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1章
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「ん?狩りができないと冒険者になれないってことはないぞ?」
「狩りや戦闘をしない依頼もたくさんあるから問題ない」
えっ?そうなの?
「あ、でも狩りができないとお肉が手に入らないんじゃ…」
「街で買えるよ?誰も居ない土地で暮らすんだったら買い出しがちょっと大変かもしれないけど」
「俺が獲ってくるからどこに暮らしても問題ない」
よくよく聞いてみると街やちょっと大きな規模の村になるとちゃん と商店があって、みんな食材は買うんだそうだ。もちろんお肉屋さんもあって売られているお肉は基本的に処理済みのもの。住人のほとんどは戦闘や狩りをしたことないってことだった。
だからこそ冒険者に依頼するんだな。
「俺、狩りができないと生きていけないと思ってた…」
「別にできないことを無理やりできるようになる必要はないんだぞ」
ははっ。ってルークが肩を叩く。
ギィは俺の頭に自分の頭を乗せたままだ。
「カイトは相手を傷つけることができないと考えればいいか?血を出させるのが?殺すのは問題外だな?」
ヘキが確認してくる。
血は…無理だな。殴るくらいならできるかな…。
「狩りはしないとしても冒険者をするなら最低限の自衛はできないと心配だしな」
「冒険者でなくともカイトの場合は自衛手段がいるだろう」
5人の視線が俺に集まる。
えっ。何?
「剣はやめるとして武器をどうするかだね」
「体術は上達してきているがまずは掴ませないようにしなければな。棒術か」
「タチ殿は棒術も?」
「つかえる。得物を選んではおられん場合もあるからな。ただ殺さぬようにとなると難しくなるな」
「獣に対しては近づく前に追い払うべきだな」
「弓だと刺さった場合傷がつくからな。何か中遠距離に向いた武器を考えなければ」
「持ち運べる結界的な物があれば防御にはなるわよね」
俺そっちのけで5人が話し出す。
えっと…俺はどうすれば…。
「皆さま、カイトは3日ぶりに起きたのですからお話が終わられたのでしたら、次は食事です。相談の続きはまた明日にしてください」
いつの間にか部屋にワゴンを押したハクが来ていた。
タチとヘキと魔王を追い出してテキパキ食事の支度を始める。
「そうだな。カイト、良く休め」
「ちょっと色々道具を考えてみるね。また明日」
タチは、ギィが俺にするように魔王を縦抱っこにして出て行った。
魔王が思いつく道具?を並べ立てている声が廊下を遠ざかっていく。
「ルーク殿とギィ殿もこちらにご用意してよろしかったですか?」
「ありがとうございます」
「頂きます」
俺の前には卵雑炊のような料理。
ルークとギィには魚をメインにした料理が用意される。
「ハク、ありがとう」
「はい。しっかり召し上がってください。お風呂も入れますよ」
お風呂!
にっこりしたハクが天使に見える。
「狩りや戦闘をしない依頼もたくさんあるから問題ない」
えっ?そうなの?
「あ、でも狩りができないとお肉が手に入らないんじゃ…」
「街で買えるよ?誰も居ない土地で暮らすんだったら買い出しがちょっと大変かもしれないけど」
「俺が獲ってくるからどこに暮らしても問題ない」
よくよく聞いてみると街やちょっと大きな規模の村になるとちゃん と商店があって、みんな食材は買うんだそうだ。もちろんお肉屋さんもあって売られているお肉は基本的に処理済みのもの。住人のほとんどは戦闘や狩りをしたことないってことだった。
だからこそ冒険者に依頼するんだな。
「俺、狩りができないと生きていけないと思ってた…」
「別にできないことを無理やりできるようになる必要はないんだぞ」
ははっ。ってルークが肩を叩く。
ギィは俺の頭に自分の頭を乗せたままだ。
「カイトは相手を傷つけることができないと考えればいいか?血を出させるのが?殺すのは問題外だな?」
ヘキが確認してくる。
血は…無理だな。殴るくらいならできるかな…。
「狩りはしないとしても冒険者をするなら最低限の自衛はできないと心配だしな」
「冒険者でなくともカイトの場合は自衛手段がいるだろう」
5人の視線が俺に集まる。
えっ。何?
「剣はやめるとして武器をどうするかだね」
「体術は上達してきているがまずは掴ませないようにしなければな。棒術か」
「タチ殿は棒術も?」
「つかえる。得物を選んではおられん場合もあるからな。ただ殺さぬようにとなると難しくなるな」
「獣に対しては近づく前に追い払うべきだな」
「弓だと刺さった場合傷がつくからな。何か中遠距離に向いた武器を考えなければ」
「持ち運べる結界的な物があれば防御にはなるわよね」
俺そっちのけで5人が話し出す。
えっと…俺はどうすれば…。
「皆さま、カイトは3日ぶりに起きたのですからお話が終わられたのでしたら、次は食事です。相談の続きはまた明日にしてください」
いつの間にか部屋にワゴンを押したハクが来ていた。
タチとヘキと魔王を追い出してテキパキ食事の支度を始める。
「そうだな。カイト、良く休め」
「ちょっと色々道具を考えてみるね。また明日」
タチは、ギィが俺にするように魔王を縦抱っこにして出て行った。
魔王が思いつく道具?を並べ立てている声が廊下を遠ざかっていく。
「ルーク殿とギィ殿もこちらにご用意してよろしかったですか?」
「ありがとうございます」
「頂きます」
俺の前には卵雑炊のような料理。
ルークとギィには魚をメインにした料理が用意される。
「ハク、ありがとう」
「はい。しっかり召し上がってください。お風呂も入れますよ」
お風呂!
にっこりしたハクが天使に見える。
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