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1章
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ギィとルークが出発して俺の魔王領での日常が始まった。
朝はハクと一緒に朝ごはんを作る。というか、ハクに料理を教えてもらう。暮らしていくなら自炊は必須だろ!
裏庭に併設されてる畑で今日の野菜を収穫。見た事ない形や色の物ばかりだけど名前を教わりながら食べ頃のを探す。おすすめ調理法もあわせて教えてもらう。
卵は鶏というよりはダチョウな感じの鳥が森からやってきて、決められた場所に産んでいくのでそれを回収。このダチョウもどき、元は野生の鳥なんだけど飼い慣らしてこうなってるんだとか。外飼いってことになるのかな。
肉はタチ、セイ、ヘキが森へ行って狩ってくる。今のところスーパーの肉売り場にあるような状態になったものしか見たことはない。狩るってことは生きてたってことで、皮とか骨とかどうなってるのかと思ってハクに聞いてみたけど、そのうち見ることもあるんじゃないですか?って。この方が調理しやすいですし、ずっとこのままがいいですけどね。だそうだ。
ハクは魔王の服や髪の世話もしてる。
ある日の魔王の髪が編み込みされててかわいいね。って褒めたら毎日ハクがやってるって聞いて驚いた。俺も妹が小さいときは結んでやったりしたけど編み込みはできなかった。三つ編み止まりだ。
色々試すのが楽しいって言ってたから、簡単でかわいくできるくるりんぱを教えてあげたら、ハクが大喜びだった。
チヤ様の髪で練習する訳にはいきませんから。って魔王の横にいたタチで試し始めたのにはびっくりしたが。
タチは特に嫌がってる風でもなかった。タチってよくわからないんだよな…。
ごはんの後の午前中は体力作りの運動。今のところはヘキの指導で走ったり簡単な筋トレとかしてる。基礎体力がついてきたら体術と騎獣の乗り方も教えてくれるって。
ヘキはギィとルークが出発した日の夜に戻ってきた魔王領の住人の最後の1人。茶色の髪に茶色の目でギィと同じようなガッチリマッチョで、明るい兄ちゃん。一番話しやすいかな。
「おらおらー!俺に追いつかれたらあと3周追加するぞー。走れ走れー」
「ハッ……っひっっ…(死ぬ…死んじゃう…)」
「よーし!よくやりきった!次は水桶を運ぶぞ!気合いだ!」
だいぶ脳筋系だけど、嫌いじゃないよ。うん。
魔力に馴染んできて眩しいのがなくなったらタチが武器の使い方を教えてくれるらしい。
この世界は人の住んでる範囲はまだまだ少なくて移動は徒歩か騎獣か馬車。人を襲う獣も多く生息しているから自衛手段はあるに越したことはないんだそうだ。
後は狩り。肉にするために動物を飼ってる人は少なくて野生の獣を狩って肉にする。
狩りってちょっと憧れる。かっこいいよな!
昼ごはんの後はセイからこの世界の常識のお勉強。
驚きの連続だった。
まず魔王たちは人じゃなかった。俺と同じタイプ?の人じゃなかったってことなんだけど、獣人と人の混血なんだそうだ。そう、獣人!猫耳の女の子が実在する世界か!って興奮したけど、耳や尻尾がある人は最近では珍しいってことだ。混血が進んで外見は人と同じ人が大半どころか自分が何の獣人の血を引いているのかわからない方が普通。ごく偶に先祖返りで獣耳付きの人が生まれたり人に近い人が生まれたりするらしい。人に近いタイプの人は総じて小柄で非力で魔力が少ないんだって。
後、魔力量で寿命の長さが変わる。普通の人で150年くらい。魔力量が多い人は200年くらい生きるとか。魔力のない俺の寿命は短いってことになるな。
魔力が多い人は身体能力が優れている事が多いから冒険者になる人が多いらしい。ギィやルークは寿命でいくと200年コース。
じゃあ魔王は何歳なのか。魔王なんだから魔力量は多いだろう。見た目は12、3歳だけど…と恐る恐る聞いたら70歳越えてた!ウチの親よりずっと年上だった!
で、魔王領の他のメンバーの年を聞いたらハク以外は年を取らないって答えが返ってきた…。
タチ、セイ、ヘキは魔王の眷族っていうのになるらしい。これは初日にギィから聞いた。家臣か召使かそういうのかと聞いたら眷族って。部下より強く拘束されてて支配されてるってことみたい。普段の様子からは支配されてるって感じは全く見られないんだけどね。どっちかというと家族っぽい。部下より親しい感じがするんだけどな。
で、眷族っていうのは一種の契約で生まれた時から眷族なのではなくて途中で眷族になるんだそうだ。契約を結んだ時から年を取らなくなるから外見年齢も変わらない。だから年齢っていう考え方がなくなるらしい。そして契約主が死ぬと眷族も死ぬ。
魔力で繋がるからですね。とセイは言ってたけど魔力がまだちゃんと理解できてない俺にはさっぱりわからなかった。
ちなみにハクが眷族じゃないのは、契約時の外見で止まってしまうかららしい。
チヤ様への気持ちは他の3人に負けてないけど子供の姿のままだと釣り合わなくなるからもう少し年をとるまで契約をお願いするのを我慢しているんです!って半ギレされた…。
頑張れ、ハク…。あと、なんかごめん。
朝はハクと一緒に朝ごはんを作る。というか、ハクに料理を教えてもらう。暮らしていくなら自炊は必須だろ!
裏庭に併設されてる畑で今日の野菜を収穫。見た事ない形や色の物ばかりだけど名前を教わりながら食べ頃のを探す。おすすめ調理法もあわせて教えてもらう。
卵は鶏というよりはダチョウな感じの鳥が森からやってきて、決められた場所に産んでいくのでそれを回収。このダチョウもどき、元は野生の鳥なんだけど飼い慣らしてこうなってるんだとか。外飼いってことになるのかな。
肉はタチ、セイ、ヘキが森へ行って狩ってくる。今のところスーパーの肉売り場にあるような状態になったものしか見たことはない。狩るってことは生きてたってことで、皮とか骨とかどうなってるのかと思ってハクに聞いてみたけど、そのうち見ることもあるんじゃないですか?って。この方が調理しやすいですし、ずっとこのままがいいですけどね。だそうだ。
ハクは魔王の服や髪の世話もしてる。
ある日の魔王の髪が編み込みされててかわいいね。って褒めたら毎日ハクがやってるって聞いて驚いた。俺も妹が小さいときは結んでやったりしたけど編み込みはできなかった。三つ編み止まりだ。
色々試すのが楽しいって言ってたから、簡単でかわいくできるくるりんぱを教えてあげたら、ハクが大喜びだった。
チヤ様の髪で練習する訳にはいきませんから。って魔王の横にいたタチで試し始めたのにはびっくりしたが。
タチは特に嫌がってる風でもなかった。タチってよくわからないんだよな…。
ごはんの後の午前中は体力作りの運動。今のところはヘキの指導で走ったり簡単な筋トレとかしてる。基礎体力がついてきたら体術と騎獣の乗り方も教えてくれるって。
ヘキはギィとルークが出発した日の夜に戻ってきた魔王領の住人の最後の1人。茶色の髪に茶色の目でギィと同じようなガッチリマッチョで、明るい兄ちゃん。一番話しやすいかな。
「おらおらー!俺に追いつかれたらあと3周追加するぞー。走れ走れー」
「ハッ……っひっっ…(死ぬ…死んじゃう…)」
「よーし!よくやりきった!次は水桶を運ぶぞ!気合いだ!」
だいぶ脳筋系だけど、嫌いじゃないよ。うん。
魔力に馴染んできて眩しいのがなくなったらタチが武器の使い方を教えてくれるらしい。
この世界は人の住んでる範囲はまだまだ少なくて移動は徒歩か騎獣か馬車。人を襲う獣も多く生息しているから自衛手段はあるに越したことはないんだそうだ。
後は狩り。肉にするために動物を飼ってる人は少なくて野生の獣を狩って肉にする。
狩りってちょっと憧れる。かっこいいよな!
昼ごはんの後はセイからこの世界の常識のお勉強。
驚きの連続だった。
まず魔王たちは人じゃなかった。俺と同じタイプ?の人じゃなかったってことなんだけど、獣人と人の混血なんだそうだ。そう、獣人!猫耳の女の子が実在する世界か!って興奮したけど、耳や尻尾がある人は最近では珍しいってことだ。混血が進んで外見は人と同じ人が大半どころか自分が何の獣人の血を引いているのかわからない方が普通。ごく偶に先祖返りで獣耳付きの人が生まれたり人に近い人が生まれたりするらしい。人に近いタイプの人は総じて小柄で非力で魔力が少ないんだって。
後、魔力量で寿命の長さが変わる。普通の人で150年くらい。魔力量が多い人は200年くらい生きるとか。魔力のない俺の寿命は短いってことになるな。
魔力が多い人は身体能力が優れている事が多いから冒険者になる人が多いらしい。ギィやルークは寿命でいくと200年コース。
じゃあ魔王は何歳なのか。魔王なんだから魔力量は多いだろう。見た目は12、3歳だけど…と恐る恐る聞いたら70歳越えてた!ウチの親よりずっと年上だった!
で、魔王領の他のメンバーの年を聞いたらハク以外は年を取らないって答えが返ってきた…。
タチ、セイ、ヘキは魔王の眷族っていうのになるらしい。これは初日にギィから聞いた。家臣か召使かそういうのかと聞いたら眷族って。部下より強く拘束されてて支配されてるってことみたい。普段の様子からは支配されてるって感じは全く見られないんだけどね。どっちかというと家族っぽい。部下より親しい感じがするんだけどな。
で、眷族っていうのは一種の契約で生まれた時から眷族なのではなくて途中で眷族になるんだそうだ。契約を結んだ時から年を取らなくなるから外見年齢も変わらない。だから年齢っていう考え方がなくなるらしい。そして契約主が死ぬと眷族も死ぬ。
魔力で繋がるからですね。とセイは言ってたけど魔力がまだちゃんと理解できてない俺にはさっぱりわからなかった。
ちなみにハクが眷族じゃないのは、契約時の外見で止まってしまうかららしい。
チヤ様への気持ちは他の3人に負けてないけど子供の姿のままだと釣り合わなくなるからもう少し年をとるまで契約をお願いするのを我慢しているんです!って半ギレされた…。
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