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冒険者Dと近隣国

塩漬け案件1ー地下室

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かなり深いなと思ったら3階から降りているんだった。
こんなに狭く深い傾斜のきつい 階段をあの脂肪の塊のアミバが登って来れるのかと疑う。

余り急ぎ過ぎてアミバに追いついて気づかれるのは不味いので先に降りたアミバの気配を探ると動いて居ないようだった。

地下にまで潜っているなと感じた所まで降りると階段の先に穴が続いていた。

横に向かう穴を進むと先は大きな部屋のようで明るく見えた。
このまま進めばアミバの見つかるし、この穴からではアミバの様子が見えない。

少し考えて俺は再度スキル『隠蔽』を使って姿を見えなくし、先に進む事にした。
スキル『浮遊』も併用しているから足音も聞こえない。

出た場所は整地された大きな地下室だった。所々に明かりが灯されていて暗くない。
地響きを立てる何かが稼働しているようで5つの大きなガラス製と思われる筒が鎮座していた。筒の上からは複数のチューブが吐出していて地響きを立てる何かに接続されているらしく、何かの液体が流動していた。

そしてその巨大なガラス製のような筒の中には女性が3人居た。裸にされて何かに包まれているようで目を瞑っている。
死んでいるのかも知れないと思ったら胸が動いているからまだ間にあったようだ。

俺はスキル『浮遊』の力を強めて天井近くまで上昇して、俯瞰するように移動した。壁に明かりがあるので気配を消して姿を見えなくして浮いていても影が生じる場合があるのでそれで見つかるのを恐れたのだ。

アミバは地響きを立てる魔導機械の様な物を操作していた。それにはパネルのようなものがあり、それぞれの筒の状態を示しているようだった。
「ふん、まずまずだな。ミランダとユーレカは耐性が低くてスライムに喰われてしまったが残りは上手く行きそうだわ」

何の話か分からないが攫って来た妙齢の女性を使って何かをしているようだ。既にふたりは間に合わなかったようだ。
「それにしてもテンペストの奴らめ。余計な事をしてくれる。」

アミバは空の筒の側に放置されている服と思われる残骸に目をやる。
「下水に流せば済むと思ったものを見つけて来るとはな」

なるほどこの部屋はどこからか下水に繋がって居るのか。それでテンペストの奴らはアミバ•モトーレン伯爵が怪しいと踏んだ訳だ。悪党の考えることは分かり易いな。
「後釜の冒険者がやってくると面倒だ。魔石の精製を急ぐとしよう。」

独り言を呟いてアミバ前屈みになり、装置に集中している。
あんまり気が進まないがこの方が話が早いので俺は気付かれないように出来るだけ素早くアミバに近付き、スキル『無貌』を使った。

アミバの記憶を探り、アミバが何をやっているのかを理解すると即座にアミバから離れ、スキル『無貌』を解除する。
「む?なんだ?」

既に俺は壁近くに移動済だ。

アミバは異変を感じては居るが周りを見回して自分しかいないことに納得して作業に戻った。
熱心に作業を続けるアミバを無視して俺は来た通路に戻った。

ここから出るには別の通路を使うしかない。それにはアミバがここを出て行く後に行くしかない。

俺はアミバがしている事を考えながら今後どうするかを考えて居た。


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