203 / 298
出航
フィオナ・コアー…6…
しおりを挟む
ドアが開くと、フィオナ・コアーはスッと入って来て、その後ろでドアが閉まる。
「やあ、保安部長、よく来てくれたね。さあ、座って? 」
私はそう言い、彼女を促してソファーに座らせると、自分も同じソファーの反対側に座る。
「先程の全体集会には、参加できずに申し訳ありませんでした」
「いや、そんな事は好いんだよ。それよりももう、大丈夫なのかい? 」
「はい、もう大丈夫です。ご心配をお掛け致しました」
「何か飲むかい? ミルクティー? 」
「はい、頂きます」
私は立ち上がって、丁寧にミルクティーを淹れた。仕上げに、もっとリラックスできるよう、シナモンも少し使って。
「…美味しいです…これまで頂いた中でも、最も強くアドルさんの思い遣りを感じられる味わいです…」
またソファーの片側に腰を降ろして、今の彼女から感じている違和感について訊く。
「…カラコンを着けているのかい? 」
「いいえ、これが私の裸眼です」
「ほう…」
些か驚く。今観ているフィオナの虹彩は素晴らしく澄んだ、ライト・スカイブルーだ。それに…あれは真珠のピアスか…。
「…これまでに観ていた鳶色の虹彩が、カラコンだったのか…」
「はい…」
そう応えながらフィオナは、頭からウィッグを外した。
「…!…」
ライトブラウンのショートヘア・ウィッグをテーブルに置いて、ゆっくりと両耳のピアスも外して置く。
南国の海を想わせる、ベリーショートのライト・マリンブルーの髪。これがフィオナ・コアー…。
「…それが本当の君か?…」
「そうです…」
私に降りたイメージの総てに符合して腑に落ちる。
「それで、保安部長に復帰したいのかな? 」
「それは…艦長のご判断にお任せします…」
「復帰は認めるよ…意地悪な物言いに聞こえたとしたなら、悪かった…」
「いいえ…そんな事はありません…」
「悪かったよ…ギターを構えて君を想っていたら、君のイメージが降りて来た…今観ている君そのものだった…驚いて、動揺した…だが、それが妄想でない事も解っていた…君への想いが込み上げて、涙が出た…そのままギターを掻き鳴らしていたら、あの曲が出来たって訳だ…悪かったよ、フィオナ…あの曲は歌わないし、楽譜も処分する。許してくれ…」
「…違うんです。アドルさん…」
そう言うとフィオナは、私の直ぐ隣に来て座った。
「…え…」
「あの歌をもう一度、パーティーの中で歌って下さい…私の名前で…」
「フィオン…」
「大丈夫です…私はもう泣きませんし、動揺もしません…私がこの本当の姿で、笑顔であの歌を聴いている処を観て貰えれば、皆にも私が本当に立ち直ったんだと言う事が、解って貰えます…本当にもう大丈夫です…あの時の体験は総て憶えています。でも、もうトラウマではありません…」
フィオナはそう言いながら私の膝に座って両腕で私の首を引き寄せると、唇を重ねて舌を絡めて来た。今までに観て来た彼女からは考えられない程の積極さだ。頭の奥から痺れが走って身体の力が抜けていく。意識がフィオンに惹き込まれそうになったが、残る理性を総動員して彼女の頭を支えると、顔を離す。
「…分かった…分かったよ、フィオン…君がそれを望むのなら、その通りにしよう…じゃあ、さっきの君の話を、副長と参謀とカウンセラーとマレットと、カリッサにも伝えてくれるか? 」
「…はい、分かりました。仰る通りに致します…」
そう言って、また私の首を引寄せようとする彼女を止める。
「…分かった、フィオナ…君の気持は充分に分かったから、今はその代わりに頼みたい事があるんだよ? 」
「…はい、何でしょう? 」
そう訊いて彼女は、私の膝から降りると隣に座った。
「…マッサージをしてくれないか? 」
「…マッサージですか? 」
「そう。サード・ステージが終って、かなり疲れたよ。このままフォース・ステージが始まってしまうと、疲れから判断を誤ってしまう可能性が高くなると思うんだ。君はフィットネスの経験値が高いだろう? マッサージも出来るんじゃないかと思って頼むんだけど、どうかな? 」
「はい。マッサージについても学んでいますので出来ますが、我流です。それでも宜しければ?…」
