その輝きを失わないで

茶碗蒸し

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童話

(中)

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6つ目の国ができたあと、

平和だった世界に変化が生じます。

地上にある5つの国の人々が、

空の上にある6つ目の国にいってみたいと  

思い、

そして空を飛ぶ乗り物や魔法、動物などを

使って6つめの国におとずれるようになりました。

5つの国の人々は6つ目の国を見てひどく驚きま

した。

6つ目の国の人々は皆、この世のものとは思え

ないほど美しい顔立ちでした。

艶のある銀色の髪の毛、

形の整った眉毛、

筋の通った鼻、

ふっくらとした唇、

きらきらと不思議な光が灯っている大きな瞳、

そして、

背中には美しい純白の翼。

さらに6つ目の国の人々は

高い治癒能力をもっていたり、

天候を操ることができたりと特別な能力も

持っていました。

6つ目の国は雲でできており、とても美しい

国だったのです。

5つの国の人々は最初は憧れていただけでしたが、

段々と6つ目の国を支配したいと

思うようになりました。


ある日、6つ目の国のひとりの人がこつ然と

姿を消しました。

6つ目の国の人々はあちこちを探し回り

ましたが、見つけることはできませんでした。

また、その次の日もその次の日も

行方不明になる人がでてきました。

あまりにもたくさん行方不明になったので、

6つ目の国の王様は

5つの国の人々が連れ去ったのではないかと

疑いはじめました。

調査を始めてしばらく経つと、

行方不明だった人が翼をもぎ取られ、

亡くなった状態で発見されました。

王様が疑った通り、5つの国の人々のしわざ

でした。

翼をもぎ取って売ったり、6つ目の国の人々が

美しいのでペットとして買ったり…。

これに怒った王様は、

国を封鎖して5つの国の人々の立ち入りを

禁止しました。

6つ目の国の人々は連れ去られる心配がなくな

ったので安心していました。

しかし、6つ目の国は5つの国から、

狙われるようになってしまいました。

毎日毎日侵入者がやってきて、

6つ目の国を攻撃するようになったのです。

6つ目の国には戦う能力はありませんでした。

元々は天使だったので、争いなどで人を殺す

ことは禁じられていました。

それに対し、5つの国はたくさんの兵器を

発明して圧倒的な力で迫ってきました。

無抵抗のまま、多くの6つ目の国の人々が

殺されました。

6つ目の国の人々の心に憎しみの灯火が

宿っていきました。

天使の心をもっていた人々が

人間によって汚されてしまいました。



ずっと…ずっと…お空の上から見ていた

神様は自分の愛した少女の国の有様を見て

我慢ができずに

ひと粒の涙を6つ目の国の上に注ぎました。

その涙が6つ目の国のある6人の赤ちゃんに

ふりかかりました。

神様が落とした涙は特別な力を持っていまし

た。

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