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第一幕
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○よっかめ
結局、脱出は諦めた。
その代わり、たくさんいちゃいちゃすることにした。
奏斗の声を、顔を、温もりを、忘れないために。
「かなと、ちゅーして」
「ん、いーよ。」
一日中ベッドのうえで、ちゅーして、抱きしめあって、愛し合って。
研究所の人たちは、僕達がセックスしてもその後に拘束とかアナルプラグを入れられるとか、それら全て何もしてこなくなった。
ただ、僕らが情事に耽ける様子をガラス越しに眺めているだけ。
きっと、奏斗が死ぬと分かっているからもう無理だと思ったのだろう。番欠乏の症状がある状態で妊娠したら、奇形児や障がいのある子が産まれてくる可能性が高くなるから。
彼らが来ないことがとても、幸せだった。
この儚いときが、一生続けばいい。
○いつかめ
「は、っ、あ、あ、いく...!いく!かなと...!」
「俺も、だすっ...!」
温かいものが流れてくる。
仰向けに寝る奏斗の上に乗り、僕がひたすら動いて快楽に溺れる。
「...ユイ、疲れてない?」
「んーん。...は、ぁ...ぜんぜ、ん...だいじょぶ」
ここ数日、奏斗は歩くときもふらついていることが増えた。どうやら力が上手く入らないらしく、ほぼベッドで過ごしている。
だが何故か、奏斗の息子は力がありあまっているみたいで、いくら出しても大きいままだ。
こいつをへにょへにょにするまで死なせない。
「...唯斗、おいで」
奏斗が腕を広げた。
いつもの慣れで、おいでと言われれば何も考えてなくてもいつの間にか奏斗の腕の中におさまっている。
まだ全然奏斗のはへにゃへにゃになっていないのに、互いに汗ばむ体や精液で濡れているお腹も気にせず、奏斗の胸に飛び込んだ。
「疲れたでしょ。ゆっくりいちゃいちゃしよ。」
「...ん」
どうやら、全部お見通しだったらしい。
とくとくとなる心臓に耳を当て、随分とやせ細ってしまった体を抱きしめる。
「ねぇ、奏斗」
「なあに?」
いつかの日のと同じように、優しく微笑んでくれる。
「もし来世があったとしたら、僕たちはまた一緒にいるかな」
「もちろん。いくら生まれ変わっても、唯斗は誰にも渡したくないからな」
「へへ...。も、もしね!本当生まれ変われたら、僕は魔法使いになりたい!奏斗と2人でずっと一緒に暮らして、たくさん魔法薬とか作って...かわいいお花とか栽培するの。」
「そうだねぇ。お昼は2人でのんびりお茶するんだ。」
「なら、奏斗にすっごく美味しいのみもの作ってもらう。」
「唯斗、炭酸とかコーヒーとか苦いのも飲めないでしょ?なにがあるかなぁ...。」
「紅茶なら僕でも飲めるよ」
今では想像することしか出来ない、来世の話。
そんな未来が、いつかあると信じて。
結局、脱出は諦めた。
その代わり、たくさんいちゃいちゃすることにした。
奏斗の声を、顔を、温もりを、忘れないために。
「かなと、ちゅーして」
「ん、いーよ。」
一日中ベッドのうえで、ちゅーして、抱きしめあって、愛し合って。
研究所の人たちは、僕達がセックスしてもその後に拘束とかアナルプラグを入れられるとか、それら全て何もしてこなくなった。
ただ、僕らが情事に耽ける様子をガラス越しに眺めているだけ。
きっと、奏斗が死ぬと分かっているからもう無理だと思ったのだろう。番欠乏の症状がある状態で妊娠したら、奇形児や障がいのある子が産まれてくる可能性が高くなるから。
彼らが来ないことがとても、幸せだった。
この儚いときが、一生続けばいい。
○いつかめ
「は、っ、あ、あ、いく...!いく!かなと...!」
「俺も、だすっ...!」
温かいものが流れてくる。
仰向けに寝る奏斗の上に乗り、僕がひたすら動いて快楽に溺れる。
「...ユイ、疲れてない?」
「んーん。...は、ぁ...ぜんぜ、ん...だいじょぶ」
ここ数日、奏斗は歩くときもふらついていることが増えた。どうやら力が上手く入らないらしく、ほぼベッドで過ごしている。
だが何故か、奏斗の息子は力がありあまっているみたいで、いくら出しても大きいままだ。
こいつをへにょへにょにするまで死なせない。
「...唯斗、おいで」
奏斗が腕を広げた。
いつもの慣れで、おいでと言われれば何も考えてなくてもいつの間にか奏斗の腕の中におさまっている。
まだ全然奏斗のはへにゃへにゃになっていないのに、互いに汗ばむ体や精液で濡れているお腹も気にせず、奏斗の胸に飛び込んだ。
「疲れたでしょ。ゆっくりいちゃいちゃしよ。」
「...ん」
どうやら、全部お見通しだったらしい。
とくとくとなる心臓に耳を当て、随分とやせ細ってしまった体を抱きしめる。
「ねぇ、奏斗」
「なあに?」
いつかの日のと同じように、優しく微笑んでくれる。
「もし来世があったとしたら、僕たちはまた一緒にいるかな」
「もちろん。いくら生まれ変わっても、唯斗は誰にも渡したくないからな」
「へへ...。も、もしね!本当生まれ変われたら、僕は魔法使いになりたい!奏斗と2人でずっと一緒に暮らして、たくさん魔法薬とか作って...かわいいお花とか栽培するの。」
「そうだねぇ。お昼は2人でのんびりお茶するんだ。」
「なら、奏斗にすっごく美味しいのみもの作ってもらう。」
「唯斗、炭酸とかコーヒーとか苦いのも飲めないでしょ?なにがあるかなぁ...。」
「紅茶なら僕でも飲めるよ」
今では想像することしか出来ない、来世の話。
そんな未来が、いつかあると信じて。
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