく白騎士団。その言葉に、先程の掛け軸の件を思い出し、苦笑いしかないセイジュウロウと家精霊のママ。
カコーンッ
『それで、セイジュウロウ様、今、この森で何が起きているのでしょうか?』
『あなた方ならご存知なのでしょう』
『アイツらでだいぶ遊んでらしたようですし』チラ
アイツらは憎々しげな顔でこちらを睨みつけている。小刻みに揺れている様子から、逃げ出そうとしているのだろうが、武器も取り上げられ、加護も無くした奴らには魔法も使えない。逃げ出すのは不可能だろう。
そして、白騎士の面々はやはり、何かが起こっていること、自分たちが変化していること、それに私たちが絡んでいることに気づいているようだ。
『さすがだね~』ニヤ
『感じたかい?』ニヤリ
『それはもう突然頭の中に声が聞こえたと思いましたら』
『急に体が光って胸の辺りが温かくなりましたから』
『その後たしかに自分たちの中から力が湧き上がって来るのを感じました』
一様に胸の辺りに手を置いている。
『神樹の精様のお力ですよね?』
うん。しっかり理解してるじゃないか。否定しても意味は無いな。
『その通りだよ。君たちには更なる加護が与えられたんだ。反対に』にこ
『奴らは加護を失ったのさ』ふんっ
『『『え?』』』
おや、それは気づかなかったみたいだな
『それでは先程、天に向かって行った多数の光は・・・』
『そう。神樹の精が加護を奪い返したのさ』
『そもそも、この森に生まれてしまったから与えていたお情けの様な加護だったらしいしねぇ』
『それさえ失ったんだ魔法も使えないはずだよ』
バカな奴らだ。白騎士たちの様に正しくあれば良かったものを。最初はお情けであっても、彼らのように努力すれば、それに応えてくれる加護だったのだから。
『そうでしたか。あの数では八割、いえ九割方・・・』
白騎士たちの眉間に皺が寄っている
『そうだね。無事なのは君たち白騎士たちと、同じ思いの家族たち位じゃないかな』
『そうですか』
『それも仕方ないですね』
白騎士たちの表情は悔しそうだ。やるせない気持ちでいっぱいだろう
『それで精霊樹の精様は今どちらに』
『さっきの派手な花火見えたかい?』
『ええ。光の集まる場所に向かって攻撃が。里からの魔道具での攻撃のようでしたね』
『ですが、すべて跳ね返っていたようでしたね』
『今思うと、攻撃が止んだのは充填していた魔力が切れたからでしょうね』
あの時既に魔法は使えなくなってたということだ。
『そうそう。あの攻撃されていたのが神樹の精様だよ』
『そして、向かったのは、あのクソジジイの所だよ』
『ええ?それは大丈夫なのですか?我々もすぐ戻らねばっ』
『まあまあ、待ちなよ。一人じゃないしさ』にやにや
『一人ではない?ですが、セイジュウロウ様はここにいらっしゃいますし、いったいどなたが?』
『『神だよ』』しれっ
あ、面白がってる
『『『は?』』』
『し、失礼、聞き間違えたようです』
『いいい、今なんと?』
『神・・・と聞こえたような?』
一気に嫌な汗が吹き出す白騎士たち
『聞き間違いじゃないよ』
『『創世の神と、だよ』』にやにや
やっぱり面白がってる
『『『え、ええええええ!?』』』
『『ふふふふふふ』』ニヤリ
わ~悪い顔・・・
こそこそ
『『『今度は白騎士さんで遊んでるですー』』』
『『『白騎士さん、純情だからなのですー』』』
『『『遊びやすいですー』』』
『『『・・・かわいそ』』』
『『『・・・』』』こくこく
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