15 / 22
14.老舗和菓子屋へ
しおりを挟む
風情ある下町をかたかたと下駄の音を鳴らし、鏡花が清楚な着物で歩いているとたちまち目をひく。向かう先は老舗和菓子屋、久遠。のれんをくぐり顔を出す。すると店番をしていた女の子がそそくさと奥へと引っ込んでいく。数分後、パッと美男子が顔を覗かせた。
「葵。久しぶりね」
「やあ、鏡花。会いたかったよ」
彼は今日、鏡花が仕事を頼む相手である。黄土色の真っ直ぐな絹の髪を結い上げ、クラシックな雰囲気の着物を着こなす姿は、まさに久遠を引き継いだ者としての威厳を感じさせる。
「で? 婚約破棄されて婚約しなおした今の感想は?」
これである。
鏡花はこのデリカシーの無さに顔を歪めた。おそらく客がいるときはそんな大胆発言はしないのだろう。この使い分けの良さが彼の嫌なところである。
「どうもこうもないわ。婚約なんて所詮利益なんだからなんだって一緒よ」
「ちぇ、変わってなくてつまんないな」
「どうもすみませんね、私はつまらない女なの。で、私も忙しいから早く話しちゃいましょ」
ほんの少しだけ、利益と言い放った自分に嫌気がさしたけれど、すぐに葵への面倒くささでいっぱいになる。葵は頬を膨らませ、奥へと引っ込んだ。すぐにお茶菓子を持って帰ってきた葵は近くの椅子に腰掛ける。
「なるほど、春のお茶会を桜じゃなくて藤の下でねえ……」
「お願いできる?」
「ああ、それは全然構わないけれど。藤の花で和菓子を作るのも楽しいからいいよ」
「……何か不満?」
口ではいいよと言いつつ、あまりやる気の見えない葵に鏡花は問う。たしかに後1ヶ月後しかない春のお茶会、しかも新作かつ50人近くの分を注文となると葵とて不満を覚えるかもしれない。
「いいや。ただいつもは皇室付きの和菓子屋が作っているだろ? だから今回だってそこでいいんじゃないかと思って」
「だって、あの和菓子屋体制が古いから嫌なんだもの」
鏡花は当たり前でしょ、と言い放った。葵はこの反応にいくらか慣れてはいるため澄まし顔のまま「そうなの?」と聞き返した。
「だって、春のお茶会には毎年決まったものを出していたと聞いたわ。そんなの毎年儀式みたいでつまらないじゃない。でも話を聞く感じ、『これが正しい』って思ってる節があって、嫌いだったのよね」
「わあ、いつもより一段と饒舌だね、新しい旦那にも嫌われちゃうよ」
「うるさいわよ」
きっと睨みつける。もしかしたら玲も心のどこかでは、怖いだの嫌いだの思っているかもと思うと胸が痛む。ふるふる首を振って自分のほっぺたを叩き喝を入れる。
「今回、私が取り仕切るからこそ、新しくてなおかつ、斬新で美しくしたいの。そのために久遠の和菓子が最適だと思ったのよ」
こう断言してもなお、疑心暗鬼なのか葵は「他にもいい店がいっぱいあるよ」などといじけている。鏡花ははああ、と大きくため息をついた。
「私は葵の作る和菓子が好きなの。昔からいっぱい食べてきたから良さは十分理解してるはずだわ。だからこそ葵にやってもらいたいの」
「……本当に? 嬉しいなあ、頑張っちゃう」
えへへと照れくさそうにしている葵を白けた目で見つつ、単純だと思った。もちろん葵のお菓子は絶品だからその言葉に嘘偽りもないのだが。
その後淡々と日程などの計画を進めて、無事和菓子の件は終了した。鏡花はそろーりと立ち上がって何食わぬ顔でのれんを潜ろうとする。
「あれ、鏡花。ひっさしぶりに会う、こんな急な案件を飲んでくれる優しい優しい幼馴染に、何のお土産話も無しで帰るの?」
「ぐっ……」
げんなりと顔を歪めた。帰る間際発生する謎のおしゃべりタイム。正直とてつもなく忙しいこの時期に、やめてほしい。
「何もないわよ、忙しかったもの」
「いやいや、あるくせに。薬指にペアリングまでつけちゃって。洒落てんじゃん」
にこおっと笑って座るよう促す葵には逆らえず……鏡花は渋々椅子に座った。それから、葵のこういうどうでもいいところに発揮される観察眼。これが非常に厄介なのである。
「いやあ、嬉しいなあ。ついに鏡花がペアリングをつけている日が来るなんて。婚約者さんとはどこまで行ったの?」
「……真昼間からやめてくれる? どうもこうもないわよ」
