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2 前世の私
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私は以前、違う世界で目に入れても痛くない、いえ、むしろ入れたいくらい、かわいいかわいい孫娘と暮らしていたの。
「おばあちゃん、もーもーにょおいちゃん、きょうみょ、くりゅかにゃ?」
『あらあらまあまあ、あなたはお隣のおじさんが大好きね。ちょっと妬けちゃうわね』
「やきゅ?ひ、ぽっぽ?あぶにゃいよ?」
『あらあらまあまあ、火で焼くわけではないのよ』
「しょっか~」にぱ
ちょっと、時々、いえ、かなり心配になることがある孫娘だったけど、お隣の源さんたちの助けも借りて、二人仲良く暮らしていたわ。
でも、そんな私たちを引き裂いたのは孫娘の実の母親だった。孫娘を虐待していた母親は、私のかわいい孫娘を殺しに来た。自分が不幸なのは娘のせいだと。はっきり言って狂っていた。私は孫娘を庇い刺されて死んだそうだ。
なぜ亡くなった優しい息子があんな嫁を選んだのか不思議だったが、この世界に来て、この世界の主神様より説明を受けて驚いた。そして、納得した。
この世界の神の一柱が、本来この世界の愛し子として生まれるはずだった孫娘の人生を狂わせたのだという。
この世界から攫い、違う世界に放り込み、不幸になる姿を楽しんでいたのだと。
私の息子と、嫁はその駒にされたのだと。だからと言ってあの嫁を許すわけは無いのだけど。ああ、腹が立つ!あの嫁にも、油断していた私自身にも!
『ああ、腹が立つ!』どごーんっ
あ、しまったわ。床にクレーターが出来てしまったわ⋯おほほほほ
〖まあまあ、落ち着いて~あなたのせいではないのですから。私たちはあなたに感謝しているのですよ。あ~床は今の内に直しとこうね~〗ピカッ
あら、助かるわ。あの怖い方に知られてしまうと大変だもの
〖そうだぞ。今、愛し子がこの世界に戻ってこれたのも、愛し子が楽しく暮らせているのも、お前さんが愛し子を愛し育ててくれたおかげだ〗
〖その通りですよ。ありがとうございます〗にこ
〖ありがとな〗ニカッ
『そんなっ』
こんな風にこの世界の主神様たちは私を責めるようなこともせず、感謝すらしてくれるのだ。ついでに証拠隠滅も図ってくれた。ありがたいわ、ここには少々怒らせると怖い方が⋯
『おやおや、すごい音がしたので来てみたのですが、気のせいでしたか。フフフ』にゅっ
『ヒッ!』ビクゥッ
う、噂をすればっ⋯いえ、噂をしちゃいけない人だったわ!
〖あ、いいとこに来たね。君からも伝えてくれない?〗
〖コイツ、まだ気にしてんだぜ。俺たちは感謝こそすれ怒ったりなんかしてないってよ〗
『え?あ、あの大丈夫ですよっもう分かりましたから』
神様方、余計なことは言わないで~
『おや、そうなのですか?邪に落ちたヤツのしでかしたことはむしろ私たちの責任。あなた様も、先に愛し子の元へ行かれたあの方も、巻き込まれてしまった被害者。何一つあなた方が責任を感じることはないのですよ。むしろ私たちからの感謝と謝罪を受けて頂かなくてはなりません。ああ、まだ分かっていただけないようでしたら、これから椅子に座って頂いてお茶でも頂きながら、お分かりいただけるまで懇切丁寧にご説明いたしますよ』にっこり ひゅお~
『あらあらまあまあ、執事さんの貴重なお時間をいただくなど出来ませんわ。謹んでご遠慮させて頂きます。おほほほ』だらだら
怖いわ~寒いわ~。これが孫娘だったら今頃「こわこわこわこわ」って声に出して震えてるところだわ。
『おや、そうですか?遠慮なさらずに。それから私は主神様の補佐であって執事ではありませんよ』にっこり
『いえいえ、もう充分ですわ。補佐様』にっこり
お願いだから勘弁してくださいな
〖さすがだね~(誰も適わないよね)〗
〖うんうん。あいつに任せれば間違いないな(最強腹黒だからな)〗
『おや、お二人の方がお話が必要なようですね』にっこり
〖〖遠慮する(よ~)〗〗にっこり
『あ、あははは』
やっぱり執⋯補佐さん、只者じゃないわ
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m
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「おばあちゃん、もーもーにょおいちゃん、きょうみょ、くりゅかにゃ?」
『あらあらまあまあ、あなたはお隣のおじさんが大好きね。ちょっと妬けちゃうわね』
「やきゅ?ひ、ぽっぽ?あぶにゃいよ?」
『あらあらまあまあ、火で焼くわけではないのよ』
「しょっか~」にぱ
ちょっと、時々、いえ、かなり心配になることがある孫娘だったけど、お隣の源さんたちの助けも借りて、二人仲良く暮らしていたわ。
でも、そんな私たちを引き裂いたのは孫娘の実の母親だった。孫娘を虐待していた母親は、私のかわいい孫娘を殺しに来た。自分が不幸なのは娘のせいだと。はっきり言って狂っていた。私は孫娘を庇い刺されて死んだそうだ。
なぜ亡くなった優しい息子があんな嫁を選んだのか不思議だったが、この世界に来て、この世界の主神様より説明を受けて驚いた。そして、納得した。
この世界の神の一柱が、本来この世界の愛し子として生まれるはずだった孫娘の人生を狂わせたのだという。
この世界から攫い、違う世界に放り込み、不幸になる姿を楽しんでいたのだと。
私の息子と、嫁はその駒にされたのだと。だからと言ってあの嫁を許すわけは無いのだけど。ああ、腹が立つ!あの嫁にも、油断していた私自身にも!
『ああ、腹が立つ!』どごーんっ
あ、しまったわ。床にクレーターが出来てしまったわ⋯おほほほほ
〖まあまあ、落ち着いて~あなたのせいではないのですから。私たちはあなたに感謝しているのですよ。あ~床は今の内に直しとこうね~〗ピカッ
あら、助かるわ。あの怖い方に知られてしまうと大変だもの
〖そうだぞ。今、愛し子がこの世界に戻ってこれたのも、愛し子が楽しく暮らせているのも、お前さんが愛し子を愛し育ててくれたおかげだ〗
〖その通りですよ。ありがとうございます〗にこ
〖ありがとな〗ニカッ
『そんなっ』
こんな風にこの世界の主神様たちは私を責めるようなこともせず、感謝すらしてくれるのだ。ついでに証拠隠滅も図ってくれた。ありがたいわ、ここには少々怒らせると怖い方が⋯
『おやおや、すごい音がしたので来てみたのですが、気のせいでしたか。フフフ』にゅっ
『ヒッ!』ビクゥッ
う、噂をすればっ⋯いえ、噂をしちゃいけない人だったわ!
〖あ、いいとこに来たね。君からも伝えてくれない?〗
〖コイツ、まだ気にしてんだぜ。俺たちは感謝こそすれ怒ったりなんかしてないってよ〗
『え?あ、あの大丈夫ですよっもう分かりましたから』
神様方、余計なことは言わないで~
『おや、そうなのですか?邪に落ちたヤツのしでかしたことはむしろ私たちの責任。あなた様も、先に愛し子の元へ行かれたあの方も、巻き込まれてしまった被害者。何一つあなた方が責任を感じることはないのですよ。むしろ私たちからの感謝と謝罪を受けて頂かなくてはなりません。ああ、まだ分かっていただけないようでしたら、これから椅子に座って頂いてお茶でも頂きながら、お分かりいただけるまで懇切丁寧にご説明いたしますよ』にっこり ひゅお~
『あらあらまあまあ、執事さんの貴重なお時間をいただくなど出来ませんわ。謹んでご遠慮させて頂きます。おほほほ』だらだら
怖いわ~寒いわ~。これが孫娘だったら今頃「こわこわこわこわ」って声に出して震えてるところだわ。
『おや、そうですか?遠慮なさらずに。それから私は主神様の補佐であって執事ではありませんよ』にっこり
『いえいえ、もう充分ですわ。補佐様』にっこり
お願いだから勘弁してくださいな
〖さすがだね~(誰も適わないよね)〗
〖うんうん。あいつに任せれば間違いないな(最強腹黒だからな)〗
『おや、お二人の方がお話が必要なようですね』にっこり
〖〖遠慮する(よ~)〗〗にっこり
『あ、あははは』
やっぱり執⋯補佐さん、只者じゃないわ
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