転生美女は元おばあちゃん!同じ世界の愛し子に転生した孫を守る為、エルフ姉妹ともふもふたちと冒険者になります!《『転生初日に~』スピンオフ》

ひより のどか

文字の大きさ
上 下
63 / 90

62 エルフ姉妹と天界樹の精様

しおりを挟む
レイさんが魔法の訓練と称して色々やらかしてる一方⋯

『ふむ。どうかや?精霊や妖精と心は通わせられておるかの?』
野原に座り込んで仲良く何かをしているエルフ姉妹に声を掛ける天界樹の精様。

『あ、天界樹の精様。はい。以前より会話できるようになりました』にこ
『前はカタコトに聞こえたり、途切れ途切れに聞こえることもあったのですが、今は会話と念話の両方でお話できるようになりました』にこ

例のじゃんけん大会で勝ち残った妖精達は、それぞれ名前をつけられ、契約を済ませている。そのおかげで、メキメキと力をつけてきている。
ただ、エルフ姉妹にはまだ名がないので、彼女たちに愛し子が名をつければ精霊になるか、それに近づくだろうと主神様が言っている。

『それは上々。今は植物を操る練習かや?』にっこり

『『はいっ』』
『でも難しいです』
『中々編めないです』
今、二人は手を使わずに地面から生やしたツタを三つ編みにしているようだ。

『そうじゃの。もっとお願いしてみると良いの』

『『お願い?』』

『そうじゃ。自分の力だけで編むのではなく、こうしたいから力を貸して欲しいとツタと、緑の妖精や精霊にお願いするのじゃ』

『『あっ』』
はっ!とした表情をしてから
『ツタさん、妖精さん、精霊さん。三つ編みにしたいの』
『まずこうして、次は⋯そう!すごい!』
ツタもスーッと伸び始め、進んで欲しい方に動き始めた。
『『わあっ!天界樹様っ』』バッ!
成功して嬉しそうに天界樹の精様を振り返る

『ふふ。その調子じゃよ。感謝を伝えることも忘れずにの』にっこり

『『はい!みんな、ありがとう!』』
二人の周りで妖精たちがキラキラと飛び回っている。

『うんうん。ういのぉ。レイとは違うの。さて、父君と母君は一緒じゃないのかえ?』

『はい。父様と母様は武神様と工芸神様と修行中だと思います』
『武器と魔石の融合が何とかって?』

『なるほどの。⋯やらかしてなければ良いがの。まあ、後で様子を見てくるかの。では、妾は其方らの精霊魔法を見てみるかの』

『『あ、ありがとうございます!』』

『では、せっかく仲良くなった、そのツタで妾を捕まえてみるのじゃ』

『『は、はいっ!』』

こうして妖精たちの力を借り、ツタや植物を操り天界樹様を捕まえようとするが、するりするりと躱され、結局、息切れするまで頑張ったが、

『ふふ。それでは妾は捕まえられぬぞ』
掠ることもできない
ムチのように絡み付けようが、打ち付けようが⋯
網のようにしても⋯
捕まえることは叶わなかった。

『姉様』
『どうしたら⋯』
二人は考える⋯すると、思い出したのは、先程の天界樹の精様の言葉
『『お願い⋯』』
二人同時に呟いて、見つめ合ってから頷く二人⋯

『ふふ。どうやら思い出したようじゃの』
『『天界樹様~』』
『『お手伝いしていい~?』』
『其方たち、手伝いたくてうずうずしておるのじゃろ?』
『『『『『うん!』』』』』
見ていた妖精さんたちが天界樹の精様に、目をきらきらさせてお願いしてきた。
『良いじゃろう⋯エルフたち、他の属性も使って良いぞ。その代わり、妾も使わせてもらうがの』ニヤッ

『『は、はい!』』
『『妖精さんたち、よろしくお願いします!』』
ざわっ
『『『『『いいよ~♪』』』』』
わらわらわらわら

契約している妖精さんたちだけじゃなく、見守っていた妖精さんたちも、みんなうずうずワクワク!

