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24話 模擬戦
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始まった瞬間、頭の中でリリナを攻撃しろと分身たちに命じる。
直接言葉に出さなくても、これで攻撃してくれる。
相手は守護騎士なので容赦はしなくていい。
たぶん首を刎ね飛ばしさえしなければ、生きているだろうから、普通の人間なら重症になるような怪我を負わせても問題ないだろう。
挟み撃ちするように分身たちは、リリナに斬りかかり、それに乗じて俺も攻撃する。
三方向から同時の攻撃だ。
しかしリリナは物凄い速度で動き、攻撃を回避。
危うく同士討ちになるところを、上手く攻撃をストップさせる。
捕まるときにも思ったが、リリナはやはり速度が非常に早い。
簡単に攻撃を当てる事は困難だろう。
ならば……。
攻撃を避けたリリナが、今度は攻めに転じる。
腰に下げている剣に手をかけ、俺ではなく、近くにいた分身に狙いを定め、物凄い速度で斬りかかる。
何とか対処しろと、その分身に命令を出す。
若干遅れて肩の辺りを斬られる。
分身は斬られても血が出たりはしない。
何かキラキラしたものが、斬られた場所から出てくるだけである。
ダメージは受けたようだが、消えるほどの怪我ではなかったみたいだ。
最初に分身を倒す作戦か。
能力の説明はしていないのだが、分身は、一定以上のダメージを追えば消えるということを、勘で察知したのだろうか。
ただこれは好都合だ。
俺は両方の分身に、防御に徹しろと命令を出す。
俺自身も防御に徹し、リリナの出方を注意深くうかがう。
相手も警戒しているのか、動かずしばらくにらみ合いになる。
だが、先にリリナがじれたのか、近くにいた分身を攻撃した。
物凄いスピードだが、何とか初撃を防ぐ。
攻撃を防いだ分身に、リリナを押し倒せと命令を出す。
分身は、命令に従い行動する。
かなり予想外の行動だったのか、リリナは割りとあっさり押し倒される。
それを見て、もう一体の分身と共に、押し倒している分身ごと、剣でリリナを突き刺した。
「ぐっ!」
痛みで悲鳴を上げるリリナ。
分身は大ダメージを受け消滅する。
「はい、そこまでー」
イリーナが戦闘の終了を告げた。
リリナから剣を抜き、もう一体の分身も消滅させる。
剣を抜いた直後、リリナの傷は瞬く間に回復した。
「中々使えるじゃない、そのスキル。それ以上に素の戦闘能力が結構高いわよねあなた。守護騎士になる前は何をやっていたの?」
「冒険者だ。そこそこベテランのな」
「どうりでね。あなたは普通の守護騎士と違って、聖女からの支援を受けられないから、使えるかどうか心配だったけど、これなら何とか使えそうね」
「聖女からの支援?」
「普通、戦いになると、聖女が術を使って、守護騎士を支援するのよ。能力アップ系や回復形の支援は使えないけど、相手の能力を下げたり、武器や防具の強化をしたりね。今回の戦いでは使えなかったけど。ミリアちゃんはまだ子供だから使えないでしょ」
なるほど、聖女も戦闘で活躍する事もあるのか。
まあ、まだ子供であるミリアに戦闘で活躍しろなんていえないし、俺がその分頑張ればいいだけの話か。
そう思っていたら、
「わ、わたしにその術を教えてくれませんか?」
そうミリアがイリーナにお願いをした。
直接言葉に出さなくても、これで攻撃してくれる。
相手は守護騎士なので容赦はしなくていい。
たぶん首を刎ね飛ばしさえしなければ、生きているだろうから、普通の人間なら重症になるような怪我を負わせても問題ないだろう。
挟み撃ちするように分身たちは、リリナに斬りかかり、それに乗じて俺も攻撃する。
三方向から同時の攻撃だ。
しかしリリナは物凄い速度で動き、攻撃を回避。
危うく同士討ちになるところを、上手く攻撃をストップさせる。
捕まるときにも思ったが、リリナはやはり速度が非常に早い。
簡単に攻撃を当てる事は困難だろう。
ならば……。
攻撃を避けたリリナが、今度は攻めに転じる。
腰に下げている剣に手をかけ、俺ではなく、近くにいた分身に狙いを定め、物凄い速度で斬りかかる。
何とか対処しろと、その分身に命令を出す。
若干遅れて肩の辺りを斬られる。
分身は斬られても血が出たりはしない。
何かキラキラしたものが、斬られた場所から出てくるだけである。
ダメージは受けたようだが、消えるほどの怪我ではなかったみたいだ。
最初に分身を倒す作戦か。
能力の説明はしていないのだが、分身は、一定以上のダメージを追えば消えるということを、勘で察知したのだろうか。
ただこれは好都合だ。
俺は両方の分身に、防御に徹しろと命令を出す。
俺自身も防御に徹し、リリナの出方を注意深くうかがう。
相手も警戒しているのか、動かずしばらくにらみ合いになる。
だが、先にリリナがじれたのか、近くにいた分身を攻撃した。
物凄いスピードだが、何とか初撃を防ぐ。
攻撃を防いだ分身に、リリナを押し倒せと命令を出す。
分身は、命令に従い行動する。
かなり予想外の行動だったのか、リリナは割りとあっさり押し倒される。
それを見て、もう一体の分身と共に、押し倒している分身ごと、剣でリリナを突き刺した。
「ぐっ!」
痛みで悲鳴を上げるリリナ。
分身は大ダメージを受け消滅する。
「はい、そこまでー」
イリーナが戦闘の終了を告げた。
リリナから剣を抜き、もう一体の分身も消滅させる。
剣を抜いた直後、リリナの傷は瞬く間に回復した。
「中々使えるじゃない、そのスキル。それ以上に素の戦闘能力が結構高いわよねあなた。守護騎士になる前は何をやっていたの?」
「冒険者だ。そこそこベテランのな」
「どうりでね。あなたは普通の守護騎士と違って、聖女からの支援を受けられないから、使えるかどうか心配だったけど、これなら何とか使えそうね」
「聖女からの支援?」
「普通、戦いになると、聖女が術を使って、守護騎士を支援するのよ。能力アップ系や回復形の支援は使えないけど、相手の能力を下げたり、武器や防具の強化をしたりね。今回の戦いでは使えなかったけど。ミリアちゃんはまだ子供だから使えないでしょ」
なるほど、聖女も戦闘で活躍する事もあるのか。
まあ、まだ子供であるミリアに戦闘で活躍しろなんていえないし、俺がその分頑張ればいいだけの話か。
そう思っていたら、
「わ、わたしにその術を教えてくれませんか?」
そうミリアがイリーナにお願いをした。
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