「頼むよ。僕の施すマッサージだって我流だしさ…」
「分かりました。それでは寝室に入りましょう…」
そう言って彼女は立ち上がる。私も立ちながら応えた。
「ああ、ありがとう、フィオナ。恩に着るよ…」
「どう致しまして。このくらいは何時でも言って下さい」
2人して寝室に入ると、私は服を脱いでパンツ1枚になり、ベッドにうつ伏せに横たわると両手を左右に拡げた。
観るとフィオナもブラとパンティだけの姿になっている。
「君もそこまで脱ぐのかい? 」
「これが1番動きやすいですから…それに、ここにカメラはありませんよ、アドルさん…」
「…まあ、それもそうだけどな…」
ヘア・リキッド・オイルしか無かったので、彼女はそれを両手に馴染ませてから私の腰の上に膝立ちで跨り、肩甲骨の周辺からマッサージを始めた。
「…うっ…」
腕も指も細いのに力は強い。血管や神経や筋肉の流れに沿って込めて流す力加減は適切だし、ツボを探り出して込める指圧の力加減も的確だ。上手い。身体の奥底に溜まっていた疲れが、白日の下に晒されて溶かされていくようだ。ああ…気持ちが好い…癒される…隅から隅まで解される…体中の細胞から疲れが吸い出されていく…。
フィオナは私が眠らないように、時折足の裏や耳にある痛覚を伴うツボを刺激してくれる。私よりも上手い。構成や手順も効果的で効率的だ。いずれ機会を見付けて、彼女に教えを乞おう。
怒涛の快楽が過ぎ去り、穏やかな夏の海の波打ち際に仰向けで寝ているような感覚だったが、痛い程に屹立している私の局部に強烈な快感が発生したので思わず観ると、いつの間にか全裸になっているフィオナが私の局部を頬張っていた。
「…フィオナ…それは…ダメ…あうっ…」
「…アドルさん…出して下さい…これが最後です…終われば…総ての疲れが…取り去れます…」
フィオナのそれは、アリソンのそれとも、リサのそれとも全く違う、強烈な抗えない快感だった。彼女の顔と肩に手を伸ばそうとしたが、逆に両手を取られた。
成す術も無く支配されて、3分も保たずに放出を余儀なくされた。彼女は直ぐに口にタオルを当てて出すと、再び口で私を含んでねっとりと舐め取ってくれた。
その途中で私は起きて彼女を抱き、体勢を入れ替えて彼女を仰向けに寝かせて上から抱き締めると、唇を重ねて舌を絡め合わせた。驚く程に身体が軽い。物凄く速く動ける。舌を絡め合わせ、お互いに口を舐め回して、彼女の左耳を舐めながら右手で彼女を抱き、左手は彼女の右手と握り合わせたままでいて、彼女の身体に触る事はしなかった。
「…さあ、2人でシャワーを浴びよう…もうあまり時間が無いよ…」
そう言いながら身体を離して起き上がると、彼女の手を取って起き上がらせる。
「…ありがとうございます…」
「僕はすっかり元気になったけど、君を疲れさせちゃったね? 」
「…大丈夫です。鍛えていますから…」
笑顔でそう応えた彼女と2人で全裸のままバスルームに入り、熱いシャワーで汗を流す。ボディソープでお互いに洗い合い、丹念に洗い流す。シャワーを止めると、またお互いに抱き合って1分間だけ舌を絡め合わせて出た。
私は下着を替えてまた同じ服を着る。彼女も服を来て真珠のピアスを着けた。
「ウィッグはどうする? 」
「ここのクローゼットの中に置いて下さい。私達の今日の記念にね? 」
彼女は悪戯っぽく笑ってそう言い、ヘアブラシで私の髪をセットしてくれた。終わるとまた唇を合わせてチュッと吸い合っただけで、私達は笑顔で顔を見合わせ、2人一緒に私の個室から出た。
「やあ、保安部長、よく来てくれたね。さあ、座って? 」
私はそう言い、彼女を促してソファーに座らせると、自分も同じソファーの反対側に座る。
「先程の全体集会には、参加できずに申し訳ありませんでした」
「いや、そんな事は好いんだよ。それよりももう、大丈夫なのかい? 」
「はい、もう大丈夫です。ご心配をお掛け致しました」
「何か飲むかい? ミルクティー? 」
「はい、頂きます」
私は立ち上がって、丁寧にミルクティーを淹れた。仕上げに、もっとリラックスできるよう、シナモンも少し使って。
「…美味しいです…これまで頂いた中でも、最も強くアドルさんの思い遣りを感じられる味わいです…」
またソファーの片側に腰を降ろして、今の彼女から感じている違和感について訊く。
「…カラコンを着けているのかい? 」
「いいえ、これが私の裸眼です」
「ほう…」
些か驚く。今観ているフィオナの虹彩は素晴らしく澄んだ、ライト・スカイブルーだ。それに…あれは真珠のピアスか…。
「…これまでに観ていた鳶色の虹彩が、カラコンだったのか…」
「はい…」
そう応えながらフィオナは、頭からウィッグを外した。
「…!…」
ライトブラウンのショートヘア・ウィッグをテーブルに置いて、ゆっくりと両耳のピアスも外して置く。
南国の海を想わせる、ベリーショートのライト・マリンブルーの髪。これがフィオナ・コアー…。
「…それが本当の君か?…」
「そうです…」
私に降りたイメージの総てに符合して腑に落ちる。
「それで、保安部長に復帰したいのかな? 」
「それは…艦長のご判断にお任せします…」
「復帰は認めるよ…意地悪な物言いに聞こえたとしたなら、悪かった…」
「いいえ…そんな事はありません…」
「悪かったよ…ギターを構えて君を想っていたら、君のイメージが降りて来た…今観ている君そのものだった…驚いて、動揺した…だが、それが妄想でない事も解っていた…君への想いが込み上げて、涙が出た…そのままギターを掻き鳴らしていたら、あの曲が出来たって訳だ…悪かったよ、フィオナ…あの曲は歌わないし、楽譜も処分する。許してくれ…」
「…違うんです。アドルさん…」
そう言うとフィオナは、私の直ぐ隣に来て座った。
「…え…」
「あの歌をもう一度、パーティーの中で歌って下さい…私の名前で…」
「フィオン…」
「大丈夫です…私はもう泣きませんし、動揺もしません…私がこの本当の姿で、笑顔であの歌を聴いている処を観て貰えれば、皆にも私が本当に立ち直ったんだと言う事が、解って貰えます…本当にもう大丈夫です…あの時の体験は総て憶えています。でも、もうトラウマではありません…」
フィオナはそう言いながら私の膝に座って両腕で私の首を引き寄せると、唇を重ねて舌を絡めて来た。今までに観て来た彼女からは考えられない程の積極さだ。頭の奥から痺れが走って身体の力が抜けていく。意識がフィオンに惹き込まれそうになったが、残る理性を総動員して彼女の頭を支えると、顔を離す。
「…分かった…分かったよ、フィオン…君がそれを望むのなら、その通りにしよう…じゃあ、さっきの君の話を、副長と参謀とカウンセラーとマレットと、カリッサにも伝えてくれるか? 」
「…はい、分かりました。仰る通りに致します…」
そう言って、また私の首を引寄せようとする彼女を止める。
「…分かった、フィオナ…君の気持は充分に分かったから、今はその代わりに頼みたい事があるんだよ? 」
「…はい、何でしょう? 」
そう訊いて彼女は、私の膝から降りると隣に座った。
「…マッサージをしてくれないか? 」
「…マッサージですか? 」
「そう。サード・ステージが終って、かなり疲れたよ。このままフォース・ステージが始まってしまうと、疲れから判断を誤ってしまう可能性が高くなると思うんだ。君はフィットネスの経験値が高いだろう? マッサージも出来るんじゃないかと思って頼むんだけど、どうかな? 」
「はい。マッサージについても学んでいますので出来ますが、我流です。それでも宜しければ?…」
「頼むよ。僕の施すマッサージだって我流だしさ…」
「分かりました。それでは寝室に入りましょう…」
そう言って彼女は立ち上がる。私も立ちながら応えた。
「ああ、ありがとう、フィオナ。恩に着るよ…」
「どう致しまして。このくらいは何時でも言って下さい」
2人して寝室に入ると、私は服を脱いでパンツ1枚になり、ベッドにうつ伏せに横たわると両手を左右に拡げた。
観るとフィオナもブラとパンティだけの姿になっている。
「君もそこまで脱ぐのかい? 」
「これが1番動きやすいですから…それに、ここにカメラはありませんよ、アドルさん…」
「…まあ、それもそうだけどな…」
ヘア・リキッド・オイルしか無かったので、彼女はそれを両手に馴染ませてから私の腰の上に膝立ちで跨り、肩甲骨の周辺からマッサージを始めた。
「…うっ…」
腕も指も細いのに力は強い。血管や神経や筋肉の流れに沿って込めて流す力加減は適切だし、ツボを探り出して込める指圧の力加減も的確だ。上手い。身体の奥底に溜まっていた疲れが、白日の下に晒されて溶かされていくようだ。ああ…気持ちが好い…癒される…隅から隅まで解される…体中の細胞から疲れが吸い出されていく…。
フィオナは私が眠らないように、時折足の裏や耳にある痛覚を伴うツボを刺激してくれる。私よりも上手い。構成や手順も効果的で効率的だ。いずれ機会を見付けて、彼女に教えを乞おう。
怒涛の快楽が過ぎ去り、穏やかな夏の海の波打ち際に仰向けで寝ているような感覚だったが、痛い程に屹立している私の局部に強烈な快感が発生したので思わず観ると、いつの間にか全裸になっているフィオナが私の局部を頬張っていた。
「…フィオナ…それは…ダメ…あうっ…」
「…アドルさん…出して下さい…これが最後です…終われば…総ての疲れが…取り去れます…」
フィオナのそれは、アリソンのそれとも、リサのそれとも全く違う、強烈な抗えない快感だった。彼女の顔と肩に手を伸ばそうとしたが、逆に両手を取られた。
成す術も無く支配されて、3分も保たずに放出を余儀なくされた。彼女は直ぐに口にタオルを当てて出すと、再び口で私を含んでねっとりと舐め取ってくれた。
その途中で私は起きて彼女を抱き、体勢を入れ替えて彼女を仰向けに寝かせて上から抱き締めると、唇を重ねて舌を絡め合わせた。驚く程に身体が軽い。物凄く速く動ける。舌を絡め合わせ、お互いに口を舐め回して、彼女の左耳を舐めながら右手で彼女を抱き、左手は彼女の右手と握り合わせたままでいて、彼女の身体に触る事はしなかった。
「…さあ、2人でシャワーを浴びよう…もうあまり時間が無いよ…」
そう言いながら身体を離して起き上がると、彼女の手を取って起き上がらせる。
「…ありがとうございます…」
「僕はすっかり元気になったけど、君を疲れさせちゃったね? 」
「…大丈夫です。鍛えていますから…」
笑顔でそう応えた彼女と2人で全裸のままバスルームに入り、熱いシャワーで汗を流す。ボディソープでお互いに洗い合い、丹念に洗い流す。シャワーを止めると、またお互いに抱き合って1分間だけ舌を絡め合わせて出た。
私は下着を替えてまた同じ服を着る。彼女も服を来て真珠のピアスを着けた。
「ウィッグはどうする? 」
「ここのクローゼットの中に置いて下さい。私達の今日の記念にね? 」
彼女は悪戯っぽく笑ってそう言い、ヘアブラシで私の髪をセットしてくれた。終わるとまた唇を合わせてチュッと吸い合っただけで、私達は笑顔で顔を見合わせ、2人一緒に私の個室から出た。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
『星屑の狭間で』(対話・交流・対戦編)
トーマス・ライカー
SF
国際総合商社サラリーマンのアドル・エルクは、ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』の一部として、ネット配信メディア・カンパニー『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』に於ける、軽巡宙艦艦長役としての出演者募集に応募して、凄まじい倍率を突破して当選した。
艦長役としての出演者男女20名のひとりとして選ばれた彼はそれ以降、様々な艦長と出会い、知り合い、対話し交流もしながら、時として戦う事にもなっていく。
本作では、アドル・エルク氏を含む様々な艦長がどのように出会い、知り合い、対話し交流もしながら、時として戦い合いもしながら、その関係と関係性がどのように変遷していくのかを追って描く、スピンオフ・オムニバス・シリーズです。
『特別解説…1…』
この物語は三人称一元視点で綴られます。一元視点は主人公アドル・エルクのものであるが、主人公のいない場面に於いては、それぞれの場面に登場する人物の視点に遷移します。
