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曖昧でも幸せー凛sideー
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情事後、いつものように松本が凛のカラダを綺麗に洗い終えると、
せっかくだからと、既に日が沈み夜景が綺麗に見える大きな浴槽で二人湯に浸かる。
先程の熱い情事を思い出すだけで恥ずかしいのに、恋人のように後ろから抱き締められ、首元に何度もキスをされるから堪らない…
愛している、と言われたことを思い出し、勝手にまた赤面してしまう。
ーあれは…どういう意味の愛してるだろう… ?
ただえっちの時のノリ?
いや、私が泣いたから慰めるために?
あるいは単に可愛がっている存在として?
それとも本当に………
"そう"であってほしい、と願いながらも、あまり期待するのはよくない、といつものようにネガティブスイッチが入る。
「凛さん、夜ご飯はどうしますか?外に出てもいいし、疲れてしまっただろうからルームサービスを頼むのでもいいですよ。」
先程まで凛と呼んでくれていたのも元に戻り、いつものように紳士的な松本。
「ぁ、はい、、でもあまり遅くなると、帰るのが大変に、、」
「凛さんが嫌でなければ、ここに泊まろうかと思うけど。一緒に眠るのが嫌だったら、俺は違う部屋を借りるよ。生き残っているベッドは1台しかないからね。」
先程マスターベッドルームのベッドをびしょびしょにしてしまったのを思い出して、変な汗が出る。
「す、すみません、、、あの、もし松本さんがいいのなら、、一緒に、、寝たいです、、」
もじもじしながらそう呟くと、くすくすと後ろから笑い声が漏れる。
「ふふ、本当に可愛いですね。また手を出しても怒りませんか?」
「ぇ、えっ!そのっ、あのっ、、」
「くくっ、冗談ですよ。流石に今日は凛さんの体に無茶をしすぎましたから。」
「も、もうっ、、」
なんだか踊らされているようでムッとする。
照れて膨れる私の後ろで、さぞ楽しそうに笑っている松本が恨めしい。
「の、のぼせそうなので、先に出ますっ!見ないでくださいっ!!」
我ながら子供らしいセリフを吐いて先に浴室を出る。
そんな姿にもきっとくすくすと笑いをこぼしているのだろう。
その笑顔を見たいのをぐっと我慢して、バスローブを羽織りリビングへ出る。
大きなテレビをつけると、ルームサービスもそれで確認できるようで、メニューをぽちぽちと眺めていくが…
「た、たかい、、、パスタが4200円ってどういうことなの…?特盛なの…?」
さすが5つ星ホテルなだけって、超高価格メニューの数々に唖然とする。
ご実家が創業したホテルなのよね、、松本さんはなんで継がなかったのかしら。
留学先で社長と親しくなって、後々一緒に起業することになったとは聞いたけど。
「こんな立派な会社を継がないなんて、、それだけ社長のことが好きだったのかしら。」
「それもあるけど、それだけではないかなぁ」
「わ、びっくりした!け、気配消すのお上手ですね、、」
「ん?凛さんがぼぅっとしてるだけでは?」
くすくす笑い、ミネラルウォーターを差し出す松本。
「あ、ありがとうございます。」
既に軽く蓋の空いたソレをありがたく受け取る。こんなさりげない気遣いができるところも素敵だなぁと見惚れてしまう。
「確かに社長のことは慕っているし、あんな変態でも人として好いているけどね。もともと僕は、ここを継ぐ気はなかったんだ。」
「そ、そうなんですか?」
「後継なら兄がいるし、自由にさせて欲しかったのが正直なところ。」
「お兄さんがいらっしゃるんですね。」
「うん。昔から何かと比べられてたよ。兄は本当に人がよくて、我が兄ながら出来た人なんだけど、勉強に関しては僕の方が要領よくてね…」
「あぁ、わかります。私も幼い頃は姉とよく比べられてました。だいたい、下の子の方が要領よかったりしますよね。」
「そうそう。それで両親の期待も徐々に僕に向くようになったんだけど。僕はやっぱり後を継ぐのは長男の兄であってほしいし、トップに立つのは僕のような人間じゃなくて、兄のような人であるべきだと思っているんだ。」
松本のプライベートな話を聞くのは初めてで驚きつつも、話してくれたことを嬉しく思う。
「ペラペラとこんな話をしてごめんね。さて、何が食べたいのかな?決められなければ、僕がお勧めをいくつか選んで頼みますよ。」
「松本さんのお話聞けて嬉しいです。メニューは、お勧めを是非、、!」
微笑んでいつものように頭を撫でると、内線であれやこれやとたくさん頼む松本。
やがて大きなダイニングテーブルいっぱいに並べられた数々の料理を二人でつつきながら、和やかな時間が流れる。
約束通り眠るまで手は出されなかったが、ベッドで松本が後ろから抱きしめるようにしてくっつくから、ドキドキしてしまってなかなか寝付けない凛なのであった。
せっかくだからと、既に日が沈み夜景が綺麗に見える大きな浴槽で二人湯に浸かる。
先程の熱い情事を思い出すだけで恥ずかしいのに、恋人のように後ろから抱き締められ、首元に何度もキスをされるから堪らない…
愛している、と言われたことを思い出し、勝手にまた赤面してしまう。
ーあれは…どういう意味の愛してるだろう… ?
