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地上界にて…
3月5日(木)
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マレットに揺すられて目覚める。
「……おはようございます……ご気分は? 」
「……もう朝か……何時だい? 」
「……もうすぐ7:00ですけど……まだ眠りますか? 」
「……いや……もう起きるよ……マレット……眠る前に、君と何か話したよな…? 」
「…え……ああ、私とエドナの3時間デートは…これで好いですよって言いました❤️……」
いきなり右側から私の頭を抱いて、唇にチュウッと吸い付いてからエドナが言う。
「……私には、こう仰いました……これで俺の事を吹っ切ってくれるかい? って……」
「……それで…? 」
「……まだまだです(笑)って言いました(笑)……」
「……おい……それじゃ、バレたらスコットに殴られるじゃないか……」
「……大丈夫です……私がまだアドルさんの事を、物凄く愛しているって事は……最初に言いましたから……」
「……それじゃ、スコットは君を抱かないだろう? 」
「……最初は渋ってましたけど……私が淫らに迫ったら、直ぐに落ちました……」
「……やれやれ……君達には勝てないな……シャワーを浴びるよ……ケトルでお湯を沸かして置いてくれ……一緒に浴びるか? 」
「……ありがとうございます……もう浴びました……」
「……君達が、朝に強いトップ女優だって、また思い出したよ……」
そう言い置いて寝室から出ると、そのままバスルームに入る。
15分でバスルームから出て、バスローブのままリビングのソファーに座る……エドナが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、マレットに髪のケアとセットをして貰う。
「……エドナ……フィオナと一緒にエイミーさんとアシュリーさんのお世話を頼む……朝食はどこで摂る? 」
「……ルームサービスも頼めますが、2階のラウンジにモーニング・ビュッフェが設えられています……」
「……そう……じゃあ、全員でそこに集合だ…そう伝えてくれ……マレット…会社へはタクシーで行くから、8:30に来るように頼む……」
「……分かりました……さあ…出来ました……これで今日も格好好いですよ……」
「……ありがとう、マレット…灰皿を取ってくれ……」
「……はい、どうぞ…じゃ、私も行きますね? 」
「……ああ、宜しく頼む……一服喫い終わったら、ラウンジに降りるよ……」
「…じゃあ、その時に……」
2人の頬にキスをして送り出す……コーヒーを飲みながら、煙草を燻らせる……エドナも中々上手くコーヒーを淹れるものだな……飲み終わり、喫い終わると軽く顔を洗って歯を磨いてから部屋を出て、2階まで降りる。
ラウンジでは、既に10数人が朝食の席に着いている……早いな……だが、気付かれるような様子はない……何気ない素振りでプレートを取り、ビーフシチューとサラダと卵のターンオーバー……ブレッドふたつとグラスミルクを乗せて、広い丸テーブルに着いた……思い付いてミニパフェを取りに行って座り直した時、皆が入って来た……小ざっぱりした普段の外着姿だが、美しいものだと思う…それぞれプレートを取り、ビュッフェカウンターで料理とデザートと飲み物を選んで同じテーブルに着いた。
「……おはようございます。アドル主宰……」
ほぼ同時に同じ言葉で、朝の挨拶をエイミー・カールソンさんとアシュリー・アードランドさんから受けた……結構好いハーモニーだったから、感心した。
「……おはようございます……お二方とも、よく眠れましたか? 」
「……もうぐっすりと眠れました……本当にレベルの高い、良質な睡眠でした……流石に最高級ホテルのスペシャル・スイートですね……職場の同僚への好い土産話になります……」
アシュリー・アードランド女史は、朝から少し興奮気味だ。
「……私も本当にぐっすりと眠れました……ベッドも枕もお布団も最高級の物ですね……1人で使うのが、申し訳ないと思う程でした……泊めさせて頂いて、ありがとうございました……」
「……その計らいはウチの常務によるものなので……常務には伝えておきますね……喜ぶと思いますよ……」
「……ありがとうございます……ハーマン・パーカー常務さんって、好い方ですね……」
「……そうですね。正に好漢ですよね……最年少で役員と言うのも解ります……」
食べながら、会話を交わしていく……マレット、エドナ、フィオナも食べながら聞いている。
「…しかし、ビュッフェ・スタイルの朝食と言えども旨いですね……特にこのビーフ・シチューは、これ程の物を朝に食べても好いものかと思う程です……」
「……本当にそうですわね……」
見ると、マレットもビーフ・シチューを取っている。
「……今日は10:00から、同盟に参画を希望される2艦の艦長、副長の方々と面談する予定なのですが…同席されますか? 」
「…はい…同席させて頂きたいと思います……」
と、エイミー・カールソンさん。
「…私も同席させて頂きたいです……」
と、アシュリー・アードランドさん。
「…今日のご予定としては、大丈夫ですか? 」
「……大丈夫です……」
「……問題ありません……」
「…副長の方は、いらっしゃいますか? 」
「…はい、参加すると言っていました……」
「……私の方も、同様です……」
