人生崖っぷちですが王子様に拾われました!?〜崖っぷち元人気漫画家×崖っぷち大学生が協力してBL漫画で一発逆転狙います!〜

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第二章

11. ミッション③

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「その三! 家庭的な部分をみせよう!」

 ん? 家庭的とは……?
 学食で味噌汁を飲みながら首を捻っていると、暁人と祥吾が口を揃えて言った。


「家事スキル的なアレじゃない~?」
「俺は蒼大に毎日味噌汁をつくってほしい」


 俺の頭の中では、どこからともなく一休さんがポクポクと木魚を叩く音が鳴り始める。


 家事スキル的なアレ……?


 毎日味噌汁…………?


「…………はっ! なるほど!」
 突如、チーンと景気の良い音が鳴り響いた。味噌汁を飲み干して立ち上がる。


「つまり、料理!!!」


 と、いうことで俺はさっそく学校の帰りにスーパーへと寄り道し、旬の魚を二尾買ってきた。機嫌良く鼻歌を歌いながら台所に立つ俺の背後で、早川は興味深そうに手元を覗いている。

「まるまる一尾で買ってきてどうするの?」
「三枚におろすんだぜ!」

 購入したのはあじだった。
 包丁でウロコをとり、尻尾側についている硬いゼイゴを削り切りする。

「へぇ、手際いいね」
「へへっ。釣りが趣味だったじいちゃんに仕込まれたからな」

 関心したような声が嬉しくて、少し得意になって胸を張る。
 夢中で俺の手の動きを追う横顔は、こんなに大きな彼をどこか子供っぽく見せていて、なんだか可愛く思えた。
 背中に感じる彼の体温は、照れくさいし料理だってやり難いけれど、悪くない。


 すると、そこで異変は起きた。


 エラ部分から包丁を入れて頭を一刀両断したところで、早川がさっと顔色を変えたのだ。

「わ、わぁ……。僕、魚を捌くところなんて初めて見たや…………」
「え?」

(なっ! は、早川さんの初めて……!?)

 彼の初めてをゲットできたという驚愕の事実に、俺は感動した。
(この作戦、もらった!)
 中々の好調な作戦の滑り出しに、俺の包丁を捌きもノリノリになる。
 だがしかし、続いて腹の部分に包丁を入れ切り開いていたところで、なぜか早川は台所から退場してしまった。

 カウンターから顔を覗かせれば、ソファーの上でグッタリと横たわる長身が見える。

 そんな様子に、首を傾げながら声をかけた。

「おーい、どうしたの?」
「…………寝不足かな。夕飯楽しみ。ははっ」

 俺は、ハッとした。

(腹が減っているのか……っ!!)

 それでは元気が出ないのも頷ける!
 その日の夕飯は、真ん中の骨部分でとったあら汁と、鯵の身をカラッと揚げて彼好みの甘ダレに漬け込んだ南蛮漬けにした。
 野菜もたっぷりで食べ応えは抜群だ!

 仕事のせいか顔色が悪いままの早川だったが、南蛮漬けは完食してくれた。

「…………美味しいね」
「だろ? また捌いてやるかんな!」
「…………ぅっぷ」


 そして、その晩はーー……。


「は、早川さん! お、俺のことっ、と、とととトムヤムクンも食べてみる?」
「……それは、魚入ってない?」


 ミッション3はいい調子だ!
 よし、次行ってみよう!!
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