『星屑の狭間で』

トーマス・ライカー

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セカンド・ゲーム

…2次集結ポイントにて…2…

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「……アドルさん……ウチの副長が、事ある毎に貴方を称賛しています……主宰なら、この場合はこうする……主宰なら、これはこう捉える……先を読んで、こう考える……おかげ様で、随分勉強させて貰いました……私も一端いっぱしの艦長に、少しは近付けたように思います……ありがとうございました……これからも、宜しくお願いします……」

「……いや……ガンナーさん……お礼を言うなら、マルティーヌ副長に言ってあげて下さい……副長としての彼女は、本当に最高の人です……彼女を選び出した貴方も、かなり凄いですよ(笑)…私が貰ったクルー候補者リストに、彼女の名前がもしも在ったなら……間違いなく私も彼女を選びました……」

「……ありがとうございます……そう彼女に伝えます……喜ぶと思います……」

「……いやあ、アドルさん……ウチのシャロンもアドルさんの素晴らしさを引き合いに出して、私によく言います……もっとしっかりして下さいってね(苦笑)…」

「……いや……ヤンセンさんにもそれぞれの艦長さんにも素晴らしい個性がありますから、それを活かして堂々とやって頂ければ好いと思いますよ……ただ……スタッフの感想…考えや意見をよく聞くと言う事も、重視した方が好いと思います……」

「……アドルさん……ライブ・ヴァラエティ配信も……まだ始まったばかりですけど、全然追い付いてないですよね……今は木曜日と金曜日の配信ですけど……ひょっとしたら、土日も含めて毎日配信って事にも…なり兼ねませんね……」

「……そうですね、アリミさん……我々からすれば、早くそうしてくれた方が……ファースト・シーズンがどこでどう切り上がるのか……読み易くなるんですけれどもね……」

「……アドルさん……我々が気を付けるべき事に付いては…何がありますか? 」

「……そうですね、クマールさん……彼ら5個集団の布陣が判明したら、作戦とこちらの布陣を通達しますので……その後の行動は基本的にそれらに沿う形でお願いします……原則として乱戦にはならないようにしますが、事態が急転したら…その都度に指示を出します……むやみに陣形を乱さないように……深追いは避けるように……相手の継戦能力が著しく低下したなら、追撃は控えるように……これらを心掛けるように…お願いします……また……彼らを驚かせて陣形を乱すために……敢えて『ディファイアント』を彼らの眼前に晒す事も有り得ますので…その心積もりでもいて下さい……取り敢えずは、以上です……」

「……アドルさん……お訊きしにくい事ですが……『ディファイアント』に、もしもの事があった場合は? 」

「……ああ…ロレイン艦長……これは『同盟』がまだ20隻だった当時に発表した事なんですが…いま一度、言いましょう……『ディファイアント』が撃沈されてしまった場合には…『サライニクス・テスタロッァ』…『トルード・レオン』…『フェイトン・アリシューザ』…『ロイヤル・ロード・クライトン』…『サンダー・ハルヴァード』…以上5隻での、合議体制に移行します……沈んでしまう迄は…私が指揮を執ります……また……私が戦死扱いになるなどして退艦した場合には、シエナ副長が艦長代行となって『ディファイアント』も合議体制に入ります……また、私が負傷して意識を喪失した場合には…前以て司令部に提示しておいた指揮指示書に従って、私が復帰する迄行動して貰います……」

「……分かりました……そうならないよう絶対に、お守りします……」

「……まあ……宜しくお願いします……」

「……アドルさん……指揮官としての貴方は、本当に完璧だ……何も言う事は無い……これで、退官も近い私に最後の仕事が決まりましたよ……」

「……ハイラムさん……貴方のお気持ちは充分に解りますし…私を高く買って下さるのは本当にありがたいんですけれども、ゲーム大会が終わったら……私は生臭い世界からは一切身を退きます……会社も辞めて店を開くんです……本当に申し訳ないんですけれどもね……解って下さい……」

