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地上界にて…
リアル・バラエティ・ライヴ・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』3/6 …2…
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アリシアは友達1人1人それぞれのご両親に対して通話を繋ぎ、非常に丁寧且つ穏やかな口調で要件を伝えて許可を乞い、ご両親の1人1人からそれを得ていった。
総ての通話を終える迄に25分と少し……端末を仕舞って笑顔で私に振り向く。
「……終わりました…1人1人全員から許可を頂きました……」
「……よくやったね……パパも許可するよ……」
「……ありがとう、お父さん……」
「……それじゃあ、シャワーを浴びて来なさい……皆さんの着替えもお前が用意するんだ……ママに訊いても良いから……」
「……分かりました…ありがとう……」
「……その間に、パパとママで何とか夕食を準備するから……」
「……宜しくお願いします……」
その後は、アリシアの友達全員からも感謝の言葉を貰った。
子供達がアリシアの部屋とバスルームとを行き来している間に、アリソンと食材を確認してメニューを考え、構築について合意し、調理に取り掛かる。
白身魚とサーモンのバターソテー。
鶏肉と温野菜の料理。
豚肉と温野菜の料理。
シーフードと温野菜の料理。
3種類の卵料理ミックス。
シーザー・サラダ。
これらを中皿でボリューム増し目に調理して用意し、それぞれライスとオレンジ・ジュース、野菜ジュースを用意した。
アイスクリームの残量が少ないので、チョコレート・アイスクリーム・フルーツ・パフェとして、仕立てることにした……湯煎でチョコレートを融かしながら話す。
「……今夜もセックスしようと思っていたけど、子供達が居るから気を遣って落ち着けないし…そんな気分にもなれないし、明日は早く出るから…今夜はやめるよ……」
「……そうね……やれば簡単にも済ませられるけど…やめておいた方が好いわね……」
「……ああ…その代わりに月曜日は休んで…ウチでゆっくりするから……」
「…分かったわ……明日は何時に出るの? 」
「……リサさんが時間を計ってタクシーを差し向けてくれるから、それに乗って行くよ……今夜もタンクベッドで寝るから、早く起きられる……」
「……分かりました……」
大きめのパフェ・グラスに先ずアイスクリームを落とし、バナナとリンゴとピーチとオレンジを添え入れて、アイスクリームを丸く乗せてから、融かしたチョコレートを流し込む……バランスを整えてフリーザーに入れた。
シャワーを浴びて着替えた子供達をダイニング・ルームで迎える……全員が目を見開いて料理を観た。
ルカ・アラナが、申し訳なさそうに申し出る。
「……すみません……失礼であるとは思うのですが…撮らせて頂いても宜しいですか? こんなに美味しそうな家庭料理は暫く観ていないので……」
「……好いよ…こんな料理しか用意出来なくて、恥ずかしいけどね……」
「…とんでもないですよ……こんな…大家族で食べれば、心や身体も温かくなるような家庭料理は、観た事がないです……」
「……ロヒス君……今の話は聴かなかった事にするよ……それと、自分の家庭を卑下する事はない……君のご両親も精一杯君を思い遣って、君を慈しんでいるんだからね……」
「……はい……分かりました……すみませんでした……ありがとうございました……」
「…(笑)そんなに恐縮しなくて良いよ……さあ座って? 食べよう…冷めちゃうから……ジュースだけど乾杯だ……いつもアリシアと仲良くしてくれて、ありがとう……君達の成長と活躍を祈って…乾杯! 」
「…乾杯! 」
「…頂きます! おお……すごく……美味しいです……どれも……みんな…美味しいです……ありがとうございます……感激です……」
「……本当に…あの……美味しいです……すごい……この味付けは…初めてです……ちょっと…持って帰っても…良いですか? ……お母さんに食べて貰って……作って貰います……」
「……ああ、良いよ……タッパーにでもパッケージにでも、詰めて持って帰って? ……慌てなくても好いから、沢山食べてね……それじゃ、僕からも質問して好いかな? ……僕を除いて気になる艦長とか副長って、誰だい? せっかくだから正直に言ってよ? 」
「……そうです…ね……同性としてでの憧れ…で言うなら、やっぱりザンダー・パスクァール艦長ですね……観て…あれ程の人は…いないと思いますから……」
テレンス・カシオ君が食べながら言う……流石にアデリーン嬢が、彼の右上腕を軽く叩いて窘める。
「……ああ、好いよ…食べながらでも大丈夫……そうだよね…確かに…ね……それだけに疑念は募るが……テレンス君……異性への憧れ…で言うならどうだい? 」
「……すみません……20隻の中ではないのですが…グレイス・カーライル艦長ですね……僕から観ると、完璧で完全な先生と言うか……理想のお母さんにも観えます……」
「……よく解るよ、テレンス君……グレイス副社長の三男君だったかな? 大学の2回生でね……我が同盟の熱烈なファンであると言う事で……非公式ながら、外部スポークスマンを頼んでいるんだ……まだ返事は、貰ってないんだけどね……テレンス君…理想のお姉さんで言うならどうだい? 」
「……そうですね……シエナ・ミュラーさん…と言いたい処なんですが……アシュリー・アードランド艦長…ですね……すごく素敵で…実力もあるキャリア・レディ…って感じで……実は僕より7才年上の実姉に……雰囲気が似ているんです……頭の上がらない姉貴です……」
「…(笑)なるほど……何だか微笑ましい…姉弟関係のようだね……」
「……アドルさん……質問しても良いですか? 」
ルカ・アラナ君が食べるのを止めて、真顔で訊いている。
「……何でも好いよ…どうぞ? 」
「……先程に仰られた…募る疑念とは、何ですか? 」
「……ルカ君、君は好い集中力を持っているし…君の耳は重要な言葉を聞き逃しはしない……君はとても大事な素質を持っているね……だから君の素質と、それが開く君の展望と可能性を称えて……質問に答えて、私の考えも伝えよう……私達20人は…ランダムに選ばれたのか? NOだ……明らかに……確実にね……NOだ……ランダムに選んだと強弁するには……私達それぞれのキャラクターに特徴的な個性と……潜在的な能力が顕著に現れ過ぎている……先刻に言った、募る疑念…懸念とも言えるがそれは……何故私達だったのか? そして……何の為だったのか? だね……その答えには、サード・シーズンが始まれば…近付けるだろう……だからサード・シーズンの最終回までは……同盟を1隻でも損なう訳にはいかないんだ……その覚悟で…やるつもりではいるよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……処で…全く話は変わりますけれども……学生時代に考えておられた、将来の夢? は…何でしたでしょうか? 」
「……随分急に話が変わるんだね……まあ、好いんだけれども……これはあまり人に言った事は無かったんだけど……船長になりたかったんだよ……まあ今は…バーチャル・ワールドとは言え、艦長をやっているけどね……だから、ハイスクールを卒業して……海運大学校も受験したんだよ……でも物凄く難しくてね……ダメだった……あの難しさじゃあ、2回浪人しても駄目だっただろうなと思ったから……合格していた大学に入って……今に至る…と言う訳だね……」
「……へえ…初めて聞いたよ、パパ……ママは聞いてた? 」
「……ううん…ママも知らなかった……初耳だわね……」
「(笑)…だってさ…失敗した受験の話なんて、恥ずかしくてできないだろ? 」
「……アドルさん……夢のある受験のお話を、ありがとうございました……僕も海運大学校について、調べてみます……」
「…ああ、ルカ君…調べてみたら好いよ……世界を廻る大型船舶の乗務員と言う職業の……素晴らしさとか、ロマンを少しでも感じて知ってくれれば…僕はそれだけでも好いよ……」
「……アドルさん……『ディファイアント』での模擬戦闘チャレンジ・ミッションや…親睦パーティーでの見所をご紹介頂けませんか? 」
マノン・ドアがオレンジ・ジュースのグラスを置き、ペーパーナプキンで口を拭ってから無邪気な表情で訊いてきたが、これは難しい。
「……う~ん……この質問は難しいね……番組が配信の中で、それらをどのように紹介するのかも判らないから……僕としては…先入観無しに、ありのままを先ず観て貰って…その人なりの感性で、捉えて考えて貰えれば好いと思うよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……」
その後……質疑応答的な遣り取りは然程になく…雑談も交えながら、夕食を進めていく。
「……テレンス君……アデリーン嬢……照れ隠しはしないで好いからさ……2人は付き合ってるの? 」
「…え?! ええ…はい……好い形で…お付き合い、させて頂いていると思います……」
「……うん…好い返事だ……若い頃の交際は、オープンで……率直に…が好いよ……それがより良い人格形成に繋がる……処で…リビングのモニターの方が大きいから……一緒に視聴しようか? 」
「……宜しければ…お願いします……」
食べるのを止めて、アデリーン嬢が応える。
「……好いよ…改めてお茶を淹れよう……」
やがて、この大家族? での夕食会も終わりに近付き……予めタッパーとパッケージで別に分けられた料理を除けば……若く健康な若者達の尽きぬ食欲によって……結構多目に調理して盛り付けたと感じていた料理も……残されずに、食べ尽くされようとしている……若者達の食欲に感心しながら立ち上がり……フリーザーで保冷していたパフェを出して、彼等の前に配した。
「……アイスクリームがもう少なかったんでね……チョコレート・フルーツ・クリームパフェにしてみたよ……」
「……凄く綺麗で美味しそうです……写真に撮ります……」
と、クララ・サンサ。
「……どうぞ……冷たい内に食べてね……」
「……これも…アドルさんが? 」
と、ミレーナ・カッシーニ。
「……うん……スイーツも結構作るんだけどね……これはまあ……在り合わせで作っただけなんだけど……」
「……あの……すっごく美味しいですね……とても……賄いで作ったとは思えません……」
と、マノン・ドア。
「……レシピを教えて頂けませんか? 」
と、アデリーン・ジーマ。
「……レシピって言ったってね……パフェ・グラスに先ずアイスクリームを落としてから、バナナとリンゴとピーチとオレンジを添え入れて……アイスクリームを丸く乗せてから……融かしたチョコレートを流し込んで、今まで冷やして置いただけだよ……」
「……すごい……僕も作ってみます……」
と、ルカ・アラナ。
「……そう? パフェ・グラスは大きめの物にした方が好いね……余裕を以って作れるからさ……」
「……ありがとうございます……トライしてみます……」
と、ロヒス・ムケーシュ。
「……まあ、やってみて? 形は気にしないで、のびのびと作ってみれば好いよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……」
と、テレンス・カシオ。
「……すごく美味しいです……私も作ってみます……」
と、ミレーナ・カッシーニ。
「……パパはね……料理でも飲み物でもスイーツでも、何でも作れるし……何を作ったって美味しいんだけど……材料とかレシピとか……手順とか段取りが、全部細かく判ってたって……パパにしか美味しく作れないんだよね……私やママが作っても……同じ味にならないんだよ……それだけがすごく悔しい……」
「……アリシア……アタシはアンタがすごく羨ましいよ……妬ましくもある……」
アデリーンがアリシアを観ながら言う。
「……ああ……タッパーとパッケージは取り敢えず冷蔵庫に入れて置くね? 後1時間と少しで…配信が始まるぐらいの頃合いになるから……食べ終わったら…歯を磨いて、顔を洗ってリビングにおいで? 今そう言ったけど、急がなくて好いよ……番組の配信が終わるぐらいの頃合いで…タクシーがウチの前に来る感じで手配を掛けて置くからね? 」
「……アドルさん……配信が終わった時間でも……まだパブリック・ラインは……トレインも含めて動いていますから……そこまで甘えられません……ステーションまで送って頂ければ……」
ルカ・アラナ君が上級生らしく、そう声を上げたが。
「……いや…ウチの車1台だけで、君達全員は乗せられない……荷物もあるしね……それに、せっかく来てくれたんだから……それぐらいはさせてくれ……同盟はこれから厳しいコメントを受け取る事も多くなるだろうから……その時にこそ…君達からのフォロー・コメントに期待したいんだよ……だから、遠慮なしで頼むよ……」
「……分かりました……宜しくお願いします……」
「……こちらこそ……お土産には、ケーキも包むからね……ご両親にも宜しく……」
それから15分程で食べ終わったので、アリシアと友達に片付けと皿洗い・拭き上げ・収納を任せた。
終わったのが配信開始の20分程前だったので、全員を歯磨きと洗顔に促すとその間に、ミルクティー・ストレートティー・レモンティー・ロシアンティー・ホットミルクココア・コーヒーを点てて、淹れて仕上げ…保温モードに入らせた。
戻って来た彼等に、お茶が保温モードに入っていると伝え…好みのものを受け取って貰って…リビングへと促す……好きな場所に座って貰ってから、システムセット・接続を確認して、起動させた。
総ての通話を終える迄に25分と少し……端末を仕舞って笑顔で私に振り向く。
「……終わりました…1人1人全員から許可を頂きました……」
「……よくやったね……パパも許可するよ……」
「……ありがとう、お父さん……」
「……それじゃあ、シャワーを浴びて来なさい……皆さんの着替えもお前が用意するんだ……ママに訊いても良いから……」
「……分かりました…ありがとう……」
「……その間に、パパとママで何とか夕食を準備するから……」
「……宜しくお願いします……」
その後は、アリシアの友達全員からも感謝の言葉を貰った。
子供達がアリシアの部屋とバスルームとを行き来している間に、アリソンと食材を確認してメニューを考え、構築について合意し、調理に取り掛かる。
白身魚とサーモンのバターソテー。
鶏肉と温野菜の料理。
豚肉と温野菜の料理。
シーフードと温野菜の料理。
3種類の卵料理ミックス。
シーザー・サラダ。
これらを中皿でボリューム増し目に調理して用意し、それぞれライスとオレンジ・ジュース、野菜ジュースを用意した。
アイスクリームの残量が少ないので、チョコレート・アイスクリーム・フルーツ・パフェとして、仕立てることにした……湯煎でチョコレートを融かしながら話す。
「……今夜もセックスしようと思っていたけど、子供達が居るから気を遣って落ち着けないし…そんな気分にもなれないし、明日は早く出るから…今夜はやめるよ……」
「……そうね……やれば簡単にも済ませられるけど…やめておいた方が好いわね……」
「……ああ…その代わりに月曜日は休んで…ウチでゆっくりするから……」
「…分かったわ……明日は何時に出るの? 」
「……リサさんが時間を計ってタクシーを差し向けてくれるから、それに乗って行くよ……今夜もタンクベッドで寝るから、早く起きられる……」
「……分かりました……」
大きめのパフェ・グラスに先ずアイスクリームを落とし、バナナとリンゴとピーチとオレンジを添え入れて、アイスクリームを丸く乗せてから、融かしたチョコレートを流し込む……バランスを整えてフリーザーに入れた。
シャワーを浴びて着替えた子供達をダイニング・ルームで迎える……全員が目を見開いて料理を観た。
ルカ・アラナが、申し訳なさそうに申し出る。
「……すみません……失礼であるとは思うのですが…撮らせて頂いても宜しいですか? こんなに美味しそうな家庭料理は暫く観ていないので……」
「……好いよ…こんな料理しか用意出来なくて、恥ずかしいけどね……」
「…とんでもないですよ……こんな…大家族で食べれば、心や身体も温かくなるような家庭料理は、観た事がないです……」
「……ロヒス君……今の話は聴かなかった事にするよ……それと、自分の家庭を卑下する事はない……君のご両親も精一杯君を思い遣って、君を慈しんでいるんだからね……」
「……はい……分かりました……すみませんでした……ありがとうございました……」
「…(笑)そんなに恐縮しなくて良いよ……さあ座って? 食べよう…冷めちゃうから……ジュースだけど乾杯だ……いつもアリシアと仲良くしてくれて、ありがとう……君達の成長と活躍を祈って…乾杯! 」
「…乾杯! 」
「…頂きます! おお……すごく……美味しいです……どれも……みんな…美味しいです……ありがとうございます……感激です……」
「……本当に…あの……美味しいです……すごい……この味付けは…初めてです……ちょっと…持って帰っても…良いですか? ……お母さんに食べて貰って……作って貰います……」
「……ああ、良いよ……タッパーにでもパッケージにでも、詰めて持って帰って? ……慌てなくても好いから、沢山食べてね……それじゃ、僕からも質問して好いかな? ……僕を除いて気になる艦長とか副長って、誰だい? せっかくだから正直に言ってよ? 」
「……そうです…ね……同性としてでの憧れ…で言うなら、やっぱりザンダー・パスクァール艦長ですね……観て…あれ程の人は…いないと思いますから……」
テレンス・カシオ君が食べながら言う……流石にアデリーン嬢が、彼の右上腕を軽く叩いて窘める。
「……ああ、好いよ…食べながらでも大丈夫……そうだよね…確かに…ね……それだけに疑念は募るが……テレンス君……異性への憧れ…で言うならどうだい? 」
「……すみません……20隻の中ではないのですが…グレイス・カーライル艦長ですね……僕から観ると、完璧で完全な先生と言うか……理想のお母さんにも観えます……」
「……よく解るよ、テレンス君……グレイス副社長の三男君だったかな? 大学の2回生でね……我が同盟の熱烈なファンであると言う事で……非公式ながら、外部スポークスマンを頼んでいるんだ……まだ返事は、貰ってないんだけどね……テレンス君…理想のお姉さんで言うならどうだい? 」
「……そうですね……シエナ・ミュラーさん…と言いたい処なんですが……アシュリー・アードランド艦長…ですね……すごく素敵で…実力もあるキャリア・レディ…って感じで……実は僕より7才年上の実姉に……雰囲気が似ているんです……頭の上がらない姉貴です……」
「…(笑)なるほど……何だか微笑ましい…姉弟関係のようだね……」
「……アドルさん……質問しても良いですか? 」
ルカ・アラナ君が食べるのを止めて、真顔で訊いている。
「……何でも好いよ…どうぞ? 」
「……先程に仰られた…募る疑念とは、何ですか? 」
「……ルカ君、君は好い集中力を持っているし…君の耳は重要な言葉を聞き逃しはしない……君はとても大事な素質を持っているね……だから君の素質と、それが開く君の展望と可能性を称えて……質問に答えて、私の考えも伝えよう……私達20人は…ランダムに選ばれたのか? NOだ……明らかに……確実にね……NOだ……ランダムに選んだと強弁するには……私達それぞれのキャラクターに特徴的な個性と……潜在的な能力が顕著に現れ過ぎている……先刻に言った、募る疑念…懸念とも言えるがそれは……何故私達だったのか? そして……何の為だったのか? だね……その答えには、サード・シーズンが始まれば…近付けるだろう……だからサード・シーズンの最終回までは……同盟を1隻でも損なう訳にはいかないんだ……その覚悟で…やるつもりではいるよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……処で…全く話は変わりますけれども……学生時代に考えておられた、将来の夢? は…何でしたでしょうか? 」
「……随分急に話が変わるんだね……まあ、好いんだけれども……これはあまり人に言った事は無かったんだけど……船長になりたかったんだよ……まあ今は…バーチャル・ワールドとは言え、艦長をやっているけどね……だから、ハイスクールを卒業して……海運大学校も受験したんだよ……でも物凄く難しくてね……ダメだった……あの難しさじゃあ、2回浪人しても駄目だっただろうなと思ったから……合格していた大学に入って……今に至る…と言う訳だね……」
「……へえ…初めて聞いたよ、パパ……ママは聞いてた? 」
「……ううん…ママも知らなかった……初耳だわね……」
「(笑)…だってさ…失敗した受験の話なんて、恥ずかしくてできないだろ? 」
「……アドルさん……夢のある受験のお話を、ありがとうございました……僕も海運大学校について、調べてみます……」
「…ああ、ルカ君…調べてみたら好いよ……世界を廻る大型船舶の乗務員と言う職業の……素晴らしさとか、ロマンを少しでも感じて知ってくれれば…僕はそれだけでも好いよ……」
「……アドルさん……『ディファイアント』での模擬戦闘チャレンジ・ミッションや…親睦パーティーでの見所をご紹介頂けませんか? 」
マノン・ドアがオレンジ・ジュースのグラスを置き、ペーパーナプキンで口を拭ってから無邪気な表情で訊いてきたが、これは難しい。
「……う~ん……この質問は難しいね……番組が配信の中で、それらをどのように紹介するのかも判らないから……僕としては…先入観無しに、ありのままを先ず観て貰って…その人なりの感性で、捉えて考えて貰えれば好いと思うよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……」
その後……質疑応答的な遣り取りは然程になく…雑談も交えながら、夕食を進めていく。
「……テレンス君……アデリーン嬢……照れ隠しはしないで好いからさ……2人は付き合ってるの? 」
「…え?! ええ…はい……好い形で…お付き合い、させて頂いていると思います……」
「……うん…好い返事だ……若い頃の交際は、オープンで……率直に…が好いよ……それがより良い人格形成に繋がる……処で…リビングのモニターの方が大きいから……一緒に視聴しようか? 」
「……宜しければ…お願いします……」
食べるのを止めて、アデリーン嬢が応える。
「……好いよ…改めてお茶を淹れよう……」
