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第一幕
Ⅱ
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向かい側にいる二人、ずっと繁殖行為してる。隣からも絶えず嬌声が聞こえてくる。
一面だけガラスで、それ以外の壁や床、天井は雪のように白い部屋。
輸液バックのぶら下がったイルリガードル台を握りながら、三角座りで壁によりかかるようにして座る。
かなと。どこいっちゃったの?
「かな、...か、かなと...」
いつもは、すぐそばにいて、抱きしめてくれて、彼の菫の瞳で慈しむように見てくれるその目で僕を包み込むように癒してくれて、
「奏斗、かなとぉ...や、ひとりやだ...か、かな...」
段々と息が荒くなってくる。はひゅはひゅと呼吸していれば、どこからかブザーの音が鳴り響いた。
辺りが何やら騒がしいが、僕はそれどころじゃなかった。
くるしい、つらい。
ガタンと硬い音が響いて見れば、イルリガードル台が倒れている。
直そうと試みるも、視界が歪んで、直すことができない。頬に温かいものが伝う。
段々と座っていることですら耐え切れなくなり倒れるように横になった。
かなと、かなと...。
『No.22!番欠乏の症状があります!早く!』
『んなこと言ったって、こいつ薬効きづれぇんだよ!緩くしか勃起しねぇ!』
『......仕方ない、No.22を研究室へ運びます!担架を用意して下さい!』
かなと、かなと。
二人きり、郊外で暮らしている時は奏斗が数分いないくらい、耐えれたのに。
僕にはもう、奏斗がいなきゃだめなんだ。
おねがい。
ひとりにしないで。
あのあと、僕は担架で運ばれそれからの記憶がない。きっと気を失ってしまったのだろう。
気づいたらいつもの真っ白な部屋にいて、奏斗も僕のそばにいた。
部屋の片隅にあるベッドに2人向かいあわせで横になる。ふかふかすぎる白のマットレスと、生地が絹で薄い掛け布団。
その掛け布団はもはや意味を成しておらず、足元に畳まれていた。
「かなと」
僕は彼の菫の瞳を見て言った。
「どうしたの?」
柔らかく笑んで、優しい声音で彼は言う。
だが今日の彼は、いつも以上に息が荒い。頬も紅潮している。
それでも、彼の声を聞くだけで、まだあるはずのない子宮がきゅんきゅんして、熱くなってしまう。
どくどくと早く脈打つ鼓動と、自分の息遣いすら聞こえるほどの沈黙。
そして
「すき。ちゅーして」
奏斗は僕の目元を手で覆ってから、唇に触れた。
「んっ、...ふ、ぅ...」
歓迎するように口を開ければ、彼の舌が潜り込んできて、それは上顎や僕の舌を絡めとるように動いた。
互いの唾液が絡まり、卑猥な音が部屋に響く。
もはやどちらの唾液か分からなくなったものをごくんと飲み込むと、奏斗がいい子だね。というように頭を撫でてくれた。
キスしながら服を脱がせてくる奏斗にも、僕は気づかず、ただただ甘いキスを貪る。
「ねぇ、ユイ。挿れていい?」
奏斗はいつの間に脱げていた彼のズボンから出たそれをそれを持ちながら、僕を愛称で呼んだ。
既に奏斗のはありえないほどに勃起していて、呼吸も荒い。腕には数々の注射痕が痛々しく残っている。
それを見た僕は、目を伏せて
「いいよ、カナ...。きて、.....ぅあ"っ!」
頷いた瞬間、慣らしもしないまま入る、彼のもの。毎日のように指で抜いている僕の穴は、なんの躊躇いもなくそれを飲み込んだ。
「動くよ。」
膣化の薬のおかげでローションがなくても濡れて、ぐじゅぐじゅと中を掻き混ぜる音がきこえる。
「あっ!ひ、あぅ...、や、ああ"!かな、カナっ!しょこ、や、やらぁ...!」
カナが慣れたように僕のいいところをさぐりあて、前立腺を狙って突いてくる。そのとたん、きゅぅぅと中を締めてしまって彼の熱いものをより強く感じてしまう。
中を締め、閉じていた目を快感に呼び起こされ瞼を上げれば、奏斗の快楽に耐えるような顔が目に入った。
眉根をよせ、漏れるようにでる息と、潤んだ瞳。その顔を見れば、どくどくと身体中の血がわななく。
「っ、やだじゃない、気持ちいいね。...っ、...やば、すぐ、イきそう。」
カナが僕のちんちんに触れてきて、たったそれだけでビリビリと電流が走ったように身体を震わせた。
「や、いく、ぁう...!いく、いぎゅ、ぅうっ!」
中の最奥をごちゅごちゅと遠慮なく何度も突かれ、早く開けろとノックしてくる。
ぐぽ、と彼のものが最奥に入った瞬間、僕の陰茎から精液が迸った。
「っ、俺も、イク...!」
僕が達した少しあと、カナの陰茎がどくどくと脈打って、熱いものを僕の中へと放つ。
そして、二人が息を整えながら見つめ合った。
一面だけガラスで、それ以外の壁や床、天井は雪のように白い部屋。
輸液バックのぶら下がったイルリガードル台を握りながら、三角座りで壁によりかかるようにして座る。
かなと。どこいっちゃったの?
