向日葵畑の君へ

茶碗蒸し

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主人公

馬渕珱柳という人間2

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大会の一週間前のある日、俺は部活帰りに何者かによって誘拐された。俺の中学はスポーツ科は全寮制。バレー部の奴らからサッカー、ラグビー、野球、バスケ、、といった強豪は全て寮生活を送っている。

ちなみに男女共学。だけど何故かスポーツ科は男子だけ。マネージャーとかさ応援団とか、ファンですって言ってくれる女の子達とは喋ったことあるんだけど。クラスに男子しかいないって楽だけど華がないですよ。


ごほん、話がそれたけども。



俺は誘拐されて監禁されたのは約一週間。そんなに長い間行方不明だったら警察沙汰だろう?そう思うだろ?。そうじゃなかったんだよね、まだ部外者にさらわれてどこか知らない場所に閉じ込められた方がマシだったのかもしれない。


主犯はバレー部じゃないスポーツ科の奴ら3年生。



俺はバレー部寮じゃない別の部活の寮の部屋に監禁されていた。そこで何をされたのか?。想像つく人も多いんじゃない?。普段クラスに女子がいないスポーツ科の俺らはちょうど思春期に悩まされ始める頃だ。それは男が自分の欲に気づき始める時期じゃないだろうか。俺はそういうのに疎かったからわからないけれど。



まぁ、端的に言うとレイプされた。輪姦された。



それこそ大勢の男共に。




俺は男でバレー部で178センチでそこそこ鍛えている。男同士でなんて夢にも思わなかったし、まして自分がその対象になるなんて考えは脳内になかった。



部活帰りに自分の寮に戻る直前、なにか棒のようなもので背後から殴られて気絶。


目が覚めたら大勢の顔見知りの男子生徒に囲まれている。自分の身体はその時はまだ衣服も身に着けていて無事だった。



俺が起きた瞬間、男達は群がって俺の衣服を乱暴に引き裂いた。


これから何されるのか恐ろしくて恐ろしくて必死で抵抗した。俺は女じゃない。男だ。さっきも行ったけど178センチ。なのに力を入れてもびくともしなくて、手を足を無理やり押さえつけられて動くことすらできなかった。せいぜい力を込めるだけ。


何が何やらわからないうちに身体の色々なところを触られて。俺が全く反応しないものだから変な薬を無理やり飲ませてきた。どこで手に入れたのかわからないようなものを。



急に身体が熱くなってどこか疼くようになって乾きを覚え始めた。倦怠感も感じ始めて間抜けなことに俺はとうとう風邪引いたかなぁなんてぽけーっとそんなことを考えていた。薬を飲んでから頭が働かなくなっていたのだと思う。




そこからが地獄の始まりだった。




ついさっきまでは嫌悪していたはずの感触が脊髄を麻痺させるくらいの感覚に変わって死ぬかと思った。
こんなことに良さを感じるわけないのに理性とは別に身体はどんどんどんどん昂っていった。生理的に涙が溢れてポロポロと泣いていたら



『かわいいねぇ~、気持ちいいんだ』



奴らの一人がそう言って吐きそうになった。吐きたくても奴らが俺の口に色々突っ込んでくるせいで無理だったけど。嫌だ、やめろ、無理、何度も何度もそういった。絶対に気持ち良いなんて言わなかったし、そういう声も出さなかった。ひたすら懇願している時に
予想もしていなかった奴が扉を開けて室内に入ってきた。





多喜だった。




俺は助けに来たのだと思って安堵した。ほっとため息をついた次の瞬間、多喜の顔が良く見えた。不思議と。奴は笑っていた。




『あはは、どうしたの?珱柳。とっても似合ってるじゃん。そんなにイイんだ?。』



そう言って俺のそばに近寄ってきて俺の顔を覗き込んだ。見たくないと思ったのにその時の多喜の顔はとても綺麗で残酷で目が離せなかった。



『な、…んで…。たき、た、…すけて』



掠れた声でちゃんとはっきり多喜に伝えたのに。




『えー?何で?助けるわけ無いじゃん、せっかく俺が皆に頼んだのに。ああ、それとも男だけじゃやっぱり嫌かな?』




何を言ってるんだとそう思った。言葉の端々にツッコみたいことがたくさんあって唖然としていたら、多喜は



『珱柳のこと好きな女の子たちも呼んであげるね。皆、これから来る子たちには手出しちゃだめだよ?悪魔でも珱柳一人だけ、ちゃんと躾しといて』



そう言って俺の股間を最後に踏みつけて出ていった。不思議なことに俺を犯した奴らはあとから来た女子たちに手を出さなかった。だからしどろもどろになりながらも何でか聞いた。そしたらお金をもらってるんだと、多喜から。それも何十万円も。



そして多喜が呼んだ女の子達に無理矢理突っ込まされて後ろからは入れられて、気を失うたびに起こされて。何度も何度も何度も何度も。





それが一週間続いた。





俺はもうどうでも良くなって何も感じなくなった。心が音を立てて崩壊していった。それとは反対に身体は快感を追い求めるように躾というものをされて。毎回飲ませられた薬は使えば使うほど依存度を高める効果があって。俺は死ぬ気で抵抗したけど、もうわけわからなくて途中から幻覚も見え始めて。





バレーがしたいなって




ひたすらただそれを願った。








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