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2章

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ギルドの中は閑散としてた。
見た感じは市役所。木造だけど。カウンターがあって、カウンターの上には看板が下がってる。右から「解体」「査定」「達成報告」「受託」「登録」で受付の人が立ってるのは3ヶ所だけだった。

「都合聞いてくるからあっちで座って待ってて」
「わかった。カイト、こっちだ」

ルークは「登録」の所へ行って受付のお姉さんに話しかけてる。俺がギィに連れて行かれたのは中でつながってた隣の建物で、食堂だった。
今は昼過ぎで3時か4時くらい?お客は奥のテーブルに座ってるおじいさん3人だけで、カウンターの奥で料理人らしきおじさんが暇そうにしてた。

「戻ったのか。早かったな」
「あぁ。飲み物を…そうだな、コレとコレとコレを1杯ずつ頼む」

おじさんは注文を聞いて用意をしに行った。料理人って言うにはだいぶ厳ついんだけど、カウンターの奥にいるしエプロンもしてるからあの人が料理するんだろうな。注文するとき緊張するな。

「カイトは魔力を毎日沢山摂取した方がいいから、注文した中でどれが一番魔力が多いか確認してそれを飲むんだ」

俺のフードを取ってカウンターの椅子に座らせながらギィが説明する。魔力量が多そうなやつを頼んでくれたんだな。
すぐに俺の前にコップが3つ並べられた。緑、白、黄色だ。白はなんとなく予想がつくぞ。

「どうだ?」
「ダントツで白」
「やっぱりか。じゃあ、それを飲め」
「…いただきます」

そうだよな。やっぱり白はこれだよな。
牛乳。いや、牛じゃないかもしれないけど味は牛乳だ。
赤ちゃんだってママのおっぱい飲んで魔力溜めるって言ってたもんな。そりゃコレが一番魔力多いだろうよ。

「飲めるな?よし。じゃあここに来たら毎回必ず一杯は飲むんだ。
ダス、そういうことだから、こいつが来たら必ずコレを出してくれ。代金は俺につけといてくれ」

ギィ、食堂のおじさんにも言っちゃったよ。俺、毎回これ飲むのかー。まぁ、美味しいんだけど、コップ大きいんだよなー。

「はは。ギィが面倒見てんのか?珍しいな。
坊主、ミルク飲んだらもうちっと背も伸びるだろうから毎日来いよ」
「…はい」

くそーっ。あっちじゃ平均だったのにこっちはみんな大き過ぎるんだよ!
ついでにと思っておじさんの魔力も見てみてみたら、ギィ程じゃなかったけど十分眩しくて高速で瞬きすることになっちゃった。
奥のテーブルのおじいさん達はそんなでもなかったんだけどな。冒険者でなくても魔力多い人もいるんだな。

「お待たせ。すぐ会えるから上がって来いって。
何飲んで…あー、まぁ、それになるか」

ルークが呼びに来て俺が飲んでる牛乳見て半笑いになってた。ルークの反応を見るに、牛乳はやっぱり大人が飲む物じゃないんだな。むむむ。

残りの緑と黄色はギィとルークが飲んだ。一口ずつ飲ませてもらったけど、緑は青汁の薄いやつで黄色は柑橘系のジュースだった。色々あるのに俺は牛乳かー。

「ごちそうさまでした」

おじさんに声をかけて椅子を降りる。

「おぅ。また来いよ。次は自慢の料理も食べてってくれ」

おじさんはひょいと俺のフードを元通り被せるとカウンターの向こうで手を振って、ギィとルークには頷いて見せた。

「じゃ、こっちだ。2階の部屋で登録するからついて来て」

ギルドに戻ってルークの後に続いてカウンターの横を通り抜ける。横の扉を押さえてくれてた受付のお姉さんと目が合ったから頭を下げておく。
お姉さんかわいいなー。俺よりだいぶ背は高いけど…。
さて、いよいよ登録だ!
緊張するなぁ!
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