『風~』
妖精さんが突風を起こし天界樹様へ

『甘いのぉまだ、妾は魔法を使ってはおらぬよ』すいっ

『『む~葉っぱ~』』
葉っぱが飛び苦無のように飛んでくる

『ふふ。考えたの。だが単独ではやはり当たらないぞよ』にやにや
気づくかの?

『『む~』』ぷんぷん
当たらないことに怒る妖精さんたちに

『妖精さんたち』
『力を合わせよう』
エルフ姉妹が提案すると

『『分かった~』』
『『がんばる~』』
みんな楽しそうに集まってコソコソ話を始めた

どうやら気づいたようじゃの
天界樹の精様は、微笑ましいのぉと、それを見守っている

次の瞬間、つむじ風に無数のキレの良い葉を混ぜて攻撃

『ほぉ⋯だが、甘いの』
しゅんっ

『『あっ』』

『『あ~っ』』
『『消しちゃダメ~』』
妖精さんたち、ぷんぷんっ

『ふふ。もうひと工夫欲しいの』
天界樹の精様、余裕です

『『も~』』
『『ちょっと待って~』』

『『くすくす。特別じゃぞ?』』

『『『『『うん!』』』』』

特別に作戦会議の時間をゲット!

こそこそ
『どうしましょう?』
『逃げれないように⋯』

『『多分、また甘い~』』
『『言われちゃうよ~』』

『う~ん』
『じゃあ⋯』

『『『『『『お~それで行こう~』』』』』』
どうやら相談が終わったらしい

『『お待たせしました』』ぺこ
『『『『『いっくよ~!』』』』』
やる気満々!宣戦布告!

『ふふ。元気があるのは良いことじゃ。さあ、いつでもかかって来るが良いぞ』にっこり
扇で口元を隠してニッコリ

『『むきーっよゆーっ』』
『『いっくぞー!第一弾!それーっ』』

『ふむ。次手があると宣言するのは頂けないのぉ』くすくす

『『あっしまったーっ』』
『『おばかーっ』』
なんとも締まらない妖精さんたちの第一弾は

『ふむ。先程と同じかや⋯む?』

『『まだまだーっ』』
ジャキジャキジャキッ

『ほぉ、三方を土の壁で囲い退路を塞いだか⋯だが』パチン
扇を閉じると、土壁は簡単に崩れた。
『まだまだ強度が弱いの』

『『む~っ』』
『『まだだよっ』』
ババっ
今度は地面からツタが足に絡みつこうと、上からは木の枝が

『ふむ。土の壁が壊されることは見越してあったか?それに、空を飛べることも見越して上も塞いだか⋯じゃが』
トンッ
『『あっ』』
『正面はどうじゃ?』
『『それもーっ』』
『『かぜーっ』』
ビュンッ

『ほう、鎌鼬かの。中々⋯』パチン
『『ああっまた!』』
鎌鼬も掻き消えた。そして
ふわり
『『え?』』
『ふむ。まあ、今の時点では及第点かの。よく考えたの』
視界から天界樹の精様が消えたと思ったら、後ろから抱きしめられていた。

『『ああ~』』ヘタリ
『『『ダメだった~』』』ぺしょ
『『『ずるい~』』』ぺしょ
みんな、力尽きて地面にヘタリこんじゃった

『ふふ。まだ始めたばかりで妾を捕まえられると思うたのかえ?それは流石に無謀というものじゃのぉ』くすくす
みんなはヘトヘトなのに、天界樹の精様は息一つ切れていない。

『まだまだじゃの』くすくす

『『はい⋯』』
『『『『『『がんばる~』』』』』』
ぺたんっ
あ、寝ちゃった⋯

まあ、とはいえ、初めから三属性を絡めてくるとは、やはり将来有望じゃの。楽しみじゃ。

天界樹の精様は、嬉しそうです。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。
う~ん、戦闘ぽくなると難しいです。上手く伝わるかな~?
しおりを挟む
感想 163

あなたにおすすめの小説

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!

ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち? 突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯? ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ 『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。 よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました

ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】 ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です ※自筆挿絵要注意⭐ 表紙はhake様に頂いたファンアートです (Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco 異世界召喚などというファンタジーな経験しました。 でも、間違いだったようです。 それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。 誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!? あまりのひどい仕打ち! 私はどうしたらいいの……!?

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...