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★ピタラス諸島、後日譚★
751:「何故」
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ふぅ、うう……、ぐすんっ……
ア、アイ………、アイビィイイィィィーーー!!!
止め処なく流れる大粒の涙。
嗚咽を漏らすまいと口は閉じているものの、他の誰よりも号泣してしまっているのは事実。
そんな俺を見て、隣のグレコは……
「さ、モッモ。次こそあなたの番よ。何かアイビーに聞きたい事はないの?」
容赦無く、普通に質問してきた。
あぁあんっ!?
なんだってぇえっ!!?
こんなボロッボロ泣いている奴に向かって、そんな冷静に問い掛けないでよっ!?!?
俺は今、猛烈に感動しているのだ。
パロット学士の、アイビーに対する熱い思い。
ノリリアの、アイビーに対する静かな信頼。
そして、仲間でいたいというアイビーの……
「私が出しゃばったばかりにすみません。さぁさ、モッモさん、遠慮なくどうぞ」
「ポ、モッモちゃん、考えはまとまったポか?」
きえぇえぇぇっ!?
パロット学士とノリリアもかよっ!!?
涙はどこいったぁあっ!?!?
すると、目の前に座っているアイビーも……
「なんでも聞いてくれていいよ」
めちゃくちゃ笑顔っ!?
あんたっ!!?
今の今まで声震わせて泣いてたのではぁあっ!?!?
周囲の気持ちの切り替えの速さに、全くついていけない俺。
それ以前の問題……、パロット学士とアイビーのやり取りに聞き入っていたせいで、自分が質問したい事なんて全く何も考えられてなかったわっ!
そもそも、聞く事と考える事……、二つの事を同時になんて、俺に出来るはず無いだろうがっ!!
ひーーーーはーーーーーーっ!!!
「とりあえず、珈琲でも飲むポよ~」
そう言って、淹れたて熱々の珈琲のカップを、人数分用意して机に運んでくれるノリリア。
残念ながら、背が低くてテーブルに手が届かないので、グレコが配膳を手伝います。
ふぅ~……、とにかく落ち着こう、あちっ!?
珈琲を口へと運び、お決まりの如く舌を火傷する俺。
あいも変わらず猫舌で、あいも変わらず学習能力が低いです、はい。
そうしてふと思った事。
何故に、俺なのか……?
「えと……、質問いいかな?」
優雅に珈琲カップに手を伸ばすアイビーを真っ直ぐに見つめて、問い掛ける俺。
「勿論、どんな事でも」
目の前にいるアイビーは、アーレイク・ピタラスでは無い。
つまり、時の神の使者では無いし、調停者でも無い。
だけども、なんだろうな……、こう、内側から滲み出る自信というか、俺には無い落ち着きを持っているというか……
そりゃまぁ、アイビーは色々と大変な思いをしながら何百年も生てきたのだから、たかだか15年ぼんやり生きてきただけの俺とは格が違うだろう。
でも……、だったら尚更に、何故……?
「どうして……、僕だったんだと思う?」
俺の質問は、言葉足らずにも程があるだろう。
何が? どう?? 何の話??? そう聞き返されても仕方の無い、意味不明な問い掛けだっただろう。
だけどもアイビーは……
「どうして、か……。その答えは、僕には分からないよ。僕もずっと考えていたんだ。どうして、僕なのかって……。それに、僕だけじゃない、アーレイクもそうだった。何故自分が、時の神の使者に選ばれたのか。何故自分が、調停者と呼ばれる存在になったのか。何故自分は、ユディンと出会ったのか……。まぁアーレイクの場合、予知魔法でおおよその未来を知る事が出来たから、ぶっつけ本番の僕やモッモ君と違って、ある程度の心構えが出来ていただろうけどね。それでもやっぱり、最後の最後まで、思い悩んでいた。何故、自分だったのか……。だけど、死ぬ間際にアーレイクは、その答えを見つけたよ。それで良ければ君に教えるけど……、どうかな?」
真剣な眼差しで、問い掛けるアイビー。
俺は、こくんと頷いた。
「うん。何故、自分だったのか……。その答えは……、【運命だから】さ」
うんっ!?!??
……………う~わ、マジかぁ~。
ニコリと微笑むアイビーと、沈黙する俺。
まさかここで、運命論が出てくるとは思わなんだ。
運命……、運命か……
いやもう、なんか、うん……、ね、ははははは。
「要はね、考えるだけ無駄だって事だよ。何故自分が選ばれたのか、何故自分がやらなければならないのか、何故何故何故……、考えても答えなんて出ないのさ。それこそ全ては、神のみぞ知る事だからね」
神のみぞ、知る事、か……
ふむ……、となると、やっぱり……
俺は今一度、神様に会いに行かねばならないな。
今、俺の頭の中には、沢山の「何故」がひしめき合っている。
何故、神様は俺を選んだのか。
何故、最弱種族のピグモルに転生させたのか。
何故、《世界各地に存在する数多の神々の様子を見てこい》などというアバウトな命令で、俺に旅をさせているのか。
そして何故、神様だというのに、旧世界の神、またの名を神代の悪霊達の、その存在をしっかりと把握していないのか。
他にも、いろんな「何故」がいっぱいあって……
だけども恐らく、神様はその答えを全て知っているはずだ。
勿論、尋ねたところで、全部の答えを教えてくれるとは限らないけれど……
でも、いろいろとちゃんと、今まであやふやにしてきた事をちゃんと聞かなくちゃ!って、今更思ってます、はい。
「運命かぁ……。モッモ、もうそれでいいんじゃない? 私もさ、母様の予言で里を出て、今こうしてあなたの隣にいるわけじゃない?? まさか、最初に森であなたに出会った時には、こんな事になるなんて思ってもみなかったもの。だから……、ね、運命ってあるのよ、きっと!」
めちゃくちゃ受け入れが早いグレコさん、その潔さ、さすがです。
「ポポポ、運命ポかぁ……。あたちは正直、その考え方は嫌いポよ。どんな運命だろうと、抗いたい……。運命なんかに屈したくは無いポ」
珈琲を口に運びながら、少しばかり怒ったような表情で、ノリリアはそう言った。
「運命があるとするならば、モッモさんと私が出会ったのも、これまた運命と考えられる……。とすれば! 私に出来る事はやはり、知識の教授ですなっ!!」
何やら鼻息が荒くなるパロット学士。
ほう? 知識の教授??
何を授けてくれると言うのかね???
……てか、もはや頭の中がパンパンだから、何かを教えてもらっても入らない気がするけど。
「モッモ君、明日はノリリアをフーガに一時帰還させてくれるんだろう?」
話の方向をクルッと変えるアイビー。
「え? あ……、うん、そうだね、そのつもり」
さっきテッチャに強引に決められたからね、明日の俺のスケジュール。
喜んでアッシー君になりますよ、はいはい。
「だったら、パロット学士も一緒に連れて行ってくれるかい? ギルド本部の部署書庫なら、詳しい資料があるんだろう??」
パロット学士に提案するアイビー。
「そうですね。部署書庫にもありますし……、或いは時間が許すのであれば、自宅に様々な資料がありますので、それらも併せてご教授させて頂きたいかと」
パロット学士の返答は、俺にはまるで意味不明だ。
「えっと……、教授っていうのは、何の? 何を教えてくれるのかしら??」
質問するグレコ。
「さっきモッモ君は、どうして僕だったのか……、そう言ったよね? その質問には、どうして僕が調停者なのか、っていう意味も含まれているよね??」
グレコの問いには答えずに、俺に向かって質問を投げ掛けるアイビー。
とりあえず俺は、何と無しにこくんと頷く。
「うん、それだったら……。パロット学士から、古代アストレア王国について、またその跡地である遺跡から発見された様々な情報を、教えてもらった方がいい」
ほう? 古代アストレア王国について、とな??
……何故???
「どうして? その、古代アストレア王国と、調停者……、何か関係があるのかしら??」
無視された事にはめげずに、更に質問を重ねるグレコ。
すると今度は、パロット学士が……
「実は、古代アストレア王国の王城跡地には、様々な壁画が残されているのですが……。その一つに、非常に興味深いものがありましてね。女神の如く美しい、一人の女性が描かれた、その壁画の題名は《救世主》壁画周辺に残されている数々の碑文より、その壁画に描かれた女性こそが、旧世界の神々、またの呼び名を神代の悪霊、それらを滅し、世界の調和を取り戻した者であると、我々考古学者は考えているのです。つまり、彼女が即ち、最初の調停者であった……、とまでは断言出来ませんが、何かしらの関係があるのではないかと。それに、邪滅の書に記されている文字が古代アストレア語である事と、故アーレイク・ピタラス大魔導師が邪滅の書を手に入れた場所が古代アストレア王国王城跡地であった事も鑑みて、今後、調停者と呼ばれる者となって、復活するであろう神代の悪霊達と対峙していく事になるモッモさんには、私が研究してきた古代アストレア王国に関する情報が、大いに役立つに違いないと考えたのです!」
あ~……、う~………、はい…………、え?
ちょっと話が長くて、俺の理解が追いついてないですぞ??
だから~、つまり~、んんん???
「なるほど、そういう事ね……。分かったわ! そういう事なら、私も行くわっ!!」
うえぇえっ!? グレコも!!?
「そうする方がいいポね! モッモちゃん一人だと、たぶん無理ポッ!!」
笑いながら、軽く俺をディスるノリリア。
「そうと決まれば、明日のお洋服を考えなくちゃっ! モッモ、戻りましょっ!!」
おぉおっ!? お洋服!!?
ルンルン気分で席を立ち、テントから出て行こうとするグレコ。
こうと決めたら行動が素早いのなんのって……、せっかち過ぎるわっ!
「モッモ君、とりあえず今夜はここまでにしよう。明日、ノリリアとパロット学士、そしてグレコさんと共に、一度フーガに帰還して……。そして、古代アストレア王国について、いろいろ学んでくるといいよ。これから先、君が歩む道で、それらの知識は必ず役に立つ」
ニコリと微笑むアイビー。
もはや俺には、頷く以外に選択肢がなく。
えっと……、うんと……、結局……、はん????
えーーーーいっ! もういいやっ!!
明日は忙しくなるぞぉおっ!!!
ア、アイ………、アイビィイイィィィーーー!!!
止め処なく流れる大粒の涙。
嗚咽を漏らすまいと口は閉じているものの、他の誰よりも号泣してしまっているのは事実。
そんな俺を見て、隣のグレコは……
「さ、モッモ。次こそあなたの番よ。何かアイビーに聞きたい事はないの?」
容赦無く、普通に質問してきた。
あぁあんっ!?
なんだってぇえっ!!?
こんなボロッボロ泣いている奴に向かって、そんな冷静に問い掛けないでよっ!?!?
俺は今、猛烈に感動しているのだ。
パロット学士の、アイビーに対する熱い思い。
ノリリアの、アイビーに対する静かな信頼。
そして、仲間でいたいというアイビーの……
「私が出しゃばったばかりにすみません。さぁさ、モッモさん、遠慮なくどうぞ」
「ポ、モッモちゃん、考えはまとまったポか?」
きえぇえぇぇっ!?
パロット学士とノリリアもかよっ!!?
涙はどこいったぁあっ!?!?
すると、目の前に座っているアイビーも……
「なんでも聞いてくれていいよ」
めちゃくちゃ笑顔っ!?
あんたっ!!?
今の今まで声震わせて泣いてたのではぁあっ!?!?
周囲の気持ちの切り替えの速さに、全くついていけない俺。
それ以前の問題……、パロット学士とアイビーのやり取りに聞き入っていたせいで、自分が質問したい事なんて全く何も考えられてなかったわっ!
そもそも、聞く事と考える事……、二つの事を同時になんて、俺に出来るはず無いだろうがっ!!
ひーーーーはーーーーーーっ!!!
「とりあえず、珈琲でも飲むポよ~」
そう言って、淹れたて熱々の珈琲のカップを、人数分用意して机に運んでくれるノリリア。
残念ながら、背が低くてテーブルに手が届かないので、グレコが配膳を手伝います。
ふぅ~……、とにかく落ち着こう、あちっ!?
珈琲を口へと運び、お決まりの如く舌を火傷する俺。
あいも変わらず猫舌で、あいも変わらず学習能力が低いです、はい。
そうしてふと思った事。
何故に、俺なのか……?
「えと……、質問いいかな?」
優雅に珈琲カップに手を伸ばすアイビーを真っ直ぐに見つめて、問い掛ける俺。
「勿論、どんな事でも」
目の前にいるアイビーは、アーレイク・ピタラスでは無い。
つまり、時の神の使者では無いし、調停者でも無い。
だけども、なんだろうな……、こう、内側から滲み出る自信というか、俺には無い落ち着きを持っているというか……
そりゃまぁ、アイビーは色々と大変な思いをしながら何百年も生てきたのだから、たかだか15年ぼんやり生きてきただけの俺とは格が違うだろう。
でも……、だったら尚更に、何故……?
「どうして……、僕だったんだと思う?」
俺の質問は、言葉足らずにも程があるだろう。
何が? どう?? 何の話??? そう聞き返されても仕方の無い、意味不明な問い掛けだっただろう。
だけどもアイビーは……
「どうして、か……。その答えは、僕には分からないよ。僕もずっと考えていたんだ。どうして、僕なのかって……。それに、僕だけじゃない、アーレイクもそうだった。何故自分が、時の神の使者に選ばれたのか。何故自分が、調停者と呼ばれる存在になったのか。何故自分は、ユディンと出会ったのか……。まぁアーレイクの場合、予知魔法でおおよその未来を知る事が出来たから、ぶっつけ本番の僕やモッモ君と違って、ある程度の心構えが出来ていただろうけどね。それでもやっぱり、最後の最後まで、思い悩んでいた。何故、自分だったのか……。だけど、死ぬ間際にアーレイクは、その答えを見つけたよ。それで良ければ君に教えるけど……、どうかな?」
真剣な眼差しで、問い掛けるアイビー。
俺は、こくんと頷いた。
「うん。何故、自分だったのか……。その答えは……、【運命だから】さ」
うんっ!?!??
……………う~わ、マジかぁ~。
ニコリと微笑むアイビーと、沈黙する俺。
まさかここで、運命論が出てくるとは思わなんだ。
運命……、運命か……
いやもう、なんか、うん……、ね、ははははは。
「要はね、考えるだけ無駄だって事だよ。何故自分が選ばれたのか、何故自分がやらなければならないのか、何故何故何故……、考えても答えなんて出ないのさ。それこそ全ては、神のみぞ知る事だからね」
神のみぞ、知る事、か……
ふむ……、となると、やっぱり……
俺は今一度、神様に会いに行かねばならないな。
今、俺の頭の中には、沢山の「何故」がひしめき合っている。
何故、神様は俺を選んだのか。
何故、最弱種族のピグモルに転生させたのか。
何故、《世界各地に存在する数多の神々の様子を見てこい》などというアバウトな命令で、俺に旅をさせているのか。
そして何故、神様だというのに、旧世界の神、またの名を神代の悪霊達の、その存在をしっかりと把握していないのか。
他にも、いろんな「何故」がいっぱいあって……
だけども恐らく、神様はその答えを全て知っているはずだ。
勿論、尋ねたところで、全部の答えを教えてくれるとは限らないけれど……
でも、いろいろとちゃんと、今まであやふやにしてきた事をちゃんと聞かなくちゃ!って、今更思ってます、はい。
「運命かぁ……。モッモ、もうそれでいいんじゃない? 私もさ、母様の予言で里を出て、今こうしてあなたの隣にいるわけじゃない?? まさか、最初に森であなたに出会った時には、こんな事になるなんて思ってもみなかったもの。だから……、ね、運命ってあるのよ、きっと!」
めちゃくちゃ受け入れが早いグレコさん、その潔さ、さすがです。
「ポポポ、運命ポかぁ……。あたちは正直、その考え方は嫌いポよ。どんな運命だろうと、抗いたい……。運命なんかに屈したくは無いポ」
珈琲を口に運びながら、少しばかり怒ったような表情で、ノリリアはそう言った。
「運命があるとするならば、モッモさんと私が出会ったのも、これまた運命と考えられる……。とすれば! 私に出来る事はやはり、知識の教授ですなっ!!」
何やら鼻息が荒くなるパロット学士。
ほう? 知識の教授??
何を授けてくれると言うのかね???
……てか、もはや頭の中がパンパンだから、何かを教えてもらっても入らない気がするけど。
「モッモ君、明日はノリリアをフーガに一時帰還させてくれるんだろう?」
話の方向をクルッと変えるアイビー。
「え? あ……、うん、そうだね、そのつもり」
さっきテッチャに強引に決められたからね、明日の俺のスケジュール。
喜んでアッシー君になりますよ、はいはい。
「だったら、パロット学士も一緒に連れて行ってくれるかい? ギルド本部の部署書庫なら、詳しい資料があるんだろう??」
パロット学士に提案するアイビー。
「そうですね。部署書庫にもありますし……、或いは時間が許すのであれば、自宅に様々な資料がありますので、それらも併せてご教授させて頂きたいかと」
パロット学士の返答は、俺にはまるで意味不明だ。
「えっと……、教授っていうのは、何の? 何を教えてくれるのかしら??」
質問するグレコ。
「さっきモッモ君は、どうして僕だったのか……、そう言ったよね? その質問には、どうして僕が調停者なのか、っていう意味も含まれているよね??」
グレコの問いには答えずに、俺に向かって質問を投げ掛けるアイビー。
とりあえず俺は、何と無しにこくんと頷く。
「うん、それだったら……。パロット学士から、古代アストレア王国について、またその跡地である遺跡から発見された様々な情報を、教えてもらった方がいい」
ほう? 古代アストレア王国について、とな??
……何故???
「どうして? その、古代アストレア王国と、調停者……、何か関係があるのかしら??」
無視された事にはめげずに、更に質問を重ねるグレコ。
すると今度は、パロット学士が……
「実は、古代アストレア王国の王城跡地には、様々な壁画が残されているのですが……。その一つに、非常に興味深いものがありましてね。女神の如く美しい、一人の女性が描かれた、その壁画の題名は《救世主》壁画周辺に残されている数々の碑文より、その壁画に描かれた女性こそが、旧世界の神々、またの呼び名を神代の悪霊、それらを滅し、世界の調和を取り戻した者であると、我々考古学者は考えているのです。つまり、彼女が即ち、最初の調停者であった……、とまでは断言出来ませんが、何かしらの関係があるのではないかと。それに、邪滅の書に記されている文字が古代アストレア語である事と、故アーレイク・ピタラス大魔導師が邪滅の書を手に入れた場所が古代アストレア王国王城跡地であった事も鑑みて、今後、調停者と呼ばれる者となって、復活するであろう神代の悪霊達と対峙していく事になるモッモさんには、私が研究してきた古代アストレア王国に関する情報が、大いに役立つに違いないと考えたのです!」
あ~……、う~………、はい…………、え?
ちょっと話が長くて、俺の理解が追いついてないですぞ??
だから~、つまり~、んんん???
「なるほど、そういう事ね……。分かったわ! そういう事なら、私も行くわっ!!」
うえぇえっ!? グレコも!!?
「そうする方がいいポね! モッモちゃん一人だと、たぶん無理ポッ!!」
笑いながら、軽く俺をディスるノリリア。
「そうと決まれば、明日のお洋服を考えなくちゃっ! モッモ、戻りましょっ!!」
おぉおっ!? お洋服!!?
ルンルン気分で席を立ち、テントから出て行こうとするグレコ。
こうと決めたら行動が素早いのなんのって……、せっかち過ぎるわっ!
「モッモ君、とりあえず今夜はここまでにしよう。明日、ノリリアとパロット学士、そしてグレコさんと共に、一度フーガに帰還して……。そして、古代アストレア王国について、いろいろ学んでくるといいよ。これから先、君が歩む道で、それらの知識は必ず役に立つ」
ニコリと微笑むアイビー。
もはや俺には、頷く以外に選択肢がなく。
えっと……、うんと……、結局……、はん????
えーーーーいっ! もういいやっ!!
明日は忙しくなるぞぉおっ!!!
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