転生美女は元おばあちゃん!同じ世界の愛し子に転生した孫を守る為、エルフ姉妹ともふもふたちと冒険者になります!《『転生初日に~』スピンオフ》

ひより のどか

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そんな訳で
〖どんな訳何だろな?〗
『武神様、無用なツッコミは身を滅ぼしますよ』ふふ⋯
〖⋯分かった〗

そんな訳で、決意を新たにしたおばあちゃん。

〖でよ?主神、聖域にいた俺たちを呼び戻してまでしたい重要な話し合いってなんだよ?〗
〖そうですね。愛し子たちが眠ったのを確認してから来ましたが、どのような話ですか?〗
鍛治神様と医神様は今、地上の聖域で愛し子たちと暮らしている。
そこを主神様が

〖ちょっと大事な話があるから~一度戻って来て~。出来ればこっそりね~〗

と、非常に軽い調子で呼び戻したのだ。

〖うん。それなんだけどね?〗
『主神様、私からいいかしら?』
何とかショックから立ち直った私から声をかける

〖⋯うん。分かったよ。じゃあ、お願いね〗
『はい』
主神様、心配症ね。この話をした時、一度は反対されたものね。天界樹の精様は今だに反対のようだし⋯
今も魔神様の腕を抱え込んで、上目遣いで睨んでいらっしゃるけど⋯。
『ううう~⋯』うるうる
〖天界樹?〗
〖どうしたのですか?〗
そんなウルウルな目で睨まれても可愛らしいだけで、ちっとも怖くは無いのよね。その代わり罪悪感で胸がチクチクするけれど⋯。


〖何だ?主神からの話じゃないのか?〗
〖貴方からのお話とは、いったい?〗
呼び戻された鍛治神様たちも、訝しげな顔ね⋯


『ええ。実は私、地上に降りて、冒険者になろうと思いまして』

『ううう~』うるうる
〖⋯んん~〗
私の突然の話に、仕方ないなぁという顔で苦笑いの主神様に、相変わらずふっくらとした下唇を噛んで私を可愛く睨みつけている天界樹様⋯

他の皆様は⋯

〖〖ええええ?正気?〗〗
魔神様?正気とは?

〖何でだよ?武神に鍛えてもらってんだろ?〗
〖もしや武神より強くなってしまったのですか?〗
『脳筋に勝つとはすごいですね』

〖んな訳ねえだろ!?〗

『この間、回し蹴り食らってなかったか?』

〖料理長の見間違えだろ!?〗

〖いいえ。先日、私と主神とで壁を補強しつつ直しましたからね。見間違いではないですよ〗

〖てめぇ!工芸神バラすなよ!〗
ああ、武神様が遊ばれているわ⋯
でも、武神様には申し訳ないけど話を続けさせてもらいますね。

『その武神様との訓練で気付かされたんです。私には実戦、経験、覚悟、全てが足りないと』

〖ああ、そりゃそうか⋯そういやアイツも自分たちの国には戦争もない。人対人の命のやり取りは身近に無かったって言ってたな〗
〖そうですね。自分は動物を時々狩っていたけど、それすらほんのひと握りの者だと仰ってましたね〗

その通りよ

『武器を持つこともないしね。命のやり取りなんて、私なんて釣った魚を捌くとか、せいぜい鳥を絞めるくらいよ。それだって滅多になかったわ』
前の世界なら今のままでもいいでしょうけど、この世界で孫と生きるためにはそれではダメだと思うのよ。

〖あ~そうだな〗ガシガシッ
『武神様⋯』
頭をガシガシっと掻きむしって武神様が話し始めた

〖ちょっと前に俺が指摘しちまったんだよな。ここでは命を取られるってことは無いからな。どんなに厳しい特訓をしたって相手は俺たちだ。何をしたって死ぬことは無い。だろ?〗

『はい』
そう。どうしたって安心してしまう。

〖だよな。このままだと、命の危機に直面しても、お前はきっと目の前の命を奪うことに躊躇しちまうだろう〗

『はい⋯』
恐らく、どんなに悪者でも、どんな魔物でも、きっと『殺す』ということに、私は抵抗を感じてしてしまうだろう。

〖だが、それはつまり、相手の代わりにお前の命が無くなることを意味するんだ〗

武神様は目は私を真っ直ぐ居抜き、断言した。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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