まず主人公アドル・エルクは一般人のサラリーマンであるが、本人も自覚しない優れた先見性・強い洞察力・強い先読みの力・素晴らしい集中力・暖かい包容力を持ち、それによって確信した事案に於ける行動は早く・速く、的確で適切です。本人にも聴こえているあだ名は『先読みのアドル・エルク』
追記
以下に列挙しますものらの基本原則動作原理に付きましては『ゲーム内一般技術基本原則動作原理設定』と言う事で、ブラックボックスとさせて頂きます。
ご了承下さい。
インパルス・パワードライブ
パッシブセンサー
アクティブセンサー
光学迷彩
アンチ・センサージェル
ミラージュ・コロイド
ディフレクター・シールド
フォース・フィールド
では、これより物語が始まります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【『星屑の狭間で』『パラレル2』(アドル・エルク独身編)】
トーマス・ライカー
SF
舞台は、数多ある地球圏パラレルワールドのひとつ。
超大規模、超高密度、超高速度、超圧縮高度複合複層処理でのハイパー・ヴァーチャル・エクステンデッド・ミクシッド・リアリティ(超拡張複合仮想現実)の技術が、一般にも普及して定着し、ハイパーレベル・データストリーム・ネットワークが一般化した未来社会。
主人公、アドル・エルクは36才で今だに独身。
インターナショナル・クライトン・エンタープライズ(クライトン国際総合商社)本社第2棟・営業3課・セカンドセクション・フォースフロアで勤務する係長だ。
政・財・官・民・公・軍がある目的の為に、共同で構築した『運営推進委員会』
そこが企画した、超大規模ヴァーチャル体感サバイバル仮想空間艦対戦ゲーム大会。
『サバイバル・スペース・バトルシップ』
この『運営推進委員会』にて一席を占める、データストリーム・ネットワーク・メディア。
『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が企画した
『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』と言う連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが、民間から男性艦長演者10名と女性艦長演者10名を募集し、アドル・エルクはそれに応募して当選を果たしたのだ。
彼がこのゲーム大会に応募したのは、これがウォー・ゲームではなく、バトル・ゲームと言う触れ込みだったからだ。
ウォー・ゲームであれば、参加者が所属する国・団体・勢力のようなものが設定に組み込まれる。
その所属先の中での振る舞いが面倒臭いと感じていたので、それが設定に組み込まれていない、このゲームが彼は気に入った。
だがこの配信会社は、艦長役演者に当選した20名を開幕前に発表しなかった。
連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが配信されて初めて、誰が選ばれたのかが判る仕掛けにしたのだ。
艦長役演者に選ばれたのが、今から90日前。以来彼は土日・祝日と終業後の時間を使って準備を進めてきた。
配信会社から送られた、女性芸能人クルー候補者名簿から自分の好みに合い、能力の高い人材を副長以下のクルーとして選抜し、面談し、撮影セットを見学し、マニュアルファイルを頭に叩き込み、彼女達と様々な打ち合わせや協議を重ねて段取りや準備を積み上げて構築してきた。
彼の目的はこのゲーム大会を出来る限りの長期間に亘って楽しむ事。
会社からの給与とボーナス・艦長報酬と配信会社からのギャラ・戦果に応じた分配賞金で大金持ちになる事と、自分が艦長として率いる『ディファイアント』に経験値を付与し続けて、最強の艦とする事。
スタッフ・クルー達との関係構築も楽しみたい。
運営推進委員会の真意・本当の目的は気になる処だが、先ずは『ディファイアント』として、戦い抜く姿を観せる事だな。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる