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9.僕とあいつ、何が違かった?
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前を歩く、少しそわそわしている玲を見て鏡花は思わずくすりと笑ってしまう。
玲のコレクションルームは、つまり玲がなによりも大切にしている場所というわけで。そんなところへ婚約者もどきである鏡花を連れてきてくれるとは思ってもみなかったし、なんだか心を開いてくれたようで嬉しかった。どうして急にそう思ったのかは鏡花は分からなかったが。
「開けるよ、ああ、目を瞑った方がわくわくするだろうか」
「ふふ、じゃあそうするわ」
楽しげな玲につられて鏡花は目を覆い隠す。玲の自室の隣にその部屋はあり、重厚な扉が秘密の部屋のように感じられる。扉を開け、部屋の中へと玲は鏡花をエスコートする。一気に変わった空気感に、鏡花はうずうずして「もうとってもいい?」と尋ねる。その声はすっかり、素の鏡花のものだ。「いいよ」という声を合図に、目を覆っていた手を離す。それから目を輝かせた。
部屋一面、黒い壁紙になっていて宝石が埋め込まれている。床から伸びる光を反射してキラキラと宝石たちが輝いている。
「すっごい綺麗、まるで星空みたいね」
「そうだろう! 実は何かの形を模しているものもあるんだが、分かるか?」
「ええと、あれはオリオン座ね。もしかして星座の形になっているの? 本当に素敵だわ!」
「すごいな、すぐに気がつくなんて、さすがだ」
それからしばらく星座を当てっこしたり、宝石の話をしたり2人は星空の部屋の中で過ごした。好きなものの話をしている玲は、本当に幸せそうでなんだか鏡花まで嬉しくなってしまった。それに、こうして2人で話しているのは心地いい。
「ありがとう、私を玲さんの大切な場所に連れてきてくれて」
「……気に入ってくれただろうか」
「ええ、もちろん! こんなに素敵なコレクションルームだとは思ってもみなかったわ。本当に夢みたいよ」
玲はほっと胸を撫で下ろした。ひどく幸せそうに笑ったその表情に鏡花は思わず胸が高鳴った。
「……実はこの部屋に人を入れたのは父と母、それから貴女しかいないんだ」
「そうなの? えっと、すごく嬉しいけれどどうして私を入れてくださったの……?」
そう尋ねると、玲は言い淀む。なんと表現していいか分からない。玲は「どうして、だろう」と呟いてしまう。鏡花も考え込んだ玲を見て、困ってしまう。一瞬、沈黙が部屋を包み込む。
――その沈黙を割ったのは隣室から聞こえる電話の音。
「玲さん、お仕事の電話かもしれないわ」
「あ、ああ。すまない。俺はいくが貴女は部屋を見ていてくれて構わない」
「ここのところ忙しかったものね。私のことは気にせずお仕事してください」
そうにっこりと笑う鏡花に玲はすまなそうに頭を下げ、隣の部屋へと駆けていく。部屋から出て行った玲を見てから鏡花は張り付けた笑顔をぎこちなく崩した。思い返すのは「どうしてだろう」という煮え切らない言葉。
「なんで、こんなに苦しいのかしら」
***
数時間経ち、鏡花は自室でペアリングを指にはめ、ぼんやり見つめていた。
「おそろいにしたかった」と笑ったあれは、演技だと分かっているしそれも込みで了承した婚約だ。なのにいちいち玲の言葉に一喜一憂してしまう今の自分は絶対におかしい。胸のもやもやも何かの病気なのかもしれない。
そう、思っていたところへかよが部屋へ飛び込んできた。いつもなら「ノックぐらいしなさい」と注意するところだがそんな気分でもない。しかしかよは鏡花の変化に気づく余裕もないのか、声を上げた。
「お嬢さま、今すぐ客間に来てくださいませ!」
「……どうしてよ」