元婚約者とならあったけどね……というのは飲み込んだ。これを言えばそのままこの前20歳を迎えたばかりの葵飲んだくれコースへ突入してしまう。
「またまたあ」
「……そのデリカシーのなさを婚約者さんに見せてあげたいわ。人にはそんなこと聞いておいて自分はへっぴり腰なくせして」
「しょ、しょうがないだろ!!」
クククッと鏡花はしたり顔で笑う。こうお互いをつつき合っているが2人ともそういうことに関しては耐性があまりにもなかった。
葵にも婚約して数年経つ婚約者がいる。葵が久遠を引き継ぎ落ち着き始めたからそろそろ結婚してもおかしくないのだが、未だに手に触れるのがやっとらしい。なんて純情青年。
「じゃ、じゃあ、俺がキ、キスしたら鏡花もしろよ!!」
「はあ!? そんなこと誰が約束するの……」
「断ってもいいんだけど?」
ひらひらと見せられた契約書に鏡花は思わず怯んだ。これは完全に脅し。それも葵が一歩前進するためのダシにされる形で。
「…………ああ、もう。でもこれから忙しいんだからそういうのは春のお茶会が無事終わってからよ!」
「ああ! 約束だからな!!」
半ば叫ぶように言い合い、お互いなんてこと約束してしまったんだとひどく後悔した。しかしプライドが高いゆえに言い出すことはできなかった。
「……そうだ、これ持っていって。旦那と一緒に食べてくれよ。感想もほしいしさ」
帰る間際、葵は包みを手渡した。中身は久遠名物の葉の形の上生菓子だ。鏡花はお気に入りのお土産に顔を綻ばせる。同時に玲と一緒に食べようと胸を躍らせた。
***
「ただいま」
「おかえりなさいませお嬢さま」
邸に帰るとかよが出迎えた。掃除をしていたのだろうか、かよのほかにも使用人がいるように見えたが目的の人物はどうやらいなそうだった。
「玲さんはお部屋かしら?」
「ええ、そうなのですが……どうやらあまり元気ではなさそうで」
声が心なしか沈んでいたと話すかよに鏡花は自然と二階に目を向けていた。早々に上生菓子を皿に盛りつけ、2人分をお盆にのせる。それから鏡花は急ぎ足で玲の部屋を目指した。
部屋のあたりまで来て、部屋ではなくコレクションルームにいることに気がつく。それからすぐに邪魔をしてはいけないわ、という少し残念な気持ちが押し寄せる。
「互いに干渉しないことは、私が望んだことでしょ……」
そうぽろりとこぼして、方向を変えた。お盆に乗る皿がかちゃかちゃと立てる音すらうるさく感じてしまう。すると。
ばたばたと滑りそうな勢いで部屋を駆ける音が聞こえた。鏡花が振り返ったのと同時に部屋のドアが勢いよく開いた。そこから玲が顔をのぞかせている。
「待って、行かないでくれ」
玲はどこか、懇願しているようにすら見えた。
「葵。久しぶりね」
「やあ、鏡花。会いたかったよ」
彼は今日、鏡花が仕事を頼む相手である。黄土色の真っ直ぐな絹の髪を結い上げ、クラシックな雰囲気の着物を着こなす姿は、まさに久遠を引き継いだ者としての威厳を感じさせる。
「で? 婚約破棄されて婚約しなおした今の感想は?」
これである。
鏡花はこのデリカシーの無さに顔を歪めた。おそらく客がいるときはそんな大胆発言はしないのだろう。この使い分けの良さが彼の嫌なところである。
「どうもこうもないわ。婚約なんて所詮利益なんだからなんだって一緒よ」
「ちぇ、変わってなくてつまんないな」
「どうもすみませんね、私はつまらない女なの。で、私も忙しいから早く話しちゃいましょ」
ほんの少しだけ、利益と言い放った自分に嫌気がさしたけれど、すぐに葵への面倒くささでいっぱいになる。葵は頬を膨らませ、奥へと引っ込んだ。すぐにお茶菓子を持って帰ってきた葵は近くの椅子に腰掛ける。
「なるほど、春のお茶会を桜じゃなくて藤の下でねえ……」
「お願いできる?」
「ああ、それは全然構わないけれど。藤の花で和菓子を作るのも楽しいからいいよ」
「……何か不満?」
口ではいいよと言いつつ、あまりやる気の見えない葵に鏡花は問う。たしかに後1ヶ月後しかない春のお茶会、しかも新作かつ50人近くの分を注文となると葵とて不満を覚えるかもしれない。
「いいや。ただいつもは皇室付きの和菓子屋が作っているだろ? だから今回だってそこでいいんじゃないかと思って」
「だって、あの和菓子屋体制が古いから嫌なんだもの」
鏡花は当たり前でしょ、と言い放った。葵はこの反応にいくらか慣れてはいるため澄まし顔のまま「そうなの?」と聞き返した。
「だって、春のお茶会には毎年決まったものを出していたと聞いたわ。そんなの毎年儀式みたいでつまらないじゃない。でも話を聞く感じ、『これが正しい』って思ってる節があって、嫌いだったのよね」
「わあ、いつもより一段と饒舌だね、新しい旦那にも嫌われちゃうよ」
「うるさいわよ」
きっと睨みつける。もしかしたら玲も心のどこかでは、怖いだの嫌いだの思っているかもと思うと胸が痛む。ふるふる首を振って自分のほっぺたを叩き喝を入れる。
「今回、私が取り仕切るからこそ、新しくてなおかつ、斬新で美しくしたいの。そのために久遠の和菓子が最適だと思ったのよ」
こう断言してもなお、疑心暗鬼なのか葵は「他にもいい店がいっぱいあるよ」などといじけている。鏡花ははああ、と大きくため息をついた。
「私は葵の作る和菓子が好きなの。昔からいっぱい食べてきたから良さは十分理解してるはずだわ。だからこそ葵にやってもらいたいの」
「……本当に? 嬉しいなあ、頑張っちゃう」
えへへと照れくさそうにしている葵を白けた目で見つつ、単純だと思った。もちろん葵のお菓子は絶品だからその言葉に嘘偽りもないのだが。
その後淡々と日程などの計画を進めて、無事和菓子の件は終了した。鏡花はそろーりと立ち上がって何食わぬ顔でのれんを潜ろうとする。
「あれ、鏡花。ひっさしぶりに会う、こんな急な案件を飲んでくれる優しい優しい幼馴染に、何のお土産話も無しで帰るの?」
「ぐっ……」
げんなりと顔を歪めた。帰る間際発生する謎のおしゃべりタイム。正直とてつもなく忙しいこの時期に、やめてほしい。
「何もないわよ、忙しかったもの」
「いやいや、あるくせに。薬指にペアリングまでつけちゃって。洒落てんじゃん」
にこおっと笑って座るよう促す葵には逆らえず……鏡花は渋々椅子に座った。それから、葵のこういうどうでもいいところに発揮される観察眼。これが非常に厄介なのである。
「いやあ、嬉しいなあ。ついに鏡花がペアリングをつけている日が来るなんて。婚約者さんとはどこまで行ったの?」
「……真昼間からやめてくれる? どうもこうもないわよ」
元婚約者とならあったけどね……というのは飲み込んだ。これを言えばそのままこの前20歳を迎えたばかりの葵飲んだくれコースへ突入してしまう。
「またまたあ」
「……そのデリカシーのなさを婚約者さんに見せてあげたいわ。人にはそんなこと聞いておいて自分はへっぴり腰なくせして」
「しょ、しょうがないだろ!!」
クククッと鏡花はしたり顔で笑う。こうお互いをつつき合っているが2人ともそういうことに関しては耐性があまりにもなかった。
葵にも婚約して数年経つ婚約者がいる。葵が久遠を引き継ぎ落ち着き始めたからそろそろ結婚してもおかしくないのだが、未だに手に触れるのがやっとらしい。なんて純情青年。
「じゃ、じゃあ、俺がキ、キスしたら鏡花もしろよ!!」
「はあ!? そんなこと誰が約束するの……」
「断ってもいいんだけど?」
ひらひらと見せられた契約書に鏡花は思わず怯んだ。これは完全に脅し。それも葵が一歩前進するためのダシにされる形で。
「…………ああ、もう。でもこれから忙しいんだからそういうのは春のお茶会が無事終わってからよ!」
「ああ! 約束だからな!!」
半ば叫ぶように言い合い、お互いなんてこと約束してしまったんだとひどく後悔した。しかしプライドが高いゆえに言い出すことはできなかった。
「……そうだ、これ持っていって。旦那と一緒に食べてくれよ。感想もほしいしさ」
帰る間際、葵は包みを手渡した。中身は久遠名物の葉の形の上生菓子だ。鏡花はお気に入りのお土産に顔を綻ばせる。同時に玲と一緒に食べようと胸を躍らせた。
***
「ただいま」
「おかえりなさいませお嬢さま」
邸に帰るとかよが出迎えた。掃除をしていたのだろうか、かよのほかにも使用人がいるように見えたが目的の人物はどうやらいなそうだった。
「玲さんはお部屋かしら?」
「ええ、そうなのですが……どうやらあまり元気ではなさそうで」
