異世界強制お引越し 魔力なしでも冒険者

1章

31

その夜はギィとルークが冒険者になって初めて受けた依頼の話を聞いたり、俺の勉強の話をしてるうちにいつのまにか寝てしまってた。
ちなみにギィの初仕事は13才で畑の拡張のための開墾作業、ルークは10才で迷子の猫探しだったらしい。そういうのもあるんだったら俺でもなんとかなるかもしれない！

翌朝2人はエリカに帰って行った。ギィは今回の依頼の報告を改めてしに行かないといけなかったし、ルークは指名依頼の準備があったそうで。忙しい時にぶっ倒れて来てもらうことになってしまって申し訳ない気持ちでいっぱいだ。でも目が覚めた時に2人がいて嬉しくてほっとしたのも本心だから、迷惑かけてごめんなさいとありがとうはちゃんと伝えた！

あと、ギィは今回の依頼中に手に入れたって言ってきれいな鱗をくれた。手のひらに乗るくらいで薄いけどかなり硬い。金属のようなガラスのような不思議な素材。ギィがそれを俺に渡すのを見てルークはちょっと呆れ顔をしてたけど何だろ。お土産にするほど珍しい物でもないってことかもしれないけどきれいだし何かカッコいいから気に入った！
ハクに相談してキーホルダーみたいにしてもらった。そのままだと大きかったから半分に割って2つ作った。ギィが気に入ったら片っぽあげようかな。


「ははははっ。よく狙って放てよー！休んでないでどんどんいくぞー！ははっ」

俺の遠距離攻撃というか追い払い用の武器はパチンコになった。
最初は弓を試してみたんだけど、俺の場合は追い払い用つまり相手から襲われてる状況で使う訳で、短い弓で速射するにしても1本ずつしか射れないのは不利だ。となって、パチンコだったら練習すれば一度に何発か撃てるし玉はその辺りの石でもいいし持ち運びも弓より楽だしってことでパチンコが採用された。
実際はパチンコも弓と変わらない殺傷能力があるらしいんだけど俺はあくまで追い払い用に使う。相手がこちらに気づいてなくてやり過ごせるなら態々こっちから攻撃する必要はないし。

ただ、ヘキの脳筋系トレーニングがなかなか辛い。確かに止まった的に当てられる用になるだけじゃダメだとは思うんだけど、追いかけてくるヘキから逃げながらパチンコで撃つっていうのは無理がある気がするんだけどなぁぁ。

近接戦闘用の武器は伸縮式の棒。切れないだけでこっちも剣と同じくらい殺傷能力はある。俺は防御用にしか使いたくないけどね。
剣の時と同じようにタチが稽古をしてくれる。

俺の剣帯は腰の後ろ側にパチンコを差して、左に棒、右にルークからもらったナイフとパチンコ用の玉が入ったポケットが付いてるなかなか変わった装備になった。