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セカンド・ゲーム
…戦端…2…
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「……リーア……聴こえるか? 」
「……聴こえます…どうぞ……」
「……君から各艦の機関部長に連絡してくれ……各艦から発艦させるファイター・ボマーは、10機だ……全機に光学迷彩とアンチ・センサー・ジェルを装備する……そう伝えてくれ……」
「……分かりました……」
「……エマ……27人のメイン・パイロットをオンラインで繋いで、ひとつ協議してくれ……具体的には、270機のファイター・ボマーを30機ずつで纏め上げる、中隊長の選任だ……」
「……分かりました……直ぐに掛かります……」
「……頼む……これは念の為に言うんだが…パイロット・チームのメンバーが、攻撃隊に参加するのは禁止だ……」
「……分かりました…伝えます……」
「……宜しく……カリーナ……30機で編成する攻撃中隊は、色で識別する……色分けは君に一任する……」
「……了解……」
「……副長…参謀…機関部長…メイン・パイロット…砲術長…チーフ・ミサイル・コントローラー…チーフ・センサー・オペレーター…保安部長は今から各艦の27人で、ライブ・オンライン・ネットワークを形成してくれ……攻撃隊の作戦は、発艦30分前に通達する……」
「……分かりました……」
「……今回申し訳ないと思うのは…攻撃隊に付けるべき、護衛のスピード・ファイターを出せない点だな……」
「……ブラッドフォード艦長に頼みますか? 」
「…(苦笑)…カウンセラー……そこまで頼むのは気が引ける……訳でもないな……頼めばやってくれる……だろうとは思うけど……後の要求が怖いね……」
「……アドルさん……『ラムール・ハムール』を『同盟』に迎え入れる事ができれば…すごいですね? 」
如何にもグッドアイディアじゃないか、と言う感じでエレーナ・キーンは言ったが……
「……無理だね……あいつに艦隊行動は続けられないよ……せいぜいつるんでも、2日が限度だな……終われば『あばよ! 』つって、姿を消すだろう……」
「……何だかアドルさんも……彼をあんまり近くに置きたくないみたい……」
「…(笑)…流石は、ハンナ・ウェアー女史……確かに、正直…あまり近くで長々と観たくはない顔だね……付き合いが長いって言うより……腐れ縁が強過ぎるからだろうな……」
「……そうは言ってもアドルさん……何だか楽しそうです……」
「……妙な照れ臭さがあるんだよ…ナンバー・ワン……『サンドラス・ガーデン』に熱中していた当時は……私自身、まだヤンチャな気質が抜け切っていない時期だったからね……」
その後…約100分余りで、シャトル270機に於ける長距離ファイター・ボマーへの換装作業……懸架する対艦ミサイル弾頭に於ける耐放射線シーリング・パックの封入作業……パイロットの選抜と発艦準備は順調に推移し、次々と完了していく……これも『ディファイアント』機関部長…リーア・ミスタンテの的確・適切な統率…指示・指導の賜物だ。
「……アドル主宰……中隊はレッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン、ホワイト、ブラウン、パープル、ピンクで9個中隊……こちらが編成表です……」
そう報告してカリーナが操作し、空間に編成表が3Dで投影される。
「……ありがとう、カリーナ……ご苦労様……」
「……アドル主宰……申し訳ありません……予定よりも20分程オーバーしてしまう見込みですが……ファイター・ボマー全機の発艦準備……間も無く完了です……」
「……ありがとう……リーア・ミスタンテ機関部長……ご苦労様……本当に感謝するよ……今で大体2時間だ……30分程度の遅れ迄は許容範囲内だから、何も心配は要らないよ……よくやってくれた……カリーナ……『同盟』に参加している全員と双方向で繋いでくれ……今から作戦を説明する……」
「……分かりました……暫くお待ち下さい……」
そう応えて20数秒。
「……お待たせしました…全乗員と双方向で繋がっています……どうぞ、お話し下さい……」
