77 / 90
ある日の年末年始日記 番外編
しおりを挟む
年末と言えば!
『大掃除!と、言いたいところだけど⋯』
ここは天界。しかも、主神様の宮。当然、常日頃からどこもかしこもピッカピカ!
〖まあ、それは聖域もだよね。スライムさんたちがあちこち常に綺麗にしてくれてるからね~〗
〖そうね。テーブルを丸呑みした時は驚いたわよね〗
〖テーブルどころか天井や柱までですわ〗
『要は家丸ごとかえ?』
『そりゃあ、掃除いらんわ』
神様たちのスライムさんたちの活躍っぷりを聞いて若干引いている。
『あらあらまあまあ、それじゃあ、聖域の源さんも今頃お料理に明け暮れてるかしら?』
おせちに、年越しそばをするなら天ぷらもあげるでしょうし、お餅もつくかしら?
〖そうかもね~〗
『あらあらまあまあ、なら、栗きんとんたくさん作ったかしら?サーヤは黒豆も好きだけど、栗きんとんのきんとんが好きなのよね。下手したら栗を残してきんとんだけ食べちゃうくらい。あと、お雑煮だけだと飽きちゃうからローストビーフや、焼豚なんかもあるといいのよね』
『ふぅん。そりゃあ美味そうだな』
『もちろん!美味しいわよ!それにおせちには色々意味があってね。年神様を迎えて豊作や家族の幸せなんかを祈願するんだけど、料理一つ一つにも意味があるのよ』
『そうか。神は迎えなくともここにたくさんいるけどな?』
『あらあらまあまあ?なら、おせちはいらないかしら?でも、お料理一つ一つにも意味があったりするし⋯』
『作りゃいいじゃねぇか。細かいこと気にすんな!』
『そうよね。一年に一度のことだし、いいわよね』
『おうよ!』
後にこの会話を思い出し、
『ちゃんと聞いときゃ良かった』
と、料理長は後悔するのだけど⋯
『さあ!工芸神様が作って下さった素敵なお重におせちも詰めたし!まさかの一人ずつの五段重は驚きだけども⋯お弁当箱ではないのよ?』
『仕方ねぇだろ。大飯ぐらいばかりなんだからよ』
『それはまあ、そうねぇ?』
『そんで、夜は蕎麦なんだよな?冷たいのと熱いのどっちだ?』
『そうねぇ。温かいのが一般的だと思うけど、我が家は天ざるそば⋯冷たいお蕎麦に色々な天ぷらが多かったわね』
『両方やるか。それにしても、レイのいた世界は色々あるんだな。食事に意味なんて考えたこと無かったぜ』
『そうねぇ、季節ごとに行事があって、それに合わせたお料理もあって、地域でも違ったりするし』
『へ~ちなみに年越しそばの意味は?』
『え~と、蕎麦のように細く長く生きられますように。というのが1番かしら』
『⋯長生き?寿命、また延びるのか?』
料理長、気づくの遅いよ⋯
『あらあらまあまあ、お蕎麦も天ぷらも沢山できたわ。孫の大好きなえび天も♪ねぇ?孫の分だけでも神棚から送っていいかしら?工芸神様が孫用にかわいい器作ってくださったのよ』うきうき
『いいんじゃないか?』
『そう?ありがとう。それじゃ』ぱんぱん!
『神棚さん、よろしくね』ぺこ
シュンッ
こうして、お蕎麦と天ぷら、この後もおせちと、たっぷりな黒豆と、きんとんの方が多い栗きんとん、ローストビーフや焼豚が聖域の愛し子の元へ送られた
「うきゃ~♪おしょば~♪てんぷりゃ~♪え~び~♪」くるくる
『良かったな』
「くりょまみぇ~♪くりきんちょん~♪おにきゅ~♪」くるくる
『転けるなよ』
「おばあちゃん、らいしゅき~♪」くるくる
『だから、その謎踊りはなんなんだ?』
聖域で愛し子が喜びの舞?を踊っている頃⋯
そろ~
〖ねぇ、主神、調理台の上の料理、光ってるわよね〗
〖そうだね~〗
〖鑑定してみてください。お父様〗
〖ええ~みんなも出来るじゃない〗
〖〖だって怖いじゃない(ですか)〗〗
〖ひどい~〗
こそこそこそ
匂いに釣られて入口から顔を覗かせたものの、調理台を見て動きが止まった主神様一家。こそこそと密談中⋯
〖僕だって怖いのに~仕方ないなぁ、鑑定⋯えっと、あれはお酒かな?「お屠蘇。邪を屠り生気を甦らせる⋯?」〗
〖〖⋯⋯〗〗
〖とりあえず、宮にいる者全員に配ろうか⋯〗
〖〖⋯⋯〗〗こくこく
声も出せない女神様たち⋯
〖次はお雑煮「神に供えたものを頂くことで神々の力を頂く⋯」ああ、なるほど。レイさんは日本の神様にも好かれてるから⋯あは、あはは〗
〖〖⋯⋯〗〗だらだら
顔色悪いよ?
〖ねえ、もう鑑定やめていいかな~?〗
〖〖⋯⋯〗〗こくこく
神様たち逃げた⋯
料理長さんも完成した料理を見て⋯
『あの時、ちゃんと聞いとくんだった⋯』
後悔するのだけど、後の祭り⋯
『さあ!頂きましょう♪あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します』
今年は冒険出られますように!
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
新年早々、地震で大変なことに合われた方がいらっしゃる中、こんな呑気なお話をと迷いましたが、公開させて頂きました。
私の友人も新幹線の中に閉じ込められ大変な一夜を過ごし、今も家に帰れずにいます。
被災された方、巻き込まれてしまった方、どうか少しでも暖かく過ごせますように⋯
『大掃除!と、言いたいところだけど⋯』
ここは天界。しかも、主神様の宮。当然、常日頃からどこもかしこもピッカピカ!