「…分かりました…一応、同盟参画全艦の司令部には連絡を入れていますが、確認は取っておりませんのでどなたが観えられるのか迄は判りません……ですが、10:00になったら始めます……」
「…分かりました……明日も面談されますよね? 」
と、エイミーさん。
「…はい…明日は3艦、6名の方と面談します……」
「……明日も参加させて頂いて宜しいですか? 」
と、アシュリーさん。
「…勿論、結構ですし歓迎させて頂きますが…お仕事の方は大丈夫なんですか? 」
「…大丈夫です。ゲーム大会の関連なら、いつ休んでも良いと言われていますので……」
そうアシュリーさんが応えて、エイミーさんも頷く。
「…分かりました…同盟に参画して頂いている方々には、個人で営業されている方もいらっしゃいますからね……先ずは有休を使える我々から動かないといけませんな……これから色々と話し合って、個人営業の皆さんも休めるように…同盟の中で体制を構築する事も考えましょう……スタッフ・クルーの全員なら、我々には2000名程の仲間がいます……無理のないローテーションを組めるでしょう……」
「……アドルさん……貴方は本当に素晴らしい……いつも貴方の傍に居られる『ディファイアント』の皆さんが、本当に羨ましいです……そこまでの事を直ぐに思い付いて話せる上司は……なかなか居ませんから……」
「…ありがとうございます……これは冗談なんですけれども(笑)もし私がクビになったら、『フィニアス・ファーヴ』で雇って頂けますかね(笑)? 」
「…(笑)私も冗談でお応えしますけれども(笑)もしもアドルさんがウチに入社しましたなら…直ぐに営業部長……そして1年も経たずに取締役員です……」
「…そいつはスゴイ(笑)アドル・エルクって奴は、随分すごい男なんですね(笑)…」
その後は朝食の料理の事……泊まった部屋の装備品や調度品についての事などを話しながら朝食を食べ進めて、やがて食べ終えた。
「……ああ、美味しかったです。ご馳走様でした……」
と、コーヒーを飲み干してナプキンで口を拭う。
「……さて……それじゃあ私はお先に失礼させて頂いて、出社します……皆さんとは10:00に本社9階のスカイ・ラウンジでお会いしましょう……マレット…多分シエナ達が近くで宿泊していると思うから、連絡を執って10:00前に来社するよう伝えてくれ……それと、タクシーはもう来ているのかな? 」
「…あ、いえ……タクシーをお願いしようとしたら、本社からのお車がもう来ていて、待機中でしたので……シエナには通話で連絡します……」
「……ああ、そうか……ありがとう、マレット……リサさんに頼んでいたんだった……ちょっとうっかりしていたよ……リサさんを通じて、今日の面談に参加してくれる皆さんの出迎えは秘書課と総務に頼んでおくから、受け付けで面談に参加する為来社したと伝えてくれ……副長にもそのようにね? 」
「……分かりました。ありがとうございます……」
「……感謝するのは、こちらこそだよ……」
そう言って手を拭いてから立ち上がると全員と握手を交わしてからマレットが持って来てくれたコートを着込み、バッグと紙袋を手にして退室する……1階に降りて正面玄関からエントランスに出ると、馴染みの社用車が30秒で横付けしてくれた。
「……おはようございます……ありがとうございます……朝早くからご苦労様ですね……宜しくお願いします……」
「……おはようございます……どう致しまして……3時間の早出待機もよくありますから、このくらいは何でもありません……アドルさんのお陰で私の時給も上がっていますから…ありがとうございます……アドルさんの活躍には、私も期待しています……」
「……ご丁寧にありがとうございます……こちらこそ今後とも、宜しくお願いします……」
そう言ってP I Dカードのコピーを手渡すと、彼も同じようにカードのコピーを手渡してくれて、本社に向けてスタートさせた。
本社1階のラウンジに入ったのが8:15……早かったな……ゆっくりできるか……カウンターで紅茶を注いで喫煙エリアに入って行くと、既にいつものメンバーが私の席を空けて待ってくれている……有り難く着席した。
「…あっ、先輩! おはようございます! 昨夜は接待でお疲れ様でした! 先輩の車が残っていたんで、あのホテルに泊まったんですか? 」
「……ああ…結構疲れがキテたんでね……常務に頼んで部屋を取って貰ったんだよ……」
「…へえ…あの『グラードサルマン』に泊まれるなんてスゴイすね……入社式でしか、入った事ないですよ……」
「……俺だって、入社式と新入社員研修でしか入った事はないよ……」
「……それで、どうでした? 中の様子とか、サービスとかは? 」
「……流石に老舗国際ホテルだな……豪華だけど華美じゃない……目立たないけどグレードは高い……地味に観えてもヴィンテージは凄い……勿論、料理も接客も装備品まで最高級だったよ……家族で泊まりに来たいと思ったね……」
「……おはようございます、アドルさん……今日の業務は10:00迄ですね? 」
「……ああ、おはよう、リサさん…ありがとう……今日の面談に参加して頂ける方が、何人で誰が来てくれるのかについては把握できていないんだ……だから秘書課と総務課にお願いして、お客様が受付に観えられたら直ぐに応対してスカイ・ラウンジまでお連れ出来るように体制を執って貰いたいんだけど、頼めるかな? 」
「……はい…その体制が必要になるだろうと思いまして既に昨日、秘書課・総務課・庶務課・警備課にお願いして、お客様のお車の誘導…受付でのお出迎えとスカイ・ラウンジへの誘導の体制を執って頂きました……ラウンジの厨房へもお願いしておりますので、昼食の手配も大丈夫です……これで好いと思いますが、如何でしょうか? 」
「……いや…完璧です……本当にどうもありがとう……流石はリサさんだね……僕には過ぎたサポーターだよ……」
「……良かった……そのお言葉で安心しました……こちらこそです……」
そう言いながら、満面の笑顔でハーブティーに口を付ける。
「……おはようございます。アドル係長……昨日はお疲れ様でした。じゃあ今日は10:00で離席して、終わったらそのまま退社されるんですか? 」
マーリー・マトリンがロシアンティーのカップを置いて訊く。少し残念そうだ。
「……うん…悪いけどそうさせて貰うよ…面談が何時まで掛かるか読めないし、艦内に持ち込む私物の受付が木曜日なんでね……申し訳ないけど、あとは宜しく頼むよ……ろくに仕事も出来ないでごめんな……」
そう言って、一服蒸してから紅茶に口を付ける。
「……おはようございます、アドル係長。昨夜の接待はお疲れ様でした……フロアでの業務については心配無用です……ほぼ完璧に近く、体制は整えられていますので係長は艦長として……主宰としての業務に注力をお願いします……それが挽いては、我が社全体での利益と繁栄に直結します……大袈裟でも何でもなくね……」
少し甘くしたホット・ウーロン茶をそう言って二口飲む、アンヴローズ・ターリントン女史である。
「……おはようございます。アドル係長……昨夜はお疲れ様でした。なかなかフロアで係長をお見掛け出来ないのは寂しいですけれども……係長を心配させないように頑張りますから、主宰としてのお仕事を頑張って下さい……私達は大丈夫ですから……」
そう言ってズライ・エナオもホット・ミルクココアを二口飲む。
「……皆、本当に有り難う……それしか言えない自分が不甲斐ないと言うか、悔しいね……君達も本当に過ぎた仲間だよ……君達がいなかったら、俺はここまで来れなかったし、出来なかった……とっくに潰れているよ……」
煙草を喫って紅茶を飲みながら、熱いものの込み上がりを感じている……この仲間達の為にも、俺は全力を尽くさなければならない……感謝と感慨を感動的に感じている中で、予鈴のチャイムが響いた。
私の肩にリサが手を置いた9:55まで、スピードモードの70%でデスクワークをこなした……進捗状況を観れば申し訳ない思いだったが、ここで切り上げるしかない……彼女の手を取って立ち上がり、首と肩を回す……リフトの中ではリサとキスしたい衝動に駆られたが、カメラがあるから堪える……9階で降りてスカイ・ラウンジに入ると、テーブルを丸く連ねて即席の大円卓が設えられ、既に大人数が着座している……一見で何人居るのか判らなかった……その事に先ず驚いた。
シエナ・ミュラーとハル・ハートリーの間で2席が空いていたのでシエナの右隣に座り、リサは残る1席に座った。
やや遠いが対面の方位に初対面の4人が座っている……立ち上がって軽く両手を拡げた。
「……皆さん、こんにちは。初めまして。弊社にようこそおいで頂きました。お待たせしてしまいまして申し訳ありませんでしたが、心から歓迎させて頂きます……私がアドル・エルクです……どうぞ、宜しくお願いします。皆さんのお名前を教えて頂く前に、先ず『ディファイアント』のスタッフと関係者から紹介します……先ず私の右隣の方ですが、弊社役員会が選抜して私の専任秘書官として就いて貰いました、リサ・ミルズ女史です。次に私の左隣……『ディファイアント』のシエナ・ミュラー副長……リサ・ミルズさんの右隣が、同じくハル・ハートリー参謀……副長の左隣から続きますので、順番に紹介します。同じくカウンセラーのハンナ・ウェアー……同じくリーア・ミスタンテ機関部長……同じくエドナ・ラティス砲術長……同じくマレット・フェントン補給支援部長……同じく保安部長のフィオナ・コアー……続いて同じく最後に、メインパイロットのエマ・ラトナー……以上がこちらの関係者です……続いては【『ディファイアント』共闘同盟】から、本日参加して頂きました同盟参画諸艦からの方々です……申し訳ありませんが、ここからは自己紹介にてお願い致します……」
そこまで言い終えると座り、既に置かれていた冷水のグラスを取って二口飲む……そのグラスをテーブルに置くのと同時に、制服で来社したハイラム・サングスターが立ち上がる。
(……あれが中佐の制服か……しかし…威圧的に映らなきゃ好いけどなあ……)
「……初めまして…ハイラム・サングスターです……ご存知かとも思いますが、役職はこの制服にてご認識下さい……【『ディファイアント』共闘同盟】に参画する『サライニクス・テスタロッツァ』の艦長です……宜しくお願いします……」
「……同じく『サライニクス・テスタロッツァ』にて副長を務めます……女優のローズ・クラークです……宜しくお願いします……」
シックなカーマイン・レッドのロング・ワンピースだ……髪も降ろして軽くまとめている……『大人の女性』を強く印象付けるスタイルだな。
「……皆さん、こんにちは……初めまして……宜しくお願い致します……グレイス・カーライルと申します……弊社にようこそおいで頂きました……歓迎させて頂きます……副社長の職責にあります……法人営利団体企業としての資格に於いて弊社はこのゲーム大会に参加を申し込みまして、その象徴として設定された『ロイヤル・ロード・クライトン』の艦長に就任致しました……改めて、宜しくお願い致します……」
ライト・クリームイエローのジャケット……タイト・ミディも同じ色だ……そしてまた、サラサラのスーパー・ストレートヘアー……ハイラムさんが居るからかな?
「……初めまして……同じく『ロイヤル・ロード・クライトン』の副長として就任致しました……カーネル・ワイズ・フリードマンです……グレイス艦長と同じ、副社長の職責にあります……歓迎させて頂きます……どうぞ、宜しくお願い致します……」
「……こんにちは、初めまして……同じく『ロイヤル・ロード・クライトン』にて、参謀の任に就いております。ベアトリス・アードランドです……常務の職責にあります……弊社にようこそおいで頂きました。歓迎させて頂きます……どうぞ、宜しくお願い致します……」
こちらは黒のロング・ワンピース……黒だからこそ、スタイルの良さが際立つ。
「……こんにちは、初めまして……【『ディファイアント』共闘同盟】に参画しております『サンダー・ハルヴァード』の艦長を務めます、エイミー・カールソンです……どうぞ、宜しくお願いします……国立大の教授職にあります……」
ライトブルーのカジュアル・スウェット・ロングワンピースだ……若く観せる装いだな。
「……こんにちは、初めまして……同じく『サンダー・ハルヴァード』にて、副長に就任しています…マチアス・グラナックです……俳優をやっています……宜しくお願いします……」
「……こんにちは、初めまして……アシュリー・アードランドと申します……共闘同盟に参画している『カレドン・カサンドラ』の艦長です……どうぞ宜しくお願いします……通常は、広告・宣伝代理店『フィニアス・ファーヴ』にて広告営業プレゼンスの主任として勤務しております……皆さんをお迎え出来て嬉しいです……改めて、宜しくお願い致します……」
こちらは、ブルーグリーンのロング・マキシワンピースだ……襟のデザインが秀逸だな。
「……初めまして、同じく『カレドン・カサンドラ』にて副長に選任されました…コンラート・アキンです……舞台俳優をやっています……どうぞ宜しくお願いします……」
「……初めまして。同じく同盟に参画する『アグニ・ヤマ』の指揮を執ります、ガンナー・ヴァン・ハンプトンです……宜しくお願いします……通常は自治体役所の職員です……」
「……こんにちは、初めまして。同じく『アグニ・ヤマ』の副長として、ハンプトン艦長を支えつつスタッフ・クルーを統率します。カーラ・ブオノ・マルティーヌです……宜しくお願いします……女優をやっています……」
彼女もシックなモスグリーンのスウェット・タイト・ロングワンピースだ……何も飾り付けていない処が、却って強いセクシーアピールになっている。
「……『トルード・レオン』の艦長を務めます、ヤンセン・パネッティーヤです……初めまして……宜しくお願いします……アドル・エルク主宰の右腕を自認しております(笑)我が同盟に参画を希望された皆さんは、とてもラッキーです……共にこのゲーム大会の中で長く存続して、楽しみましょう……」
「……初めまして…同じく『トルード・レオン』の副長として、パネッティーヤ艦長を支えつつ、スタッフ・クルーを統率します。シャロン・ヒューズです……私も同じく女優です……宜しくお願いします……」
彼女もシックな黒のロング・マキシ・ワンピースだ……伸ばせば完全に手が隠れる長袖を、少し託し上げている。
次に立ち上がった彼を観て何の反応も示さない女性は、なかなかいないだろう。
「……こんにちは。初めまして。宜しくお願いします…『フェイトン・アリシューザ』の艦長を務めます…ザンダー・パスクァールです…同盟に参画を希望して下さった皆さんを歓迎します……私も通常は、国立大の教授です……」
「……初めまして……『フェイトン・アリシューザ』の副長として、パスクァール艦長を支えます。アレクシア・ランドールです……私も同じく、女優です……」
チャコールグレイのノースリーブ・ジャンパー・ワンピースだが……ホワイトグレーのブラウスの袖がゆったりとしていて暖かそうだ……成熟した女性の雰囲気を醸し出している。
「……こんにちは。初めまして……ネヘマイヤ・パーソフと言います……『バトゥ・ウルス』の責任者です……普段は、農園を経営しております……私も…アドル・エルク主宰に惚れ込んだ1人です……一緒に長く存続して、楽しんでいければ、と思っています……宜しくお願いします……」
「……初めまして。宜しくお願いします……同じく『バトゥ・ウルス』の副長として同盟に参画し、ネヘマイヤ艦長を支えます……メアリー・ケイト・シェルハートです……私も女優です……」
モカ・ブラウンの、とても暖かそうなロングワンピースだ……不思議と彼女の笑顔がよく映える。
「……こんにちは。初めまして。私は口下手なもので、言葉に詰まるようでしたらすみません……アジェイ・ナイデュと言います……『ダルモア・エレクトス』の艦長として…同盟に参画させて頂いています……私はアドル・エルクさんの、エンジニアとしての側面に感心しております……是非一緒に、長く楽しみたいと思います……え…ある企業で、マシン・システムエンジニアとして働いています……宜しくお願いします……」
「……はい、こんにちは。同じく『ダルモア・エレクトス』にて副長として選抜され、就任致しました。トリッシュ・ヴァンサンティンです……どうぞ、宜しくお願いします……私自身も同じく、女優です……」
ライトブラウンのティアードジレ・ロングワンピースが好く似合っている……彼女の気品が増幅されている。
「……皆さん、こんにちは。アリミ・バールマンと申します。家族で貿易商を営んでおります……初めまして。宜しくお願いします……このゲーム大会の中では【『ディファイアント』共闘同盟】に『ラバブ・ドゥーチェン』の艦長として参画させて頂いて、アドル主宰の『ディファイアント』を支え、共に在り続けて最後まで存在を存続させ続ける所存です……是非、共に戦いましょう……」
「……こんにちは…初めまして……同じく『ラバブ・ドゥーチェン』の副長として、バールマン艦長を支えます。ラクウェル・アンスパッチです……私も同じく女優です……宜しくお願いします……」
彼女が着ているのは、ライト・モスレッドのツイスト・ニット・ロングワンピースだ……胸の部分が三角形に開いている……シックでエレガントなセクシーアピールだ。
「……こんにちは。初めまして……アーロン・フォスターと言います……ある私立高校の歴史教師として、クラスの担任でもあります……『アレクサンドラ・フランクランド』を預かって、共闘同盟に参画しております……どうぞ宜しくお願いします……共に楽しみましょう……」
「……初めまして、こんにちは……アルレーン・ラングトリーです……女優です……『アレクサンドラ・フランクランド』の副長として、フォスター艦長を支えております……宜しくお願い致します……」
千鳥格子柄のタイト・ニット・ロングワンピースが、彼女の体型にも髪形にも笑顔にも好く似合う……充分に魅力的だ。
これで、参画希望者を迎えるこちら側の紹介は終わった……立ち上がって4人を直視する。
「……大変、お待たせ致しました……以上で皆さんをお迎えする、こちら側の紹介は終わりました……おひとりずつ、ゆっくりでも結構ですので、自己紹介をお願い致します……」
「……おはようございます……ご気分は? 」
「……もう朝か……何時だい? 」
「……もうすぐ7:00ですけど……まだ眠りますか? 」
「……いや……もう起きるよ……マレット……眠る前に、君と何か話したよな…? 」
「…え……ああ、私とエドナの3時間デートは…これで好いですよって言いました❤️……」
いきなり右側から私の頭を抱いて、唇にチュウッと吸い付いてからエドナが言う。
「……私には、こう仰いました……これで俺の事を吹っ切ってくれるかい? って……」
「……それで…? 」
「……まだまだです(笑)って言いました(笑)……」
「……おい……それじゃ、バレたらスコットに殴られるじゃないか……」
「……大丈夫です……私がまだアドルさんの事を、物凄く愛しているって事は……最初に言いましたから……」
「……それじゃ、スコットは君を抱かないだろう? 」
「……最初は渋ってましたけど……私が淫らに迫ったら、直ぐに落ちました……」
「……やれやれ……君達には勝てないな……シャワーを浴びるよ……ケトルでお湯を沸かして置いてくれ……一緒に浴びるか? 」
「……ありがとうございます……もう浴びました……」
「……君達が、朝に強いトップ女優だって、また思い出したよ……」
そう言い置いて寝室から出ると、そのままバスルームに入る。
15分でバスルームから出て、バスローブのままリビングのソファーに座る……エドナが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、マレットに髪のケアとセットをして貰う。
「……エドナ……フィオナと一緒にエイミーさんとアシュリーさんのお世話を頼む……朝食はどこで摂る? 」
「……ルームサービスも頼めますが、2階のラウンジにモーニング・ビュッフェが設えられています……」
「……そう……じゃあ、全員でそこに集合だ…そう伝えてくれ……マレット…会社へはタクシーで行くから、8:30に来るように頼む……」
「……分かりました……さあ…出来ました……これで今日も格好好いですよ……」
「……ありがとう、マレット…灰皿を取ってくれ……」
「……はい、どうぞ…じゃ、私も行きますね? 」
「……ああ、宜しく頼む……一服喫い終わったら、ラウンジに降りるよ……」
「…じゃあ、その時に……」
2人の頬にキスをして送り出す……コーヒーを飲みながら、煙草を燻らせる……エドナも中々上手くコーヒーを淹れるものだな……飲み終わり、喫い終わると軽く顔を洗って歯を磨いてから部屋を出て、2階まで降りる。
ラウンジでは、既に10数人が朝食の席に着いている……早いな……だが、気付かれるような様子はない……何気ない素振りでプレートを取り、ビーフシチューとサラダと卵のターンオーバー……ブレッドふたつとグラスミルクを乗せて、広い丸テーブルに着いた……思い付いてミニパフェを取りに行って座り直した時、皆が入って来た……小ざっぱりした普段の外着姿だが、美しいものだと思う…それぞれプレートを取り、ビュッフェカウンターで料理とデザートと飲み物を選んで同じテーブルに着いた。
「……おはようございます。アドル主宰……」
ほぼ同時に同じ言葉で、朝の挨拶をエイミー・カールソンさんとアシュリー・アードランドさんから受けた……結構好いハーモニーだったから、感心した。
「……おはようございます……お二方とも、よく眠れましたか? 」
「……もうぐっすりと眠れました……本当にレベルの高い、良質な睡眠でした……流石に最高級ホテルのスペシャル・スイートですね……職場の同僚への好い土産話になります……」
アシュリー・アードランド女史は、朝から少し興奮気味だ。
「……私も本当にぐっすりと眠れました……ベッドも枕もお布団も最高級の物ですね……1人で使うのが、申し訳ないと思う程でした……泊めさせて頂いて、ありがとうございました……」
「……その計らいはウチの常務によるものなので……常務には伝えておきますね……喜ぶと思いますよ……」
「……ありがとうございます……ハーマン・パーカー常務さんって、好い方ですね……」
「……そうですね。正に好漢ですよね……最年少で役員と言うのも解ります……」
食べながら、会話を交わしていく……マレット、エドナ、フィオナも食べながら聞いている。
「…しかし、ビュッフェ・スタイルの朝食と言えども旨いですね……特にこのビーフ・シチューは、これ程の物を朝に食べても好いものかと思う程です……」
「……本当にそうですわね……」
見ると、マレットもビーフ・シチューを取っている。
「……今日は10:00から、同盟に参画を希望される2艦の艦長、副長の方々と面談する予定なのですが…同席されますか? 」
「…はい…同席させて頂きたいと思います……」
と、エイミー・カールソンさん。
「…私も同席させて頂きたいです……」
と、アシュリー・アードランドさん。
「…今日のご予定としては、大丈夫ですか? 」
「……大丈夫です……」
「……問題ありません……」
「…副長の方は、いらっしゃいますか? 」
「…はい、参加すると言っていました……」
「……私の方も、同様です……」
「…分かりました…一応、同盟参画全艦の司令部には連絡を入れていますが、確認は取っておりませんのでどなたが観えられるのか迄は判りません……ですが、10:00になったら始めます……」
「…分かりました……明日も面談されますよね? 」
と、エイミーさん。
「…はい…明日は3艦、6名の方と面談します……」
「……明日も参加させて頂いて宜しいですか? 」
と、アシュリーさん。
「…勿論、結構ですし歓迎させて頂きますが…お仕事の方は大丈夫なんですか? 」
「…大丈夫です。ゲーム大会の関連なら、いつ休んでも良いと言われていますので……」
そうアシュリーさんが応えて、エイミーさんも頷く。
「…分かりました…同盟に参画して頂いている方々には、個人で営業されている方もいらっしゃいますからね……先ずは有休を使える我々から動かないといけませんな……これから色々と話し合って、個人営業の皆さんも休めるように…同盟の中で体制を構築する事も考えましょう……スタッフ・クルーの全員なら、我々には2000名程の仲間がいます……無理のないローテーションを組めるでしょう……」
「……アドルさん……貴方は本当に素晴らしい……いつも貴方の傍に居られる『ディファイアント』の皆さんが、本当に羨ましいです……そこまでの事を直ぐに思い付いて話せる上司は……なかなか居ませんから……」
「…ありがとうございます……これは冗談なんですけれども(笑)もし私がクビになったら、『フィニアス・ファーヴ』で雇って頂けますかね(笑)? 」
「…(笑)私も冗談でお応えしますけれども(笑)もしもアドルさんがウチに入社しましたなら…直ぐに営業部長……そして1年も経たずに取締役員です……」
「…そいつはスゴイ(笑)アドル・エルクって奴は、随分すごい男なんですね(笑)…」
その後は朝食の料理の事……泊まった部屋の装備品や調度品についての事などを話しながら朝食を食べ進めて、やがて食べ終えた。
「……ああ、美味しかったです。ご馳走様でした……」
と、コーヒーを飲み干してナプキンで口を拭う。
「……さて……それじゃあ私はお先に失礼させて頂いて、出社します……皆さんとは10:00に本社9階のスカイ・ラウンジでお会いしましょう……マレット…多分シエナ達が近くで宿泊していると思うから、連絡を執って10:00前に来社するよう伝えてくれ……それと、タクシーはもう来ているのかな? 」
「…あ、いえ……タクシーをお願いしようとしたら、本社からのお車がもう来ていて、待機中でしたので……シエナには通話で連絡します……」
「……ああ、そうか……ありがとう、マレット……リサさんに頼んでいたんだった……ちょっとうっかりしていたよ……リサさんを通じて、今日の面談に参加してくれる皆さんの出迎えは秘書課と総務に頼んでおくから、受け付けで面談に参加する為来社したと伝えてくれ……副長にもそのようにね? 」
「……分かりました。ありがとうございます……」
「……感謝するのは、こちらこそだよ……」
そう言って手を拭いてから立ち上がると全員と握手を交わしてからマレットが持って来てくれたコートを着込み、バッグと紙袋を手にして退室する……1階に降りて正面玄関からエントランスに出ると、馴染みの社用車が30秒で横付けしてくれた。
「……おはようございます……ありがとうございます……朝早くからご苦労様ですね……宜しくお願いします……」
「……おはようございます……どう致しまして……3時間の早出待機もよくありますから、このくらいは何でもありません……アドルさんのお陰で私の時給も上がっていますから…ありがとうございます……アドルさんの活躍には、私も期待しています……」
「……ご丁寧にありがとうございます……こちらこそ今後とも、宜しくお願いします……」
そう言ってP I Dカードのコピーを手渡すと、彼も同じようにカードのコピーを手渡してくれて、本社に向けてスタートさせた。
本社1階のラウンジに入ったのが8:15……早かったな……ゆっくりできるか……カウンターで紅茶を注いで喫煙エリアに入って行くと、既にいつものメンバーが私の席を空けて待ってくれている……有り難く着席した。
「…あっ、先輩! おはようございます! 昨夜は接待でお疲れ様でした! 先輩の車が残っていたんで、あのホテルに泊まったんですか? 」
「……ああ…結構疲れがキテたんでね……常務に頼んで部屋を取って貰ったんだよ……」
「…へえ…あの『グラードサルマン』に泊まれるなんてスゴイすね……入社式でしか、入った事ないですよ……」
「……俺だって、入社式と新入社員研修でしか入った事はないよ……」
「……それで、どうでした? 中の様子とか、サービスとかは? 」
「……流石に老舗国際ホテルだな……豪華だけど華美じゃない……目立たないけどグレードは高い……地味に観えてもヴィンテージは凄い……勿論、料理も接客も装備品まで最高級だったよ……家族で泊まりに来たいと思ったね……」
「……おはようございます、アドルさん……今日の業務は10:00迄ですね? 」
「……ああ、おはよう、リサさん…ありがとう……今日の面談に参加して頂ける方が、何人で誰が来てくれるのかについては把握できていないんだ……だから秘書課と総務課にお願いして、お客様が受付に観えられたら直ぐに応対してスカイ・ラウンジまでお連れ出来るように体制を執って貰いたいんだけど、頼めるかな? 」
