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地上界にて…
社宅にて……
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時刻は多少遡る。
「……あと何分ぐらい? 」
と、シエナ。
「……えっと…15分くらいかな……」
と、リーア。
「……社宅にお住まいなんですね? 」
と、ローズ・クラーク。
「……そう……」
と、ハンナ。
「……シエナさん達は、以前にも訪問されているんですか? 」
メアリー・ケイト・シェルハートが訊く。
「……そうね……あたしとシエナだったら、3回はお邪魔したかしらね? 」
と、ハンナがシエナをチラ見して応える。
「……アドルさんの奥様って……どんな方なんですか? 以前にも訊かれたと思いますけど……」
トリッシュ・ヴァンサンティンが訊く。
「……とても……大きくて……広くて、深い……包容力では、私の知る限りで随一だね……とても優しくて……悲しくて、怖い……最近思うんだけど……アドルさんの妻として、傍に立って寄り添って……支えられる女性(ひと)って……アリソンさんしかいないんじゃないかって……アタシだったら、とても耐えられない……どんなに愛し合っていて、どんなに体の相性が好くて……どんなに狂おしく求め合っているとしても……何十年も一緒には居られない……そう思うわね……」
ハンナ・ウェアーが顔を上げて、何かを想い描くように言う……シエナが後を引き取った。
「……だから……1番好きな人とは結婚できない……出来たとしても、長くは続かない……そう言う事なんだよね……」
「……ねえ、シエナ……スタッフでアドルさんに会ったのはアナタが最初? 」
カーラが訊いた。
「……そうだよ……」
「……それで……その日の内に惚れたの? 」
「……そうだね……全く知らないタイプだったし、凄く魅力的だったし……話が終わって別れる直前に、凄くドキドキして身体が熱くなって……初対面でこんなに早く自覚したのは、初めてだったね……」
言いながらハンナを見遣れば、やっぱりね、と言った感じで微笑みながらシエナを見返している。
「……さっ、もう着くよ。ガレージに入れるの? 」
リーアがハンドルを切りながら言う。
「……ガレージに入れよう。その方が目立たないし、荷物を運び出すからね……」
シエナがそう応えた3分後に、アドル・エルクの社宅に着いた……車内からガレージのシャッターを操作して開き、入庫する……シャッターを閉めて車から降り、ガレージから室内に入った。
アドル・エルクから送付されたテキストメッセージを観ながら、揃えるべき品物とそれの場所をシエナはメンバーに指示していく……自分は残る総てのスーツケースを出して開き、収納に備える……クッションとか座るのに役立ちそうな物を可能な限り見繕う……それらを段ボールを箱にして収納したり、重ねて縛ってまとめていく……カップとソーサーは重ねて紙で包み、紐で縛って箱に入れる……その後に彼の普段着とスーツを全員で見繕う……結果として、クローゼットにあった衣服の7割は収納した。
その後の30分で、揃えてまとめた物品の最終チェックを行なって荷造りを完了させた……次にシエナは、盗聴器探索アプリをメンバー全員が持つ端末にダウンロードさせ、リーアの指揮で家屋内盗聴器探査を行い入念に調査したが、ネガティヴとの結果だった……シエナは更に指示して全員を屋外に促し、社宅から半径30mの範囲内を全員が目視で観察した……目的はカメラや集音マイクが仕掛けられていないかどうかの確認だったが、幸いな事に何も仕掛けられてはいなかった。
「……ねえ、シエナ……盗聴器とか、カメラが仕掛けられていたりなんて事が、以前にあったの? 」
と、カーラがシエナの隣に来て訊く。
「……実は以前にカメラが3台、仕掛けられていた事があってね……今、その件で係争中なの……だから詳しくは言えないんだけど、手伝ってくれてありがとう……」
「……そうだったんだ……じゃあ、ウチの艦長の自宅周りも観てみるね……」
「……そうだね……そうして? それにこの見回りは、定期的にやった方が好いよ……」
「……分かった。そうするよ……」
「……うん、ありがとう……それじゃ、皆! 社宅に戻って荷物を車に積み込んだら出るよ! 」
全員で社宅に戻り、荷物をガレージに運び出して車に積み込み、そのまま乗車する。
「……アタシとハンナとリーアは、クライトン本社近くのホテルに車ごと入ってそのまま泊まるけど、皆はどうする? 」
「……アタシも一緒に泊まるよ……」
と、カーラ・ブオノ・マルティーヌ副長。
「……大丈夫なの? 」
と、ハンナ。
「……なんで? だって明日の面談には、ウチの艦長も来るからね……」
「……そうなんだ…ごめんなさい……」
「……私も泊まります……明日はサングスター艦長も来られますので……」
と、ローズ・クラーク副長。
「……ネヘマイヤ艦長も明日の面談には出席されますので、私も一緒に泊まります(笑)……」
と、メアリー・ケイト・シェルハート副長。
「……アジェイ・ナイデュ艦長も明日の面談には出席されますので、私も今夜はご一緒します……」
と、トリッシュ・ヴァンサンティン副長。
「……分かったわ……それじゃ、一緒に泊まりましょう……行くわね……」
そう応えて、シエナは車内からガレージのシャッターを開けた。
リーアは、クライトン本社から400m程のタワー・モーテルにSUVを滑り込ませて、地下駐車スペースに駐めた。
シエナが宿泊手続きを執る……3部屋を借りて、2人・2人と3人で泊まる事にした。
「……あと何分ぐらい? 」
と、シエナ。
「……えっと…15分くらいかな……」
と、リーア。
「……社宅にお住まいなんですね? 」
と、ローズ・クラーク。
「……そう……」
と、ハンナ。
「……シエナさん達は、以前にも訪問されているんですか? 」
メアリー・ケイト・シェルハートが訊く。
「……そうね……あたしとシエナだったら、3回はお邪魔したかしらね? 」
と、ハンナがシエナをチラ見して応える。
「……アドルさんの奥様って……どんな方なんですか? 以前にも訊かれたと思いますけど……」
トリッシュ・ヴァンサンティンが訊く。
「……とても……大きくて……広くて、深い……包容力では、私の知る限りで随一だね……とても優しくて……悲しくて、怖い……最近思うんだけど……アドルさんの妻として、傍に立って寄り添って……支えられる女性(ひと)って……アリソンさんしかいないんじゃないかって……アタシだったら、とても耐えられない……どんなに愛し合っていて、どんなに体の相性が好くて……どんなに狂おしく求め合っているとしても……何十年も一緒には居られない……そう思うわね……」
ハンナ・ウェアーが顔を上げて、何かを想い描くように言う……シエナが後を引き取った。
「……だから……1番好きな人とは結婚できない……出来たとしても、長くは続かない……そう言う事なんだよね……」
「……ねえ、シエナ……スタッフでアドルさんに会ったのはアナタが最初? 」
カーラが訊いた。
「……そうだよ……」
「……それで……その日の内に惚れたの? 」
「……そうだね……全く知らないタイプだったし、凄く魅力的だったし……話が終わって別れる直前に、凄くドキドキして身体が熱くなって……初対面でこんなに早く自覚したのは、初めてだったね……」
言いながらハンナを見遣れば、やっぱりね、と言った感じで微笑みながらシエナを見返している。
「……さっ、もう着くよ。ガレージに入れるの? 」
リーアがハンドルを切りながら言う。
「……ガレージに入れよう。その方が目立たないし、荷物を運び出すからね……」
シエナがそう応えた3分後に、アドル・エルクの社宅に着いた……車内からガレージのシャッターを操作して開き、入庫する……シャッターを閉めて車から降り、ガレージから室内に入った。
アドル・エルクから送付されたテキストメッセージを観ながら、揃えるべき品物とそれの場所をシエナはメンバーに指示していく……自分は残る総てのスーツケースを出して開き、収納に備える……クッションとか座るのに役立ちそうな物を可能な限り見繕う……それらを段ボールを箱にして収納したり、重ねて縛ってまとめていく……カップとソーサーは重ねて紙で包み、紐で縛って箱に入れる……その後に彼の普段着とスーツを全員で見繕う……結果として、クローゼットにあった衣服の7割は収納した。
その後の30分で、揃えてまとめた物品の最終チェックを行なって荷造りを完了させた……次にシエナは、盗聴器探索アプリをメンバー全員が持つ端末にダウンロードさせ、リーアの指揮で家屋内盗聴器探査を行い入念に調査したが、ネガティヴとの結果だった……シエナは更に指示して全員を屋外に促し、社宅から半径30mの範囲内を全員が目視で観察した……目的はカメラや集音マイクが仕掛けられていないかどうかの確認だったが、幸いな事に何も仕掛けられてはいなかった。
「……ねえ、シエナ……盗聴器とか、カメラが仕掛けられていたりなんて事が、以前にあったの? 」
と、カーラがシエナの隣に来て訊く。
「……実は以前にカメラが3台、仕掛けられていた事があってね……今、その件で係争中なの……だから詳しくは言えないんだけど、手伝ってくれてありがとう……」
「……そうだったんだ……じゃあ、ウチの艦長の自宅周りも観てみるね……」
「……そうだね……そうして? それにこの見回りは、定期的にやった方が好いよ……」
「……分かった。そうするよ……」
「……うん、ありがとう……それじゃ、皆! 社宅に戻って荷物を車に積み込んだら出るよ! 」
全員で社宅に戻り、荷物をガレージに運び出して車に積み込み、そのまま乗車する。
「……アタシとハンナとリーアは、クライトン本社近くのホテルに車ごと入ってそのまま泊まるけど、皆はどうする? 」
「……アタシも一緒に泊まるよ……」
と、カーラ・ブオノ・マルティーヌ副長。
「……大丈夫なの? 」
と、ハンナ。
「……なんで? だって明日の面談には、ウチの艦長も来るからね……」
「……そうなんだ…ごめんなさい……」
「……私も泊まります……明日はサングスター艦長も来られますので……」
と、ローズ・クラーク副長。
「……ネヘマイヤ艦長も明日の面談には出席されますので、私も一緒に泊まります(笑)……」
と、メアリー・ケイト・シェルハート副長。
「……アジェイ・ナイデュ艦長も明日の面談には出席されますので、私も今夜はご一緒します……」
と、トリッシュ・ヴァンサンティン副長。
「……分かったわ……それじゃ、一緒に泊まりましょう……行くわね……」
そう応えて、シエナは車内からガレージのシャッターを開けた。
リーアは、クライトン本社から400m程のタワー・モーテルにSUVを滑り込ませて、地下駐車スペースに駐めた。
シエナが宿泊手続きを執る……3部屋を借りて、2人・2人と3人で泊まる事にした。
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