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旅立ち
スライムとしての生き方
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全天の視界と魔力を見ながら餌を探していた。何かを取り込んで餌としたはずなのに微かな飢えは継続しているのを感じた。ふと、右手の藪に魔力の塊を感じた。
2つの魔石を持つスライムが移動を停止すると暫くしてから藪の中から角を持った魔物が現れた。忙しなく鼻をヒクヒクさせながら長い耳を少し立てて警戒をしているのにスライムに気付いて居ないように見えた。いや、スライムと気付いて居ても逃げれる自信があるから侮っていた。
この距離なら手が届く。
俺は身体の一部を素早く伸ばしてその魔物を捉えた。
触手を絡みつかれたホーンラビットが烈しく抵抗するが触手は外れず魔石を2つ持つスライムに引き寄せられた。そして体内に引きずり込まれる。スライムの体内でも暴れてはいたものの、直ぐに動きが緩慢になった。ホーンラビットの体毛がスライムの体内で溶け出し、直ぐに皮膚が爛れていく。骨が剥き出しになり、内臓も頭脳も溶けて行くが骨の溶解は少し遅い。頭蓋の侵食を受けて崩れた中の魔石が露わになった。
魔石を取り込んで何かの力を得た気がするからステータスを確認してみるか。ホーンラビットを取り込むのは生肉を噛み砕いて食べている感じで味も感じなかったけど、魔石には旨さを感じたぜ。
>スライム(粘性生命体)
>無名
>変質魔生物
>レベル11
>スキル『捕食』『分裂』『同化』『俊敏』
>称号『転生者』
おっと、スキルに『俊敏』とあったぜ。どうやら魔石を取り込む事で俺にホーンラビットのスキルが生まれたらしいな。魔物が進化することはあっても新しいスキルを得て行くなんてことは知らなかったぜ。どうやら記憶の一部が少し蘇っているらしいな。
無名と言う項目も増えていると言う事は記憶が戻って来れば人間だった時の名前も思い出すかも知れないな。
2つの魔石を持つスライムは先程より幾ぶんか這い進むスピードを上げて再度移動を開始した。藪に沿って移動していたスライムが止まると背後の藪の中から小さな生き物が現れた。鼻をヒクヒクさせてチョロチョロするのはホーンラビットに似てはいたが、身体は小さく長い尻尾を持っていた。
あれはダートマウス?魔物で森や廃屋に多く棲む動物だった筈だ。
2つの魔石を持つスライムから触手が伸びたが触手に気付いたダートマウスが素早く逃げて藪に消えた。触手は地面を叩いて跳ね上がって本体に戻った。
チッ、失敗したな。
ガサゴソと2つの魔石を持つスライムが藪の中に入って行き進む方向を変えた。藪の中に潜む生き物を追い立てる。
2つの魔石を持つスライムの立てる音に驚いたホーンラビットが藪から飛び出るとそれを追うように触手が2本伸びてホーンラビットを絡め取った。
よし!今度はうまく行った!
2つの魔石を持つスライムは先程のように暴れるホーンラビットを体内に取り込んで消化してしまった。
>スライム(粘性生命体)
>無名
>変質魔生物
>レベル12
>スキル『捕食』『分裂』『同化』『俊敏+2』
>称号『転生者』
ステータスを確認してみると『俊敏』に数字が追加されていたぜ。どうやら同種の魔石を取り込むと数を増やせるようだな。レベルも上がった。
ルンルン気分で2つの魔石を持つスライムは移動速度を早めて藪の中を突き進んで、ホーンラビットなどの魔物を追い立てる。見つける度に触手を2本伸ばしては獲物を捕まえて取り込んだ。
ダートマウスは捕まえる事は出来なかったが5匹目のホーンラビットを取り込んだ所で俺はステータスを確認した。
>スライム(粘性生命体)
>人名:記憶喪失状態
>変質魔生物
>レベル15
>スキル『捕食』『分裂』『同化』『俊敏+5』
>称号『転生者』
おお、レベルも上がったし『俊敏』の数字も増えてるぜ。しかも、無名だったのが記憶喪失状態になってる。人間としての意識がはっきりして来たせいかも知れんな。
その時、2つの魔石を持つスライムの前を他の小さなスライムが横切り、思わず捕まえて取り込んでしまった。
すると見ていたステータスの表示が変わり、スキル『捕食+2』『分裂+2』となった。
んん~、同じスライムを取り込んだからか?となると『捕食』『分裂』はスライムのスキルなのか?
じゃあ『同化』は何だ?分からん。
その時、2つの魔石を持つスライムの魔石の一つが少し大きくなっていた。
考えても分からんものは分からん。
再び2つの魔石を持つスライムは進み始め、藪の中から出て少し木々の切れた広場に出た。そこには2つの魔石を持つスライムよりも遥かに大きな魔物が木の根っこを掘っていた。
ボアだ!
