43 / 47
四十三話目 知恵の間
しおりを挟む
『ようこそ知恵の間へ』
転送された直後声が聞こえた。
さっきと同じ声である。
知恵の間とやらを見てみると、真ん中に六つの椅子と机がある。それぞれに紙と筆記用具が置いてあった。
『ますはそれぞれ席についてもらおう』
俺たちは六つある席にそれぞれ座った。
『こちらから問題を出す。それぞれその問題に関する答えをその紙に書く。一人でも正解していたら、1ポイント与える。全部で五ポイント取れば試練達成だ』
「全員不正解だったらどうなる」
『三回全員不正解があった場合、失格となり二度と試練に挑む権利を失う』
だいたい理解した。一人正解したらいいなら、問題ないな。
メオンとグレースは馬鹿ではないはずだ。
レミ、ミナ、アイシャの三人は、まあ、普段の言動から察するに、あまり知恵はなさそうだからな……。
俺の視線に気づいたのか、
「ぺ、ペレス殿! 何か失敬なことを考えているであろう!」
「そうよ! レミは生真面目さ以外能のない女だけど、アタシとミナは違うわよ!」
「うんうん」
「アイシャ。貴様喧嘩を売っているのか?」
「あ、いや、悪いことじゃないから。大事よ生真面目さは。レミは偉いわ」
「目が泳いんでいるんだよ! 目が!」
「あー、喧嘩するな鬱陶しい」
「アホども」
俺は、喧嘩の仲裁をして、メオンは冷ややかな目で、二人のやり取りを見ていた。
『それでは開始する。第1問』
いきなり問題が始まり、アイシャとレミも喧嘩を静かになり、問題に耳を傾け始める。
『第一問。顔がそっくりの子供が二人いたが、その親は双子ではないという。なぜ? 制限時間は2分』
砂時計が目の前に現れ、砂が落ちていく。
顔がそっくりなのに双子ではない?
決まっている『その子が分身の魔法を使っているから』である。
簡単すぎる問題である。
まさかこれがわからないものがいるわけあるまい。
というかこれが問題であるのか、疑問なくらいだ。
俺はすぐに書く。
「これは楽勝じゃな」
隣の席に座っているメオンもすぐわかったみたいだ。
ちなみに席順は、俺が左端にいて、その右が、メオン、アイシャ、ミナ、レミ、グレートという並びだ。
非常に簡単な問題だと思っているのだが、メオンと俺とグレース以外の連中は悩んでいる。
どこに悩む要素があるのか、疑問だ。
砂時計が半分くらい下に落ちてから、
「あ、分かったかも!」
とアイシャが。
遅れてミナとレミも分かったようだ。
砂時計が完全に下に落ちる。
『では答えを発表する。答えは、子供たちは三つ子だったからだ。四つ子、五つ子……と人数が多い場合も正解だ』
は?
『正解者は四人、1ポイント獲得』
み、三つ子だったから?