「かな、...か、かなと...」
いつもは、すぐそばにいて、抱きしめてくれて、彼の菫の瞳で慈しむように見てくれるその目で僕を包み込むように癒してくれて、
「奏斗、かなとぉ...や、ひとりやだ...か、かな...」
段々と息が荒くなってくる。はひゅはひゅと呼吸していれば、どこからかブザーの音が鳴り響いた。
辺りが何やら騒がしいが、僕はそれどころじゃなかった。
くるしい、つらい。
ガタンと硬い音が響いて見れば、イルリガードル台が倒れている。
直そうと試みるも、視界が歪んで、直すことができない。頬に温かいものが伝う。
段々と座っていることですら耐え切れなくなり倒れるように横になった。
かなと、かなと...。
『No.22!番欠乏の症状があります!早く!』
『んなこと言ったって、こいつ薬効きづれぇんだよ!緩くしか勃起しねぇ!』
『......仕方ない、No.22を研究室へ運びます!担架を用意して下さい!』
かなと、かなと。
二人きり、郊外で暮らしている時は奏斗が数分いないくらい、耐えれたのに。
僕にはもう、奏斗がいなきゃだめなんだ。
おねがい。
ひとりにしないで。
あのあと、僕は担架で運ばれそれからの記憶がない。きっと気を失ってしまったのだろう。
気づいたらいつもの真っ白な部屋にいて、奏斗も僕のそばにいた。
部屋の片隅にあるベッドに2人向かいあわせで横になる。ふかふかすぎる白のマットレスと、生地が絹で薄い掛け布団。
その掛け布団はもはや意味を成しておらず、足元に畳まれていた。
「かなと」
僕は彼の菫の瞳を見て言った。
「どうしたの?」
柔らかく笑んで、優しい声音で彼は言う。
だが今日の彼は、いつも以上に息が荒い。頬も紅潮している。
それでも、彼の声を聞くだけで、まだあるはずのない子宮がきゅんきゅんして、熱くなってしまう。
どくどくと早く脈打つ鼓動と、自分の息遣いすら聞こえるほどの沈黙。
そして
「すき。ちゅーして」
奏斗は僕の目元を手で覆ってから、唇に触れた。
「んっ、...ふ、ぅ...」
歓迎するように口を開ければ、彼の舌が潜り込んできて、それは上顎や僕の舌を絡めとるように動いた。
互いの唾液が絡まり、卑猥な音が部屋に響く。
もはやどちらの唾液か分からなくなったものをごくんと飲み込むと、奏斗がいい子だね。というように頭を撫でてくれた。
キスしながら服を脱がせてくる奏斗にも、僕は気づかず、ただただ甘いキスを貪る。
「ねぇ、ユイ。挿れていい?」
奏斗はいつの間に脱げていた彼のズボンから出たそれをそれを持ちながら、僕を愛称で呼んだ。
既に奏斗のはありえないほどに勃起していて、呼吸も荒い。腕には数々の注射痕が痛々しく残っている。
それを見た僕は、目を伏せて
「いいよ、カナ...。きて、.....ぅあ"っ!」
頷いた瞬間、慣らしもしないまま入る、彼のもの。毎日のように指で抜いている僕の穴は、なんの躊躇いもなくそれを飲み込んだ。
「動くよ。」
膣化の薬のおかげでローションがなくても濡れて、ぐじゅぐじゅと中を掻き混ぜる音がきこえる。
「あっ!ひ、あぅ...、や、ああ"!かな、カナっ!しょこ、や、やらぁ...!」
カナが慣れたように僕のいいところをさぐりあて、前立腺を狙って突いてくる。そのとたん、きゅぅぅと中を締めてしまって彼の熱いものをより強く感じてしまう。
中を締め、閉じていた目を快感に呼び起こされ瞼を上げれば、奏斗の快楽に耐えるような顔が目に入った。
眉根をよせ、漏れるようにでる息と、潤んだ瞳。その顔を見れば、どくどくと身体中の血がわななく。
「っ、やだじゃない、気持ちいいね。...っ、...やば、すぐ、イきそう。」
カナが僕のちんちんに触れてきて、たったそれだけでビリビリと電流が走ったように身体を震わせた。
「や、いく、ぁう...!いく、いぎゅ、ぅうっ!」
中の最奥をごちゅごちゅと遠慮なく何度も突かれ、早く開けろとノックしてくる。
ぐぽ、と彼のものが最奥に入った瞬間、僕の陰茎から精液が迸った。
「っ、俺も、イク...!」
僕が達した少しあと、カナの陰茎がどくどくと脈打って、熱いものを僕の中へと放つ。
そして、二人が息を整えながら見つめ合った。
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