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五話 幸せな日常

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二人がいなくなってからしばらくの間、私はその場から動けなかった。

「フランツ、庇ってくれてありがとうございます」

発した声が震えた。脚も震えて立っているのがやっとだった。冷静に対応したつもりだけれど、本当は怖かったのだ。

手紙でなら強がることが出来たが、直接対面するとこんなにも弱ってしまうのだと自分でも驚いた。

「大丈夫ですか?」

私の様子に気づき、フランツが私を抱きしめて支えてくれる。フランツの温もりに包まれていると、少しずつ落ち着いてきた。

「申し訳ありません。もう二度とこのような目に合わせたりしません。だから安心してください」

フランツの力強い声を聞き安心したのか、目から涙がこぼれた。フランツの腰に手を回し、私もフランツを抱きしめた。

「ありがとうございます、フランツ。あなたと出会えて良かった。」

そう言うと、フランツも私を抱きしめる腕に力を込めた。

「愛しています、ローザ」

「私も愛してます。これからもずっと」



こうして私は本当の幸福を手に入れたのだった。

ちなみに一年に一度、実家へ手紙を送るようになった。牽制と復讐を兼ねて、ね。
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みんなの感想(1件)

penpen
2021.07.23 penpen

煽っちゃ駄目じゃないil||li _| ̄|○ヽ(・ω・`)ポンポン♪

解除

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