『星屑の狭間で』

トーマス・ライカー

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セカンド・ゲーム

……入港まで……

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 自室に入ると携帯端末をデスクに置き、上着を脱いで吊るす。

 スペシャル・ブレンドでコーヒーを点てて淹れ、ほんの少しシナモンを入れる。

 砂糖をひとつだけ入れ混ぜて持ち、デスクに着くと灰皿を引き寄せ、煙草とライターを出す。

 ひと口飲んで一服蒸す……流石に効く……まあ……早く終わって良かったな……何より……1隻も沈まずに終われたのは、本当に良かった。

「……艦長…応答できますか? 」

「……どうした? カリーナ……」

「……アシュリー・アードランド艦長からシークレット・チャンネルにてコールが入っていますが、お繋ぎしますか? 」

「……ああ…携帯端末に頼む……」

「…了解…」

 左手で携帯端末を取り上げる。

「……アシュリー艦長…お疲れ様でした……」

「……お疲れ様でした、アドル主宰……ご無事で良かったです……」

「……アシュリー艦長こそ……『カレドン・カサンドラ』も含めて…27隻全艦が沈まずに終われて、本当に良かったですよ……損傷率ではどうでしたか? 」

「……23%までいきました……」

「……そうでしたか……あのような乱戦の戦域でしたが……援護もできずに済みませんでした……」

「…そんなっ! …謝らないで下さい、アドルさん……主宰としてのアドルさんは…誰が観ても150%以上の大活躍でした! 私の方こそ、充分なお手伝いも出来ずに申し訳ありませんでした……」

「…(笑)…ありがとうございます…アシュリーさん……貴女と共に戦えた事は、私にとって幸運でした……そちらのスタッフやクルーの皆さんを労ってあげて下さい……私は今、自室で一服していますが…貴女も同様ですか? 」

「…はい…私も自室で休んでいます……アドルさんはこれから、どうされますか? 」

「……そうですね……ラウンジで夕食を摂って……ちょっと呑んで……また少し休んで……入港ですね……もう入港完了までは、スタッフに任せてますんで…私は御役御免です……」

「…分かりました……ご苦労様でした……本当に大変な戦いでしたね……改めてお疲れ様でした……ゆっくりお休み下さい……」

「……ありがとうございます…アシュリーさん……もうひとつ…判りました……」

「…それは、何でしょう? 」

「……自分も含めて27隻に乗り組む全員が…パニックに陥って、取り乱したりしなかったのが…勝因の大きな部分でした……その意味では皆さんの冷静な姿勢と対応に…改めて感謝しなければならないでしょう……」

「……私は結構…アタフタしていましたね……副長を始め、優秀なクルー達に…助けられてばかりでした……」

「……それで好いと思いますよ……ひとりじゃ戦う事すらできませんから……」

「……ありがとうございます…アドルさん……また、お会いしましょう……」

「…ええ、アシュリーさん……近い内に会えると思いますよ……それでは、お休みなさい……」

「……お休みなさい…アドルさん……」

 通話を終えて、端末をデスクに置く。

 コーヒーは飲み干していたし、煙草も喫い終わっていた。

 デスクから立ち、グレンフィデック・ヴィンテージ【35】のボトルを取って来て、目測でツー・フィンガー…コーヒーカップに注いで座った。

 戦いは一応終わったが、彼等の戦意を完全に挫いたとは言えないだろう……だが、彼等リーダー5人の求心力は確実に低下している……また煽動して艦を集めたとしても、150から180隻ぐらいだろうな……まあいい……これは現状では、あまり意味のない考えだ……それより…飯を食ったら、もう1度全艦で繋げて話はするベきだろう……携帯端末で通話を副長に繋いだ。

「……ああ、ナンバー・ワン……任せている処をすまない……これからラウンジで夕食を摂るよ……同僚諸艦には、緩やかなフォーメーション【A】を採って貰ってくれ……センサーは長距離レンジに注意を払うように……2時間後にまた、艦長と副長をマルチで繋いでミーティングを開くから…連絡と接続準備を頼む……シフトは任せるから…入港30分前迄には、全員が夕食と入浴を済ませられるように頼む……以上だ…宜しく……」

「……分かりました…お任せ下さい……ごゆっくり……」

「……ありがとう……」

 通話を終えて席を立つ……ジャケットの上着を少しブラッシングして消臭スプレーを少し吹き掛け、着直した。

 端末をポケットに入れて自室を後にし、バー・ラウンジに入る……10数人のクルーが其処彼処そこかしこのテーブル席に着き、飲んだり食べたりして寛いでいる……カウンター席ではシンシア・ラスターとローナ・ハートナーとリサ・ダービンとが間隔を2席ずつ空けて着き、それぞれ思い想いに飲食を楽しんでいる。

「……ちょっとごめんね……隣、好いかな? 」

 シンシア・ラスターとローナ・ハートナーの間に立ち、ローナの右隣に座っても好いかなと訊いた。

「…あ、はっ! 艦長! すみません! 私、直ぐに終わりますから! 」

「…好いよ、ローナ…大丈夫だよ……ゆっくり夕食を楽しんで好い……ただ…隣に座っても良いかなって……」

「…勿論大丈夫です! 気が付かなくて、すみませんでした。…どうぞ……」

(…そんなに体を捻らなくたって、楽に座れるよ…)

「……ありがとう…失礼するよ……」

 スッと身体を入れてスツールに腰を落ち着けると、数秒でサポート・バーテンダーのライル・アルバート君がお通しと熱いお絞りを持って来た。

「……お疲れ様でした…アドル艦長……凄まじい戦いでしたね……本当にご苦労様でした……」

「……ああ…ライル君、ありがとう……熱っ! (笑)…このお絞りの熱さを感じると…却って身が引き締まるよ……お…お通しにしちゃ大きいなと思ったら、エッグ・ベネディクトじゃないか……これを観せられると、スコッチ・モルトが欲しくなる……でも今から呑っちまうと、入港時には酔っ払っちまってるから止めておこう……代わりにゴードンで、ドライなジン・リッキーを頼むよ……」

「……畏まりました…暫しお待ちを……」

「……ああ、それとね……持久戦を想定して、厨房に戦闘時簡易食を相当数で発注していたから…持って来てくれないか? せっかく作って貰ったんだ……食べないと勿体無いからね……」

「……それは…対応できますが……何分にも簡易食ですので…味の保証は……」

「…構わないから、持って来てくれ……取り敢えず2人分でね? 」

「……分かりました。只今……」

 会釈して、ライル君は退がった……私はカウンター席をちょっと観回す。

「……お邪魔するね…シンシア…ローナ…リサ……お疲れ様……」

「…お疲れ様でした。アドル艦長……後どのくらいで、入港になりますか? 」

「……そうだね…ローナ……100分後くらいで、各艦の艦長と副長を繋いだマルチ・コミュニケーション・ミーティングを開くから…その後に入港と言う流れだね……」

「…分かりました…アドル艦長……あんなに激しい戦いだったのに……全員で無事に終わらせて下さって……ありがとうございました……本当に、ご苦労様でした……」

「……ありがとう…ローナ・ハートナー……その言葉で身体の疲れも癒やされるし…ストレスも昇華するよ……」

 エッグ・ベネディクトを少しずつ食べ始める……程無くしてライル・アルバート君が、ジン・リッキーのグラスと何やら訝し気な物を持って来た。

「……お待たせ致しました……こちらになります……」

 そう言ってグラスをコースターに乗せて私の少し左側に置き、中皿に乗せられた『それら』を私の前に置いた。

「……これで、2人分なのかな? 」

「……左様でございます……」

 観ると、握り拳2個分くらいの灰色と茶色の塊が2個ずつ…皿に乗っている……ライル君が小皿に白い粉を乗せて差し出した。

「……食べ易い大きさに千切って頂いて、こちらの粉塩をお好みで振り掛けて、お召し上がり下さい……」

 ちょっと硬めの蒸しパンのような感触だ。

「……差し支えなければ…これの名前を教えてくれるかな? 」

「……はい…『パルギ』と、教わりました……」

「……レシピを訊いても好いかな? 」

「……残念ですが、それについては『秘中の秘伝』であるからと…それだけでした……」

「……分かった…ありがとう……」

 灰色の塊を取り上げて5分の1程に千切り、右手で粉塩を軽く一摘み振り掛けて口に入れた……若干、微妙だが不味くはない……塩加減で旨くなる……元々かなりしっとりしているから…唾液をそれ程奪わない……ひとつの半分まで食べてジン・リッキーを二口呑んだが…ミルクでも…簡単に作ったスープでもあれば、完璧だろう。

「……これは、マエストロ・ラウレンティスの秘伝かな? 」

「…左様です…」

「……そうか……流石はマエストロ……これは長期保存食としても、緊急非常時簡易食としても完璧だ……おそらく伝統的食文化のひとつなんだろう……それに、そんなに不味くもない……塩加減次第で充分に旨くなる……これはマエストロに感謝だな……」

 シンシア・ラスターが、私に顔を向ける。

「……そんなに美味しいですか? 」

「……うん…結構イケるよ……」

「……じゃ、私にもお願いします……」

「……分かった…ライル君……『パルギ』を灰色のものと茶色のもので、ふたつずつ頼む……」

「……畏まりました……」

 今度は彼も30数秒で持って来た。

 よっつの塊をそれぞれみっつに千切り分けて12の塊とし、粉塩は先ず控え目に使うようにと彼女達3人には指示して、あとは自由に食べさせる……粉塩も化学的に作った精製塩ではない……ミネラル豊富な岩塩をこれ以上出来ない程に細かく挽いたものだ。

 この『パルギ』……酒を呑みながら食べるのも別に好いが…やはりミルクやスープが欲しくなる。

「……ライル君……ミルクをピッチャーで頼むよ……あとコンソメ・スープをここの人数分で頼む……」

「……畏まりました…直ちにお持ちします……」

 思った通りだった……ミルクを飲みながらでも、スープを飲みながらでも……『パルギ』は素晴らしい味わいで食べられる。

「……ライル君……『パルギ』は元々、物凄く乾燥させられた状態で保存されるんだな? 」

「……仰る通りです……流石ですね…アドル艦長……」

「……物凄く乾燥させられた状態で…どのくらいの大きさなのかね? 」

「……このひと塊りの……8分の1程ですね……」

「! …そんなに小さいのか……そんなに強く乾燥させられた状態なら……密閉して冷暗所に置けば、かなりの長期間で保存できるな? 」

「……仰る通りです……」

「……そおかあ……訊けば訊く程に凄いし素晴らしい……こりゃあ乗艦する度毎たびごとに、注文して食べるのが楽しみになるね……そうだ…これから土曜日の朝食は『パルギ』で済ませよう……それが好い……そうしよう……ライル君……『パルギ』に1番合うコンソメ・スープを下拵えしたごしらして置いてくれって…マエストロに頼んで置いてよ? 」

「……承りました…アドル艦長……」

「……宜しく頼むよ……3人とも、どうだい? 」

「……結構美味しいですね……しっとりしていて、割と食べ易いです……朝に食べるならミルクと一緒に……お昼ならコンソメ・スープですね……」

 粉塩を振った茶色の『パルギ』を口に入れて、シンシア・ラスターが応える。

「……私は小腹が空いた時に、オヤツとして頂きたいですね……ですので、ミルクと一緒に……」

 ミルクを飲み、グラスを置いてローナ・ハートナーが言う。

「……これから土曜日の朝食は、これでご一緒させて下さい…艦長……私も気に入りました……とても美味しいです……」

 リサ・ダービンが、微笑んで言った。

「……3人とも、ありがとう……ライル君……家族へのお土産にしたいから、乾燥させた状態での『パルギ』を3個ずつ…テイクアウト・パッケージで頼む……」

「……承りました…只今お持ちしましょうか? 」

「…頼む…」

「…分かりました。暫くお待ちを……」

「……この『パルギ』は食物繊維も凄いから、お通じで悩んでいる人にも好いな……」

 出された『パルギ』を食べ終えると、ミルクの残りを飲み干して、スープの残りも飲み終えた。

 口を拭ってジン・リッキーをも呑み干すと、ライル・アルバート君がテイクアウト・パッケージを持って来て、カウンターに置いた。

「……こちらになります……ありがとうございました……」

「……どう致しまして……結構な夕食でした……ご馳走様でした……」

 サブ・バーテンダーのイアン・サラッドも顔を観せて、カウンターの向こう側に立つ。

「……本当にお疲れ様でした、アドル艦長……そして大勝利を収められて、おめでとうございます……『同盟』も『ディファイアント』も生き延びさせて下さって、本当にありがとうございます……アドル艦長が『パルギ』を注文されて美味しそうに召し上がっていらしたので、クルーの皆さんからも『パルギ』の注文が殺到していますよ……」

「……ありがとう、イアン君……君にもそう言って貰えて…疲れも解れる想いだよ……まあね……別に何を注文して…食べて貰っても好いんだけど…せっかく用意して貰っている『パルギ』だ……この機会に味を知って貰うのも好いだろう……」

「……処でアドル艦長…次は何をご用意しましょう? 」

「……そうだな……君のレシピで、スーパー・ドライマティーニをロックで貰おう……」

「……畏まりました……」

 そう応えてイアン・サラッドは一旦退がったが、カウンターに置いていた携帯端末から着信音が流れた……置いたままでスピーカーにする。

「……はい…アドル・エルク……」

「…お疲れ様でした、アドル主宰…エイミーです……」

「…ああ! お疲れ様でした、カールソン艦長! お互いに無事で好かったですね……本当にご苦労様でした……」

「……ありがとうございます…アドルさん……今はどちらに? 」

「……ラウンジで夕食を摂りまして……これからちょっと呑もうかなと……」

「……そうですか……分かりました……これから入港迄の予定としては…何かありますでしょうか? 」

「……間も無くそちらにも連絡が行くと思いますが…今から80分後くらいで、各艦の艦長と副長を全員繋いで…マルチ・コミュニケーション・ミーティングを開く予定でいます……」

「……分かりました…待機しております……」

「……今はどちらですか? 」

「……機関室に居ます…」

「…何かトラブルでも? 」

「…いえ、大丈夫です…トラブルでしたが、解消しました……」

「……そうでしたか……今回、初めての大規模な会戦でしたが…怖かったですか? 」

「……怖いとは、思いませんでした……すごく高揚していて…緊張もしていたと思いますが…怖くはありませんでした……きっと……僚艦が全部、観える範囲に居てくれたからだと思います……」

「…そうでしたか……損傷率はどこまで上がりましたか? 」

「…32%まで、上がりました……」

「…それは……エンジントラブルもそれで? 」

「…はい……含まれていましたが…今はもう大体修復されて、12%くらいです……」

「……そうでしたか……本当にご苦労様でした……私も本当に忙しくて…援護も手伝いも出来ずにすみませんでした……」

「……アドルさんが謝る事じゃありません……アドルさんは主宰としての役割を200%果たしていました……艦を守るのは、その艦司令部の責任です……アドルさん……お気遣いをありがとうございます……」

「…いいえ、どう致しまして……そしてどうも、ありがとうございます…エイミーさん……ああ、どうも…ありがとう……」

 応えながら、スーパー・ドライマティーニをオン・ザ・ロックで貰って、礼を言った。

「……それでは、アドルさん……ミーティングの時にお会いしましょう……それまで、ゆっくりお休み下さい……」

「……ありがとうございます……エイミーさんこそ、充分に休んで下さい……改めて、お疲れ様でした……」

「……ありがとうございました…それでは……」

 通話を終えて、端末をまたカウンターに置く。

「…アドル艦長は女性全員に優しいから、勘違いされちゃいませんか? 」

「…そうは言ってもな……『同盟』に参加してくれている僚艦の同僚艦長だからさ……礼儀も気遣いも尽くさなきゃならないだろう? ローナ……」

「……でも…『同盟』の女性クルーは、もう殆どアドルさんの事が好きなんじゃないでしょうか? 」

「……そんな事は絶対に有り得ないね、シンシア……だって俺は『ディファイアント』のクルー全員とも、まだちゃんと話せてないんだから……」

「……1度でも話せば…そうなると思いますよ……」

 それには応えず、目を剥いてリサ・ダービンの顔を観る……彼女は「そんなの、当然でしょ」と言った感じで、どこ吹く風だ……ちょっとした渋面じゅうめんを作って…すっかりタイミングは外していたが、カウンターに座る彼女達とグラスを触れ合わせた。

「…艦長……私はまた…彼等と戦う事になると思います……今回より…ずっと少ない規模でしょうけど……」

「……私も…その可能性は高いと思うね…シンシア……それ以外は全く判らないが……」

 その後は、今日の戦いに関連する様々な感想や雑談に花を咲かせながら、私はスーパー・ドライマティーニを飲み干し…次にグレングラント・ヴィンテージ【28】をツーフィンガーで貰った。

 その後はほぼ無言……7分程でそのモルトを飲み干し、カウンターの3人に「それじゃ、お先に」と手を挙げて、バー・ラウンジから自室に戻った。

 甘くないソーダ水を出させて…また一服点ける……確かに…違和感の残る幕切れだった……彼等…各リーダー艦が降伏・撤退を決めたのは…先ず我々がリーダー艦5艦を早い段階で特定した事と……4隻の援護艦による集中した強大な、サポート砲撃のおかげだ……彼等とは、またまみえるだろう……戦略・戦術・戦闘形態でも…全く異なるものになるだろうが。

 煙草を揉み消して片付け、手と顔を入念に洗って身嗜みを整える…自分でもチェックしてから、ブリッジに向かった。

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