ただえっちの時のノリ?
いや、私が泣いたから慰めるために?
あるいは単に可愛がっている存在として?
それとも本当に………
"そう"であってほしい、と願いながらも、あまり期待するのはよくない、といつものようにネガティブスイッチが入る。
「凛さん、夜ご飯はどうしますか?外に出てもいいし、疲れてしまっただろうからルームサービスを頼むのでもいいですよ。」
先程まで凛と呼んでくれていたのも元に戻り、いつものように紳士的な松本。
「ぁ、はい、、でもあまり遅くなると、帰るのが大変に、、」
「凛さんが嫌でなければ、ここに泊まろうかと思うけど。一緒に眠るのが嫌だったら、俺は違う部屋を借りるよ。生き残っているベッドは1台しかないからね。」
先程マスターベッドルームのベッドをびしょびしょにしてしまったのを思い出して、変な汗が出る。
「す、すみません、、、あの、もし松本さんがいいのなら、、一緒に、、寝たいです、、」
もじもじしながらそう呟くと、くすくすと後ろから笑い声が漏れる。
「ふふ、本当に可愛いですね。また手を出しても怒りませんか?」
「ぇ、えっ!そのっ、あのっ、、」
「くくっ、冗談ですよ。流石に今日は凛さんの体に無茶をしすぎましたから。」
「も、もうっ、、」
なんだか踊らされているようでムッとする。
照れて膨れる私の後ろで、さぞ楽しそうに笑っている松本が恨めしい。
「の、のぼせそうなので、先に出ますっ!見ないでくださいっ!!」
我ながら子供らしいセリフを吐いて先に浴室を出る。
そんな姿にもきっとくすくすと笑いをこぼしているのだろう。
その笑顔を見たいのをぐっと我慢して、バスローブを羽織りリビングへ出る。
大きなテレビをつけると、ルームサービスもそれで確認できるようで、メニューをぽちぽちと眺めていくが…
「た、たかい、、、パスタが4200円ってどういうことなの…?特盛なの…?」
さすが5つ星ホテルなだけって、超高価格メニューの数々に唖然とする。
ご実家が創業したホテルなのよね、、松本さんはなんで継がなかったのかしら。
留学先で社長と親しくなって、後々一緒に起業することになったとは聞いたけど。
「こんな立派な会社を継がないなんて、、それだけ社長のことが好きだったのかしら。」
「それもあるけど、それだけではないかなぁ」
「わ、びっくりした!け、気配消すのお上手ですね、、」
「ん?凛さんがぼぅっとしてるだけでは?」
くすくす笑い、ミネラルウォーターを差し出す松本。
「あ、ありがとうございます。」
既に軽く蓋の空いたソレをありがたく受け取る。こんなさりげない気遣いができるところも素敵だなぁと見惚れてしまう。
「確かに社長のことは慕っているし、あんな変態でも人として好いているけどね。もともと僕は、ここを継ぐ気はなかったんだ。」
「そ、そうなんですか?」
「後継なら兄がいるし、自由にさせて欲しかったのが正直なところ。」
「お兄さんがいらっしゃるんですね。」
「うん。昔から何かと比べられてたよ。兄は本当に人がよくて、我が兄ながら出来た人なんだけど、勉強に関しては僕の方が要領よくてね…」
「あぁ、わかります。私も幼い頃は姉とよく比べられてました。だいたい、下の子の方が要領よかったりしますよね。」
「そうそう。それで両親の期待も徐々に僕に向くようになったんだけど。僕はやっぱり後を継ぐのは長男の兄であってほしいし、トップに立つのは僕のような人間じゃなくて、兄のような人であるべきだと思っているんだ。」
松本のプライベートな話を聞くのは初めてで驚きつつも、話してくれたことを嬉しく思う。
「ペラペラとこんな話をしてごめんね。さて、何が食べたいのかな?決められなければ、僕がお勧めをいくつか選んで頼みますよ。」
「松本さんのお話聞けて嬉しいです。メニューは、お勧めを是非、、!」
微笑んでいつものように頭を撫でると、内線であれやこれやとたくさん頼む松本。
やがて大きなダイニングテーブルいっぱいに並べられた数々の料理を二人でつつきながら、和やかな時間が流れる。
約束通り眠るまで手は出されなかったが、ベッドで松本が後ろから抱きしめるようにしてくっつくから、ドキドキしてしまってなかなか寝付けない凛なのであった。
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