何だそりゃ、おかしいだろ! 間違ってんじゃねーか。
「えー? ペレスさんとメオンちゃん間違えたの?」
なんと間違えたのは、俺とメオンの二人だけ。
メオンは俺と同じ答え書いている。
「おいおかしいじゃろ! 三つ子じゃったからは言われてみれば、正解であるが、分身の魔法も正解じゃろ!」
「そうだろ! どこが間違っているんだ!」
「いや、分身の魔法ってそんなん聞いたこともないし。あるの?」
「あるぞ、物凄く珍しい魔法で知っているものは少数じゃがな」
「いやいや、もっと分かりやすい答えじゃないとダメでしょー」
「あっているのはあってるじゃろ!」
「子供は使えないよ普通」
「魔法が苦手な子供とはどこにも書いてねーじゃねーか」
「とにかく間違えは間違えだ」
「ペレスさんって、長く生きているわりには……」
「メオンちゃんも普段は、賢いって感じなのにねー」
こ、こいつら。
自分たちだけが正解したと思って、いい気になりやがって。
隣でメオンも、殺してしまおうか? いやしかしと、殺害を検討するほどイラついているようだ。
クソ、だが今回は安直に考えすぎて間違えた。
次は絶対に外さん。
転送された直後声が聞こえた。
さっきと同じ声である。
知恵の間とやらを見てみると、真ん中に六つの椅子と机がある。それぞれに紙と筆記用具が置いてあった。
『ますはそれぞれ席についてもらおう』
俺たちは六つある席にそれぞれ座った。
『こちらから問題を出す。それぞれその問題に関する答えをその紙に書く。一人でも正解していたら、1ポイント与える。全部で五ポイント取れば試練達成だ』
「全員不正解だったらどうなる」
『三回全員不正解があった場合、失格となり二度と試練に挑む権利を失う』
だいたい理解した。一人正解したらいいなら、問題ないな。
メオンとグレースは馬鹿ではないはずだ。
レミ、ミナ、アイシャの三人は、まあ、普段の言動から察するに、あまり知恵はなさそうだからな……。
俺の視線に気づいたのか、
「ぺ、ペレス殿! 何か失敬なことを考えているであろう!」
「そうよ! レミは生真面目さ以外能のない女だけど、アタシとミナは違うわよ!」
「うんうん」
「アイシャ。貴様喧嘩を売っているのか?」
「あ、いや、悪いことじゃないから。大事よ生真面目さは。レミは偉いわ」
「目が泳いんでいるんだよ! 目が!」
「あー、喧嘩するな鬱陶しい」
「アホども」
俺は、喧嘩の仲裁をして、メオンは冷ややかな目で、二人のやり取りを見ていた。
『それでは開始する。第1問』
いきなり問題が始まり、アイシャとレミも喧嘩を静かになり、問題に耳を傾け始める。
『第一問。顔がそっくりの子供が二人いたが、その親は双子ではないという。なぜ? 制限時間は2分』
砂時計が目の前に現れ、砂が落ちていく。
顔がそっくりなのに双子ではない?
決まっている『その子が分身の魔法を使っているから』である。
簡単すぎる問題である。
まさかこれがわからないものがいるわけあるまい。
というかこれが問題であるのか、疑問なくらいだ。
俺はすぐに書く。
「これは楽勝じゃな」
隣の席に座っているメオンもすぐわかったみたいだ。
ちなみに席順は、俺が左端にいて、その右が、メオン、アイシャ、ミナ、レミ、グレートという並びだ。
非常に簡単な問題だと思っているのだが、メオンと俺とグレース以外の連中は悩んでいる。
どこに悩む要素があるのか、疑問だ。
砂時計が半分くらい下に落ちてから、
「あ、分かったかも!」
とアイシャが。
遅れてミナとレミも分かったようだ。
砂時計が完全に下に落ちる。
『では答えを発表する。答えは、子供たちは三つ子だったからだ。四つ子、五つ子……と人数が多い場合も正解だ』
は?
『正解者は四人、1ポイント獲得』
み、三つ子だったから?
何だそりゃ、おかしいだろ! 間違ってんじゃねーか。
「えー? ペレスさんとメオンちゃん間違えたの?」
なんと間違えたのは、俺とメオンの二人だけ。
メオンは俺と同じ答え書いている。
「おいおかしいじゃろ! 三つ子じゃったからは言われてみれば、正解であるが、分身の魔法も正解じゃろ!」
「そうだろ! どこが間違っているんだ!」
「いや、分身の魔法ってそんなん聞いたこともないし。あるの?」
「あるぞ、物凄く珍しい魔法で知っているものは少数じゃがな」
「いやいや、もっと分かりやすい答えじゃないとダメでしょー」
「あっているのはあってるじゃろ!」
「子供は使えないよ普通」
「魔法が苦手な子供とはどこにも書いてねーじゃねーか」
「とにかく間違えは間違えだ」
「ペレスさんって、長く生きているわりには……」
「メオンちゃんも普段は、賢いって感じなのにねー」
こ、こいつら。
自分たちだけが正解したと思って、いい気になりやがって。
隣でメオンも、殺してしまおうか? いやしかしと、殺害を検討するほどイラついているようだ。
クソ、だが今回は安直に考えすぎて間違えた。
次は絶対に外さん。
0
お気に入りに追加
1,419
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる