『星屑の狭間で』(クライム・サスペンス編)

…サイン・バード氏の独白…

「…貴方は観られている……政府が極秘に導入した盗聴・盗撮・分析システム『マシーン』に拠って…いつ何時となく、監視されているのだ……それを開発したのはこの私だ……目的はテロを未然に防ぐために……だがこのシステムはテロ計画とは関係の無い、一般の凶悪犯罪計画をも感知する……政府に執っては無用の犯罪計画だ……しかし私に無用な犯罪計画など無い……私は『マシーン』をクローズドシステムとして構築し、密かにバックドアを設定した状態で政府に引き渡した……だからこの私ですら『マシーン』のメインフレームにはアクセス出来ない……だがバックドアを通じてこの私にだけ、その犯罪計画に関わる可能性の高い個人の社会保証番号が表示される……この時点でその人物が、加害者になるのか被害者になるのかは判らない……だから、私にはチームが必要だった……共にその犯罪を防止する為に動けるプロ集団が……表示されたターゲットは必ず見付け出し……犯罪は起きる前に、それを阻止する……『運営推進委員会』が『マシーン』の大凡を解析し、ふたつ目の超A I 『サマリタン』を構築して本部の中枢に据えた事は、私も感知した……その目的は今の処判らないが、将来的に対抗する必要性が浮上する可能性を考慮して、みっつ目の超A I 『ブレイン』は、私が開発した『サッチェル暗号コード』で、私にだけアクセスできるワンサイド・オープン・システムとして構築した……その『ブレイン』が暫く前に表示したのが、アドル・エルク氏だ……彼と彼の関係者がどのような犯罪計画にどのように関わるのかもまだ判らないが、彼とその関係者を注意深く観察していけば…いずれ浮上して来るだろう……」

 サイン・バード氏が構築した超A I 『ブレイン』が表示した『アドル・エルク』

 それが意味する処は何なのか?

 彼と彼の関係者が、何の犯罪に巻き込まれようとしているのか?

 本作は犯罪を発生前に阻止しようとして活動するサイン・バード氏のチームと、アドル・エルク氏を中心とする【『ディファイアント』共闘同盟】のスタッフ・クルーとの関わりを縦軸に…彼らに迫り、巻き込もうとする犯罪計画との戦いを横軸にして描くクライム・サスペンス編。

 家族とその関係者をも含むスタッフ・クルーを、迫る犯罪計画から守ろうとして奮闘する彼らを描く…スピンオフ・オムニバス・シリーズです。

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