〖まあ、それは聖域もだよね。スライムさんたちがあちこち常に綺麗にしてくれてるからね~〗
〖そうね。テーブルを丸呑みした時は驚いたわよね〗
〖テーブルどころか天井や柱までですわ〗
『要は家丸ごとかえ?』
『そりゃあ、掃除いらんわ』
神様たちのスライムさんたちの活躍っぷりを聞いて若干引いている。
『あらあらまあまあ、それじゃあ、聖域の源さんも今頃お料理に明け暮れてるかしら?』
おせちに、年越しそばをするなら天ぷらもあげるでしょうし、お餅もつくかしら?
〖そうかもね~〗
『あらあらまあまあ、なら、栗きんとんたくさん作ったかしら?サーヤは黒豆も好きだけど、栗きんとんのきんとんが好きなのよね。下手したら栗を残してきんとんだけ食べちゃうくらい。あと、お雑煮だけだと飽きちゃうからローストビーフや、焼豚なんかもあるといいのよね』
『ふぅん。そりゃあ美味そうだな』
『もちろん!美味しいわよ!それにおせちには色々意味があってね。年神様を迎えて豊作や家族の幸せなんかを祈願するんだけど、料理一つ一つにも意味があるのよ』
『そうか。神は迎えなくともここにたくさんいるけどな?』
『あらあらまあまあ?なら、おせちはいらないかしら?でも、お料理一つ一つにも意味があったりするし⋯』
『作りゃいいじゃねぇか。細かいこと気にすんな!』
『そうよね。一年に一度のことだし、いいわよね』
『おうよ!』
後にこの会話を思い出し、
『ちゃんと聞いときゃ良かった』
と、料理長は後悔するのだけど⋯
『さあ!工芸神様が作って下さった素敵なお重におせちも詰めたし!まさかの一人ずつの五段重は驚きだけども⋯お弁当箱ではないのよ?』
『仕方ねぇだろ。大飯ぐらいばかりなんだからよ』
『それはまあ、そうねぇ?』
『そんで、夜は蕎麦なんだよな?冷たいのと熱いのどっちだ?』
『そうねぇ。温かいのが一般的だと思うけど、我が家は天ざるそば⋯冷たいお蕎麦に色々な天ぷらが多かったわね』
『両方やるか。それにしても、レイのいた世界は色々あるんだな。食事に意味なんて考えたこと無かったぜ』
『そうねぇ、季節ごとに行事があって、それに合わせたお料理もあって、地域でも違ったりするし』
『へ~ちなみに年越しそばの意味は?』
『え~と、蕎麦のように細く長く生きられますように。というのが1番かしら』
『⋯長生き?寿命、また延びるのか?』
料理長、気づくの遅いよ⋯
『あらあらまあまあ、お蕎麦も天ぷらも沢山できたわ。孫の大好きなえび天も♪ねぇ?孫の分だけでも神棚から送っていいかしら?工芸神様が孫用にかわいい器作ってくださったのよ』うきうき
『いいんじゃないか?』
『そう?ありがとう。それじゃ』ぱんぱん!
『神棚さん、よろしくね』ぺこ
シュンッ
こうして、お蕎麦と天ぷら、この後もおせちと、たっぷりな黒豆と、きんとんの方が多い栗きんとん、ローストビーフや焼豚が聖域の愛し子の元へ送られた
「うきゃ~♪おしょば~♪てんぷりゃ~♪え~び~♪」くるくる
『良かったな』
「くりょまみぇ~♪くりきんちょん~♪おにきゅ~♪」くるくる
『転けるなよ』
「おばあちゃん、らいしゅき~♪」くるくる
『だから、その謎踊りはなんなんだ?』
聖域で愛し子が喜びの舞?を踊っている頃⋯
そろ~
〖ねぇ、主神、調理台の上の料理、光ってるわよね〗
〖そうだね~〗
〖鑑定してみてください。お父様〗
〖ええ~みんなも出来るじゃない〗
〖〖だって怖いじゃない(ですか)〗〗
〖ひどい~〗
こそこそこそ
匂いに釣られて入口から顔を覗かせたものの、調理台を見て動きが止まった主神様一家。こそこそと密談中⋯
〖僕だって怖いのに~仕方ないなぁ、鑑定⋯えっと、あれはお酒かな?「お屠蘇。邪を屠り生気を甦らせる⋯?」〗
〖〖⋯⋯〗〗
〖とりあえず、宮にいる者全員に配ろうか⋯〗
〖〖⋯⋯〗〗こくこく
声も出せない女神様たち⋯
〖次はお雑煮「神に供えたものを頂くことで神々の力を頂く⋯」ああ、なるほど。レイさんは日本の神様にも好かれてるから⋯あは、あはは〗
〖〖⋯⋯〗〗だらだら
顔色悪いよ?
〖ねえ、もう鑑定やめていいかな~?〗
〖〖⋯⋯〗〗こくこく
神様たち逃げた⋯
料理長さんも完成した料理を見て⋯
『あの時、ちゃんと聞いとくんだった⋯』
後悔するのだけど、後の祭り⋯
『さあ!頂きましょう♪あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します』
今年は冒険出られますように!
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
新年早々、地震で大変なことに合われた方がいらっしゃる中、こんな呑気なお話をと迷いましたが、公開させて頂きました。
私の友人も新幹線の中に閉じ込められ大変な一夜を過ごし、今も家に帰れずにいます。
被災された方、巻き込まれてしまった方、どうか少しでも暖かく過ごせますように⋯
35
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!
ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち?
突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯?
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。
よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。
*8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる