36 / 91
36 眠る精霊
しおりを挟む
と、言うわけでやって参りました。天界樹様のお庭。
『『うわあああっ』』
『すご~い』きらきら
『きれ~い』きらきら
そう。天界樹様のお庭は、何時でも美しい花が咲き誇っているし、木々も立派な枝に、青々とした葉。隅々まで手入れが行き届いた美しいお庭なのよ。
『これは⋯っ』
『あなた、目眩をおこしそうですわ』くら
あらら、大人のエルフさんには分かるのね。そう、このお庭は綺麗なだけじゃなくて、地上にあっても貴重なものや、天界にしかないものもあって、その最たるものが⋯
『さあ、着いたぞえ?』
さあああっ
『『⋯⋯』』
『『⋯⋯っ』』
お庭の中央、風が引き抜ける少し開けた場所にそびえる
『これが天界樹じゃ』
大きな大きな美しい姿の天界樹。私も初めて見た時、あまりに圧倒的な存在感というか、神秘的なオーラというのかしら?なんとも言えない雰囲気に言葉を失ったけど
『ん?どうしたのかえ?』
『あらあらまあまあ?』
『こいつら、固まってる?』ツンっ
料理長が突っついてみたけど、全く反応がないわね。
『おや、口と目が全開のまま固まってますね。もしもし?息をしてらっしゃいますか?』コンコン
バートさんも確認してるけど、なんだか人体から出たとは思えない音がしたわね。
『ハッ!も、申し訳ございません。つい、見惚れてしまいました』
『私もです』
『『⋯』』ぽかーん
娘さんはまだ立ち直れないみたいね。
森に生きるエルフさん達にとって、やっぱり特別なのかしらね。
『さあ、精霊は今、この洞の中で休んでおるのじゃ』
『あっ精霊さんっ』
お姉ちゃんの方が走ってきたわね。
『しぃー』
天界樹様が唇に指を当てて落ち着かせて
『静かにの。まだ眠っておる故』
『は、はい。すみません』
洞をそっと覗くと、精霊さんが丸くなって眠っている
『あっ、良かった⋯息してる』ぽろぽろ
『うん、うん。良かった』ぽろぽろ
かすかに上下する胸を見て安心したのか、泣き出してしまった姉妹
『天界樹様、精霊が、小さくなってしまった気がするのですが』
『はい。もう少し大きかったと』
心配そうに尋ねるご両親
〖うん。かなり削られちゃったからね〗
〖仕方なかったとはいえ強引に引き離したからな〗
代わりに答えたのは主神様と鍛冶神様。
〖犠牲になった精霊たちの血で書かれた魔法陣にね、括り付けられてたのを引き離してね、できた隙間を剣で断ち切ったんだよ〗
〖俺たちが着いた時には大分力を吸い取られていてな。助け出すだけでやっとだった。すまない〗
〖ごめんね〗
事情を説明し、真摯に頭を下げる神様たちに
『と、とんでもないっ』
『助けていただけただけでも幸いでしたっ』
『犠牲になった精霊たちもいたのですから』
『その子たちを思うとやりきれませんが⋯』
『助けていただいてありがとうございました』
そう。助かっただけでも幸運だったと、頭を下げるご両親。
『そうじゃの。この洞の中でもう少し休ませてやれば、やがて目覚めるじゃろ』
『本当ですか?』
『よろしくお願いします』
『うむ。任されよう』
天界樹の精様に任せれば大丈夫よね
『さあ、では場を移そうかの。あちらにもう集まっているようじゃの』くすくす
『あらあらまあまあ、楽しみね~』
今度こそ、もふもふもふもふ♪
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。お気に入り登録、感想、エールなどありがとうございます。
『小さな小さな花うさぎ~』『転生初日に~』もお願いします。
『『うわあああっ』』
『すご~い』きらきら
『きれ~い』きらきら
そう。天界樹様のお庭は、何時でも美しい花が咲き誇っているし、木々も立派な枝に、青々とした葉。隅々まで手入れが行き届いた美しいお庭なのよ。
『これは⋯っ』
『あなた、目眩をおこしそうですわ』くら
あらら、大人のエルフさんには分かるのね。そう、このお庭は綺麗なだけじゃなくて、地上にあっても貴重なものや、天界にしかないものもあって、その最たるものが⋯
『さあ、着いたぞえ?』
さあああっ
『『⋯⋯』』
『『⋯⋯っ』』
お庭の中央、風が引き抜ける少し開けた場所にそびえる
『これが天界樹じゃ』
大きな大きな美しい姿の天界樹。私も初めて見た時、あまりに圧倒的な存在感というか、神秘的なオーラというのかしら?なんとも言えない雰囲気に言葉を失ったけど
『ん?どうしたのかえ?』
『あらあらまあまあ?』
『こいつら、固まってる?』ツンっ
料理長が突っついてみたけど、全く反応がないわね。
『おや、口と目が全開のまま固まってますね。もしもし?息をしてらっしゃいますか?』コンコン
バートさんも確認してるけど、なんだか人体から出たとは思えない音がしたわね。
『ハッ!も、申し訳ございません。つい、見惚れてしまいました』
『私もです』
『『⋯』』ぽかーん
娘さんはまだ立ち直れないみたいね。
森に生きるエルフさん達にとって、やっぱり特別なのかしらね。
『さあ、精霊は今、この洞の中で休んでおるのじゃ』
『あっ精霊さんっ』
お姉ちゃんの方が走ってきたわね。
『しぃー』
天界樹様が唇に指を当てて落ち着かせて
『静かにの。まだ眠っておる故』
『は、はい。すみません』
洞をそっと覗くと、精霊さんが丸くなって眠っている
『あっ、良かった⋯息してる』ぽろぽろ
『うん、うん。良かった』ぽろぽろ
かすかに上下する胸を見て安心したのか、泣き出してしまった姉妹
『天界樹様、精霊が、小さくなってしまった気がするのですが』
『はい。もう少し大きかったと』
心配そうに尋ねるご両親
〖うん。かなり削られちゃったからね〗
〖仕方なかったとはいえ強引に引き離したからな〗
代わりに答えたのは主神様と鍛冶神様。
〖犠牲になった精霊たちの血で書かれた魔法陣にね、括り付けられてたのを引き離してね、できた隙間を剣で断ち切ったんだよ〗
〖俺たちが着いた時には大分力を吸い取られていてな。助け出すだけでやっとだった。すまない〗
〖ごめんね〗
事情を説明し、真摯に頭を下げる神様たちに
『と、とんでもないっ』
『助けていただけただけでも幸いでしたっ』
『犠牲になった精霊たちもいたのですから』
『その子たちを思うとやりきれませんが⋯』
『助けていただいてありがとうございました』
そう。助かっただけでも幸運だったと、頭を下げるご両親。
『そうじゃの。この洞の中でもう少し休ませてやれば、やがて目覚めるじゃろ』
『本当ですか?』
『よろしくお願いします』
『うむ。任されよう』
天界樹の精様に任せれば大丈夫よね
『さあ、では場を移そうかの。あちらにもう集まっているようじゃの』くすくす
『あらあらまあまあ、楽しみね~』
今度こそ、もふもふもふもふ♪
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。お気に入り登録、感想、エールなどありがとうございます。
『小さな小さな花うさぎ~』『転生初日に~』もお願いします。
25
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる