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第一章 相田一郎

一日の終わり

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 俺は再び机へと向かい話の続きを練り続ける。
 話はまだまだ起の部分だ。
 しかしどうにも文章が進まない。
 
 出ることは出るのだが、どうにもこれといって面白さを引き出せている感じがしない。
 けっこうな時間を費やすうちにどんどん集中力が途切れてくる。

 今日一日を振り返る。

 何でもない一日だった。
 せいぜい奇妙な木を発見しただけだ。
 それが一体なんだっていうんだ。
 こうしている間にも世の中は目まぐるしく変化しているのだろう。

 だが俺だって少しはやってるさ。
 今もこうやって小説を書き進めてるじゃないか。
 そうさ、ちょっとずつでもやっていけばいつかは完成する。
 
 気づけばもうだいぶ遅い時間となっている。
 明日もまた仕事が始まる。
 またいつもの日常が始まる。

 そろそろ眠るとするか。

 ――それではおやすみなさい。
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