30 / 87
1章
30
しおりを挟む
「さっきも言ったけどやりたくないことを無理にする必要はないんだ。冒険者をするにしても、街に住んで何か他の職業につくにしても、嫌々やることが続くとは思えないし。
動物を倒すことができなくても冒険者として働くことはできるし。カイトは冒険者になりたいのか?」
「カイトは俺が養うから働かなくても「ギィ、まずはカイトの話を聞け」」
俺はこっちに来てからずっと何ができるかってことを考えてた。
帰れない以上ここでできることを見つけて生きていかなくちゃいけない。
でも圧倒的にできないことの方が多いんだよな。魔力が無いのが一番の問題かもしれないけど、それ以外にも常識も知識も経験もない。突然こっちに来たのだから生まれたての赤ん坊と同じだ。
「冒険者だったら身元がはっきりしてなくてもなれるって聞いたし、色んな仕事ができるかなって思って。やってるうちに好きなこととか向いてることが見つかるかもしれないから、まずは冒険者をやって俺に何ができるのかを見つけたいんだ」
だってさ、考えたってわからないんだ。それならやってみるしかないだろう。
幸い体まで赤ん坊になってしまった訳じゃないし、読み書き計算もコミュニケーションをとることにも問題はない。体を動かすことも得意な方だし!
だからまずは冒険者をやりながら足りない知識や経験を増やすんだ。
「カイトは毎日楽しくやってるだけに見えて意外とちゃんと考えてるんだよな。忘れてたわ」
「意外とってなんだよ!俺はもう16だぞ!」
「そうなんだよなー。16なんだよなー」
あんま見えないけど。ってなんで頭撫でるんだよ!
正面から頭を撫でてくるルークの手を払って、ギィの足の間から出て座り直す。
すかさず腰に腕を回そうとしてくるギィを阻止した。ギィっていっつもすぐくっついて来ようとするんだよな。あんながっしり強そうな感じして実は甘えたなのか?
ルークに対してそんな風にしてるところは見たことないけど、まぁ、同等の友達にはやりにくいかな。俺は拾ったペット的な感じだろうしな。とはいえ俺も16才男子なのでいっつもいっつも抱っこされる訳にはいかない!
「カイトは冒険者っていうのをどう教わったんだ?」
「んー。ギィが教えてくれたのくらいかなあ。セイはあんまり詳しくは知らないのでって言ってたし」
正確には興味がないから知らないって言ってたけど。セイは魔王領以外の人はあんまり好きじゃないみたいなんだよなー。
「あー、俺の話したのは俺がどんなことをしてるかって言う話だったな。あの話だと冒険者は戦うものだということになるな。俺は戦闘向きだからな」
依頼を受けて戦って、妖が出たら戦って。って言ってたから冒険者は戦うものだと思ってた。
「なるほどね。ギィは近接戦闘が得意だから戦う依頼を中心に受けてるな。俺は偵察とか調査とかが得意だから戦う依頼よりも災害の状況確認とか獣の調査とかの依頼を受ける。
冒険者への依頼には他にも鉱物や植物を採取する依頼や行商の護衛、道案内の依頼も多い。街の中の仕事の依頼もあるしな。
ただ、自衛のための戦闘力は必須だぞ。態々倒しに行かなくてもいいが、襲われたときに追い払えるようにはなってないと冒険者はできない。だから今後カイトは近接戦闘じゃなくて中遠距離からの攻撃技術を磨くってことだな!」
動物を倒すことができなくても冒険者として働くことはできるし。カイトは冒険者になりたいのか?」
「カイトは俺が養うから働かなくても「ギィ、まずはカイトの話を聞け」」
俺はこっちに来てからずっと何ができるかってことを考えてた。
帰れない以上ここでできることを見つけて生きていかなくちゃいけない。
でも圧倒的にできないことの方が多いんだよな。魔力が無いのが一番の問題かもしれないけど、それ以外にも常識も知識も経験もない。突然こっちに来たのだから生まれたての赤ん坊と同じだ。
「冒険者だったら身元がはっきりしてなくてもなれるって聞いたし、色んな仕事ができるかなって思って。やってるうちに好きなこととか向いてることが見つかるかもしれないから、まずは冒険者をやって俺に何ができるのかを見つけたいんだ」
だってさ、考えたってわからないんだ。それならやってみるしかないだろう。
幸い体まで赤ん坊になってしまった訳じゃないし、読み書き計算もコミュニケーションをとることにも問題はない。体を動かすことも得意な方だし!
だからまずは冒険者をやりながら足りない知識や経験を増やすんだ。
「カイトは毎日楽しくやってるだけに見えて意外とちゃんと考えてるんだよな。忘れてたわ」
「意外とってなんだよ!俺はもう16だぞ!」
「そうなんだよなー。16なんだよなー」
あんま見えないけど。ってなんで頭撫でるんだよ!
正面から頭を撫でてくるルークの手を払って、ギィの足の間から出て座り直す。
すかさず腰に腕を回そうとしてくるギィを阻止した。ギィっていっつもすぐくっついて来ようとするんだよな。あんながっしり強そうな感じして実は甘えたなのか?
ルークに対してそんな風にしてるところは見たことないけど、まぁ、同等の友達にはやりにくいかな。俺は拾ったペット的な感じだろうしな。とはいえ俺も16才男子なのでいっつもいっつも抱っこされる訳にはいかない!
「カイトは冒険者っていうのをどう教わったんだ?」
「んー。ギィが教えてくれたのくらいかなあ。セイはあんまり詳しくは知らないのでって言ってたし」
正確には興味がないから知らないって言ってたけど。セイは魔王領以外の人はあんまり好きじゃないみたいなんだよなー。
「あー、俺の話したのは俺がどんなことをしてるかって言う話だったな。あの話だと冒険者は戦うものだということになるな。俺は戦闘向きだからな」
依頼を受けて戦って、妖が出たら戦って。って言ってたから冒険者は戦うものだと思ってた。
「なるほどね。ギィは近接戦闘が得意だから戦う依頼を中心に受けてるな。俺は偵察とか調査とかが得意だから戦う依頼よりも災害の状況確認とか獣の調査とかの依頼を受ける。
冒険者への依頼には他にも鉱物や植物を採取する依頼や行商の護衛、道案内の依頼も多い。街の中の仕事の依頼もあるしな。
ただ、自衛のための戦闘力は必須だぞ。態々倒しに行かなくてもいいが、襲われたときに追い払えるようにはなってないと冒険者はできない。だから今後カイトは近接戦闘じゃなくて中遠距離からの攻撃技術を磨くってことだな!」
6
お気に入りに追加
703
あなたにおすすめの小説

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる