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25話 神聖術
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ミリアが真剣な表情で、自分も術を使えるようになりたいと訴えてきた。
「ミリア、お前は無理して戦いに参加しなくても、いいんだぞ」
「わたしも力になれるならなりたいです! 後ろで見ているだけは、いやです!」
語気を荒げるミリア。基本的には大人しい子なので、こうなるのは非常に珍しい。
「いいわ。聖女の使う術、正式にいうと神聖術を教えてあげる。まだ難しい術は使えないでしょうけど、簡単でその上、戦闘で役に立つ術があるわ」
「おい、いいのか?」
「いいでしょう。聖女が戦いに役に立つのなら、あなたも戦いやすいでしょう。やる気も十分みたいだし、教えない理由がないわ」
確かにそれはそうだ。
ミリア自身がやる気なら、俺に止める理由はないか。
出来れば子供のうちに、ミリアに負担はかけたくなかったんだが、少し過保護だったようだな。
「では、あなたには、【バリア】を教えるわ」
「ばりあ?」
「見えない壁を作る神聖術よ。これを覚えるには二つの意義があるわ。まずは自分の身を守ること。壁を張って攻撃を防げばある程度、自分でも身を守れるわ。守護騎士が防御にかかる負担も下がると、戦いやすくもなる。聖女が死んだら守護騎士も死ぬんだから、自分の身は自分でも守れる術を持っておくべきね」
「待て、聖女が死んだら、守護騎士も死ぬのか?」
「ん? 知らなかったの?」
「知らなかった。守護騎士が死んだら聖女はどうなるんだ」
「守護騎士が死んでも聖女は別に死にはしないわ」
「そうか……」
しかし、ミリアが死んだら俺も死ぬのか。
元々死ぬ気で守るつもりだったから、だからどうというわけではないがな。
「それでもうひとつ、【バリア】を覚える理由だけど、守護騎士を守ることよ。守護騎士も首を斬られたり、頭をぐちゃぐちゃにされたら、死んでしまうわ。多方面からの攻撃などに対処するときは、守護騎士一人ではたりない場合もあるから、【バリア】で守ってあげる必要もあるの」
結構長くて難しい話であるが、ミリアは真剣に聞いて頷いていた。
理解しきれているのかは分からないが、結構賢い子なのでちゃんと理解しきれていると思う。
「どうやったら【バリア】を使えるんですか?」
「呪文を唱えるわ。攻撃を防御せよ! ってね単純でしょ。ちなみに今の呪文で私の目の前に、【バリア】が作成されたわ」
そういうイリーナの目の前には、何かがあるように見えない。
見えない壁なのか。
イリーナに向かって手を伸ばしてみると、確かに壁があった。
ミリアも近づいてきて、同じく壁に触ってみる。
「ほんとだ……壁がある」
「私の【バリア】はそう簡単に壊せないわ。守護騎士が斬っても一度で完全に斬ることは不可能でしょうね」
そこまで硬いなら、間違いなく戦闘で使えるな。
大抵の敵の攻撃は防げることになる。
「これを何重にも張ったりしたら、さらに壊せなくなるわ。五重に張った【バリア】を四方八方に張れば、鉄壁になるわ。私はまだ出来ないんだけど、大聖女さまは出来るわね。術の使用には、力を使うから一度に張れる数には限度があるのよ。私は十が限界ね」
確かにそれなら鉄壁だな。
イリーナの話を聞くミリアの表情は真剣そのものである。
「まずはミリアちゃんは一枚の【バリア】をちゃんと張れるようにならないとね。呪文を唱えれば、取り敢えず【バリア】は張れるでしょうけど、それが戦闘で使えるレベルになるには、結構練習しないといけないわね。頑張れる?」
「はい」
ミリアはそうして、呪文を唱え、練習を始めた。
「ミリア、お前は無理して戦いに参加しなくても、いいんだぞ」
「わたしも力になれるならなりたいです! 後ろで見ているだけは、いやです!」
語気を荒げるミリア。基本的には大人しい子なので、こうなるのは非常に珍しい。
「いいわ。聖女の使う術、正式にいうと神聖術を教えてあげる。まだ難しい術は使えないでしょうけど、簡単でその上、戦闘で役に立つ術があるわ」
「おい、いいのか?」
「いいでしょう。聖女が戦いに役に立つのなら、あなたも戦いやすいでしょう。やる気も十分みたいだし、教えない理由がないわ」
確かにそれはそうだ。
ミリア自身がやる気なら、俺に止める理由はないか。
出来れば子供のうちに、ミリアに負担はかけたくなかったんだが、少し過保護だったようだな。
「では、あなたには、【バリア】を教えるわ」
「ばりあ?」
「見えない壁を作る神聖術よ。これを覚えるには二つの意義があるわ。まずは自分の身を守ること。壁を張って攻撃を防げばある程度、自分でも身を守れるわ。守護騎士が防御にかかる負担も下がると、戦いやすくもなる。聖女が死んだら守護騎士も死ぬんだから、自分の身は自分でも守れる術を持っておくべきね」
「待て、聖女が死んだら、守護騎士も死ぬのか?」
「ん? 知らなかったの?」
「知らなかった。守護騎士が死んだら聖女はどうなるんだ」
「守護騎士が死んでも聖女は別に死にはしないわ」
「そうか……」
しかし、ミリアが死んだら俺も死ぬのか。
元々死ぬ気で守るつもりだったから、だからどうというわけではないがな。
「それでもうひとつ、【バリア】を覚える理由だけど、守護騎士を守ることよ。守護騎士も首を斬られたり、頭をぐちゃぐちゃにされたら、死んでしまうわ。多方面からの攻撃などに対処するときは、守護騎士一人ではたりない場合もあるから、【バリア】で守ってあげる必要もあるの」
結構長くて難しい話であるが、ミリアは真剣に聞いて頷いていた。
理解しきれているのかは分からないが、結構賢い子なのでちゃんと理解しきれていると思う。
「どうやったら【バリア】を使えるんですか?」
「呪文を唱えるわ。攻撃を防御せよ! ってね単純でしょ。ちなみに今の呪文で私の目の前に、【バリア】が作成されたわ」
そういうイリーナの目の前には、何かがあるように見えない。
見えない壁なのか。
イリーナに向かって手を伸ばしてみると、確かに壁があった。
ミリアも近づいてきて、同じく壁に触ってみる。
「ほんとだ……壁がある」
「私の【バリア】はそう簡単に壊せないわ。守護騎士が斬っても一度で完全に斬ることは不可能でしょうね」
そこまで硬いなら、間違いなく戦闘で使えるな。
大抵の敵の攻撃は防げることになる。
「これを何重にも張ったりしたら、さらに壊せなくなるわ。五重に張った【バリア】を四方八方に張れば、鉄壁になるわ。私はまだ出来ないんだけど、大聖女さまは出来るわね。術の使用には、力を使うから一度に張れる数には限度があるのよ。私は十が限界ね」
確かにそれなら鉄壁だな。
イリーナの話を聞くミリアの表情は真剣そのものである。
「まずはミリアちゃんは一枚の【バリア】をちゃんと張れるようにならないとね。呪文を唱えれば、取り敢えず【バリア】は張れるでしょうけど、それが戦闘で使えるレベルになるには、結構練習しないといけないわね。頑張れる?」
「はい」
ミリアはそうして、呪文を唱え、練習を始めた。
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