「……私は諦めませんよ、アドルさん……海賊どもはまだいます……私が現役でいる間は…奴らも身を潜めているでしょうが、退官した事を知れば…またぞろ動き出すでしょう……正規での入隊が無理でも、期間限定での嘱託任官と言う形態も可能であろうと考えますので…是非お考え下さい……」

「……まあ、ハイラムさん……ファースト・シーズンが終わるのさえ、まだまだ先の話ですから……これは折に触れて時折にでも…話していきましょう……奴らに欺瞞情報を流して動きを牽制するのも、アリでしょうからね(笑)…」

「……流石はアドルさん……貴方は軍略家としても最高ですね……」

「……それは褒め過ぎですよ……」

「……アドルさん……1次集結ポイントに到着する前ですが……何があったのですか? 」

「……ああ……ネヘマイヤさん……ファースト・ゲームのチャレンジ・ミッションで…6th・ステージまでクリアした軽巡が6隻いたでしょう? 」

「……ああ、あの…艦長が天才なんじゃないかって言われた……」

「……その内の1隻が接触して来ました……ちょっと乱暴なファースト・コンタクトでしたがね……」

「……ああ…軽巡宙艦『ラムール・ハムール』の、ブラッドフォード・アレンバーグ艦長ですね……お知り合いだったとか? 」

「……ええ、ザンダーさん……私が以前にアヴァターを設定して参加していた…これと同じ3D バーチャル体感サバイバル・ゲーム…『サンドラス・ガーデン』の中でしたが…10数回絡んで…10回戦った事のあるバーチャル・キャラクターを、彼が設定していました……彼自身とは…初対面だったのですが、妙な既視感があったので…記憶を掘り返して観た処、合致したと言う訳です……」

「……なるほど……それで彼の目的はやはり、草刈りですか? 」

「……そうです…ネヘマイヤさん……彼の主目的はそれですが、我々の作戦を邪魔したり…こちらを攻撃しようとした場合、容赦はしないと釘は刺しました……万が一の場合に備えても手は打ちましたので、彼についてはもう心配ないでしょう……」

……『サライニクス・テスタロッツァ』……バー・ラウンジ……

「……ねえ、シエナ……アドル・エルク同盟主宰の右腕がアナタなんかで…本当に大丈夫なのかしら? 」

「……マルティーヌさん……ちょっと…その言い方は酷いんじゃありませんか? 」

「……いいのよ、アレクシアさん……昔からカーラはこの言い方で、私を元気付けてくれてるの……ねっ? カーラ……ありがとう……」

「……フン…アンタは昔からホワホワしたところがあったから……アドル主宰のサポートはおろか…彼の誰よりも早い的確な発想と行動に…付いて行けるのかどうかさえ、ハッキリ言って気が気じゃないのよね……もしも主宰の言う事に間抜けな調子で訊き返したり、結果としても主宰の足を引っ張ったりしたら…本当に承知しないわよ……アンタのやる事成す事は…みんなが観てるんだからね! 」

「……改めて……よく分かったわ、カーラ……ありがとう……『ディファイアント』のメイン・スタッフ全員で…アドル主宰の右腕になるから……」

「……もうひとつ訊くけどね…シエナ……『ディファイアント』自体は健在でも…アドル主宰の身に何かが起こって、彼が意識を喪失したりしたらどうするの? 治療は医療部に任せるしかないにしても…彼が復帰する迄の間の『ディファイアント』のブリッジを…いや…同盟全体の司令部を……誰がどう担うのよ? 」

「……それは……今回の戦いが始まる前までに決定して……通達します……」

「……宜しく頼むわよ、シエナ……良くも悪くも……アドルさんが貰ったクルー候補者リストの中では…アンタが一番マシだったんだからね……」

「……ええ…よく分かってるわよ…カーラ……」

「……それで、シエナさん……指示や通達された事以外で…主宰から聞いている事は、ありませんか? 」

「……そうね、ローズさん……今のところ、特にはありません……でも…明日になれば、指示や通達が矢継ぎ早に出されるでしょう……注意して受領してね……」

「……分かりました……」

……『トルード・レオン』……バー・ラウンジ……

「……ハルさん……同じ参謀同士で話せる機会が得られて、本当に嬉しいです……宜しくお願いしますね? 」

「……こちらこそです…フローレンスさん……参謀として、共有すべき認識についても…お話したいですね……」

「……ハルさん……ファースト・ゲーム終盤で……アドル主宰から指揮権を1時的に委譲されて、1隻撃沈されましたね……ライブ・バラエティで配信されるのは、まだずっと先でしょうけれども……配付された戦闘記録を観させて頂いて…感激して、感動しました……すごいと思いました……素晴らしかったです……」

「……ありがとう…サリー・ランドさん……そんなに褒めて下さって……」

「……どうしたら……あんなに鮮やかな指揮が出来て……あんなに鮮やかに勝てるんですか? 」

「……サリーさん……どう言ったら良いのかしら? シエナ副長も私も…エレーナ・キーン参謀補佐も……アドル主宰の指揮振りを直近で観ていて……それだけで叩き込まれていたんだろうな…って…思います……今はそれ以外の説明が……出来そうにありません……ごめんなさい……」

「……初めまして、ハル・ハートリーさん……『バトゥ・ウルス』のフェリッサ・ローハンです……お話できて嬉しいです……あの……私達は明日になれば、初めての大規模な組織的交戦に入りますが……参謀として、気を付けて心掛けるべき事は…何でしょうか? 」

「……初めまして…フェリッサさん……ハルです……リラックスしてね? 先ず、参謀として求められている事……それは、誰よりも客観的に艦とクルーの為にを考えて、ピンチを乗り越えられる道を見付けて提示する事……誰に何を質問されても、その立場で思い付ける限り…やれるだろう限りを伝える事……そして参謀としての役目…務めは……誰から誰への指示…誰から誰への応答でも……訂正すべき…補足すべき…強調すべきは、それを恐れずに…躊躇なく伝える事……それだと思います……私もまだまだですけどね……」

「……ご丁寧に……ありがとうございます……そのように…やってみます……」

「……ハル・ハートリーさん……怖い訳ではありませんが…初めての大規模な戦いなので…不安です……私達は勝てるのでしょうか? 」

 見遣ると、『ファム・ファタール』のロミナ・パルッツィ参謀と『アステル・アルムフェルト』のロッセーラ・フォーク参謀と『ラシッド・マクレイヴン』ウドム・カウィラ参謀の3人が歩み寄って来ている……ハルは3人の肩に優しく手を置いて…それぞれの手も握った。

 「……私だってまだ2回目だし、普通に怖いし…不安ですよ……みんな同じだよね……でも……私達のリーダーは、私達全員が絶大な信頼を寄せる…あの人です……きっと結構…楽に勝てますよ……」

……『ディファィアント』……バー・ラウンジ……

「……ハンナ・ウェアーさん……ここが『ディファィアント』のバー・ラウンジなんですね……不思議です……造りは同じなのに、雰囲気は違う……ここに立ってらしたんですか? 主宰は……」

「……ええ…マーラ・ウッドリーさん……ちょうど…そこのカウンターの前でしたね……でも…ハイラム・サングスター艦長の方が、伝説的存在としては…レベルが上なんでしょうけどね? 」

「……いいえ……ハイラム艦長も言われていましたが…アドル主宰は総てに於いて、もう別格です……既に伝説的存在にもなりつつあります……明日私達は……13倍以上の敵と戦う事になると言うのに……アドル主宰は全く変わりません……既に提示して頂いている作戦案も……充分に納得して、支持できるものです……」

「……だから私達は絶大な信頼を、主宰に寄せる事が出来るんですよね…マーラさん……そう呼んでも宜しいかしら? 」

「……ええ…ハンナさん……是非お願いします……ちょっと他人行儀でしたね…すみませんでした……」

「……どう致しまして……こちらこそ、ですよ……」

「……ハンナさん…『ロイヤル・ロード・クライトン』の、ベアトリス・アードランドです……初めまして…宜しくお願いします……明日、私達が直面する…初の集団組織交戦の中で……私達カウンセラーの役目と…出来る事……やるべき事……守るべき事…に付いて、教えて下さい……」

「……初めまして…ベアトリスさん……ハンナです……宜しくお願いしますね……私達カウンセラーが戦闘中に注意するべきは…全クルーに於けるストレス・レベルの動向です……これに尽きると言っても、過言ではないでしょう……特にブリッジ・スタッフのね……装備されているスカウターを使えば、ある程度は判りますから……状況や場合に応じて司令部に助言するのが役目なんだけど…そんな事はもう知ってるよね? 大事な事は、対象者の感情や言動に呑まれず、流されずに適切に分析して評価する事……これを誤れば、艦の存続にも関わりますから…本当に大事よね……」

「……ハンナさん……『バトゥ・ウルス』のシンシア・アップルビーです……宜しくお願いします……私も本当にそう思うんですけど、あるスタッフの状況評価と対処についてを…躊躇なく司令部に進言できるかどうか…自信がありません……どうしたら良いでしょう? 」

「……宜しくね、シンシアさん……そうね……率直な直接進言に抵抗があるなら…副長か参謀の人に、先に伝えて相談するのはどうかしら? でも……状況が緊急で判断に自信があるなら…率直な進言を躊躇うべきではないと思うわ……シンシアさん……ネヘマイヤ艦長は貴女をちゃんと評価して、信頼してカウンセラーに就かせたんだと思うから……貴女はそれに応えて、率直に発言して好いと思うわよ……」

「……ありがとうございます…ハンナさん……頑張ってみます……」

 そう応えるシンシアの両手をハンナは優しく両手で握った。

……『フェイトン・アリシューザ』……バー・ラウンジ……

「……うん…バー・ラウンジの造りは…軽巡宙艦なら、どこも同じなんだね……」

 そう言ってリーア・ミスタンテは、貰ったアップルティーのカップに口を付けた。

「……リーアさん……『フェイトン・アリシューザ』にようこそ……カミラ・パエスです……宜しくお願いします……お話できる機会が得られて嬉しいです……アドル主宰は、エンジニアとしても凄いと聞きましたが…実際にはどうなんですか? 」

「……宜しく…カミラさん……凄いわよ…本当に…途轍も無い程にね……発想の柔軟さ……先読みの奥深さ……完璧な準備と段取りと実行の指示……一緒に居る限り、驚きの連続だし…すごく勉強になるわね……」

「……初めまして、リーアさん……『ファム・ファタール』のシェイリーン・オースティンです……宜しくお願いします……明日の戦いでは、大質量誘導弾を制御する私達の役割が…本当に重要になるのだろうと思いますが……何に注意したら好いでしょうか? 」

「……初めまして、シェイリーンさん……宜しくね……作戦が始まる迄に、システムはダブルでチェックする事ね……あとはお互いにやった事……終わらせた事は確認し合う事かしら……」

「……初めまして…『アステル・アルムフェルト』のジョアン・ウィックスです……交戦中である自艦の損傷率や…被弾や被害状況をどのように把握して、司令部に報告すれば良いのでしょうか? 」

「……それは先ず……ありのままを報告するわよね……そしてこのまま何も対処しないのなら、直近で何が起こるかくらいは言い添えるわね…私なら……」

「……初めまして…『ラシッド・マクレイヴン』のデブラ・イーリー・ウォレスです……貴女にとってのアドル・エルク主宰とは……どんな存在ですか? 」

「……ハイ…デブラさん……宜しくね……そうね……私にとってのアドルさんはね……最大に信頼して…最大に尊敬して…私の総てを預けて付いて行ける……唯一の人だね……貴女にとってのアンガス・ホーガン艦長も……そんな人にしていかないといけないと思うわよ……」