ロックボアと言われる皮膚が岩のように堅く、気性の荒い魔物だった。
確か、並の剣では刃が立たなくてミスリルアロイの魔剣でないと倒せない相手だ!どうする?
2つの魔石を持つスライムが移動を停止すると暫くしてから藪の中から角を持った魔物が現れた。忙しなく鼻をヒクヒクさせながら長い耳を少し立てて警戒をしているのにスライムに気付いて居ないように見えた。いや、スライムと気付いて居ても逃げれる自信があるから侮っていた。
この距離なら手が届く。
俺は身体の一部を素早く伸ばしてその魔物を捉えた。
触手を絡みつかれたホーンラビットが烈しく抵抗するが触手は外れず魔石を2つ持つスライムに引き寄せられた。そして体内に引きずり込まれる。スライムの体内でも暴れてはいたものの、直ぐに動きが緩慢になった。ホーンラビットの体毛がスライムの体内で溶け出し、直ぐに皮膚が爛れていく。骨が剥き出しになり、内臓も頭脳も溶けて行くが骨の溶解は少し遅い。頭蓋の侵食を受けて崩れた中の魔石が露わになった。
魔石を取り込んで何かの力を得た気がするからステータスを確認してみるか。ホーンラビットを取り込むのは生肉を噛み砕いて食べている感じで味も感じなかったけど、魔石には旨さを感じたぜ。
>スライム(粘性生命体)
>無名
>変質魔生物
>レベル11
>スキル『捕食』『分裂』『同化』『俊敏』
>称号『転生者』
おっと、スキルに『俊敏』とあったぜ。どうやら魔石を取り込む事で俺にホーンラビットのスキルが生まれたらしいな。魔物が進化することはあっても新しいスキルを得て行くなんてことは知らなかったぜ。どうやら記憶の一部が少し蘇っているらしいな。
無名と言う項目も増えていると言う事は記憶が戻って来れば人間だった時の名前も思い出すかも知れないな。
2つの魔石を持つスライムは先程より幾ぶんか這い進むスピードを上げて再度移動を開始した。藪に沿って移動していたスライムが止まると背後の藪の中から小さな生き物が現れた。鼻をヒクヒクさせてチョロチョロするのはホーンラビットに似てはいたが、身体は小さく長い尻尾を持っていた。
あれはダートマウス?魔物で森や廃屋に多く棲む動物だった筈だ。
2つの魔石を持つスライムから触手が伸びたが触手に気付いたダートマウスが素早く逃げて藪に消えた。触手は地面を叩いて跳ね上がって本体に戻った。
チッ、失敗したな。
ガサゴソと2つの魔石を持つスライムが藪の中に入って行き進む方向を変えた。藪の中に潜む生き物を追い立てる。
2つの魔石を持つスライムの立てる音に驚いたホーンラビットが藪から飛び出るとそれを追うように触手が2本伸びてホーンラビットを絡め取った。
よし!今度はうまく行った!
2つの魔石を持つスライムは先程のように暴れるホーンラビットを体内に取り込んで消化してしまった。
>スライム(粘性生命体)
>無名
>変質魔生物
>レベル12
>スキル『捕食』『分裂』『同化』『俊敏+2』
>称号『転生者』
ステータスを確認してみると『俊敏』に数字が追加されていたぜ。どうやら同種の魔石を取り込むと数を増やせるようだな。レベルも上がった。
ルンルン気分で2つの魔石を持つスライムは移動速度を早めて藪の中を突き進んで、ホーンラビットなどの魔物を追い立てる。見つける度に触手を2本伸ばしては獲物を捕まえて取り込んだ。
ダートマウスは捕まえる事は出来なかったが5匹目のホーンラビットを取り込んだ所で俺はステータスを確認した。
>スライム(粘性生命体)
>人名:記憶喪失状態
>変質魔生物
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おお、レベルも上がったし『俊敏』の数字も増えてるぜ。しかも、無名だったのが記憶喪失状態になってる。人間としての意識がはっきりして来たせいかも知れんな。
その時、2つの魔石を持つスライムの前を他の小さなスライムが横切り、思わず捕まえて取り込んでしまった。
すると見ていたステータスの表示が変わり、スキル『捕食+2』『分裂+2』となった。
んん~、同じスライムを取り込んだからか?となると『捕食』『分裂』はスライムのスキルなのか?
じゃあ『同化』は何だ?分からん。
その時、2つの魔石を持つスライムの魔石の一つが少し大きくなっていた。
考えても分からんものは分からん。
再び2つの魔石を持つスライムは進み始め、藪の中から出て少し木々の切れた広場に出た。そこには2つの魔石を持つスライムよりも遥かに大きな魔物が木の根っこを掘っていた。
ボアだ!
ロックボアと言われる皮膚が岩のように堅く、気性の荒い魔物だった。
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