「優雅さまが、いらしてるんです」
「……なんで」
跳ね返るように思い出した先日のキスをふり払いながら、鏡花は客間へと急ぐ。自分が長らく隠し続けてきた普段着であることや、さらには薬指にペアリングをはめていることすらすっかり忘れて。
優雅はそんな鏡花の大きな変化にすぐ気がついたようだった。部屋に入ってきた鏡花を見るやいなや「可愛い」と小さく呟く。同時に昔からこの格好であることなど知らないため新しくできた婚約者の影響だと思い込む。それから優雅は使用人たちには席を外すよう頼んだ。
2人きりにされ、鏡花は心を落ち着かせながら優雅に向き合う。今日優雅は紺色の着物を着ているのだが、ここのところスーツしか見ていなかった鏡花にはひさしぶりに思えた。
「……急にどうしたの」
「突然押しかけてすまない。先日の件について謝罪に来たんだ……ええと碧澄さんは勤務中かな?」
「ええ。そうよ」
ああ、家でと言えばよかったかしら、と鏡花は思ったが玲をこの件に巻き込むのは筋違いだと思い直す。それに優雅とキスをしていたとは知られたくないと思った。
「まず、昨夜は本当に申し訳ないことをしてしまった。本当にすまない」
「い、いえ。大丈夫よ。だって優雅さんは酔っていたもの。酔っていたときのことなんて気にすることはないわ」
「……じゃあ鏡花は、あのとき告げた言葉も、キスも全部僕の本心じゃないと、酔っているせいだと思っているのか?」
えぐるようにまっすぐな視線に鏡花は目を逸らす。今までこんな顔は見たこともなかったし、それにこの前の言葉も本当だと言っているのだと気がつき、ますますどぎまぎしてしまう。
「でも、どうして。だったらなぜ婚約破棄だなんて……」
「君に頼って欲しかった。僕はやり方を間違えてしまったんだ。それにまさか君が受け入れてしまうなんて、思わなかったんだ」
「そんなの、あんな風に言われたら誰だって受け入れるわ」
「それは申し訳なかったと思ってる。君を手に入れたくてしょうがなくて……! だからお願いだ、もう一度だけでいい。僕とやり直してくれないか」
優雅は力強く鏡花の手を取った。「でも」と手を離そうとする鏡花を苦しげに見て、それからピンクトパーズがついたペアリングが目に映った。それが玲とのものだと気がつき優雅は顔色を変えた。
「そんなに、その出会ったばかりの男がよかった? 一緒に暮らして、服の趣味まで変わって。なあ、そいつと僕どこが違かった?」
「あの、優雅さん、それは……」
鏡花は様子がおかしいと気がついて離れようとする。ここで「婚約のふりなの」と言っても「服はもともとで」と言っても今よりもひどい状況になることは目に見えていた。
「…………ごめんなさい」
そう言い、今度こそ鏡花は手を振り払った。
「優雅さんの気持ちは嬉しいわ。それに、そんなふうに思っていてくれたことに気がつかなくて、本当にごめんなさい。でも、私は今のこの環境を気に入っているの。だから……優雅さんともう一度婚約することはできません」
一息にそこまで言う。目を見ていることはできなかった。気持ちは無くても、あんな風にまっすぐ伝えられたら断るのは誰だって心苦しい。恐る恐る顔を見ようとする――しかしそれよりも早く、肩を強く押される感覚がした。直後、視界が優雅でいっぱいになる。手はソファに縫いとめられて動けない。
「優雅さん、離して」
「…………嫌だ。僕の方が鏡花への愛は大きいんだ。今だったらまだ、間に合うだろ? それともあいつとももう進んだの? 僕とはしなかったのに」
「ねえ、待って、落ち着いて!」
帯が緩められたのと同時に手が袴の中に入ってくる感覚。ひどく丁寧なそれにかえってゾワゾワする。それと同時に襲ってくる恐怖。目を開ければ狂ったような目で見つめる優雅がいる。その目に見つめられるのが怖くて、嫌で、鏡花は目をきつく閉じた。
