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反省

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 丸一日休んだクリスティーナは、すっかり体調が良くなった。
 翌日、領主の屋敷に向かうと、ジュリアスとヘンリーが待ち構えていた。

「ねぇー! 誰も倒れるまで働けなんて言ってないけど!? 何度か休みを取るように言ったよね? それなのに、こっそりお仕事してたんだってー? これじゃあ僕が悪い上司みたいじゃん!」
「はい……おっしゃる通りです。申し訳ありません」
「仕事は一人やるもんじゃないの! 色んな人に頼ったり、指示するのも領主の仕事だから! 何でも自分でやってたら、この先大きい仕事が出来なくなるよ!」
「はい殿下……」

 ジュリアスは相当怒っていた。だが言っていることは正論なので、クリスティーナはお説教をしっかり受け入れるしかなかった。

「深夜の作業は禁止! っていうか、自宅での仕事は当面禁止! この屋敷以外で書類仕事をしたら罰しちゃうからね!」
「はい……」

 言い方は優しかったが、内容はかなり厳しい。視察に行ったら、ここまで来て纏めなければならないということだ。

 ここに来れば、ヘンリーかジュリアスのどちらかとは必ず顔を合わせることになる。おそらく夜遅くまでの作業は出来ないだろう。

(はぁ……でも今回ばかりは私が全面的に悪いもの。仕方がないわ)

 しばらくは二人の言う通り、仕事をセーブして他の人に頼るしかない。

「ヘンリー、お前はしばらくこっちの仕事はするな。クリスティーナについておけ」
「承知しました」

 ジュリアスから指示を受けたヘンリーは、勝ち誇ったようにクリスティーナと目を合わせた。

「殿下からの命令ですから、しっかりクリスティーナのそばにいますね」
「は、はい……」

 結局ヘンリーの監視からは逃れられそうもない。けれど、ヘンリーにもジュリアスにも注意されて、どれ程のことをしたのか身に沁みていたので反論は出来なかった。

(殿下にここまで言わせてしまうって相当よね。本物の領主だったら、もっと迷惑をかけていただろうし……反省しかないわ)

 流石にクリスティーナも少し落ち込んだ。

「まあでも? ハーブによる腰痛治療は上手くいきそうだね。研究所からも感謝されてたよ」

 うなだれたクリスティーナに気を使ったのか、ジュリアスが優しくフォローしてくれる。その言葉が嬉しくて、クリスティーナは少し元気になった。

「そうなんです! もう少しで商品化も出来そうだって、嬉しくなっちゃいます。後は、作業道具なんですけど……あ、殿下は良い家具職人をご存知ないですか? 良ければ紹介していただきたいなと……」

 先ほど注意されたばかりだったので、一人で探さず頼ってみることにした。

「家具職人ねぇ……あっ! 僕は詳しくないけど、詳しい人を紹介してあげるよ」
「本当ですか? ありがとうございます」

 どうやら作業道具問題も解決に向かいそうだ。クリスティーナは安堵した。
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