41 / 47
四十一話目 遺跡へ
しおりを挟む
グレースの案内で俺達はビルサ砂漠まで向かった。
砂漠の近くに町があり、そのままの装備で砂漠を歩くのは不可能と、グレースが言ったので、俺以外の奴らは砂漠を歩く用の装備に変更していた。
「いや、お主も装備を着替えぬか!」
「いや、俺は良いだろ」
「あのな。砂漠は予想以上に厳しい環境なのだぞ。甘く見ておれば死ぬぞ」
「死ねればいいんだけどな……あいにく、俺は砂漠だろうが毒沼だろうが火山の中だろうが、このままで行ってもまったく問題ないんだ……」
「……お主、一体、何で出来ておるのだ」
グレースが呆れたような表情を浮かべる。
「まあ、ペレス殿ならそのままの装備でもまったく問題ないだろうな」
レミがフォローをする。
「ま、こいつが砂漠程度で死んでおったら、我の苦労は何だったのかという話じゃしな」
メオンがそう言った。メオンも砂漠を歩く用の装備に服装を切り替えている。
「では、行くとするか」
「そういや、歩くのは砂漠だが本当にちゃんと場所は分かっているのか?」
「それは任せておけ」
グレースが、杖を掲げる。
すると、青い一筋の光が発生し、その光が砂漠の方へ一直線に伸びていく。
「この光の方向へ進めば、遺跡がある」
「なるほどね」
その後、俺達は光を辿って砂漠を歩いていった。
○
俺達は砂漠を歩く。一面が砂だらけで日差しが強い。俺は体温調整をする必要がないので温度を感じないようになっているのだが、ほかの連中は暑い暑いといいながら歩いているので、だいぶ暑いのだろう。
「そういえば、お主はなぜルートビアの塔に行きたいのだ?」
グレースがそう尋ねてきた。
「青の賢者に会って、話を聞くためだ」
「……青の賢者に会いにか……なるほど」
「…………」
「わしが何故ルートビアの塔に登りたいのかお主は聞かんのか?」
「ん? 別に興味ないし」
「なんと冷たいやつだ。まあ、聞かれても教えられんがな」
「なんだよそれ」
だったら言うなよ。変なじじいだな。
それからしばらく歩き続けて、
「もうすぐつくぞ」
グレースがそう言った。
「ぜー……はー……やっと、やっとつくのか」
「疲れた……」
「砂漠歩くのしんどい」
レミ、ミナ、アイシャの三人はかなり疲れているようで、肩で息をしながら歩いている。
俺は当然、疲れなどない。メオンと、グレースも疲れていない。疲れているのは三人だけ。
「情けない奴らだな。修行が足らんぞ」
「まったく疲れていないペレス殿がおかしい!」
「その元気を分けて欲しい……」
「いや、俺だけじゃなく、メオンもグレースも平気そうだぞ」
「「「う……」」」
3人は返答に詰まる。
「やはりお前らの鍛え方が足りないようだな」
「ち、違うわ。ペレスさんと、メオンちゃんと、グレースさんがおかしいのよ!」
「そうだそうだ!」
3人は怒り出した。まあ、怒る元気があるんだから、そこまで疲れているわけではないかもしれない。
そこからしばらく歩き、
「ついたぞ」
グレースがそう言った。
だが、周りには何もない。砂が一面に広がっているだけだ。
「なにもないんだが」
「少し待ってろ」
グレースが呪文を唱え始める。
すると、目の前に砂の渦が発生した。
「この中に飛び込めば、遺跡だ」
「へー」
変な仕掛けがしてあるのか。これ自分の力で探そうとしていたら、思ったより時間がかかったかもしれないな。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。飛び込むのか? この中に」
「そうだ」
怯えながら尋ねるレミに、グレースが返答する。
「え、え~。怖いんだけど~……」
「特に危険はないから大丈夫だ」
「ほ、本当……?」
砂の渦に飛び込む事に抵抗を感じているみたいだ。
「ビビる必要はない。わしが行って見せよう」
グレースが一足先に砂の渦に飛び込んだ。
渦に飲まれ一瞬で姿が消える。
「えー……」
「余計怖くなったんだけど」
3人は顔を青ざめさせる。
「別に怖がる必要など無いだろう」
「ペレスさんは不老不死だからそんなこと言えるのよ!」
「グレースも入っていったんだがな。ま、一足先に行っておく」
俺はそう言って、さっさと渦に飛び込んだ。
一瞬で渦に飲まれ落下する。
下は薄暗い遺跡になっていた。
俺が落ちた直後、メオンが来る。
それから少し時間を空けて、レミ、ミナ、アイシャの三人が、落ちてきた。
「全員来たか。ついて来い」
グレースがそう言って、歩き出す。
先には大きな扉があった。
扉には何か書いてある。
「力の間……だってさ」
「この先に魔法生物がおる。気を引き締めろ」
この爺さんなんで遺跡にこんなに詳しいのか疑問に思う。前に来たことあるのだろうか?
まあ、わざわざ聞くほど気になるわけでもないので、俺は理由を尋ねなかった。
「では入るぞ」
俺達は力の間に入った。
砂漠の近くに町があり、そのままの装備で砂漠を歩くのは不可能と、グレースが言ったので、俺以外の奴らは砂漠を歩く用の装備に変更していた。
「いや、お主も装備を着替えぬか!」
「いや、俺は良いだろ」
「あのな。砂漠は予想以上に厳しい環境なのだぞ。甘く見ておれば死ぬぞ」
「死ねればいいんだけどな……あいにく、俺は砂漠だろうが毒沼だろうが火山の中だろうが、このままで行ってもまったく問題ないんだ……」
「……お主、一体、何で出来ておるのだ」
グレースが呆れたような表情を浮かべる。
「まあ、ペレス殿ならそのままの装備でもまったく問題ないだろうな」
レミがフォローをする。
「ま、こいつが砂漠程度で死んでおったら、我の苦労は何だったのかという話じゃしな」
メオンがそう言った。メオンも砂漠を歩く用の装備に服装を切り替えている。
「では、行くとするか」
「そういや、歩くのは砂漠だが本当にちゃんと場所は分かっているのか?」
「それは任せておけ」
グレースが、杖を掲げる。
すると、青い一筋の光が発生し、その光が砂漠の方へ一直線に伸びていく。
「この光の方向へ進めば、遺跡がある」
「なるほどね」
その後、俺達は光を辿って砂漠を歩いていった。
○
俺達は砂漠を歩く。一面が砂だらけで日差しが強い。俺は体温調整をする必要がないので温度を感じないようになっているのだが、ほかの連中は暑い暑いといいながら歩いているので、だいぶ暑いのだろう。
「そういえば、お主はなぜルートビアの塔に行きたいのだ?」
グレースがそう尋ねてきた。
「青の賢者に会って、話を聞くためだ」
「……青の賢者に会いにか……なるほど」
「…………」
「わしが何故ルートビアの塔に登りたいのかお主は聞かんのか?」
「ん? 別に興味ないし」
「なんと冷たいやつだ。まあ、聞かれても教えられんがな」
「なんだよそれ」
だったら言うなよ。変なじじいだな。
それからしばらく歩き続けて、
「もうすぐつくぞ」
グレースがそう言った。
「ぜー……はー……やっと、やっとつくのか」
「疲れた……」
「砂漠歩くのしんどい」
レミ、ミナ、アイシャの三人はかなり疲れているようで、肩で息をしながら歩いている。
俺は当然、疲れなどない。メオンと、グレースも疲れていない。疲れているのは三人だけ。
「情けない奴らだな。修行が足らんぞ」
「まったく疲れていないペレス殿がおかしい!」
「その元気を分けて欲しい……」
「いや、俺だけじゃなく、メオンもグレースも平気そうだぞ」
「「「う……」」」
3人は返答に詰まる。
「やはりお前らの鍛え方が足りないようだな」
「ち、違うわ。ペレスさんと、メオンちゃんと、グレースさんがおかしいのよ!」
「そうだそうだ!」
3人は怒り出した。まあ、怒る元気があるんだから、そこまで疲れているわけではないかもしれない。
そこからしばらく歩き、
「ついたぞ」
グレースがそう言った。
だが、周りには何もない。砂が一面に広がっているだけだ。
「なにもないんだが」
「少し待ってろ」
グレースが呪文を唱え始める。
すると、目の前に砂の渦が発生した。
「この中に飛び込めば、遺跡だ」
「へー」
変な仕掛けがしてあるのか。これ自分の力で探そうとしていたら、思ったより時間がかかったかもしれないな。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。飛び込むのか? この中に」
「そうだ」
怯えながら尋ねるレミに、グレースが返答する。
「え、え~。怖いんだけど~……」
「特に危険はないから大丈夫だ」
「ほ、本当……?」
砂の渦に飛び込む事に抵抗を感じているみたいだ。
「ビビる必要はない。わしが行って見せよう」
グレースが一足先に砂の渦に飛び込んだ。
渦に飲まれ一瞬で姿が消える。
「えー……」
「余計怖くなったんだけど」
3人は顔を青ざめさせる。
「別に怖がる必要など無いだろう」
「ペレスさんは不老不死だからそんなこと言えるのよ!」
「グレースも入っていったんだがな。ま、一足先に行っておく」
俺はそう言って、さっさと渦に飛び込んだ。
一瞬で渦に飲まれ落下する。
下は薄暗い遺跡になっていた。
俺が落ちた直後、メオンが来る。
それから少し時間を空けて、レミ、ミナ、アイシャの三人が、落ちてきた。
「全員来たか。ついて来い」
グレースがそう言って、歩き出す。
先には大きな扉があった。
扉には何か書いてある。
「力の間……だってさ」
「この先に魔法生物がおる。気を引き締めろ」
この爺さんなんで遺跡にこんなに詳しいのか疑問に思う。前に来たことあるのだろうか?
まあ、わざわざ聞くほど気になるわけでもないので、俺は理由を尋ねなかった。
「では入るぞ」
俺達は力の間に入った。
0
お気に入りに追加
1,421
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる