上 下
5 / 10
フォース・ゲーム

ドクター・アーレン

しおりを挟む
『ディファイアント』…ブリッジ…
…艦長控室…15分後…

「…チャレンジ・ミッションに参加して、キャッチした救難信号の発信源に接近…接触…救助して収容したら、その正体は桁外れけたはずの大量破壊兵器だった…どうするべきか、意見を頼む…」

 マンデリンのホットをいつもと同じに出させたんだが、何故だかいつもよりだいぶ苦い。

「…艦長…残念ですが、今回のチャレンジ・ミッションは諦めましょう…とてもじゃありませんが、危険過ぎます…今は記憶中枢に損傷があるせいで、メモリー・プログラムを思い出せないでいますが…治れば設定されたターゲットに向おうとするでしょう…『あれ』は直ちに放出して、破壊するべきです…」

「…フィオナ保安部長…『彼』には感覚があるんですよ…殺すつもりですか…それに、今の『彼』に我々への敵意はありません…」

「…今のところはね…」

 ロリーナ・マッケニット副機関部長だ。

「…ドクターは『あれ』を直したいんですか? 」

 ミーナン・ヘザー副観測室長が訊いた。

「…勿論! 救助した以上は当然でしょう…」

「…『あれ』はターゲットを設定されて発射されたミサイルです…直ればそこへ向おうとするのは明白です…艦内で修理するなど以ての外です…」

 エドナ・ラティス砲術長だ。

「…『彼』の知能は高度なレベルで構築されたもので、思考能力も備えられています…治療が終わったら事情を説明して、起爆装置を解除するように協力を求めるのです…」

「…『あれ』でも『彼』でも別に良いが…本質は大規模な破壊力を内包し、ターゲットをプログラムされたミサイルだ…話し合いになれば良いがね…」

 ハル・ハートリー参謀がこちらに顔を向けた。

「…それなら惑星上に降ろして、警告ブイを設置しましょう…」

「…殺したり見捨てたりしないで、もっと建設的な解決策がある筈です…」

「…ニューロ・シナプス・ネットワーク・マトリクスを、あのミサイルから取り外せないかしら? 」

 シエナ・ミュラーが問うた。

「…それが上手くいけば、兵器としてのシステムを停止させても、知能は救える訳だな? 」

「…上手く外せたとして、兵器を停止させた後の知能の取り扱いはどうするの? 」

 メイン・センサー・オペレーターのカリーナ・ソリンスキーだ。

「…あの知能の個性と言うか…キャラクターとあまり乖離かいりしないように、3D ホログラム・マトリクスで身体しんたいパラメーターを設定して…それに『彼』のシナプス・パターンをダウンロードすれば良いのか…理論的にはね…」

「…その後はどうします? 」

 マレット・フェントン補給支援部長だ。

「…『彼』の産まれ故郷を探し出して、そこに帰してあげれば良いんです…」

 希望を見出したかのように、ドクターが言う。

「…あのミサイルのシステムは、とても複雑です…ひとつ間違えば起爆に繋がります…」

 パティ・シャノン観測室長が注意を喚起する。

「…命を救おうとする行為に、危険は付きものでしょう! 」

「…分かりました、ドクター…私と貴方と、リーアとロリーナとパティとで、このプロジェクトに取り組みます…副長はブリッジで監視していてくれ…『彼』は、医療部処置室に移します…主任機関士2名を中心に、処置室周辺の構造維持フォース・フィールド・ジェネレーターにも手を加えて、フィールド・パケットを室内に構築できるようにして下さい… しかしドクター…危険だと認定したら、『彼』は直ちに放出します。良いですね? 」

「…承知しました。ありがとうございます…」

…25分後…機関室…

 既にヴァイザーを装着したドクターが入室して、ストレッチャーに乗せられたミサイルに歩み寄る。

「…コンピューター、抑制フィールドをレベル1まで低下…」

【コンプリート】

「…気分はどうだね? 」

『ここで私に、何をしようとしているのか? 』

「…うん…尤ももっとな質問だね……私達は君のその…故障箇所こしょうかしょを修理しようとしているんだよ…」

『…私は…有機的な生命体ではないのか? 』

「…ああ…この事を君にどう伝えようかと考えていたんだが…言葉をにごしても仕方ないな…君の本体は機械なんだよ…君の知能は誰かの手によって構築されたA I で、君の機械的本体に内蔵されている…だが君の神経回路は有機知的生命体のそれに模して作られた、非常に高度なものなんだ…君は空間航行体で…岩塊デプリに衝突した際にダメージを負い、今は様々に混乱している状態だ…ここはこの艦の機関室なんだが、今から君を医療部処置室に移す…そこでの方が細かくデリケートな医療的修理に適しているからね…だから心配は要らない…安心していてくれ…」

『…私は、どのような姿形をしているのか? 』

「…ああ…君は全長2m程の、ほぼ円筒だ…左右対称のデザインで…非常に機能的なシステムに観える…」

 その時、フィオナが4人の保安部員を連れて来た。

「…ドクター、処置室の準備が出来ました…今から搬送します…」

「…頼みます…さあ、今から行くよ…」

『…私の身体を、どのように治すのか? 』

「…本当に残念だし、君には申し訳ないとも思うんだが…私達から観て君のシステムは、高度に構築されていて精緻せいちに入り組んでいる…スキャンを掛けてもその細部までは判明しなかった…だから、君の知能と生体神経マトリクスをそのままにして、治療的修理を行うのはリスクが高すぎると判断した…なので、一時的な避難措置として…君の知能と生体神経マトリクスのパターンを、君の本体システムが完全に直る迄の間…こちらのメモリー・ファイルに保存する事にしたんだよ…暫く不便を掛けると思うが、どうか理解して欲しい…その代わり君の本体システムは、完全・確実に治すと約束しよう…すまないが、ヴァイザーを被って喋っていると、ちょっと苦しくなるんでね…暫く失礼するよ…」

 そう言い終えてドクターは、ヴァイザーを切ると頭から外した。

「…ドクター…なかなかに仰いますね…『嘘も方便』ですか? 」

「…ちょっと警戒し過ぎだったかも知れないがね、保安部長…このA I はかなり高度なものだから、このぐらい言っておかないと…いつ何を言い出すか分らないからな…」

 そう言いながらドクターは頭を掻いたり髪を撫で付けたりしつつ、ストレッチャーを押す保安部員達と一緒に歩き、ターボ・リフトに乗り込んだ。

「…デッキ5(ファイブ)…」

 医療処置室では既に、私とリーア・ミスタンテ機関部長…ロリーナ・マッケニット副機関部長…パティ・シャノン天体観測室長が、ストレッチャーに乗せられた『彼』を待ち受けていた。

 ストレッチャーをパケット・センターで安置させると、リーアが私にメンテナンス・ツールを手渡して…早速作業に掛かろうとする…が、本体システムが盛んに反応し始める。

『…何をしようとしているのか? 』

「…怖がらなくても大丈夫だ…作業を始めるには、システムにアクセスする必要があるんだから…」

『…これから始める作業の手順を、最初から詳しく解説しながら行ってくれ…』

「…『彼』が、作業の手順を最初から詳しく解説しながら…やって欲しいと言ってる…」

「…すごく複雑な作業なんですよ…とてもじゃありませんが、詳しく解説しながらでは出来ません…」

「…リーア・ミスタンテ機関部長を許してやってくれ給え…とても優秀なエンジニアではあるんだが、患者への接し方に於いては…些かいささ問題があるようでね…」

 リーアが横目でドクターを睨む。

(突き放したように)「…艦長! お願いします…」

「…あ? ああ…分かった…先ず…アクティブ・インターリンクをセットアップする…君と…こちらのシステムとの間にね…それで…君の知能的存在と、そのシステム・パターンのコピーを…こちらのシステムのメモリー・バッファに移し替え終わる迄の間…君のプログラムを停止させて貰うよ…生体神経マトリクスのパターンをコピーしてダウンロードし終える迄の間だ…」

『…私のプログラムを停止させるのは承認出来ない…』

「…プログラムを停止させる訳にはいかないと言っている…」

「…悪いけど、それしか方法は無いのよ…」

 リーアがそう応えると、ミサイルのシステムが激しく反応し始める。

 …ブリッジ…

「…副長…ミサイルが起爆準備を開始しました…」

 カリーナ・ソリンスキーがシエナ・ミュラーに報告した。

「…ブリッジより、アドル艦長…ミサイルが起爆準備を開始しました! 」

「…ドクター! 止めてくれ! 」

「…自分を破壊してしまう事になるんだぞ! 我々も吹き飛ばされる! 」

 コンソールで簡易スキャンを掛けて観る。

「…爆発まで20秒だ! リーア! インターリンクは通じてる! こちらのパワー・マトリクスからE M パルスを送り込んでショートさせよう! 」

「…了解! 」

「…残り15秒! 」

「…頼む。やめてくれ。君を助けようとしているだけだ! 」

「…10秒…9…8…」

「…E M パルス、開始! 」

「…6…5…」

「…いくわよ! 」

キュウウウウン……

「…やった…寸での処だったな…」

「…なんて事を…」

「…ドクター…このミサイルに肩入れしたい気持ちは分かるけど…」

「…嘘つきめ…」

「…なんですって? 」

「…私の生体神経マトリクスを移植させると言いながら、その実停止させようとした…」

「…あなた…このA I なの? 」

 もう一度コンソールで簡易スキャンを掛けて観た。

「…インター・リンクを辿り、ヴァイザーも経由してドクターの意識に入り込んだんだ…」

「…医療室からブリッジ! …医療室から機関室! …インター・リンクからシステムにも侵入して、コントロールを奪ってる! 」

「…ドアも開かない…閉じ込められたな…」

「…なぜ私を破壊する? 」

「…起爆装置を解除しようとしていただけだ…」

「…私は兵器だ…」

「…それは解ってる…」

「…なぜ言わなかった? 」

「…用心のためだった…君に危険な真似をされる事は、困るからね…」

「…案の定だわ…」

「…破壊はさせない…私は任務を遂行する…」

「…記憶が戻ったのか? 」

「…そうだ……私はシリーズ5(ファイブ)長距離戦術機構ユニット…故郷から発射された…彼らは脅威きょうい曝されさらている…敵の種族からな……仲間のユニットは破壊されたが、私はターゲットに到達する…この艦で運ぶのだ…」

「…先ず…君の故郷とコンタクトを執ってみよう…どこの惑星ほしか教えてくれれば…」

「…私は任務を再開する!! 」

 そう言ってドクターは、ミサイルの外面に並んでいる6個のボタンを、ある順番で押す…するとミサイルが、また目覚めた。

 …ブリッジ…

「…副長…ミサイルが再起動して、再武装しました…」

「…保安部員は? 」

「…まだ医療室に入れないようです…第5デッキの全域が封鎖されています…」

「…フィオナ、通信は傍受されているからブリッジに来てちょうだい! 」

「…分かりました…」

 ブリッジのメイン・ビューワに、医療室から接続された。

「…副長…何を企んでいるのかは知らないが、実行しない方が賢明だ…私に対抗する、どのような行動も勧めないし、諦めた方が良い…下手な動向を観せるようなら、私は起爆する…この艦とクルー全員が、吹き飛ぶだろう…新しい進路を転送した…指定した座標まで、フル・スピードで前進せよ…」

「…ドクター・アーレン…」

「…彼は消えた…もういない…」

「…副長…座標への方位は、372マーク194…距離は第5戦闘距離の68400倍です…」

 エマ・ラトナーが報告する。

「…あなたの故郷? 」

「…私のターゲットだ…そのコースを進むなら、敵が設置した空間機雷源を迂回できる…決して逸れるな…言う通りにしてくれれば、この艦に危害を加えるつもりは無い…座標のターゲットに接近したら、私をそれに向けて射出してくれれば良い…」

「…戦争の片棒を担ぐつもりはありません…戦争に纏わるまつどのような干渉もできません…」

「…既に干渉している…私にな…」

「…助けようとしただけです…」

「…正体が判るまではな…判った途端とたんに停止させようとした…」

「…ミサイルの起爆装置だけです…あなたじゃありません…」

「…分ける事などできない…私は私だ! コースを変え給え…でなければ爆発させる! 」

「…そうなれば、ターゲットへは辿り着けませんよ…」

「…私は必ず目的を達成するようにプログラムされている…妨害された場合には、それに関わった総てのものを敵と見做すみな…コースを変更し、君らの行動を常に監視できるよう…センサーを転送し給え…」

「…その前に医療室のクルーを解放して…」

「…私に交渉する機能は無い…クルーはこのままだ…」

「…エマ…コースを変更して…カリーナ…センサーを医療室へ転送…」

「…実に賢明な決断だ、副長…」

 接続は向こうから切られた。

「…ハル…集められるスタッフを全員集めて…あんなミサイルのA I に負ける訳にはいかないわ…」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【『星屑の狭間で』『パラレル2』(アドル・エルク独身編)】

トーマス・ライカー
SF
 舞台は、数多ある地球圏パラレルワールドのひとつ。  超大規模、超高密度、超高速度、超圧縮高度複合複層処理でのハイパー・ヴァーチャル・エクステンデッド・ミクシッド・リアリティ(超拡張複合仮想現実)の技術が、一般にも普及して定着し、ハイパーレベル・データストリーム・ネットワークが一般化した未来社会。  主人公、アドル・エルクは36才で今だに独身。  インターナショナル・クライトン・エンタープライズ(クライトン国際総合商社)本社第2棟・営業3課・セカンドセクション・フォースフロアで勤務する係長だ。  政・財・官・民・公・軍がある目的の為に、共同で構築した『運営推進委員会』  そこが企画した、超大規模ヴァーチャル体感サバイバル仮想空間艦対戦ゲーム大会。 『サバイバル・スペース・バトルシップ』  この『運営推進委員会』にて一席を占める、データストリーム・ネットワーク・メディア。  『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が企画した 『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』と言う連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが、民間から男性艦長演者10名と女性艦長演者10名を募集し、アドル・エルクはそれに応募して当選を果たしたのだ。  彼がこのゲーム大会に応募したのは、これがウォー・ゲームではなく、バトル・ゲームと言う触れ込みだったからだ。  ウォー・ゲームであれば、参加者が所属する国・団体・勢力のようなものが設定に組み込まれる。  その所属先の中での振る舞いが面倒臭いと感じていたので、それが設定に組み込まれていない、このゲームが彼は気に入った。  だがこの配信会社は、艦長役演者に当選した20名を開幕前に発表しなかった。  連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが配信されて初めて、誰が選ばれたのかが判る仕掛けにしたのだ。  艦長役演者に選ばれたのが、今から90日前。以来彼は土日・祝日と終業後の時間を使って準備を進めてきた。  配信会社から送られた、女性芸能人クルー候補者名簿から自分の好みに合い、能力の高い人材を副長以下のクルーとして選抜し、面談し、撮影セットを見学し、マニュアルファイルを頭に叩き込み、彼女達と様々な打ち合わせや協議を重ねて段取りや準備を積み上げて構築してきた。  彼の目的はこのゲーム大会を出来る限りの長期間に亘って楽しむ事。  会社からの給与とボーナス・艦長報酬と配信会社からのギャラ・戦果に応じた分配賞金で大金持ちになる事と、自分が艦長として率いる『ディファイアント』に経験値を付与し続けて、最強の艦とする事。  スタッフ・クルー達との関係構築も楽しみたい。  運営推進委員会の真意・本当の目的は気になる処だが、先ずは『ディファイアント』として、戦い抜く姿を観せる事だな。

『真説・宇宙世紀』『太陽風を越えて』

トーマス・ライカー
SF
『真説・宇宙世紀』  大気の温暖化により各種気象現象が激化した大気圏から離れて、地球圏内軌道空間にスペースコロニーを建設して移住するために、国連と加盟各国家を解体して地球連邦政府を構築し、それに統合する事を採択した、旧国連決議の時点を歴史の0ポイントとして、そこから1000年の歴史をランダムに採り上げてオムニバス形式で描く。  第2の地球を求め始めた人類が、偶然手にした反物質資源を基に超光速航法を開発・実用化して外宇宙に乗り出し、後に『タルカス』・『サイレン』と名付ける惑星世界を発見して、そこの人々との接触と交流を描く。

おっさん、ドローン回収屋をはじめる

ノドカ
SF
会社を追い出された「おっさん」が再起をかけてドローン回収業を始めます。社員は自分だけ。仕事のパートナーをVR空間から探していざドローン回収へ。ちょっと先の未来、世代間のギャップに翻弄されながらおっさんは今日もドローンを回収していきます。

『星屑の狭間で』

トーマス・ライカー
SF
 舞台は、この地球圏のパラレルワールドのひとつでもある世界。  超大規模、超高密度、超高速度、超圧縮率、高度広範囲・複合複層処理での、ハイパー・ヴァーチャル・エクステンデッド・ミクシッド・リアリティ『超拡張・複合複層・仮想現実』の技術が、一般にも普及して定着し、ハイパーレベル・データストリーム・ネットワークが一般化した未来社会。  クライトン国際総合商社で営業係長として勤務する、アドル・エルク。  政・官・財・民・公・軍による複合組織『運営推進委員会』が、超大規模なバーチャル体感サバイバル仮想空間・艦対戦ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』を企画し、その1部をネット配信メディアによる、配信リアル・ライブ・バラエティー・ショウ…『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』として公開する事となった。  そして、一般市民から軽巡宙艦の艦長役として、男女10名ずつを募集する事になり、アドル・エルクはそれに応募して当選したのだ。  男性艦長の場合、その艦のクルーは全員、その艦長が選抜した女性芸能人が配属され、女性艦長の場合、その艦のクルーは全員、その艦長が選抜した男性芸能人が配属される。  クルーの個室の中は録画されないが、作戦行動中は勿論、それ以外の艦内は総て録画され、編集されてライブ・バラエティー番組として放映される。  アドル・エルクは軽巡宙艦の艦長となり、女性芸能人の中から彼の艦のクルーを選抜して配属させる。  彼の軽巡宙艦『ディファイアント』は、このバーチャル体感・戦闘サバイバルゲームを、彼が選んだクルーと共に、どう戦い抜くのか?  『運営推進委員会』が企画した『サバイバル・スペースバトルシップ』の、本当の目的は?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

いつか日本人(ぼく)が地球を救う

多比良栄一
SF
この小説にはある仕掛けがある。 読者はこの物語を読み進めると、この作品自体に仕掛けられた「前代未聞」のアイデアを知ることになる。 それは日本のアニメやマンガへ注がれるオマージュ。 2次創作ではない、ある種の入れ子構造になったメタ・フィクション。 誰もがきいたことがある人物による、誰もみたことがない物語がいま幕を開ける。 すべてのアニメファンに告ぐ!! 。隠された謎を見抜けるか!!。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 25世紀後半 地球を襲った亜獣と呼ばれる怪獣たちに、デミリアンと呼ばれる生命体に搭乗して戦う日本人少年ヤマトタケル。なぜか日本人にしか操縦ができないこの兵器に乗る者には、同時に、人類を滅ぼすと言われる「四解文書」と呼ばれる極秘文書も受け継がされた。 もしこれを人々が知れば、世界は「憤怒」し、「恐怖」し、「絶望」し、そして「発狂」する。 かつてそれを聞いた法皇がショック死したほどの四つの「真理」。 世界でたった一人、人類を救えも、滅ぼしもできる、両方の力を手に入れた日本人少年ヤマトタケル。 彼は、世界100億人全員から、救いを求められ、忌み嫌われ、そして恐れられる存在になった。 だが彼には使命があった。たとえ人類の半分の人々を犠牲にしても残り11体の亜獣を殲滅すること、そして「四解文書」の謎を誰にも知られずに永遠に葬ることだった。

INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜

SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー 魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。 「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。 <第一章 「誘い」> 粗筋 余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。 「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。 ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー 「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ! そこで彼らを待ち受けていたものとは…… ※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。 ※SFジャンルですが殆ど空想科学です。 ※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。 ※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中 ※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。

処理中です...