「……ありがとう……こちらは、アドル・エルクです……今から作戦を説明します……双方向で繋がっているので、何でも自由に発言して下さい……間も無くファイター・ボマー、270機の発艦準備が完了します……270機は30機を1個中隊として……レッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン、ホワイト、ブラウン、パープル、ピンクで9個中隊として編成しました……全機発艦後は中隊ごとに集結し……レッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン中隊は……こちらから観て右翼から……ホワイト、ブラウン、パープル、ピンク中隊は……こちらから観て左翼から……敵艦隊の全体を大きく廻り込んで…後背に到達します……長距離偵察機の全機はファイター・ボマーの発艦後に発艦し……そのまま二手に別れて『アーキペラゴ多島海』の全領域をカバーするように、周回航行に入ります……長距離偵察機周回の目的は作戦中……草刈りに参入しようとする他艦の早期発見と警戒の為です……特に……重巡宙艦の乱入を確認した場合には……作戦を緊急かつ劇的に変更します……話を戻しますが、作戦行動中……発艦した全機は、光学迷彩をlevel5で……アンチ・センサー・ジェルも、level5で展開して航行します……ファイター・ボマー全機が所定の位置に着いた時点を以て、作戦を開始します……話は前後しますが、敵の集団は5個の艦集団に分かれて……こちらから観て左側を先頭とした斜線陣形を採って接近中ですので……便宜上、先頭集団から始めて……第1艦隊から第5艦隊までと、呼称します……ファイター・ボマー全中隊が配置に着いたら、作戦開始……大質量誘導弾の1号基から10号基までを起動し、敵第1艦隊に1号基と2号基を……第2艦隊に3号基と4号基を……第3艦隊に5号基と6号基を……第4艦隊に7号基と8号基を……第5艦隊に9号基と10号基を……それぞれ後方から突入させて敵艦隊の陣形を混乱させます……大質量誘導弾が突入したらファイター・ボマー全機は、敵艦1隻に対して対艦ミサイルを2基発射して、着弾させて下さい……3基以上は着弾させないように頼みます……この目的は交戦開始後に敵艦が例えどのように遮蔽しようとも、その所在を把握できるようにする為です……ですから交戦が開始される迄に『同盟』各艦は、放射線監視モニターのシステム・リンクを全艦で共有します……ファイター・ボマー全機が作戦開始位置に着くまでに『同盟』各艦は、ハイパー・ヴァリアントに炸裂徹甲弾を装填して待機……作戦が開始されたら『同盟』各艦は、それぞれの位置から全速発進……艦首をこちらに向けている敵艦から有効射程距離内に捉えた上で、炸裂徹甲弾3連射で狙撃して下さい……射程距離内に捉えたら、主砲も連続斉射にて敵艦を攻撃して下さい……ファイター・ボマー全機は『同盟』各艦からの砲撃が始まる前にミサイルを全弾発射して離脱して下さい……大質量誘導弾は敵集団突破後、回頭させて再突入させます……敵艦隊からの攻撃により大質量誘導弾が制御不能に陥った場合には、その場にて放棄し……11号基から順次に起動させて突入させます……これは繰り返しますが、継戦能力を喪失した艦や航行不能に陥った艦への追撃は禁止です……また……草刈りに乱入して来た他艦が弱体艦を攻撃しようとした場合には、これを攻撃して牽制して下さい……敵艦隊の内の多くは損傷率30%にも達すれば離脱して行くでしょうから、そのまま行かせてやって下さい……ここまで戦況が推移して来ると、おそらくは入港時間が迫っているでしょう……ですので、あまり航行不能の艦を出さないようにお願いします……艦内標準時で21:30になったら、まだ散発的な戦闘が続いているようでもこれを振り切って……入港準備・入港態勢を執ります……これが行えるように相互に援護して下さい……また……艦から発射する対艦ミサイルの使用は、敵艦からの攻撃を迎撃する為の使用を主とします……以上が…今作戦の要旨です……質問をどうぞ? 」
話を区切り、シエナから冷水のグラスを受け取る。
「……重巡宙艦が乱入して来た場合の作戦について、お願いします……」
誰が訊いたのかまでは判らなかった。
「……重巡宙艦の乱入を確認した場合には戦闘・攻撃を即時に停止し、敵に向けても重巡宙艦に対する協力・共同した攻撃を要請します……保有する総ての大質量誘導弾を起動し、最大速で全弾を突入させてその後は総ての火力を重巡宙艦の損傷個所に集中する……それで何とか始末を附けましょう……」
「……分かりました……」
「……おそらく……重巡宙艦とは言え、388隻も軽巡宙艦が居る中に乱入しては来ないでしょう……他に質問はありますか? 」
30秒待ったが、何も聴こえて来なかった。
「……作戦の説明は、これで以上とします……それではファイター・ボマー全機、順次に発艦して下さい……」
27隻全艦が両舷の発艦デッキを開き、1度に4機ずつの発艦が始まる。
「……出て貰ったパイロットには、何としても無事に帰艦して貰わなきゃならん……シエナ……これは私からの特命通達として、艦長達に送ってくれ……」
「……分かりました……」
「……アドルさん……先程、388隻と言ったのは? 」
「……ああ…カウンセラー……一応、ブラッドの艦も容れたんだよ……こっちに余裕が無くて…スピード・ファイターを護衛に付けられないって事は、あいつにも解ってる……多分、頼まなくても…手伝ってはくれるだろう……そう言えば『ガーデン』にまだ入っているのか…訊きそびれたな……」
全機の発艦は18分で終わり、それぞれは予定のコースを採って航行して行く。
「……リーア……大質量誘導弾全基…起動スタンバイ……」
「……了解……」
「……エマ……各艦、エンジン始動……」
「……了解…各艦、エンジン始動……」
「……エドナ……各艦、全兵装発砲スタンバイ……」
「……了解……スタンバイに入ります……」
「……そろそろ……こちらから発信している…ジャミング・ディストゥルバンス・キャリアーの効果が、最大値に近付く頃合いだな……」
……『マーズテリア』……ブリッジ……
「……アーリング……どうやら俺達の、データ・リンク・ストリーム・ネットワークが…奴らにかなりの強さで妨害されている……気付くのが遅かった……今からじゃもう、カウンター・ジャミングも仕掛けられない……どうする? データ・リンクは…その殆どがもう落ちているし……センサー・システムもジャミングを喰らって……もうほぼ機能してない……位置的にはもう『アーキペラゴ多島海』が視えている筈だが……今のセンサーじゃ捉えられないから、表示もできない……」
「……奴らがばら撒いた、発信・探査ビーコンは見付けられないのか? 」
「……無理だろ…センサーがこのザマじゃな……」
「……しようがねぇな……アイク…ブリッジを露出させろ……今から全艦は、有視界航行に入る……」
「……分かった…通達する……」
「……そうか……俺達のデータ・リンクを妨害してるって事は…奴らには俺達が観えてるって事だ……となると……このまま進むのは、芸がねぇな……よし……エムジェイ・アンダーソンの艦隊は、面舵5°だ……アジズ・アズナーの艦隊は、アップ・ピッチ5°……俺の艦隊は、ダウン・ピッチ5°だ……ダナ・ヴァルタンの艦隊は、取舵5°……トリート・ヴァン・パタンの艦隊は、8%増速だ……これで奴らの出方を観る……」
「……分かった……」
それから30分後……『ディファイアント』……ブリッジ……
「……艦長、敵艦隊の陣形が変わっていきます! 」
「……おう……ほお……これは、こちらで言う処の『フォーメーション・D』だな……うん……自分達のデータ・リンクが、こちらに妨害されている事から……自分達が我々に観測されていると気付いたんだろう……流石に集団を率いて来ているだけの事はある……どうやら…楽には勝たせて貰えないらしい……」
「……作戦に変更はありますか? 」
「……無いよ、参謀……このくらいは許容範囲内だ……それにまだ、時間的にも早い……しかし……カリーナ…彼らは加速している……彼らがこちらと隠してある大質量誘導弾との間に入った時……ファイター・ボマー中隊はどの辺に居る? 」
「……敵集団の後背に、全機が廻り込めるかどうか……ギリギリですね……」
「……そうか……各中隊のリーダーに連絡して、10%増速だ……パワー・サインを読まれるかも知れないが、仕方ない……まあ…センサーにもジャミングを掛けているから、大丈夫だろう……」
「……分かりました……敵集団はそれぞれ、ブリッジを露出させています……有視界で航行しているようです……」
「……そうか……じゃあ、彼らが目視で我々を捉えた頃合いで…作戦開始だな……」
それから150分後……攻撃中隊はその殆どが5個集団の後背に廻り込んだ。
「……攻撃隊全機が位置に着くまで…あと15分です……気付かれている様子はありません……」
「……うん……ジャミングされているから、スピード・ファイターも出しにくいんだろう……彼らが中間領域に入る迄には? 」
「……約……20分後ですね……」
「……よし…作戦開始20分前……各艦と同期して、カウントダウン開始……大質量誘導弾10号基まで…起動・発進スタンバイ……」
「……了解……」
「……発火点まで20分か……カウンセラー……もう緊張とストレスのレベルが半端ないな……それに…少し拡がり過ぎている……ここで彼らを誘い込んで……もっとまとまって貰おう……」
「……どうするんです? 」
「……まあ……ちょっとした小細工の範疇だ……『同盟』各艦に指令! 艦首逆噴射開始して、半速後退! 」
「……了解! 」
「……コンピューター…ライブラリー・データベースにアクセス……」
【…アクセス…】
「…グループ名『リアン・ビッシュ』…楽曲名『heavenly blue』…ボリューム7で、再生スタンバイ…」
【…スタンバイ…】
「……カリーナ…ノーマル・チャンネル、封鎖解除…この再生を本艦からの発信で、全宙域に流す! 」
「…! 了解……」
「……各艦は後退しているな? 」
「…はい…各艦とも、同速で後退中……」
「……よし………スタート! 」
短いイントロでスタートした『地球讃歌』は、アップテンポで力強くパンチの効いた出だしだ……地球を彩る空の蒼と海の碧と、虹の7色を何処までも讃え挙げ、守りたいと願う……憧れて止まない青い惑星の光……それらの奏でが導いて繋がり、連なりゆく総てを守ろう……共に守りたい……これも『リアン・ビッシュ』渾身の楽曲だ……このブリッジでも、口を押さえて目に涙を溜めているスタッフが多い……『同盟』僚艦の中でも、同様かも知れない。
……『マーズテリア』・ブリッジ……
「…! あの歌の音源を特定しろ! そこに『ディファイアント』が居る! ジャミングされていても、それだけは何とかやれ! 5個艦隊全艦、全速発進用意! 『ディファイアント』さえ沈めれば、この戦いは終わる! 」
「…アーリング! 罠じゃないのか⁈ 」
「…何処にどんな罠があろうが、押し潰して焼き払えば良い! やれ!! 」
……『ディファイアント』……
「……艦長…敵集団が加速開始しました……本艦を特定したようです……」
「……ほう…ジャミングされているのに、よくやったな……各艦逆噴射停止……メイン・エンジン…サブ・エンジン、臨界パワー150%…噴射出力130%で全速発進スタンバイ! 」
「…了解……」
「……ファイター・ボマー全機……敵艦隊の後背に入りました……」
「……よし! 大質量誘導弾10号基まで、起動・点火・発進20秒前! 誘導弾が姿を表したら、全艦全速発進! 個別に27隻の敵艦に照準を採り、ハイパー・ヴァリアント…炸裂徹甲弾3基による連続狙撃用意! 」
「……10秒前……5秒前……システム起動……点火……噴射開始……発進! 」
「……聴こえます…どうぞ……」
「……君から各艦の機関部長に連絡してくれ……各艦から発艦させるファイター・ボマーは、10機だ……全機に光学迷彩とアンチ・センサー・ジェルを装備する……そう伝えてくれ……」
「……分かりました……」
「……エマ……27人のメイン・パイロットをオンラインで繋いで、ひとつ協議してくれ……具体的には、270機のファイター・ボマーを30機ずつで纏め上げる、中隊長の選任だ……」
「……分かりました……直ぐに掛かります……」
「……頼む……これは念の為に言うんだが…パイロット・チームのメンバーが、攻撃隊に参加するのは禁止だ……」
「……分かりました…伝えます……」
「……宜しく……カリーナ……30機で編成する攻撃中隊は、色で識別する……色分けは君に一任する……」
「……了解……」
「……副長…参謀…機関部長…メイン・パイロット…砲術長…チーフ・ミサイル・コントローラー…チーフ・センサー・オペレーター…保安部長は今から各艦の27人で、ライブ・オンライン・ネットワークを形成してくれ……攻撃隊の作戦は、発艦30分前に通達する……」
「……分かりました……」
「……今回申し訳ないと思うのは…攻撃隊に付けるべき、護衛のスピード・ファイターを出せない点だな……」
「……ブラッドフォード艦長に頼みますか? 」
「…(苦笑)…カウンセラー……そこまで頼むのは気が引ける……訳でもないな……頼めばやってくれる……だろうとは思うけど……後の要求が怖いね……」
「……アドルさん……『ラムール・ハムール』を『同盟』に迎え入れる事ができれば…すごいですね? 」
如何にもグッドアイディアじゃないか、と言う感じでエレーナ・キーンは言ったが……
「……無理だね……あいつに艦隊行動は続けられないよ……せいぜいつるんでも、2日が限度だな……終われば『あばよ! 』つって、姿を消すだろう……」
「……何だかアドルさんも……彼をあんまり近くに置きたくないみたい……」
「…(笑)…流石は、ハンナ・ウェアー女史……確かに、正直…あまり近くで長々と観たくはない顔だね……付き合いが長いって言うより……腐れ縁が強過ぎるからだろうな……」
「……そうは言ってもアドルさん……何だか楽しそうです……」
「……妙な照れ臭さがあるんだよ…ナンバー・ワン……『サンドラス・ガーデン』に熱中していた当時は……私自身、まだヤンチャな気質が抜け切っていない時期だったからね……」
その後…約100分余りで、シャトル270機に於ける長距離ファイター・ボマーへの換装作業……懸架する対艦ミサイル弾頭に於ける耐放射線シーリング・パックの封入作業……パイロットの選抜と発艦準備は順調に推移し、次々と完了していく……これも『ディファイアント』機関部長…リーア・ミスタンテの的確・適切な統率…指示・指導の賜物だ。
「……アドル主宰……中隊はレッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン、ホワイト、ブラウン、パープル、ピンクで9個中隊……こちらが編成表です……」
そう報告してカリーナが操作し、空間に編成表が3Dで投影される。
「……ありがとう、カリーナ……ご苦労様……」
「……アドル主宰……申し訳ありません……予定よりも20分程オーバーしてしまう見込みですが……ファイター・ボマー全機の発艦準備……間も無く完了です……」
「……ありがとう……リーア・ミスタンテ機関部長……ご苦労様……本当に感謝するよ……今で大体2時間だ……30分程度の遅れ迄は許容範囲内だから、何も心配は要らないよ……よくやってくれた……カリーナ……『同盟』に参加している全員と双方向で繋いでくれ……今から作戦を説明する……」
「……分かりました……暫くお待ち下さい……」
そう応えて20数秒。
「……お待たせしました…全乗員と双方向で繋がっています……どうぞ、お話し下さい……」
「……ありがとう……こちらは、アドル・エルクです……今から作戦を説明します……双方向で繋がっているので、何でも自由に発言して下さい……間も無くファイター・ボマー、270機の発艦準備が完了します……270機は30機を1個中隊として……レッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン、ホワイト、ブラウン、パープル、ピンクで9個中隊として編成しました……全機発艦後は中隊ごとに集結し……レッド、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーン中隊は……こちらから観て右翼から……ホワイト、ブラウン、パープル、ピンク中隊は……こちらから観て左翼から……敵艦隊の全体を大きく廻り込んで…後背に到達します……長距離偵察機の全機はファイター・ボマーの発艦後に発艦し……そのまま二手に別れて『アーキペラゴ多島海』の全領域をカバーするように、周回航行に入ります……長距離偵察機周回の目的は作戦中……草刈りに参入しようとする他艦の早期発見と警戒の為です……特に……重巡宙艦の乱入を確認した場合には……作戦を緊急かつ劇的に変更します……話を戻しますが、作戦行動中……発艦した全機は、光学迷彩をlevel5で……アンチ・センサー・ジェルも、level5で展開して航行します……ファイター・ボマー全機が所定の位置に着いた時点を以て、作戦を開始します……話は前後しますが、敵の集団は5個の艦集団に分かれて……こちらから観て左側を先頭とした斜線陣形を採って接近中ですので……便宜上、先頭集団から始めて……第1艦隊から第5艦隊までと、呼称します……ファイター・ボマー全中隊が配置に着いたら、作戦開始……大質量誘導弾の1号基から10号基までを起動し、敵第1艦隊に1号基と2号基を……第2艦隊に3号基と4号基を……第3艦隊に5号基と6号基を……第4艦隊に7号基と8号基を……第5艦隊に9号基と10号基を……それぞれ後方から突入させて敵艦隊の陣形を混乱させます……大質量誘導弾が突入したらファイター・ボマー全機は、敵艦1隻に対して対艦ミサイルを2基発射して、着弾させて下さい……3基以上は着弾させないように頼みます……この目的は交戦開始後に敵艦が例えどのように遮蔽しようとも、その所在を把握できるようにする為です……ですから交戦が開始される迄に『同盟』各艦は、放射線監視モニターのシステム・リンクを全艦で共有します……ファイター・ボマー全機が作戦開始位置に着くまでに『同盟』各艦は、ハイパー・ヴァリアントに炸裂徹甲弾を装填して待機……作戦が開始されたら『同盟』各艦は、それぞれの位置から全速発進……艦首をこちらに向けている敵艦から有効射程距離内に捉えた上で、炸裂徹甲弾3連射で狙撃して下さい……射程距離内に捉えたら、主砲も連続斉射にて敵艦を攻撃して下さい……ファイター・ボマー全機は『同盟』各艦からの砲撃が始まる前にミサイルを全弾発射して離脱して下さい……大質量誘導弾は敵集団突破後、回頭させて再突入させます……敵艦隊からの攻撃により大質量誘導弾が制御不能に陥った場合には、その場にて放棄し……11号基から順次に起動させて突入させます……これは繰り返しますが、継戦能力を喪失した艦や航行不能に陥った艦への追撃は禁止です……また……草刈りに乱入して来た他艦が弱体艦を攻撃しようとした場合には、これを攻撃して牽制して下さい……敵艦隊の内の多くは損傷率30%にも達すれば離脱して行くでしょうから、そのまま行かせてやって下さい……ここまで戦況が推移して来ると、おそらくは入港時間が迫っているでしょう……ですので、あまり航行不能の艦を出さないようにお願いします……艦内標準時で21:30になったら、まだ散発的な戦闘が続いているようでもこれを振り切って……入港準備・入港態勢を執ります……これが行えるように相互に援護して下さい……また……艦から発射する対艦ミサイルの使用は、敵艦からの攻撃を迎撃する為の使用を主とします……以上が…今作戦の要旨です……質問をどうぞ? 」
話を区切り、シエナから冷水のグラスを受け取る。
「……重巡宙艦が乱入して来た場合の作戦について、お願いします……」
誰が訊いたのかまでは判らなかった。
「……重巡宙艦の乱入を確認した場合には戦闘・攻撃を即時に停止し、敵に向けても重巡宙艦に対する協力・共同した攻撃を要請します……保有する総ての大質量誘導弾を起動し、最大速で全弾を突入させてその後は総ての火力を重巡宙艦の損傷個所に集中する……それで何とか始末を附けましょう……」
「……分かりました……」
「……おそらく……重巡宙艦とは言え、388隻も軽巡宙艦が居る中に乱入しては来ないでしょう……他に質問はありますか? 」
30秒待ったが、何も聴こえて来なかった。
「……作戦の説明は、これで以上とします……それではファイター・ボマー全機、順次に発艦して下さい……」
27隻全艦が両舷の発艦デッキを開き、1度に4機ずつの発艦が始まる。
「……出て貰ったパイロットには、何としても無事に帰艦して貰わなきゃならん……シエナ……これは私からの特命通達として、艦長達に送ってくれ……」
「……分かりました……」
「……アドルさん……先程、388隻と言ったのは? 」
「……ああ…カウンセラー……一応、ブラッドの艦も容れたんだよ……こっちに余裕が無くて…スピード・ファイターを護衛に付けられないって事は、あいつにも解ってる……多分、頼まなくても…手伝ってはくれるだろう……そう言えば『ガーデン』にまだ入っているのか…訊きそびれたな……」
全機の発艦は18分で終わり、それぞれは予定のコースを採って航行して行く。
「……リーア……大質量誘導弾全基…起動スタンバイ……」
「……了解……」
「……エマ……各艦、エンジン始動……」
「……了解…各艦、エンジン始動……」
「……エドナ……各艦、全兵装発砲スタンバイ……」
「……了解……スタンバイに入ります……」
「……そろそろ……こちらから発信している…ジャミング・ディストゥルバンス・キャリアーの効果が、最大値に近付く頃合いだな……」
……『マーズテリア』……ブリッジ……
「……アーリング……どうやら俺達の、データ・リンク・ストリーム・ネットワークが…奴らにかなりの強さで妨害されている……気付くのが遅かった……今からじゃもう、カウンター・ジャミングも仕掛けられない……どうする? データ・リンクは…その殆どがもう落ちているし……センサー・システムもジャミングを喰らって……もうほぼ機能してない……位置的にはもう『アーキペラゴ多島海』が視えている筈だが……今のセンサーじゃ捉えられないから、表示もできない……」
「……奴らがばら撒いた、発信・探査ビーコンは見付けられないのか? 」
「……無理だろ…センサーがこのザマじゃな……」
「……しようがねぇな……アイク…ブリッジを露出させろ……今から全艦は、有視界航行に入る……」
「……分かった…通達する……」
「……そうか……俺達のデータ・リンクを妨害してるって事は…奴らには俺達が観えてるって事だ……となると……このまま進むのは、芸がねぇな……よし……エムジェイ・アンダーソンの艦隊は、面舵5°だ……アジズ・アズナーの艦隊は、アップ・ピッチ5°……俺の艦隊は、ダウン・ピッチ5°だ……ダナ・ヴァルタンの艦隊は、取舵5°……トリート・ヴァン・パタンの艦隊は、8%増速だ……これで奴らの出方を観る……」
「……分かった……」
それから30分後……『ディファイアント』……ブリッジ……
「……艦長、敵艦隊の陣形が変わっていきます! 」
「……おう……ほお……これは、こちらで言う処の『フォーメーション・D』だな……うん……自分達のデータ・リンクが、こちらに妨害されている事から……自分達が我々に観測されていると気付いたんだろう……流石に集団を率いて来ているだけの事はある……どうやら…楽には勝たせて貰えないらしい……」
「……作戦に変更はありますか? 」
「……無いよ、参謀……このくらいは許容範囲内だ……それにまだ、時間的にも早い……しかし……カリーナ…彼らは加速している……彼らがこちらと隠してある大質量誘導弾との間に入った時……ファイター・ボマー中隊はどの辺に居る? 」
「……敵集団の後背に、全機が廻り込めるかどうか……ギリギリですね……」
「……そうか……各中隊のリーダーに連絡して、10%増速だ……パワー・サインを読まれるかも知れないが、仕方ない……まあ…センサーにもジャミングを掛けているから、大丈夫だろう……」
「……分かりました……敵集団はそれぞれ、ブリッジを露出させています……有視界で航行しているようです……」
「……そうか……じゃあ、彼らが目視で我々を捉えた頃合いで…作戦開始だな……」
それから150分後……攻撃中隊はその殆どが5個集団の後背に廻り込んだ。
「……攻撃隊全機が位置に着くまで…あと15分です……気付かれている様子はありません……」
「……うん……ジャミングされているから、スピード・ファイターも出しにくいんだろう……彼らが中間領域に入る迄には? 」
「……約……20分後ですね……」
「……よし…作戦開始20分前……各艦と同期して、カウントダウン開始……大質量誘導弾10号基まで…起動・発進スタンバイ……」
「……了解……」
「……発火点まで20分か……カウンセラー……もう緊張とストレスのレベルが半端ないな……それに…少し拡がり過ぎている……ここで彼らを誘い込んで……もっとまとまって貰おう……」
「……どうするんです? 」
「……まあ……ちょっとした小細工の範疇だ……『同盟』各艦に指令! 艦首逆噴射開始して、半速後退! 」
「……了解! 」
「……コンピューター…ライブラリー・データベースにアクセス……」
【…アクセス…】
「…グループ名『リアン・ビッシュ』…楽曲名『heavenly blue』…ボリューム7で、再生スタンバイ…」
【…スタンバイ…】
「……カリーナ…ノーマル・チャンネル、封鎖解除…この再生を本艦からの発信で、全宙域に流す! 」
「…! 了解……」
「……各艦は後退しているな? 」
「…はい…各艦とも、同速で後退中……」
「……よし………スタート! 」
短いイントロでスタートした『地球讃歌』は、アップテンポで力強くパンチの効いた出だしだ……地球を彩る空の蒼と海の碧と、虹の7色を何処までも讃え挙げ、守りたいと願う……憧れて止まない青い惑星の光……それらの奏でが導いて繋がり、連なりゆく総てを守ろう……共に守りたい……これも『リアン・ビッシュ』渾身の楽曲だ……このブリッジでも、口を押さえて目に涙を溜めているスタッフが多い……『同盟』僚艦の中でも、同様かも知れない。
……『マーズテリア』・ブリッジ……
「…! あの歌の音源を特定しろ! そこに『ディファイアント』が居る! ジャミングされていても、それだけは何とかやれ! 5個艦隊全艦、全速発進用意! 『ディファイアント』さえ沈めれば、この戦いは終わる! 」
「…アーリング! 罠じゃないのか⁈ 」
「…何処にどんな罠があろうが、押し潰して焼き払えば良い! やれ!! 」
……『ディファイアント』……
「……艦長…敵集団が加速開始しました……本艦を特定したようです……」
「……ほう…ジャミングされているのに、よくやったな……各艦逆噴射停止……メイン・エンジン…サブ・エンジン、臨界パワー150%…噴射出力130%で全速発進スタンバイ! 」
「…了解……」
「……ファイター・ボマー全機……敵艦隊の後背に入りました……」
「……よし! 大質量誘導弾10号基まで、起動・点火・発進20秒前! 誘導弾が姿を表したら、全艦全速発進! 個別に27隻の敵艦に照準を採り、ハイパー・ヴァリアント…炸裂徹甲弾3基による連続狙撃用意! 」
「……10秒前……5秒前……システム起動……点火……噴射開始……発進! 」
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そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【『星屑の狭間で』『パラレル2』(アドル・エルク独身編)】
トーマス・ライカー
SF
舞台は、数多ある地球圏パラレルワールドのひとつ。
超大規模、超高密度、超高速度、超圧縮高度複合複層処理でのハイパー・ヴァーチャル・エクステンデッド・ミクシッド・リアリティ(超拡張複合仮想現実)の技術が、一般にも普及して定着し、ハイパーレベル・データストリーム・ネットワークが一般化した未来社会。
主人公、アドル・エルクは36才で今だに独身。
インターナショナル・クライトン・エンタープライズ(クライトン国際総合商社)本社第2棟・営業3課・セカンドセクション・フォースフロアで勤務する係長だ。
政・財・官・民・公・軍がある目的の為に、共同で構築した『運営推進委員会』
そこが企画した、超大規模ヴァーチャル体感サバイバル仮想空間艦対戦ゲーム大会。
『サバイバル・スペース・バトルシップ』
この『運営推進委員会』にて一席を占める、データストリーム・ネットワーク・メディア。
『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が企画した
『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』と言う連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが、民間から男性艦長演者10名と女性艦長演者10名を募集し、アドル・エルクはそれに応募して当選を果たしたのだ。
彼がこのゲーム大会に応募したのは、これがウォー・ゲームではなく、バトル・ゲームと言う触れ込みだったからだ。
ウォー・ゲームであれば、参加者が所属する国・団体・勢力のようなものが設定に組み込まれる。
その所属先の中での振る舞いが面倒臭いと感じていたので、それが設定に組み込まれていない、このゲームが彼は気に入った。
だがこの配信会社は、艦長役演者に当選した20名を開幕前に発表しなかった。
連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが配信されて初めて、誰が選ばれたのかが判る仕掛けにしたのだ。
艦長役演者に選ばれたのが、今から90日前。以来彼は土日・祝日と終業後の時間を使って準備を進めてきた。
配信会社から送られた、女性芸能人クルー候補者名簿から自分の好みに合い、能力の高い人材を副長以下のクルーとして選抜し、面談し、撮影セットを見学し、マニュアルファイルを頭に叩き込み、彼女達と様々な打ち合わせや協議を重ねて段取りや準備を積み上げて構築してきた。
彼の目的はこのゲーム大会を出来る限りの長期間に亘って楽しむ事。
会社からの給与とボーナス・艦長報酬と配信会社からのギャラ・戦果に応じた分配賞金で大金持ちになる事と、自分が艦長として率いる『ディファイアント』に経験値を付与し続けて、最強の艦とする事。
スタッフ・クルー達との関係構築も楽しみたい。
運営推進委員会の真意・本当の目的は気になる処だが、先ずは『ディファイアント』として、戦い抜く姿を観せる事だな。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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