異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞

文字の大きさ
上 下
53 / 66

【修羅場】

しおりを挟む
「よし到着!」

「わっ!?って、ここどこ!?」

「まぁ、なんて素敵な場所ですの?」


       ーー数分前。ーー


 一瞬にしてシャルべ領の自分の屋敷に着き、ランスの通う学校に赴いた。

 騎士要請学校なだけに、外観もしっかりとしていて、要塞の様な形をしている。

広さで言えば東京ドームぐらいあるんじゃないだろうか?

 なんせ馬鹿でかい。

 それから来た時間が良かったのか、昼時らしく、生徒達がそこらにあるベンチなどで休憩しランチをしている所だった。

「あれ?ハル様?」

 学校につくなり俺を呼び止めたのはバスケットを持った全身ピンクで、フリルが目立つロリロリプリスだった。

 いつの間にやら親しい中だ。

「あっ。プリスお姉ちゃん。こんちわ!」

「ふふ。これはこれは。こんにちは、ですわ。」

 ドレスの裾を少し持ち上げ軽く頭を下げるプリス。

 相変わらず【ですわ】用語で、仕草も洗礼されているな。

「それにしても今日は何用ですの?こんな所で会うとはとても珍しいことかと。」

「そうだった。ランス兄ちゃんに用事があったんです。ランス兄ちゃん見かけませんでしたか?」

「あぁ、それでしたら私は今からランス様にお弁当を持って差し上げる所でしたの。ご一緒なさいます?」

 おぉ!ナイス!

「うん!」

 俺が満面の笑みを見せると、プリスは頬を染め、目を輝かせる。

「ではご一緒に。迷子になってしまいますので手を繋ぎますの。」

 いやいや、そんな子供じゃねぇし!

 いや、見た目子供か?確かに子供過ぎるぐらい子供だよな俺。むしろ園児。3歳だし!

 堂々と歩くと目立つし、ここはプリスに手を繋いでもらうほうが、何かと目立たないかな?

 俺はプリスの手をとり学園を歩く事になる。


「キャァー!!なにあれ!!?マスコットみたいなのが歩いてるわぁー!」

「可愛いぃ!!なんで子供がここに!?」

「プ、プリスちゃん!?まさか子供!?」

「んなわけあるか!」

「いいなぁ。私も手ぇ繋ぎたぁい!」

 目立ちまくりだ。

そういや、ちょくちょくプリスとは会ってるから馴染んで忘れていた。

プリスは超絶美少女で、服もピンクと超絶目立つ!

 そして俺も黙っていれば超絶美少年に見えなくもないはずだ!

ニタリ。

「ぷ、プリス様。そのお子様はいったい‥?」

 3人の女生徒達がプリスと俺の前に現れた。

「こちらはランス様の弟君に在らせられるハル様です。」

 紹介してもらったなら頭を下げるのが礼儀だろう。

 それにランスの事も知っているみたいだしな。

「どうもランスお兄様がいつもお世話になっています。弟のハルです。よろしくお願いします。」

 頭を下げてニコッと笑顔を作ると、女生徒の1人が鼻血を出してぶっ倒れた。

 何!?貧血!?

 ってか周りがキャーキャー言って騒がしくなってきたぞ!?あんまりここで時間くってる暇ねぇんだけどなぁ。と、言いつつ「こっち向いてぇ!」の呼び声で振り向き笑顔で手を振ってしまう俺。

「キャァー!」

 「キャァー!」

 女生徒達が喚き散らす。

 こいつらは山猿か?俺は低学年のガキンチョにゃ興味ねぇぜ。

 だがサービス精神は旺盛なのでね。

 ぎこちない歩きをわざとして転けてみる。

コテッ。

「は、ハル様大丈夫ですか?」

 涙目を水魔法で作り、袖で拭い気丈にふるまう。

「うん。大丈夫」

 そう言うと一斉に歓声がなる。

「キャーーーー!」

「ハル様素敵ぃ!!」

「可愛いすぎるぅ!」

更にあざとく皆に向かってあどけない笑いが俺を作り恥ずかしそうにしてみた。

 すると次々に鼻血をだして学生達が倒れていく。

 ふはははははは!!俺様が天下じゃぁ!

 その騒動に寄せられやっていきたのか。ランスが俺を見るなり引きつった表情を作る。

「は、ハル?何してるの?」

「‥サービス」

「そんなキャラじゃないでしょ」

ガーン!!

でも俺、挫けない!

「オッホン。早速だけどついてきてほしいんだ。」

「何処へ?」

「まぁまぁ」とプリスとランスの手を取り転移する。

 で、フェアリー族の伝説の刀の間に到着。

「わっ、ってここどこ!?」

「まぁ、なんて素敵な場所ですの?」

「おう。ランス。」

 プータンが気安くランスに話しかける。

「プータン!?ってかカルラ様!?それに黒曜丸に‥、な、何このメンツ?ってか何!?」

 不意にランスは手に違和感を感じたのか視線をそれに向ける。

向けた瞬間ランスは鼻血を吹き出してぶっ倒れた。

 何故なら瑠璃丸が頬を染めてランスの手をメロンの様な谷間に突っ込み「あぁ‥なんて大胆な」と艶めかしい声を上げていたのだ。

 大胆はお前だ!バカヤロー!!

 俺にもさせろい!バカヤロー!このヤロー!とは言わない。絶対言わない。

 シスカの視線が恐ろしく怖いからという理由でもないぞ!本当だ!

っていうよりもプリスが微笑みながらランスに歩み寄り、ランスの首根っこを掴むなり瑠璃丸から引っぺがす。

「ハル様。この雌豚腐れ痴女は誰ですの?」

 へっ?雌豚腐れ痴女?

 プ、プリスさん?今プリスの口から聞こえように感じたけれど‥。

 これにはプータン黒曜丸、その他一同も凍りつく。

「貴方。ランス様に何用ですの?」

 微笑みを見せるプリスだが目は笑っていない。

 意識を取り戻したランスが、不意な空気に慌てだす。

「え?ど、どうしたのプリス?」

 慌てるランスの背中をポンポンと軽く叩いて宥める俺。

「モテる男は辛いね。」

 親指を立てて見せる。

「いやいや意味わかんないから!なんの親指だよ!!」















しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

異世界転生したら何でも出来る天才だった。

桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。 だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。 そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。 =========================== 始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

転生貴族の異世界無双生活

guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。 彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。 その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか! ハーレム弱めです。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...