「やめろ」
聞こえてきた声がひどく心地良く感じた。目を開ければ、ここまで駆けてきたのか息を荒くした玲が、優雅の手を掴んでいた。
玲のコレクションルームは、つまり玲がなによりも大切にしている場所というわけで。そんなところへ婚約者もどきである鏡花を連れてきてくれるとは思ってもみなかったし、なんだか心を開いてくれたようで嬉しかった。どうして急にそう思ったのかは鏡花は分からなかったが。
「開けるよ、ああ、目を瞑った方がわくわくするだろうか」
「ふふ、じゃあそうするわ」
楽しげな玲につられて鏡花は目を覆い隠す。玲の自室の隣にその部屋はあり、重厚な扉が秘密の部屋のように感じられる。扉を開け、部屋の中へと玲は鏡花をエスコートする。一気に変わった空気感に、鏡花はうずうずして「もうとってもいい?」と尋ねる。その声はすっかり、素の鏡花のものだ。「いいよ」という声を合図に、目を覆っていた手を離す。それから目を輝かせた。
部屋一面、黒い壁紙になっていて宝石が埋め込まれている。床から伸びる光を反射してキラキラと宝石たちが輝いている。
「すっごい綺麗、まるで星空みたいね」
「そうだろう! 実は何かの形を模しているものもあるんだが、分かるか?」
「ええと、あれはオリオン座ね。もしかして星座の形になっているの? 本当に素敵だわ!」
「すごいな、すぐに気がつくなんて、さすがだ」
それからしばらく星座を当てっこしたり、宝石の話をしたり2人は星空の部屋の中で過ごした。好きなものの話をしている玲は、本当に幸せそうでなんだか鏡花まで嬉しくなってしまった。それに、こうして2人で話しているのは心地いい。
「ありがとう、私を玲さんの大切な場所に連れてきてくれて」
「……気に入ってくれただろうか」
「ええ、もちろん! こんなに素敵なコレクションルームだとは思ってもみなかったわ。本当に夢みたいよ」
玲はほっと胸を撫で下ろした。ひどく幸せそうに笑ったその表情に鏡花は思わず胸が高鳴った。
「……実はこの部屋に人を入れたのは父と母、それから貴女しかいないんだ」
「そうなの? えっと、すごく嬉しいけれどどうして私を入れてくださったの……?」
そう尋ねると、玲は言い淀む。なんと表現していいか分からない。玲は「どうして、だろう」と呟いてしまう。鏡花も考え込んだ玲を見て、困ってしまう。一瞬、沈黙が部屋を包み込む。
――その沈黙を割ったのは隣室から聞こえる電話の音。
「玲さん、お仕事の電話かもしれないわ」
「あ、ああ。すまない。俺はいくが貴女は部屋を見ていてくれて構わない」
「ここのところ忙しかったものね。私のことは気にせずお仕事してください」
そうにっこりと笑う鏡花に玲はすまなそうに頭を下げ、隣の部屋へと駆けていく。部屋から出て行った玲を見てから鏡花は張り付けた笑顔をぎこちなく崩した。思い返すのは「どうしてだろう」という煮え切らない言葉。
「なんで、こんなに苦しいのかしら」
***
数時間経ち、鏡花は自室でペアリングを指にはめ、ぼんやり見つめていた。
「おそろいにしたかった」と笑ったあれは、演技だと分かっているしそれも込みで了承した婚約だ。なのにいちいち玲の言葉に一喜一憂してしまう今の自分は絶対におかしい。胸のもやもやも何かの病気なのかもしれない。
そう、思っていたところへかよが部屋へ飛び込んできた。いつもなら「ノックぐらいしなさい」と注意するところだがそんな気分でもない。しかしかよは鏡花の変化に気づく余裕もないのか、声を上げた。
「お嬢さま、今すぐ客間に来てくださいませ!」
「……どうしてよ」
「優雅さまが、いらしてるんです」
「……なんで」
跳ね返るように思い出した先日のキスをふり払いながら、鏡花は客間へと急ぐ。自分が長らく隠し続けてきた普段着であることや、さらには薬指にペアリングをはめていることすらすっかり忘れて。