声が心なしか沈んでいたと話すかよに鏡花は自然と二階に目を向けていた。早々に上生菓子を皿に盛りつけ、2人分をお盆にのせる。それから鏡花は急ぎ足で玲の部屋を目指した。
部屋のあたりまで来て、部屋ではなくコレクションルームにいることに気がつく。それからすぐに邪魔をしてはいけないわ、という少し残念な気持ちが押し寄せる。
「互いに干渉しないことは、私が望んだことでしょ……」
そうぽろりとこぼして、方向を変えた。お盆に乗る皿がかちゃかちゃと立てる音すらうるさく感じてしまう。すると。
ばたばたと滑りそうな勢いで部屋を駆ける音が聞こえた。鏡花が振り返ったのと同時に部屋のドアが勢いよく開いた。そこから玲が顔をのぞかせている。
「待って、行かないでくれ」
玲はどこか、懇願しているようにすら見えた。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
白鬼
藤田 秋
キャラ文芸
ホームレスになった少女、千真(ちさな)が野宿場所に選んだのは、とある寂れた神社。しかし、夜の神社には既に危険な先客が居座っていた。化け物に襲われた千真の前に現れたのは、神職の衣装を身に纏った白き鬼だった――。
普通の人間、普通じゃない人間、半分妖怪、生粋の妖怪、神様はみんなお友達?
田舎町の端っこで繰り広げられる、巫女さんと神主さんの(頭の)ユルいグダグダな魑魅魍魎ライフ、開幕!
草食系どころか最早キャベツ野郎×鈍感なアホの子。
少年は正体を隠し、少女を守る。そして、少女は当然のように正体に気付かない。
二人の主人公が織り成す、王道を走りたかったけど横道に逸れるなんちゃってあやかし奇譚。
コメディとシリアスの温度差にご注意を。
他サイト様でも掲載中です。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
【書籍化により12/31で引き下げ】千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
汐埼ゆたか
恋愛
書籍化により【2024/12/31】いっぱいで引き下げさせていただきます。
詳しくは近況ボードに書きましたのでご一読いただけたら幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
美緒は生まれてから二十六年間誰もすきになったことがない。
その事情を話し『友人としてなら』と同僚男性と食事に行ったが、関係を迫られる。
あやうく部屋に連れ込まれかけたところに現れたのは――。
「僕と恋をしてみないか」
「きっと君は僕をすきになる」
「君が欲しい」
――恋は嫌。
あんな思いはもうたくさんなの。
・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。. 。.:*・゚✽.。.
旧財閥系東雲家 御曹司『ECアーバン開発』社長
東雲 智景(しののめ ちかげ)33歳
×
東雲商事子会社『フォーミー』総務課
滝川 美緒(たきがわ みお)26歳
・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。. 。.:*・゚✽.。.
「やっと捕まえた。もう二度と手放さない」
※他サイトでも公開中
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
年下の男の子に懐かれているうえに、なぜか同棲することになったのですが……
安東門々
恋愛
今年で29歳の完璧アラサー街道を歩き続ける神薙 紗香(かんなぎさやか)は、仕事一筋のキャリアウーマン。
男の気配はまるでない。自身でもわかっていたが、中々仕事以外に目がいかなかった。
そこで、自分へのご褒美ということで、少し高いマンションを購入してしまう。
自分の城ができたと思い、ウキウキして部屋に入るとそこには、なぜかお風呂から出てきた取引先のアルバイトくんがいた。
表紙絵 ※ もみじこさん
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる