55 / 81
反省
しおりを挟む
丸一日休んだクリスティーナは、すっかり体調が良くなった。
翌日、領主の屋敷に向かうと、ジュリアスとヘンリーが待ち構えていた。
「ねぇー! 誰も倒れるまで働けなんて言ってないけど!? 何度か休みを取るように言ったよね? それなのに、こっそりお仕事してたんだってー? これじゃあ僕が悪い上司みたいじゃん!」
「はい……おっしゃる通りです。申し訳ありません」
「仕事は一人やるもんじゃないの! 色んな人に頼ったり、指示するのも領主の仕事だから! 何でも自分でやってたら、この先大きい仕事が出来なくなるよ!」
「はい殿下……」
ジュリアスは相当怒っていた。だが言っていることは正論なので、クリスティーナはお説教をしっかり受け入れるしかなかった。
「深夜の作業は禁止! っていうか、自宅での仕事は当面禁止! この屋敷以外で書類仕事をしたら罰しちゃうからね!」
「はい……」
言い方は優しかったが、内容はかなり厳しい。視察に行ったら、ここまで来て纏めなければならないということだ。
ここに来れば、ヘンリーかジュリアスのどちらかとは必ず顔を合わせることになる。おそらく夜遅くまでの作業は出来ないだろう。
(はぁ……でも今回ばかりは私が全面的に悪いもの。仕方がないわ)
しばらくは二人の言う通り、仕事をセーブして他の人に頼るしかない。
「ヘンリー、お前はしばらくこっちの仕事はするな。クリスティーナについておけ」
「承知しました」
ジュリアスから指示を受けたヘンリーは、勝ち誇ったようにクリスティーナと目を合わせた。
「殿下からの命令ですから、しっかりクリスティーナのそばにいますね」
「は、はい……」
結局ヘンリーの監視からは逃れられそうもない。けれど、ヘンリーにもジュリアスにも注意されて、どれ程のことをしたのか身に沁みていたので反論は出来なかった。
(殿下にここまで言わせてしまうって相当よね。本物の領主だったら、もっと迷惑をかけていただろうし……反省しかないわ)
流石にクリスティーナも少し落ち込んだ。
「まあでも? ハーブによる腰痛治療は上手くいきそうだね。研究所からも感謝されてたよ」
うなだれたクリスティーナに気を使ったのか、ジュリアスが優しくフォローしてくれる。その言葉が嬉しくて、クリスティーナは少し元気になった。
「そうなんです! もう少しで商品化も出来そうだって、嬉しくなっちゃいます。後は、作業道具なんですけど……あ、殿下は良い家具職人をご存知ないですか? 良ければ紹介していただきたいなと……」
先ほど注意されたばかりだったので、一人で探さず頼ってみることにした。
「家具職人ねぇ……あっ! 僕は詳しくないけど、詳しい人を紹介してあげるよ」
「本当ですか? ありがとうございます」
どうやら作業道具問題も解決に向かいそうだ。クリスティーナは安堵した。
翌日、領主の屋敷に向かうと、ジュリアスとヘンリーが待ち構えていた。
「ねぇー! 誰も倒れるまで働けなんて言ってないけど!? 何度か休みを取るように言ったよね? それなのに、こっそりお仕事してたんだってー? これじゃあ僕が悪い上司みたいじゃん!」
「はい……おっしゃる通りです。申し訳ありません」
「仕事は一人やるもんじゃないの! 色んな人に頼ったり、指示するのも領主の仕事だから! 何でも自分でやってたら、この先大きい仕事が出来なくなるよ!」
「はい殿下……」
ジュリアスは相当怒っていた。だが言っていることは正論なので、クリスティーナはお説教をしっかり受け入れるしかなかった。
「深夜の作業は禁止! っていうか、自宅での仕事は当面禁止! この屋敷以外で書類仕事をしたら罰しちゃうからね!」
「はい……」
言い方は優しかったが、内容はかなり厳しい。視察に行ったら、ここまで来て纏めなければならないということだ。
ここに来れば、ヘンリーかジュリアスのどちらかとは必ず顔を合わせることになる。おそらく夜遅くまでの作業は出来ないだろう。
(はぁ……でも今回ばかりは私が全面的に悪いもの。仕方がないわ)
しばらくは二人の言う通り、仕事をセーブして他の人に頼るしかない。
「ヘンリー、お前はしばらくこっちの仕事はするな。クリスティーナについておけ」
「承知しました」
ジュリアスから指示を受けたヘンリーは、勝ち誇ったようにクリスティーナと目を合わせた。
「殿下からの命令ですから、しっかりクリスティーナのそばにいますね」
「は、はい……」
結局ヘンリーの監視からは逃れられそうもない。けれど、ヘンリーにもジュリアスにも注意されて、どれ程のことをしたのか身に沁みていたので反論は出来なかった。
(殿下にここまで言わせてしまうって相当よね。本物の領主だったら、もっと迷惑をかけていただろうし……反省しかないわ)
流石にクリスティーナも少し落ち込んだ。
「まあでも? ハーブによる腰痛治療は上手くいきそうだね。研究所からも感謝されてたよ」
うなだれたクリスティーナに気を使ったのか、ジュリアスが優しくフォローしてくれる。その言葉が嬉しくて、クリスティーナは少し元気になった。
「そうなんです! もう少しで商品化も出来そうだって、嬉しくなっちゃいます。後は、作業道具なんですけど……あ、殿下は良い家具職人をご存知ないですか? 良ければ紹介していただきたいなと……」
先ほど注意されたばかりだったので、一人で探さず頼ってみることにした。
「家具職人ねぇ……あっ! 僕は詳しくないけど、詳しい人を紹介してあげるよ」
「本当ですか? ありがとうございます」
どうやら作業道具問題も解決に向かいそうだ。クリスティーナは安堵した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
124
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる