上 下
2 / 3

2話 ~光の暗殺者~

しおりを挟む
拳が母星から離れて3ヶ月がたったある日。
ついに生命が存在していそうな惑星にたどり着いた。
拳「やっと見つけたぁ...。」
拳は早速この惑星にゆっくり着陸していく。
AI「酸素98%。二酸化炭素0.2%。その他の気体1.8%。重力 惑星ファニルの約1.2倍。生命が存在していてもおかしくありません。」
拳「そんなことまで教えてくれるのか、頼もしいな。」
拳は感心した後、ワープカプセルは地面に着陸し、拳は一旦外に出てみた。
風が気持ちよく、空気が美味しい。
周りを見渡すと特に目立った植物は生えておらず気温は少し高く、赤い地面が地平線に広がっていた。
拳が背伸びをしていると、後で大きな物音が聞こえた。
いきなりワープカプセルが変形をしだし、ついには小さな1つの拠点が出来てしまった。
拳「ま、マジか!」
まさか、この機械に2回も驚かされるとは思っていなかった。
拳は切り替えて、
拳「驚いている暇はない、とりあえずこの惑星を探索しないと。」
拳は腰に2本の刀を取り付け出発した。
だが拳は気づかなかった。
後ろに一人の人影があることに。

拳は岩山の上で昼食を食べながらで休憩をとっていた。
拳「ダメだ、生命が生きれる環境は整っているけど、今のところ一匹も生物を見つけられてない。」
そう言いながら昼食を食べ終えてしまった。
すると次の瞬間。
何者かが拳に猛スピードで拳に襲いかかってきた。
拳は回避を試みた。
拳が見た限りでは、右手に小刀が握られており、髪は金髪で、髪を後で結んでいる女性に見えた。
拳「な、なんだ今のは!」
拳は迷わず二本の刀を抜き、戦闘体制に入った。
周りに気配は感じられない。
するともう一度その女は襲いかかってき、次は5連続で切りかかってきた。
拳は全て二本の刀で受け止め、6連続目で女の手首を掴んだ。
女「...!?」
女は驚いたあと、後ろに回避し小刀を再び構えた。
女「私の動きに反応できるなんて、なかなかやるじゃない。」
拳「その動きを見る限り、ただの人ではないな。」
女「当たり前よ、私は"暗殺者"なんだから。」
拳はその言葉を無視するように問う。
拳「名を名乗れ。」
女「私の名前はヒカリ。博士に頼まれてあなたを殺しに来たわ。」
拳『博士?』
拳が考えている隙にヒカリは拳にまた猛スピードで飛び付いてきた。
さっきよりも比べ物にない程早い。
ヒカリは光の早さで拳に近づいたのだ。
アインシュタインの相対性理論を無視するかのように。
しかし拳は反応し、刀で受け止めた。
ヒカリは一度驚いたがそのまま攻撃を続けた。
激しい攻防が続く。
ついには早すぎて火花だけが見える状態になってしまった。
そして決着はついた。
砂ぼこりの中で、拳はヒカリの首を掴んでいたのだ。
苦しむヒカリ。
小刀は数メートル先に地面の刺さっていた。
勝敗は見えた。
だが拳はヒカリをそっと下ろしたのだ。
ヒカリ「どうゆうつもり?」
拳「悪いことはしない。お前の言う博士のところに連れていってくれ。」
ヒカリは首を押さえながら、
ヒカリ「い、嫌に決まってるでしょ。」
拳「俺は、その博士の科学力に興味がある。俺のいる場所的確にを調べ、的確にそこに送り込む。」
ヒカリ「それがなんだって言うのよ。」
拳「俺は、やらなきゃいけない目標があるんだ、その目標を達成するにはお前の博士の力が必要だ。そして俺はもっと強くならないといけない。」
ヒカリは呆れたように返す。
ヒカリ「そんなことしなくても、十分強いと思うけど?光の早さでも勝てなかったし。だいたい、そんな簡単に戦闘力を上げることが出来るの?」
拳は少し笑みを浮かべながら、
拳「出来るんだなそれが、俺の能力を使えば。」
拳の目は自信に溢れていた。
ヒカリはやれやれといったように言葉を返した。
ヒカリ「いいわ、そんなに言うなら連れていってあげる。」
拳は驚いたように。
拳「い、いいのか?」
ヒカリ「まあ別に殺しに来たわけじゃなかったからね。」
拳「は?」
ヒカリ「博士がその莫大なエネルギーを欲しがってたのよ。次の研究に必要不可欠だとか。」
拳「な...なぁんだぁ。」
拳は一瞬で力が抜けた。
その後拳はヒカリに博士のいるところまでワープカプセルを使って連れていってもらった。
そしてこの経験が、拳の目標を大きく覆すことになろうとは誰も思いもしなかった。

しおりを挟む

処理中です...