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出航

休息…サード・ステージ

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自室に入るとジャケットの上着を脱いで席の背凭れに掛けて空調のレベルアップを命じ、灰皿とプレミアム・シガレットとモルトのボトルとグラスとライターをデスクに並べてドッカリと座り、大きく息を吐いて右手で眼の辺りを揉み、グラスにモルトをシングルで注いでからプレミアム・シガレットを咥えて点ける。

ゆっくりと深く喫い、蒸して燻らせて一口含む。やはりかなり疲れている。3隻と戦い、撃沈させてこの疲労か…早く寝むとしよう…。

それから7分程で喫い終り、呑み終わる。室内の気温を10℃上げさせて、アイソレーション・タンクベッドの設定を始める。アラーム・タイマーを30分でセットして、着ている物を総て脱ぎ、イヤー・ウィスパーを着け、ハッチを開けて中に入り、エプソム・ソルトの温水溶液の中に身体を浸して横たえ、眼を閉じた…。

アラーム5回で覚醒した。立ち上がり、ハッチを開けて降りる。少し身体を拭ってバスルームに入り、熱いシャワーで流して身体を温めて直ぐに出る。手早く身体を拭き、脱いだものを再び身に着ける。30分だけでもかなり好い気分で目覚めた。髪の水分を改めてタオルに吸い取らせ、櫛で髪を梳いて自室から出た。

ブリッジに入るとドリンク・ディスペンサーにコーヒーを出させ、ソーサーと共に右のアーム・レストに乗せて座る。

「…報告を頼む…」

「休憩時間終了10分前です。自動修理・修復機能により、現在の損傷率は16.5%です。総員、第1警戒配置に就いています。『フェイトン・アリシューザ』・『サンダー・ハルヴァード』・『ロイヤル・ロード・クライトン』から勝利宣言がもたらされましたが、『クラウン・カンバーランド』・『シムリット・サール』・『アレス・アストライオス』からは、敗退したとの報告がありました。こちらからのメッセージは総て送信しましたし、戦闘記録も圧縮して配付しました…」

と、シエナ・ミュラーが私の顔を観ながら言う。

「エンジンと姿勢制御システムとシールド・ジェネレーターの状況は?  」

「それらは総て100%回復しました」

と、リーア・ミスタンテが応えた。

「そうか、分かった。3分前に第1戦闘配置へ。セカンド・スピードまで増速。第5戦闘距離内のチャートを3D投影。模擬敵艦が出現したらその方位の反対方位へと転舵して全速発進。少なくとも30分は無制限加速続行で距離を取る。フロント・ミサイル1番から3番にデコイ・プログラムを入力して装填。取り敢えずは以上だ。皆、リラックスして行こう」

そう言い終えると、コーヒーを二口飲んでシートに深く座る。

「『サライニクス・テスタロッツァ』と『トルード・レオン』は苦戦しているのかな? 」

「さあ? セカンド・ステージが始まってからのレポートは、まだ挙がって来ていませんが…」

シエナが自分の眼の前のモニターに呼び出した表示をスクロールさせながら応える。

「まあ、好い…あの2人なら楽しんでやるだろう。後は、ネヘマイヤ・パーソフ艦長に、私と本艦との連名でバースデー・メッセージを頼む。今日で43才だ…尤も、もうさんざっぱらお祝いを言われているだろうとは思うがね…」

「分かりました」

「…副長、敗退した場合はどうなるんだったかな?  」

「…え~と…40分の休憩時間を挿んで、総てがリセットされて再開されます」

「そうか…なら、心配は無いな。艦に経験値を積めなくても、艦長とクルーにとっては好い経験になるし、訓練としても打って付けじゃないか。却って敗けた方が、気持ちを切り換えられるってものだろう…」

「それもそうですね」

「ああ、人によっては敗けた方が強くなるだろうな…」

「はい…」

「艦長、本艦周囲の3点に出現されたら、包囲されますね?  」

と、ハル・ハートリーが訊く。

「いや、包囲するなら少なくとも4隻は必要だな。だが今のエンジン・パワーなら、脱出は充分に可能だ…光学迷彩をレベル3で展開してくれ。と同時にアンチ・センサージェルも展開」

「了解」

その後は2分程掛けてコーヒーを飲み干し、立ち上がってカップとソーサーを片付け、戻ってシートに座り直す。

「3分前です。総員、第1戦闘配置へ! 」

そう副長がコールする。

「噴射出力40%アップ! セカンド・スピードに着けます! 」

と、エマ・ラトナーが告げる。

「3Dチャート、投影します! 」

と、カリーナ・ソリンスキーが言う。

「デコイ・ミサイル、準備良し! 」

と、アリシア・シャニーンが報告した。

「光学迷彩レベル3と共に、アンチ・センサージェルを展開! 」

と、リーア・ミスタンテが告げる。

「…さあて、どこに出現するのかな?…」

そして静かに2分30秒が経過した。

「センサー・ヒット!  模擬敵艦3隻を感知!  3Dチャートに投影します!  」

「…ほう…上手い陣形だな…シールドアップ・フルパワー!  3隻の真ん中を突っ切って離脱する!  臨界パワー150%!  噴射出力130%!  コースこのままで全速発進!  第5戦闘距離の6倍に引き離すまで無制限加速続行!  」

「了解!  」

リーアが眼の前のタッチパネルで指を走らせ、エマがひとつ頷いて最大出力噴射での全速発進をかける。『ディファィアント』は弾かれたように跳び出す。

3Dチャートに投影された3隻の布陣は、『ディファイアント』を頂点とするなら三角錐を形成するもので、3隻とも距離が近い。第2戦闘距離の80%程だった。その3隻がこちらを目指して同じ速度で接近中だ。

「シエナ副長、何故この操艦を採ったのか、説明してくれ給え?  」

「…はい…ええ…と…180°反転して離脱するには敵艦との距離が既に近く、反転中を攻撃される可能性がありました…更には…3隻の内の1隻に対して1撃離脱を掛けるにしても他の2隻との距離が近く、挟撃される可能性がありました…」

私は7回拍手して彼女の発言を称えた。

「満点の解答だ。もう君が艦長になっても大丈夫だな(笑)」

「いえ、そんな…まだまだですよ…からかわないで下さい、アドル艦長(照れ笑い)」

シエナ・ミュラーはそう応えると、恥かしそうに頬を染めた。

『ディファイアント』はシールド・フルパワーで全速加速のまま、3隻3点布陣の中央に向かって突き進み、強行突破を掛ける。模擬敵艦3隻は『ディファイアント』に対してインターセプト・コースを採り、急速加速で接近しながらミサイル・ビームで攻撃を掛けて来たが、経験値を積んでパワーアップした『ディファイアント』のシールドはビクとも揺るがずに攻撃の総てを阻止しながら、敵集団の中央を突破して後方に抜けた。

「突破しました!  」

と、エマ・ラトナー。

「コースそのままで、全速加速続行」

「了解!  」

「模擬敵艦のコントロールAIも、結構私の傾向を深くラーニングしてきているな」

「それは、どこでそう思われましたか?  」

私が感心したようにそう言うと、ハル・ハートリーがこう訊いた。

「うん?  今回、採れる選択肢がこれしか無かったと言う処にさ…シールド・パワーは?  」

「現在、92%から回復中…あれほどの攻撃を受けたのに、それ程には下がりませんでした。経験値を積めたおかげですね…」

と、リーア・ミスタンテが応える。

「ああ、そうだな…敵艦の様子は?  」

「3隻とも転舵・反転。こちらへのインターセプト・コースを採って、追跡加速中です」

と、カリーナ・ソリンスキー。

「1分でどの位距離が開いている?  」

「約20kmです」

「それじゃ、暫く掛かるな…射程距離内からは出たな?  」

「はい、射程距離内からは既に出ています」

「そうか。シールド・ダウン。それと、今回呼称はどうしようか?  」

「色分けにしたらどうでしょう?  」

と、ハンナ・ウェアーが言う。

「それは好いな、カウンセラー…『レッド』・『グリーン』・『ブルー』だ。カリーナ、任意で色分けを頼む。チャート内での表示も色分けして頼む…」

「了解、キャプテン」

「この調子で行って、第5戦闘距離の6倍迄稼ぐのにどの位掛かる?  」

「大凡、40分くらいかと…」

「昼食休憩時間に入るかどうかと言う処だな…昼食休憩時間に入る3分前にエンジン停止し、デコイ・ミサイル3基を発射して方位を分散して直進。直後にアポジ・モーターで取舵2°…それで休憩時間に入るとしよう…戦闘配置を解除して第1警戒配置へ。副長、私はちょっと失礼して自室に行ってくる。暫くブリッジを頼む…」

「分かりました」

私は立ち上がるとブリッジから出て自室へと向かう。すれ違うクルー達と挨拶を交わしながら自室に入ると、デスクにも着かないで本格的な荷解きを始めた。

ケースを総て開き、服は全てクローゼットに吊るした。パジャマも取り出す。
うん? 新しいパジャマがある。買った覚えは無い。パジャマの中から封筒が落ちた。リサからだ。読めば私の健康を気遣う想いと会えない間の寂しさを込めた、熱烈なラブレターだ。読むだけでこっちの顔も熱くなる。手紙を畳むと封筒に入れて、書棚に置いた4冊のハードカバーの間に挿んだ。衣服類はクローゼットに総て入れて、小物類も所定と思われる場所に配置する。ギターをケースから出してスタンドに立て掛け、部屋の隅に置く。楽譜のファイルも書棚に置いた。酒のボトルとグラスも総て出して、キッチンの棚に置いた。家族の画像が300程入っているスライド・モニターをデスクに置く。

ふう。取り敢えず、こんなものか…ベッドメイクを簡単に施して、アイソレーション・タンクベッドに細かい設定を施し、給湯と空調システムの設定もやり直した。廃棄物はまとめてダスト・シュートに放り込み、空のケースは閉めて収納スペースに入れた。

灰皿と煙草とライターを用意し、じっくりとコーヒーを点てて淹れる。デスクに着いて空調の強化を命じ、1本を咥えて点ける。あと2年で煙草は辞める。自信はある。問題はない。初日の午前中だけで、スタッフの成長が目覚ましい。我ながら頼もしいスタッフを揃える事が出来たものだ。

コーヒーの香りを漂わせ、楽しみながら飲み、煙草を蒸して燻らせる。問題は昼飯を食べた後だな。あの歌を聴かせたら、どう反応するだろうか…。

まだ半日も経っていないのに、家族や同僚達とも遠く離れているようだ…。

ああ、そうだな…サイン・バードさんから貰った、我々に対して敵対的な姿勢を観せている227隻に関しての、詳細なデータファイルを持って来るのを忘れた…やはり、幾つかは抜かった処があるようだな…まあ好い…来週までにはプリントして持って来れるだろう…。

それから3分程でコーヒーを飲み終え、煙草も喫い終わって灰皿で揉み消す。カップと灰皿を洗って片付けて、手と顔を入念に洗い、水気を拭き上げて身嗜みを確認してから自室を出た…。

ブリッジに入ると、入れ替わって座っていた皆が立ち上がって私の席を空けてくれる。キャプテン・シートに座ると、シエナの身体の温もりが感じられて気持ち好い。

「何分経ったかな? 」

「32分です」

「後5.6分だな…副長、サイン・バードさんが送ってくれたデータファイルがまだプリント出来ていない…忙しくてまだ読んでもいなかったよ。私も抜かったものだ。来週出航する迄にはプリントしよう…忘れているようだったら、注意してくれ? 」

「分かりました」

「…そう言えば、これも忘れていたな…マレット、昼食時に私から全乗員に対して、好きな飲み物を1杯献上したい。もう時間も無くて悪いが、急いで注文を取りまとめてチーフ・リントハートに送信してくれないか? 」

「分かりました。直ちに始めます」

「悪いな? 」

「いいえ」

「カリーナ、距離はどのくらい離れた? 」

「…あと3分で、第5戦闘距離の6倍まで離れます」

「おう、ちょうど好い頃合いだったな。よし、昼食休憩時間に入る3分前まで引っ張ってくれ」

「分かりました」

「私とメイン・スタッフの全員は、ラウンジにある1番大きいテーブルで一緒に食べよう?  好いかな?  」

「はい♡分かりました、アドル艦長♡」

と、シエナ副長が妙に可愛げに応えたので…。

「お、おう…私が席を外していた間に、何か連絡はあったかな?  」

「あ、はい。報告が遅れまして、申し訳ありませんでした。『アグニ・ヤマ』・『ラバブ・ドゥーチェン』・『バトゥ・ウルス』・『カオス・カスタリア』から、ファースト・ステージに於ける勝利宣言が発せられました。それを受けて既にこちらから、祝辞メッセージを送信しました。それと、【『ディファイアント』共闘同盟】への参画を希望する申入れが、5件寄せられました…」

「…そうか…半日でもう5件もな…記録したかい?  」

「はい、それは勿論…」

「流石にネヘマイヤ艦長、誕生日を勝利で飾ったな(笑)大分盛り上がっただろう…結果的にどんな様子だったか、聞いたかい?  」

「…はい…4隻とも非常に僅差で勝利判定を得たようです…被った損傷率は4隻とも、35%を超えています…」

「…そうか…セカンド・ステージが始まる前から、とにかく隠れて遣り過すようにと伝えてくれ…そんな深手じゃ、まともには戦えないからな…」

「分かりました。そのように伝えます」

「いや、セカンド・ステージが始まったら、思い切って突っ込んで敗けて、更に40分間休憩してから総てをリセットして再開した方が好いかも知れない…どちらを採るかは、それぞれの艦内司令部に一任すると伝えてくれ?  」

「分かりました。2つの対応法を併せて、そのように伝えます」

「参画への希望を寄せてくれた5隻については、昼食休憩時間中に協議する…」

「はい」

「3分前です、艦長…」

と、ハル・ハートリー参謀が告げる。

「よし。カリーナ、距離は?  」

「目標は既にクリアして、第5戦闘距離の6倍以上には離れています」

「そうか、3隻とも追い掛けて来ているな?  」

「はい、ですが距離は開き続けています」

「分かった、エマ、エンジン停止だ」

「了解、エンジン停止」

「アリシア、デコイを3基とも発射して、お互いに60°の角度を取らせて分散直進」

「了解、デコイ3基発射。直ちに角度60°で分散直進」

「エマ、アポジ・モーターでダウン・ピッチ3°」

「了解、ダウン・ピッチ3°」

「そのまま待機…」

それから30秒後…。

「艦長、3隻がそれぞれ変針して、デコイを追尾し始めました。『ブルー』が1番、『レッド』が2番、『グリーン』が3番を追尾中…」

「…よし…エマ、アポジ・モーターで減速開始だ。ゆっくりで良い…」

「了解、最微出力で減速開始」

その後100秒が経過して、その時は来た。

「うん?  どうした?  」

「止まりました…?  『ディファイアント』が停止しています…」

「敵艦は?  」

「敵艦も止まりました。停止しています」

「情報の処理と表示がともに停止したのか?  」

「…どうやら、そのようです…」

「エンジンはどうだ?  リーア?  」

「…停止して…いるようです…と言うより、操作を受け付けません…」

「…操舵はどうだ?  エマ?  」

「…動きません…と言うか、パネルが反応しません!  」

「リーア、艦内システムで停止したのは、操舵とエンジン以外で他には?  」

「姿勢制御とセンサーと全兵装と通信システム…分析ラボのシステムも止まりました」

「メイン・コンピューターは?  」

「正常に起動中…アクセスは可能です」

「なるほど、そうか。昼食休憩時間に入ったと言う事だよ。ターボ・リフトも動くな?  」

「動きます」

「やはり、そうだよ。全く驚かせやがる。総員に昼食休憩時間に入ったと通達。艦内ネットワークは活きている。バー・ラウンジと医療部も、問題は無い筈だ…」

「…その通りです、アドル艦長…」

「ああ、そうだ。飯にしよう…昼食休憩時間として、申請した時間は?  」

「…140分です」

「そうか。じゃ、早く行こう。ラウンジ・スタッフに連絡して、大テーブルは我々が使うからと言ってくれ」

そう言いながら私は立ち上がり、センサー席の底からタラップを伸ばして、センサー・チームの3人の手を取って降ろしてやった。

「分かりました。伝えます」

「皆、ご苦労様。初日の午前中が終ったよ。昼飯にしよう。皆、本当によくやってくれたよ。好きな物を食って休んでくれ。じゃあ、行こうか?  」

私はそう言って、皆を促しつつ歩き始めた。
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