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フォース・ゲーム
私は大量破壊兵器だ
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…医療室…
「…う…はっ…リーア…うっ…大丈夫か? 」
「…なん…とか…」
「…皆の…呼吸と脈拍を調べよう…呼吸不全や…頻脈…徐脈を起こしていたら…先に…バイオ・ベッドに寝かせる…」
「…了解…」
「…携帯…サーボ・スキャナーを取って…」
ジャニス・マニアがノロノロと起き上がり、ふたつのスキャナーを私とリーアに手渡す…私達は3人で1人ずつ、倒れている彼女達を簡易に診察し…バイオ・ベッドに寝かせて、呼吸サポート…または心拍サポートをセットした。
「…ふう…ああ! これで大体…大丈夫かな…」
…飛来した32の自律思考ミサイルとランデブー状態で、ともに航行する『ディファイアント』…
…ブリッジ…
…カリーナ・ソリンスキー…
「…自律思考ミサイル群の1基がメッセージを送信しました…艦内の思考ミサイルに向けてです…」
…シエナ・ミュラー…
「…ブリッジから医療室へ…32基の自律思考ミサイルが出現しました…現在は『ディファイアント』とランデブーしています…そして、中の1基がそちらに向けてメッセージを送信しました…」
…医療室…
ようやっとドクターの近くにまで歩み寄り、手をコンソール・パネルに掛けて、そのまま身体をもたせ掛けて立った。
「…この私を探知したのだ…彼らも同じターゲットを狙って航行する中で私を探知し、後を追ってコースを変えたらしい…私にこの艦から出ろと命じている…今の私は推進機関が損傷していて、自分では動けないが…外に出れば、私を援護して牽引して行くそうだ…」
「…シエナからアドル艦長へ…生体ニューロ・マトリクスを再統合して、思考ミサイルを艦外に放出するべきかと思いますが…」
…医療室…
「…シエナ副長、それは出来ない…」
「…なぜでしょうか? 」
「…この1連の思考ミサイル群は、間違えて発射されたものだからだ…」
ドクターが、物凄い形相で私を睨み付けた。
「…やめろ! いいから私を艦外に放出するのだ! 」
「…アドル艦長、どう言う事ですか? 」
「…シエナ、すまない。時間をくれ……君は間違ってる…味方は君を止めようとしているんだぞ! 」
「…事実かどうか判らん…」
「…事実さ…メモリー・ファイルをチェックして、確認コードを探すんだ…」
「…そんな時間は無い…」
「…コードを探せよ! 」
「…マトリクスを統合しろ! 」
「断る! 」
シエナ・ミュラーがブリッジから口を挟む。
「…アドル艦長に従わなければ『ディファイアント』の外には出しません…」
「…君らに私に対しての命令権は無い! 」
「…今起爆すれば、外のお仲間達諸共に吹き飛びますよ…良いんですか? 」
「………」
(低く・強い声で)
「…確認コードを、探すんだ! 」
(渋々と言った感じでタッチパネルを操作する)
「…連続コミュケーション・パケット177…ベクター6732…『戦争は終結した』……確認…『あらゆる戦争行為の禁止』……確認…『無許可の発射』……確認…『任務中止命令』………確認…」
「…直ぐに起爆装置を解除して、外の仲間達を止めるんだ…」
「…これは罠だ…」
顔を背けてその場を離れるドクター。
「…この確認コードには、ランダム変調アルゴリズムが使われている…擬装や複製は不可能だ! 」
モニターのデータを示しながら言う。
「…敵は冷酷で、凶暴な種族だ…」
「…敵に会った事は無いんだろう!? プロパガンダを入力されて、それを信じるようにプログラムされてるだけだ! 」
「…私は発射命令を受けたのだ! 」
私に背を向けたまま叫ぶ。
「…だがそれは撤回された! 」
また私に向き直り、目の前まで来た。
「…私はシリーズ5(ファイブ)長距離戦術機構ユニット! 指定されたターゲットを目指し、それを制しようとする総てを排除して到達し、ターゲットを破壊しなければならないのだ! 」
「…君の知能には、思考能力が備えられている…」
「…私には、私を創造した味方の種族を守り、ターゲットを破壊する義務がある! 」
「…君の知能に思考能力が備えられているのは、何か問題が起これば自分の意思で考えて、意志決定を下すためだ。今がその時なんだよ! 無数の命が掛かっているんだ! 」
それを聴いてドクターは、深く懊悩する表情を顕し、4歩歩いた…私は彼の直ぐ後ろに立ち、右肩越しに語り掛ける。
「…君はドクターの感覚を得た事で、クルーの気持ちを少しは実感できたはずだ…じゃあ、今度は犠牲者の気持ちを想像してみてくれ…君の最初の犠牲者…彼女達の気持ちを…君がこのまま進めば彼女達のような犠牲者が、数百万から数千万にもなるんだ…君が今ここで思い直さなければな! 」
耳に障る酷い不協和音が響く…ドクターがパネルの前に立って内容を観る。
「…なぜ艦から去らないのか、訊いて来ている…」
「…言うんだ! 」
両手を広げて訴える。
「…任務の中止命令を送信してみよう…」
疲れ切ったように大きく息を吸って、そのまま吐いた。
「…彼らも任務の中止命令は受信していたのだ…だが既に境界線を越えていた…1度ターゲットから30万km圏内に入ってしまえば、回避は不可能になる…」
「……戦争は終わったと言ってくれ…」
「…言ったとも…」
「…じゃあ、君が中止命令を受信したのは、30万km圏内に入る前だったと! 」
暫く不協和音同士で遣り取りをしていたが…
「…信じようとしない…」
「…信じる・信じないは君次第だ…」
「…彼らは正式な、確認できる命令しか信用しない…説得は不可能だ…」
そう応えたドクターは、暫く目を伏せて床を観ていたが…やがて顔を上げると、私を観た。
「…生体ニューロ・マトリクスの再統合を頼む…私を仲間達の元に帰してくれ…」
「…そんな事は出来ないよ…解ってるだろう? 」
「…今の私に、かつて敵であった種族が建設した軍事施設を、攻撃して破壊する意思は無い……仲間を止める…」
「…でも、どうやって? 」
「…なに、心配ない…私は大量破壊兵器だ…私達に発せられた指令は間違っていた…それらは正され…撤回されて、確認コードによっても証明された…だから私は、敵を憎むためだけに組まれたプログラムなどは乗り越えてみせる…君もその疑念を乗り越えてくれ…」
多分、私は10秒くらい迷っていたのだろう。
「……! リーア、手を貸してくれ……アドルよりフィオナ、保安部員4名を連れて医療室に来てくれ…続けてアンバー・リアム主任機関士、聴こえるか? 」
「…聴こえています。どうぞ…」
「…廃棄コンテナの排出ハッチを手動で開いて待機していてくれ…」
「…分かりました…」
「…それと君は第5デッキの封鎖を解除してくれ…」
「…分かった…」
第5デッキの封鎖は解除され、他のドクター達が全員医療処置室に入って来た。
「…皆さん、すみません…彼女達を診て下さい…それ程の重症者はいない筈ですが…」
「…シエナよりアドル艦長、どう言う事ですか? 」
「…ナンバー・ワン…『彼』と、外の仲間達を止める事で合意した…これから生体ニューロ・マトリクスを再統合し、『彼』の意識も本体に移殖し直して…思考ミサイルを艦外に放出する…」
「…分かりました…」
ピッピッ、ピッピーピッ、ピッピッピッピッピピッピッ…
「…生体ニューロ・マトリクスの再統合を完了…」
「…ありがとう、リーア…意識の再移殖を行う…ジャニス…ヘザー…それに皆さん、意識の再移殖が終わったら、ドクターは倒れます…支えてそのままバイオ・ベッドに寝かせてやって下さい…」
「…分かりました…」
ピッピーピッピ、ピッピッピーピッ、ピッピッ、ピッピピッ、ピーピッピピッ…
「…これで最後だよ…用意はいいかい? 」
「…ああ、OKだ…」
「…こんな事になってしまって…残念だよ…」
「…私は任務を遂行する…ターゲットが変わっただけだ…」
ピピッピ…
最後の操作を終えると、思考ミサイルは完全に起動し、ドクターはぐにゃりとバランスを崩したが、4人で支えたので倒れることなくバイオ・ベッドに横たえられた…身体の反応を観ながら、慎重にヴァイザーをシャットダウンしてゆっくり頭から外した。
「…う…はっ…リーア…うっ…大丈夫か? 」
「…なん…とか…」
「…皆の…呼吸と脈拍を調べよう…呼吸不全や…頻脈…徐脈を起こしていたら…先に…バイオ・ベッドに寝かせる…」
「…了解…」
「…携帯…サーボ・スキャナーを取って…」
ジャニス・マニアがノロノロと起き上がり、ふたつのスキャナーを私とリーアに手渡す…私達は3人で1人ずつ、倒れている彼女達を簡易に診察し…バイオ・ベッドに寝かせて、呼吸サポート…または心拍サポートをセットした。
「…ふう…ああ! これで大体…大丈夫かな…」
…飛来した32の自律思考ミサイルとランデブー状態で、ともに航行する『ディファイアント』…
…ブリッジ…
…カリーナ・ソリンスキー…
「…自律思考ミサイル群の1基がメッセージを送信しました…艦内の思考ミサイルに向けてです…」
…シエナ・ミュラー…
「…ブリッジから医療室へ…32基の自律思考ミサイルが出現しました…現在は『ディファイアント』とランデブーしています…そして、中の1基がそちらに向けてメッセージを送信しました…」
…医療室…
ようやっとドクターの近くにまで歩み寄り、手をコンソール・パネルに掛けて、そのまま身体をもたせ掛けて立った。
「…この私を探知したのだ…彼らも同じターゲットを狙って航行する中で私を探知し、後を追ってコースを変えたらしい…私にこの艦から出ろと命じている…今の私は推進機関が損傷していて、自分では動けないが…外に出れば、私を援護して牽引して行くそうだ…」
「…シエナからアドル艦長へ…生体ニューロ・マトリクスを再統合して、思考ミサイルを艦外に放出するべきかと思いますが…」
…医療室…
「…シエナ副長、それは出来ない…」
「…なぜでしょうか? 」
「…この1連の思考ミサイル群は、間違えて発射されたものだからだ…」
ドクターが、物凄い形相で私を睨み付けた。
「…やめろ! いいから私を艦外に放出するのだ! 」
「…アドル艦長、どう言う事ですか? 」
「…シエナ、すまない。時間をくれ……君は間違ってる…味方は君を止めようとしているんだぞ! 」
「…事実かどうか判らん…」
「…事実さ…メモリー・ファイルをチェックして、確認コードを探すんだ…」
「…そんな時間は無い…」
「…コードを探せよ! 」
「…マトリクスを統合しろ! 」
「断る! 」
シエナ・ミュラーがブリッジから口を挟む。
「…アドル艦長に従わなければ『ディファイアント』の外には出しません…」
「…君らに私に対しての命令権は無い! 」
「…今起爆すれば、外のお仲間達諸共に吹き飛びますよ…良いんですか? 」
「………」
(低く・強い声で)
「…確認コードを、探すんだ! 」
(渋々と言った感じでタッチパネルを操作する)
「…連続コミュケーション・パケット177…ベクター6732…『戦争は終結した』……確認…『あらゆる戦争行為の禁止』……確認…『無許可の発射』……確認…『任務中止命令』………確認…」
「…直ぐに起爆装置を解除して、外の仲間達を止めるんだ…」
「…これは罠だ…」
顔を背けてその場を離れるドクター。
「…この確認コードには、ランダム変調アルゴリズムが使われている…擬装や複製は不可能だ! 」
モニターのデータを示しながら言う。
「…敵は冷酷で、凶暴な種族だ…」
「…敵に会った事は無いんだろう!? プロパガンダを入力されて、それを信じるようにプログラムされてるだけだ! 」
「…私は発射命令を受けたのだ! 」
私に背を向けたまま叫ぶ。
「…だがそれは撤回された! 」
また私に向き直り、目の前まで来た。
「…私はシリーズ5(ファイブ)長距離戦術機構ユニット! 指定されたターゲットを目指し、それを制しようとする総てを排除して到達し、ターゲットを破壊しなければならないのだ! 」
「…君の知能には、思考能力が備えられている…」
「…私には、私を創造した味方の種族を守り、ターゲットを破壊する義務がある! 」
「…君の知能に思考能力が備えられているのは、何か問題が起これば自分の意思で考えて、意志決定を下すためだ。今がその時なんだよ! 無数の命が掛かっているんだ! 」
それを聴いてドクターは、深く懊悩する表情を顕し、4歩歩いた…私は彼の直ぐ後ろに立ち、右肩越しに語り掛ける。
「…君はドクターの感覚を得た事で、クルーの気持ちを少しは実感できたはずだ…じゃあ、今度は犠牲者の気持ちを想像してみてくれ…君の最初の犠牲者…彼女達の気持ちを…君がこのまま進めば彼女達のような犠牲者が、数百万から数千万にもなるんだ…君が今ここで思い直さなければな! 」
耳に障る酷い不協和音が響く…ドクターがパネルの前に立って内容を観る。
「…なぜ艦から去らないのか、訊いて来ている…」
「…言うんだ! 」
両手を広げて訴える。
「…任務の中止命令を送信してみよう…」
疲れ切ったように大きく息を吸って、そのまま吐いた。
「…彼らも任務の中止命令は受信していたのだ…だが既に境界線を越えていた…1度ターゲットから30万km圏内に入ってしまえば、回避は不可能になる…」
「……戦争は終わったと言ってくれ…」
「…言ったとも…」
「…じゃあ、君が中止命令を受信したのは、30万km圏内に入る前だったと! 」
暫く不協和音同士で遣り取りをしていたが…
「…信じようとしない…」
「…信じる・信じないは君次第だ…」
「…彼らは正式な、確認できる命令しか信用しない…説得は不可能だ…」
そう応えたドクターは、暫く目を伏せて床を観ていたが…やがて顔を上げると、私を観た。
「…生体ニューロ・マトリクスの再統合を頼む…私を仲間達の元に帰してくれ…」
「…そんな事は出来ないよ…解ってるだろう? 」
「…今の私に、かつて敵であった種族が建設した軍事施設を、攻撃して破壊する意思は無い……仲間を止める…」
「…でも、どうやって? 」
「…なに、心配ない…私は大量破壊兵器だ…私達に発せられた指令は間違っていた…それらは正され…撤回されて、確認コードによっても証明された…だから私は、敵を憎むためだけに組まれたプログラムなどは乗り越えてみせる…君もその疑念を乗り越えてくれ…」
多分、私は10秒くらい迷っていたのだろう。
「……! リーア、手を貸してくれ……アドルよりフィオナ、保安部員4名を連れて医療室に来てくれ…続けてアンバー・リアム主任機関士、聴こえるか? 」
「…聴こえています。どうぞ…」
「…廃棄コンテナの排出ハッチを手動で開いて待機していてくれ…」
「…分かりました…」
「…それと君は第5デッキの封鎖を解除してくれ…」
「…分かった…」
第5デッキの封鎖は解除され、他のドクター達が全員医療処置室に入って来た。
「…皆さん、すみません…彼女達を診て下さい…それ程の重症者はいない筈ですが…」
「…シエナよりアドル艦長、どう言う事ですか? 」
「…ナンバー・ワン…『彼』と、外の仲間達を止める事で合意した…これから生体ニューロ・マトリクスを再統合し、『彼』の意識も本体に移殖し直して…思考ミサイルを艦外に放出する…」
「…分かりました…」
ピッピッ、ピッピーピッ、ピッピッピッピッピピッピッ…
「…生体ニューロ・マトリクスの再統合を完了…」
「…ありがとう、リーア…意識の再移殖を行う…ジャニス…ヘザー…それに皆さん、意識の再移殖が終わったら、ドクターは倒れます…支えてそのままバイオ・ベッドに寝かせてやって下さい…」
「…分かりました…」
ピッピーピッピ、ピッピッピーピッ、ピッピッ、ピッピピッ、ピーピッピピッ…
「…これで最後だよ…用意はいいかい? 」
「…ああ、OKだ…」
「…こんな事になってしまって…残念だよ…」
「…私は任務を遂行する…ターゲットが変わっただけだ…」
ピピッピ…
最後の操作を終えると、思考ミサイルは完全に起動し、ドクターはぐにゃりとバランスを崩したが、4人で支えたので倒れることなくバイオ・ベッドに横たえられた…身体の反応を観ながら、慎重にヴァイザーをシャットダウンしてゆっくり頭から外した。
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