優雅はそんな鏡花の大きな変化にすぐ気がついたようだった。部屋に入ってきた鏡花を見るやいなや「可愛い」と小さく呟く。同時に昔からこの格好であることなど知らないため新しくできた婚約者の影響だと思い込む。それから優雅は使用人たちには席を外すよう頼んだ。
2人きりにされ、鏡花は心を落ち着かせながら優雅に向き合う。今日優雅は紺色の着物を着ているのだが、ここのところスーツしか見ていなかった鏡花にはひさしぶりに思えた。
「……急にどうしたの」
「突然押しかけてすまない。先日の件について謝罪に来たんだ……ええと碧澄さんは勤務中かな?」
「ええ。そうよ」
ああ、家でと言えばよかったかしら、と鏡花は思ったが玲をこの件に巻き込むのは筋違いだと思い直す。それに優雅とキスをしていたとは知られたくないと思った。
「まず、昨夜は本当に申し訳ないことをしてしまった。本当にすまない」
「い、いえ。大丈夫よ。だって優雅さんは酔っていたもの。酔っていたときのことなんて気にすることはないわ」
「……じゃあ鏡花は、あのとき告げた言葉も、キスも全部僕の本心じゃないと、酔っているせいだと思っているのか?」
えぐるようにまっすぐな視線に鏡花は目を逸らす。今までこんな顔は見たこともなかったし、それにこの前の言葉も本当だと言っているのだと気がつき、ますますどぎまぎしてしまう。
「でも、どうして。だったらなぜ婚約破棄だなんて……」
「君に頼って欲しかった。僕はやり方を間違えてしまったんだ。それにまさか君が受け入れてしまうなんて、思わなかったんだ」
「そんなの、あんな風に言われたら誰だって受け入れるわ」
「それは申し訳なかったと思ってる。君を手に入れたくてしょうがなくて……! だからお願いだ、もう一度だけでいい。僕とやり直してくれないか」
優雅は力強く鏡花の手を取った。「でも」と手を離そうとする鏡花を苦しげに見て、それからピンクトパーズがついたペアリングが目に映った。それが玲とのものだと気がつき優雅は顔色を変えた。
「そんなに、その出会ったばかりの男がよかった? 一緒に暮らして、服の趣味まで変わって。なあ、そいつと僕どこが違かった?」
「あの、優雅さん、それは……」
鏡花は様子がおかしいと気がついて離れようとする。ここで「婚約のふりなの」と言っても「服はもともとで」と言っても今よりもひどい状況になることは目に見えていた。
「…………ごめんなさい」
そう言い、今度こそ鏡花は手を振り払った。
「優雅さんの気持ちは嬉しいわ。それに、そんなふうに思っていてくれたことに気がつかなくて、本当にごめんなさい。でも、私は今のこの環境を気に入っているの。だから……優雅さんともう一度婚約することはできません」
一息にそこまで言う。目を見ていることはできなかった。気持ちは無くても、あんな風にまっすぐ伝えられたら断るのは誰だって心苦しい。恐る恐る顔を見ようとする――しかしそれよりも早く、肩を強く押される感覚がした。直後、視界が優雅でいっぱいになる。手はソファに縫いとめられて動けない。
「優雅さん、離して」
「…………嫌だ。僕の方が鏡花への愛は大きいんだ。今だったらまだ、間に合うだろ? それともあいつとももう進んだの? 僕とはしなかったのに」
「ねえ、待って、落ち着いて!」
帯が緩められたのと同時に手が袴の中に入ってくる感覚。ひどく丁寧なそれにかえってゾワゾワする。それと同時に襲ってくる恐怖。目を開ければ狂ったような目で見つめる優雅がいる。その目に見つめられるのが怖くて、嫌で、鏡花は目をきつく閉じた。
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