「……はい…その体制が必要になるだろうと思いまして既に昨日、秘書課・総務課・庶務課・警備課にお願いして、お客様のお車の誘導…受付でのお出迎えとスカイ・ラウンジへの誘導の体制を執って頂きました……ラウンジの厨房へもお願いしておりますので、昼食の手配も大丈夫です……これで好いと思いますが、如何でしょうか? 」
「……いや…完璧です……本当にどうもありがとう……流石はリサさんだね……僕には過ぎたサポーターだよ……」
「……良かった……そのお言葉で安心しました……こちらこそです……」
そう言いながら、満面の笑顔でハーブティーに口を付ける。
「……おはようございます。アドル係長……昨日はお疲れ様でした。じゃあ今日は10:00で離席して、終わったらそのまま退社されるんですか? 」
マーリー・マトリンがロシアンティーのカップを置いて訊く。少し残念そうだ。
「……うん…悪いけどそうさせて貰うよ…面談が何時まで掛かるか読めないし、艦内に持ち込む私物の受付が木曜日なんでね……申し訳ないけど、あとは宜しく頼むよ……ろくに仕事も出来ないでごめんな……」
そう言って、一服蒸してから紅茶に口を付ける。
「……おはようございます、アドル係長。昨夜の接待はお疲れ様でした……フロアでの業務については心配無用です……ほぼ完璧に近く、体制は整えられていますので係長は艦長として……主宰としての業務に注力をお願いします……それが挽いては、我が社全体での利益と繁栄に直結します……大袈裟でも何でもなくね……」
少し甘くしたホット・ウーロン茶をそう言って二口飲む、アンヴローズ・ターリントン女史である。
「……おはようございます。アドル係長……昨夜はお疲れ様でした。なかなかフロアで係長をお見掛け出来ないのは寂しいですけれども……係長を心配させないように頑張りますから、主宰としてのお仕事を頑張って下さい……私達は大丈夫ですから……」
そう言ってズライ・エナオもホット・ミルクココアを二口飲む。
「……皆、本当に有り難う……それしか言えない自分が不甲斐ないと言うか、悔しいね……君達も本当に過ぎた仲間だよ……君達がいなかったら、俺はここまで来れなかったし、出来なかった……とっくに潰れているよ……」
煙草を喫って紅茶を飲みながら、熱いものの込み上がりを感じている……この仲間達の為にも、俺は全力を尽くさなければならない……感謝と感慨を感動的に感じている中で、予鈴のチャイムが響いた。
私の肩にリサが手を置いた9:55まで、スピードモードの70%でデスクワークをこなした……進捗状況を観れば申し訳ない思いだったが、ここで切り上げるしかない……彼女の手を取って立ち上がり、首と肩を回す……リフトの中ではリサとキスしたい衝動に駆られたが、カメラがあるから堪える……9階で降りてスカイ・ラウンジに入ると、テーブルを丸く連ねて即席の大円卓が設えられ、既に大人数が着座している……一見で何人居るのか判らなかった……その事に先ず驚いた。
シエナ・ミュラーとハル・ハートリーの間で2席が空いていたのでシエナの右隣に座り、リサは残る1席に座った。
やや遠いが対面の方位に初対面の4人が座っている……立ち上がって軽く両手を拡げた。
「……皆さん、こんにちは。初めまして。弊社にようこそおいで頂きました。お待たせしてしまいまして申し訳ありませんでしたが、心から歓迎させて頂きます……私がアドル・エルクです……どうぞ、宜しくお願いします。皆さんのお名前を教えて頂く前に、先ず『ディファイアント』のスタッフと関係者から紹介します……先ず私の右隣の方ですが、弊社役員会が選抜して私の専任秘書官として就いて貰いました、リサ・ミルズ女史です。次に私の左隣……『ディファイアント』のシエナ・ミュラー副長……リサ・ミルズさんの右隣が、同じくハル・ハートリー参謀……副長の左隣から続きますので、順番に紹介します。同じくカウンセラーのハンナ・ウェアー……同じくリーア・ミスタンテ機関部長……同じくエドナ・ラティス砲術長……同じくマレット・フェントン補給支援部長……同じく保安部長のフィオナ・コアー……続いて同じく最後に、メインパイロットのエマ・ラトナー……以上がこちらの関係者です……続いては【『ディファイアント』共闘同盟】から、本日参加して頂きました同盟参画諸艦からの方々です……申し訳ありませんが、ここからは自己紹介にてお願い致します……」
そこまで言い終えると座り、既に置かれていた冷水のグラスを取って二口飲む……そのグラスをテーブルに置くのと同時に、制服で来社したハイラム・サングスターが立ち上がる。
(……あれが中佐の制服か……しかし…威圧的に映らなきゃ好いけどなあ……)
「……初めまして…ハイラム・サングスターです……ご存知かとも思いますが、役職はこの制服にてご認識下さい……【『ディファイアント』共闘同盟】に参画する『サライニクス・テスタロッツァ』の艦長です……宜しくお願いします……」
「……同じく『サライニクス・テスタロッツァ』にて副長を務めます……女優のローズ・クラークです……宜しくお願いします……」
シックなカーマイン・レッドのロング・ワンピースだ……髪も降ろして軽くまとめている……『大人の女性』を強く印象付けるスタイルだな。
「……皆さん、こんにちは……初めまして……宜しくお願い致します……グレイス・カーライルと申します……弊社にようこそおいで頂きました……歓迎させて頂きます……副社長の職責にあります……法人営利団体企業としての資格に於いて弊社はこのゲーム大会に参加を申し込みまして、その象徴として設定された『ロイヤル・ロード・クライトン』の艦長に就任致しました……改めて、宜しくお願い致します……」
ライト・クリームイエローのジャケット……タイト・ミディも同じ色だ……そしてまた、サラサラのスーパー・ストレートヘアー……ハイラムさんが居るからかな?
「……初めまして……同じく『ロイヤル・ロード・クライトン』の副長として就任致しました……カーネル・ワイズ・フリードマンです……グレイス艦長と同じ、副社長の職責にあります……歓迎させて頂きます……どうぞ、宜しくお願い致します……」
「……こんにちは、初めまして……同じく『ロイヤル・ロード・クライトン』にて、参謀の任に就いております。ベアトリス・アードランドです……常務の職責にあります……弊社にようこそおいで頂きました。歓迎させて頂きます……どうぞ、宜しくお願い致します……」
こちらは黒のロング・ワンピース……黒だからこそ、スタイルの良さが際立つ。
「……こんにちは、初めまして……【『ディファイアント』共闘同盟】に参画しております『サンダー・ハルヴァード』の艦長を務めます、エイミー・カールソンです……どうぞ、宜しくお願いします……国立大の教授職にあります……」
ライトブルーのカジュアル・スウェット・ロングワンピースだ……若く観せる装いだな。
「……こんにちは、初めまして……同じく『サンダー・ハルヴァード』にて、副長に就任しています…マチアス・グラナックです……俳優をやっています……宜しくお願いします……」
「……こんにちは、初めまして……アシュリー・アードランドと申します……共闘同盟に参画している『カレドン・カサンドラ』の艦長です……どうぞ宜しくお願いします……通常は、広告・宣伝代理店『フィニアス・ファーヴ』にて広告営業プレゼンスの主任として勤務しております……皆さんをお迎え出来て嬉しいです……改めて、宜しくお願い致します……」
こちらは、ブルーグリーンのロング・マキシワンピースだ……襟のデザインが秀逸だな。
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「……初めまして。同じく同盟に参画する『アグニ・ヤマ』の指揮を執ります、ガンナー・ヴァン・ハンプトンです……宜しくお願いします……通常は自治体役所の職員です……」
「……こんにちは、初めまして。同じく『アグニ・ヤマ』の副長として、ハンプトン艦長を支えつつスタッフ・クルーを統率します。カーラ・ブオノ・マルティーヌです……宜しくお願いします……女優をやっています……」
彼女もシックなモスグリーンのスウェット・タイト・ロングワンピースだ……何も飾り付けていない処が、却って強いセクシーアピールになっている。
「……『トルード・レオン』の艦長を務めます、ヤンセン・パネッティーヤです……初めまして……宜しくお願いします……アドル・エルク主宰の右腕を自認しております(笑)我が同盟に参画を希望された皆さんは、とてもラッキーです……共にこのゲーム大会の中で長く存続して、楽しみましょう……」
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「……こんにちは。初めまして。私は口下手なもので、言葉に詰まるようでしたらすみません……アジェイ・ナイデュと言います……『ダルモア・エレクトス』の艦長として…同盟に参画させて頂いています……私はアドル・エルクさんの、エンジニアとしての側面に感心しております……是非一緒に、長く楽しみたいと思います……え…ある企業で、マシン・システムエンジニアとして働いています……宜しくお願いします……」
「……はい、こんにちは。同じく『ダルモア・エレクトス』にて副長として選抜され、就任致しました。トリッシュ・ヴァンサンティンです……どうぞ、宜しくお願いします……私自身も同じく、女優です……」
ライトブラウンのティアードジレ・ロングワンピースが好く似合っている……彼女の気品が増幅されている。
「……皆さん、こんにちは。アリミ・バールマンと申します。家族で貿易商を営んでおります……初めまして。宜しくお願いします……このゲーム大会の中では【『ディファイアント』共闘同盟】に『ラバブ・ドゥーチェン』の艦長として参画させて頂いて、アドル主宰の『ディファイアント』を支え、共に在り続けて最後まで存在を存続させ続ける所存です……是非、共に戦いましょう……」
「……こんにちは…初めまして……同じく『ラバブ・ドゥーチェン』の副長として、バールマン艦長を支えます。ラクウェル・アンスパッチです……私も同じく女優です……宜しくお願いします……」
彼女が着ているのは、ライト・モスレッドのツイスト・ニット・ロングワンピースだ……胸の部分が三角形に開いている……シックでエレガントなセクシーアピールだ。
「……こんにちは。初めまして……アーロン・フォスターと言います……ある私立高校の歴史教師として、クラスの担任でもあります……『アレクサンドラ・フランクランド』を預かって、共闘同盟に参画しております……どうぞ宜しくお願いします……共に楽しみましょう……」
「……初めまして、こんにちは……アルレーン・ラングトリーです……女優です……『アレクサンドラ・フランクランド』の副長として、フォスター艦長を支えております……宜しくお願い致します……」
千鳥格子柄のタイト・ニット・ロングワンピースが、彼女の体型にも髪形にも笑顔にも好く似合う……充分に魅力的だ。
これで、参画希望者を迎えるこちら側の紹介は終わった……立ち上がって4人を直視する。
「……大変、お待たせ致しました……以上で皆さんをお迎えする、こちら側の紹介は終わりました……おひとりずつ、ゆっくりでも結構ですので、自己紹介をお願い致します……」
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