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2章
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結局、その日も1日家でゴロゴロイチャイチャして過ぎて行った。
ギィの体液の魔力を使えば魔法を発現できるってわかったけど、実際のところ実用性は皆無だった。
確かに、1回分より2回分の方が魔法を発現できる回数が多かったり、より複雑な現象を起こせたりするのは確認できた。だけどギィの体液が俺のナカにある状態じゃないとダメな訳で、それは事後ってことで…腰も膝もガクガクで、気持ちよすぎてふにゃふにゃの頭で考えて発現させられる魔法っていうと、コップに冷たい水を出して喘ぎ過ぎて掠れた喉を潤したり、周りの温度を下げて体の火照りを冷ましたり。いや、便利だよ?便利だけど別にわざわざ魔法でしなくてもいいなー。って事ばっかりだった。
「魔法の実験はもういいのか?」
「うん。俺にも使えたのは嬉しかったけど今までなくてもやって来れたんだし…。魔法を使うためにこういうことするのって何か違うと思うし」
好きだからするものでしょ?って言ったらなぜかギィのスイッチが入っちゃって、またベッドに撃沈することになってしまった。
「カイトがかわいいのが悪い」
なんでっ!?
「やぁぁ…もう、だめ。…もう、もう、出ないぃぃ」
「カイト…カイト…もっと…まだだ…」
「あぁん、あんっ…明日はっ…ギルドに行くって言ったぁぁ…んっ…うんん…」
「はぁっ…あぁ…大丈夫だ。俺がちゃんと連れていくから…ほらっ…っ」
「あっ、ぁっ、あぁぁーっっ!」
「……っ……んっ」
ギィが奥をぐりぐりして、瞼の裏が真っ白に弾けた。襞がギィのギィを締めつけて奥の壁が先っぽに吸いついてる。中のギィが膨らんで脈打ってるのがわかる。
背中がのけぞって腰が勝手にガクガク痙攣するほど感じたのに俺の俺からはぷしって薄いのが出ただけだった。
ギィが苦しいほど強く抱きしめて俺の顔中にキスを落としているのを感じながら、俺の意識は白く溶けていった。
「カイト、いつまでむくれてるんだ?ギルドに行くんだろう?」
行くよ!行くけどさ!
「今日は採取に行こうと思ってたのに…」
朝起きたら、腰は重いし足はひどい筋肉痛で走ることもできない状態だった。
戦闘のない採取依頼とはいえこんな状態では危なくて受けられない。
「今日は依頼は受けなくていいんじゃないか?顔だけ出してすぐ帰ってこよう」
「やだ。今日はちゃんと働く」
ギィとくっついてイチャイチャしてるのは気持ちいいし嬉しいけど、ずっとそんなことばっかりしてたらダメ人間になってしまう!
「じゃあ、今日はカイトはギルド内の依頼を受けろ。俺は狩りに行ってくる。戻ってきたらアンナの店で食事を買って帰ろう」
「…わかった」
よし、行くか。って当然のように俺を抱き上げようとしてきたけど断固拒否だ!歩くことならできるから!
たどり着いたギルドは朝の混雑がひと段落した時間帯で受付カウンターものんびりしてた。
「カイト君!ゆっくり休めた?」
「おはよう、マリアンヌさん。十分休めたよ」
「…それにしては動きがぎこちないけど…」
「あ、あぁっ、こ、これはなんでもないから!大丈夫!き、筋肉痛だから!」
「そうなの?」
赤くなるな俺!耐えろ!
「おぅ、カイト!もういいのか?」
声を聞きつけたのか2階からギルド長も降りてきた。
「はい、大丈夫です。あの、今日は整理の依頼を受けてもいいですか?」
「ん?あぁ、構わねぇぜ。書類も溜まってるしな」
「カイトは今日は外には出さないようにしてくれ」
俺の後ろからギィもギルド長に声を掛ける。
「どうした?何かあったか?」
「あ、あの…っ」
「腰と足が辛いようだ」
ギィがそっと俺の腰を摩る。
「あああ、あのっ!だ、大丈夫ですからっ!」
「痛めたなら早めに対応しといた方がいいぞ」
「いえっ、ケガじゃ「俺が無理をさせすぎたようだ」…ちょっとっ、ギィ!?」
「「……」」
だめだ、今、俺の顔は真っ赤に違いない。
ギィ!もう腰摩ってくれなくていいから!
「…ギィよ…お前…」
「カイトが走ることがないように頼む。あと、重い物も持たせないようにしてくれ」
「「……」」
「ももも、もう、ギィは行ってっ!」
皆の沈黙が居た堪れない!
ギィの体を出口に向けてグイグイ押す。びくともしてないけどな!
これ以上何か言われたら俺の羞恥心が限界を越えてしまうっ!
「いってらっしゃいは言ってくれないのか?」
ギィは摩っていた俺の腰を引き寄せて耳元で囁いてくる。
思わず見上げた顔はちょっと寂しそう?
くそう。そんな顔されたら追い出したりできないじゃないかっ。
そう、俺はまだ昨日、一昨日の甘い時間の余韻から抜け出せてなかったに違いない。外で、しかもギルドの中で、他にも人がたくさんいるのに、ギィが寄せてきた顔を突っぱねることなど考えつかなかった。
「…いってらっしゃい」
そっと唇が重なる。一度触れてすぐ離れた唇が物足りなくて、ギィの顔を見上げてしまう。
俺の顔を見たギィはニヤリと笑うと、俺がつま先立ちになる程強く頸を引き寄せてかぶりつくようなキスをしてきた。
「…んっ……ふっ…うぅん…ちゅ」
ギィの厚い舌が歯列をなぞり上顎を舐めて舌に絡まる。舌先を強く吸われて唇が解放された。
「行ってくる」
俺の頬を指の背で撫でて小さく笑うとギィがギルドから出て行く。
やっぱりかっこいい…。
後ろ姿を見送ってぼうっとしたまま振り向いた俺は、こちらを凝視しているギルド中の視線にハッと気づく。
「熱烈ぅぅ」
「ま、まぁ…仲がいいのは悪いことじゃないわな。だが、ここではほどほどでな…頼むわ…」
「…っっ、うわぁぁぁっっ」
羞恥に耐え切れなくなってその場に小さく丸まってしばらく動けなかった。
ギィの体液の魔力を使えば魔法を発現できるってわかったけど、実際のところ実用性は皆無だった。
確かに、1回分より2回分の方が魔法を発現できる回数が多かったり、より複雑な現象を起こせたりするのは確認できた。だけどギィの体液が俺のナカにある状態じゃないとダメな訳で、それは事後ってことで…腰も膝もガクガクで、気持ちよすぎてふにゃふにゃの頭で考えて発現させられる魔法っていうと、コップに冷たい水を出して喘ぎ過ぎて掠れた喉を潤したり、周りの温度を下げて体の火照りを冷ましたり。いや、便利だよ?便利だけど別にわざわざ魔法でしなくてもいいなー。って事ばっかりだった。
「魔法の実験はもういいのか?」
「うん。俺にも使えたのは嬉しかったけど今までなくてもやって来れたんだし…。魔法を使うためにこういうことするのって何か違うと思うし」
好きだからするものでしょ?って言ったらなぜかギィのスイッチが入っちゃって、またベッドに撃沈することになってしまった。
「カイトがかわいいのが悪い」
なんでっ!?
「やぁぁ…もう、だめ。…もう、もう、出ないぃぃ」
「カイト…カイト…もっと…まだだ…」
「あぁん、あんっ…明日はっ…ギルドに行くって言ったぁぁ…んっ…うんん…」
「はぁっ…あぁ…大丈夫だ。俺がちゃんと連れていくから…ほらっ…っ」
「あっ、ぁっ、あぁぁーっっ!」
「……っ……んっ」
ギィが奥をぐりぐりして、瞼の裏が真っ白に弾けた。襞がギィのギィを締めつけて奥の壁が先っぽに吸いついてる。中のギィが膨らんで脈打ってるのがわかる。
背中がのけぞって腰が勝手にガクガク痙攣するほど感じたのに俺の俺からはぷしって薄いのが出ただけだった。
ギィが苦しいほど強く抱きしめて俺の顔中にキスを落としているのを感じながら、俺の意識は白く溶けていった。
「カイト、いつまでむくれてるんだ?ギルドに行くんだろう?」
行くよ!行くけどさ!
「今日は採取に行こうと思ってたのに…」
朝起きたら、腰は重いし足はひどい筋肉痛で走ることもできない状態だった。
戦闘のない採取依頼とはいえこんな状態では危なくて受けられない。
「今日は依頼は受けなくていいんじゃないか?顔だけ出してすぐ帰ってこよう」
「やだ。今日はちゃんと働く」
ギィとくっついてイチャイチャしてるのは気持ちいいし嬉しいけど、ずっとそんなことばっかりしてたらダメ人間になってしまう!
「じゃあ、今日はカイトはギルド内の依頼を受けろ。俺は狩りに行ってくる。戻ってきたらアンナの店で食事を買って帰ろう」
「…わかった」
よし、行くか。って当然のように俺を抱き上げようとしてきたけど断固拒否だ!歩くことならできるから!
たどり着いたギルドは朝の混雑がひと段落した時間帯で受付カウンターものんびりしてた。
「カイト君!ゆっくり休めた?」
「おはよう、マリアンヌさん。十分休めたよ」
「…それにしては動きがぎこちないけど…」
「あ、あぁっ、こ、これはなんでもないから!大丈夫!き、筋肉痛だから!」
「そうなの?」
赤くなるな俺!耐えろ!
「おぅ、カイト!もういいのか?」
声を聞きつけたのか2階からギルド長も降りてきた。
「はい、大丈夫です。あの、今日は整理の依頼を受けてもいいですか?」
「ん?あぁ、構わねぇぜ。書類も溜まってるしな」
「カイトは今日は外には出さないようにしてくれ」
俺の後ろからギィもギルド長に声を掛ける。
「どうした?何かあったか?」
「あ、あの…っ」
「腰と足が辛いようだ」
ギィがそっと俺の腰を摩る。
「あああ、あのっ!だ、大丈夫ですからっ!」
「痛めたなら早めに対応しといた方がいいぞ」
「いえっ、ケガじゃ「俺が無理をさせすぎたようだ」…ちょっとっ、ギィ!?」
「「……」」
だめだ、今、俺の顔は真っ赤に違いない。
ギィ!もう腰摩ってくれなくていいから!
「…ギィよ…お前…」
「カイトが走ることがないように頼む。あと、重い物も持たせないようにしてくれ」
「「……」」
「ももも、もう、ギィは行ってっ!」
皆の沈黙が居た堪れない!
ギィの体を出口に向けてグイグイ押す。びくともしてないけどな!
これ以上何か言われたら俺の羞恥心が限界を越えてしまうっ!
「いってらっしゃいは言ってくれないのか?」
ギィは摩っていた俺の腰を引き寄せて耳元で囁いてくる。
思わず見上げた顔はちょっと寂しそう?
くそう。そんな顔されたら追い出したりできないじゃないかっ。
そう、俺はまだ昨日、一昨日の甘い時間の余韻から抜け出せてなかったに違いない。外で、しかもギルドの中で、他にも人がたくさんいるのに、ギィが寄せてきた顔を突っぱねることなど考えつかなかった。
「…いってらっしゃい」
そっと唇が重なる。一度触れてすぐ離れた唇が物足りなくて、ギィの顔を見上げてしまう。
俺の顔を見たギィはニヤリと笑うと、俺がつま先立ちになる程強く頸を引き寄せてかぶりつくようなキスをしてきた。
「…んっ……ふっ…うぅん…ちゅ」
ギィの厚い舌が歯列をなぞり上顎を舐めて舌に絡まる。舌先を強く吸われて唇が解放された。
「行ってくる」
俺の頬を指の背で撫でて小さく笑うとギィがギルドから出て行く。
やっぱりかっこいい…。
後ろ姿を見送ってぼうっとしたまま振り向いた俺は、こちらを凝視しているギルド中の視線にハッと気づく。
「熱烈ぅぅ」
「ま、まぁ…仲がいいのは悪いことじゃないわな。だが、ここではほどほどでな…頼むわ…」
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羞恥に耐え切れなくなってその場に小さく丸まってしばらく動けなかった。
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