……『サンダー・ハルヴァード』……バー・ラウンジ……

「……ハイ、エマさん…久し振り……元気? いよいよ明日だね……頑張ろうね? 」

「……ハイ、スコット君も久し振りだね……元気だよ……うん、お互いに頑張ろうね……エドナとは、話してるの? 」

「……うん…昨夜、通話で話したよ……それより、襲われたって聞いたけど……引き摺ってはいないようだね……安心したよ……」

「……相手にアタシを墜とす気が無かったからね……だからこうして今もやれているよ……墜とされてたら、もう退艦してるから……ここにも来れない……」

「……そんなに凄い腕だったんですか? エマさん……」

「……そうだね、イリヤ……彼女は『ラムール・ハムール』のメイン・パイロットで、名前はレベッカ・スロール……【E・G・E・R】…(エレガンス・グレート・イーグル・ランク)のエア・レーサーで……プロフェッサー・クラスに属するクラブ・チームの、マスター・パイロットだよ……私は長距離偵察機で…彼女はファイター・モードだったんだけど…リザーブ・タンクを付けたままで私を追い回して…最後まで私に背後を取らせなかった……」

「……あの…『バトゥ・ウルス』のゼルダ・ヴィッツです……エア・レースでトップ・ランクと謳われているパイロットが…このゲームに参加しているんですね……そんな人と、どうやって戦うんですか? 」

「……今のアタシが何回彼女とやり合っても…勝てないね……」

「……ねえ、エマさん……次にその彼女が来た時……どうするって、先輩は言ってました? 」

「……流石だね、スコット君……その時には自分が出るって……アドルさんは言ってたよ……」

「……やっぱりね……先輩がパワー・モードで操縦するなら……誰も追い付けませんよ……」

「……君はやっぱり…よく解ってるんだね……」

「……まあ……付き合いだけは、皆さん方より長いですからね……」

「……スコットさん……アドル主宰は、何がすごいんですか? 」

「……イリヤさん……先輩は、タッチパネルを異次元の速さで操作できるんです……だから、先輩より速く…シャトルを操縦できる人はいません……」

「……そうなんですか……」

……『アグニ・ヤマ』……バー・ラウンジ……

「……エドナ・ラティスさん…初めまして…『ロイヤル・ロード・クライトン』の、ジェイミー・カークランドです……宜しくお願いします……同盟で1番のスナイパーとお話できて、光栄です……」

「……初めまして、ジェイミーさん……こちらこそ、宜しくお願いします……私は1番じゃありませんよ(笑)……1番は、アドル主宰です……」

「……えっ、アドル主宰って…射撃も凄いんですか? 」

「……虚構の中での…射撃とか、砲撃ですね……実際の射撃は…やった事が無い筈ですから……」

「……ああ、解りますよ……アドル係長は、驚異的なエンジニアでもあって……タッチパネルの操作速度も異次元ですからね……」

「……アドル艦長のスーパー・エンジニア振りは…御社の中では、有名なんですか? ジェイミーさん……」

「……ええ…今となっては、知らない人の方が少ないですね……」

「……そうなんですね……アドル・エルク艦長の限界が観えません……どんなに話しても、一緒に行動していても……どこまでも底の観えない……不思議だし……驚きは毎日です……ちょっと怖く感じることもあります……」

「……エドナさん……『バトゥ・ウルス』のレスリー・カーツマンです…宜しくお願いします…… エドナさんがそう感じられる…具体的な何かがありましたか? 」

「……アドル艦長も含めて…『ディファィアント』の攻撃チーム全員で……砲撃演習訓練をやったんだけど…アドルさんの成績が、断トツでトップだったからね……」

 7隻に分かれて行われたメイン・スタッフの会合は70分で終わり…皆はそれぞれに帰艦した……リーア・ミスタンテ指揮の下…297名の全同盟機関部要員は、4交代で各艦と既に配置された大質量誘導弾の…整備と最終調整に取り組み……120分で終わらせて、アイソレーション・タンクベッドで寝んだ。

……その450分後……『ディファィアント』…ブリッジ……

「……おはようございます…主宰……」

「……おはよう……敵集団の様子を報告してくれ……」

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