やがて、この大家族? での夕食会も終わりに近付き……予めタッパーとパッケージで別に分けられた料理を除けば……若く健康な若者達の尽きぬ食欲によって……結構多目に調理して盛り付けたと感じていた料理も……残されずに、食べ尽くされようとしている……若者達の食欲に感心しながら立ち上がり……フリーザーで保冷していたパフェを出して、彼等の前に配した。
「……アイスクリームがもう少なかったんでね……チョコレート・フルーツ・クリームパフェにしてみたよ……」
「……凄く綺麗で美味しそうです……写真に撮ります……」
と、クララ・サンサ。
「……どうぞ……冷たい内に食べてね……」
「……これも…アドルさんが? 」
と、ミレーナ・カッシーニ。
「……うん……スイーツも結構作るんだけどね……これはまあ……在り合わせで作っただけなんだけど……」
「……あの……すっごく美味しいですね……とても……賄いで作ったとは思えません……」
と、マノン・ドア。
「……レシピを教えて頂けませんか? 」
と、アデリーン・ジーマ。
「……レシピって言ったってね……パフェ・グラスに先ずアイスクリームを落としてから、バナナとリンゴとピーチとオレンジを添え入れて……アイスクリームを丸く乗せてから……融かしたチョコレートを流し込んで、今まで冷やして置いただけだよ……」
「……すごい……僕も作ってみます……」
と、ルカ・アラナ。
「……そう? パフェ・グラスは大きめの物にした方が好いね……余裕を以って作れるからさ……」
「……ありがとうございます……トライしてみます……」
と、ロヒス・ムケーシュ。
「……まあ、やってみて? 形は気にしないで、のびのびと作ってみれば好いよ……」
「……分かりました……ありがとうございます……」
と、テレンス・カシオ。
「……すごく美味しいです……私も作ってみます……」
と、ミレーナ・カッシーニ。
「……パパはね……料理でも飲み物でもスイーツでも、何でも作れるし……何を作ったって美味しいんだけど……材料とかレシピとか……手順とか段取りが、全部細かく判ってたって……パパにしか美味しく作れないんだよね……私やママが作っても……同じ味にならないんだよ……それだけがすごく悔しい……」
「……アリシア……アタシはアンタがすごく羨ましいよ……妬ましくもある……」
アデリーンがアリシアを観ながら言う。
「……ああ……タッパーとパッケージは取り敢えず冷蔵庫に入れて置くね? 後1時間と少しで…配信が始まるぐらいの頃合いになるから……食べ終わったら…歯を磨いて、顔を洗ってリビングにおいで? 今そう言ったけど、急がなくて好いよ……番組の配信が終わるぐらいの頃合いで…タクシーがウチの前に来る感じで手配を掛けて置くからね? 」
「……アドルさん……配信が終わった時間でも……まだパブリック・ラインは……トレインも含めて動いていますから……そこまで甘えられません……ステーションまで送って頂ければ……」
ルカ・アラナ君が上級生らしく、そう声を上げたが。
「……いや…ウチの車1台だけで、君達全員は乗せられない……荷物もあるしね……それに、せっかく来てくれたんだから……それぐらいはさせてくれ……同盟はこれから厳しいコメントを受け取る事も多くなるだろうから……その時にこそ…君達からのフォロー・コメントに期待したいんだよ……だから、遠慮なしで頼むよ……」
「……分かりました……宜しくお願いします……」
「……こちらこそ……お土産には、ケーキも包むからね……ご両親にも宜しく……」
それから15分程で食べ終わったので、アリシアと友達に片付けと皿洗い・拭き上げ・収納を任せた。
終わったのが配信開始の20分程前だったので、全員を歯磨きと洗顔に促すとその間に、ミルクティー・ストレートティー・レモンティー・ロシアンティー・ホットミルクココア・コーヒーを点てて、淹れて仕上げ…保温モードに入らせた。
戻って来た彼等に、お茶が保温モードに入っていると伝え…好みのものを受け取って貰って…リビングへと促す……好きな場所に座って貰ってから、システムセット・接続を確認して、起動させた。
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5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
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【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
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