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・・『開幕』・・

・・総合共同記者会見・・

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・・ラウンジからの出しなに、スタッフ達にも礼を言ってパーキングスペースに向かう・・『ディファイアント』に私物として持ち込む第1陣の物品は、昨夜寝る迄の間に追加を少し運び込んで確認した・・エレカーをスタートさせて運営本部に向かう・・。

「・・アドルさんは、『ディファイアント』が沈むと思っているのですか・・?・・」

「・・いずれは沈むよ・・沈まない艦など無いよ・・」

「・・『ディファイアント』は沈みません・・最後まで残ります・・!・・」

「・・ありがとう・・沈んだ場合と私に何かが起きた場合を想定して、善後策を話しただけだよ・・艦外でのファーストメッセンジャーは、君だ・・」

「・・分かりました・・今日のお帰りは、私も同行しましょうか・・?・・」

「・・私達が一緒に帰ったら、アンバーさんが邪推するだろ・?・大丈夫だよ・・」

「・・開幕前の最後の打ち合わせと言う事で、何とでも繕えます・・それに貴方は押しに弱いですから、ギリギリの状況で女性を拒絶出来ません・・私には解ります・・私達が一緒に帰れば、そのような事態を未然に無理なく抑止出来ます・・例え彼女が社内で陰口を触れ回ったとしても、私は何も気にしませんし、陰口を真に受けた誰かが質しに来たとしても、幾らでも弁明出来ます・・」

「・・分かった・・君に任せる・・しかし・・君の私についての理解度は、ウチのカミさん並になってきたね・・?・・」

「・・奥様のお気持ち・・今の私には、痛い程に解ります・・」

「・・了解したよ、リサさん・・」

「・・アンバーに・・貴方の事は理解出来ても、奥様の事は理解出来ません・・奥様に会ったとしても、理解出来ないでしょう・・それが彼女と私との、決定的な違いだと思います・・」

「・・ああ・・うん・・」

「・・すみません・・」

「・・好いんだよ・(微笑)・・あとひとつ、予想している事がある・・」

「・・まだあるんですか・・?・・」

「・・ああ・・サイン・バードさんが、そろそろ通話を繋いで来る頃だな・・」

「・・どんなお話でしょうか・・?・・」

「・・うん・・多分、敵性集団についての、もっと具体的な数字を教えてくれるのと、私の基本姿勢について訊して来るだろうね・・」

「・・今日でしょうか・・?・・」

「・・もしも今日なら、副長と合流した頃合いを観て、繋いで来るだろうね・・監視カメラで観てるんだろうから・・」

「・・アドルさん、すみませんでした・・アドルさんの事を理解出来ていると言ったのは、誤りでした・・言い過ぎでした・・まだ全然理解出来ていません・・」

「・・僕だって、まだ君の全部を理解出来ちゃいないよ・・」

「・・嘘だと言いたいですが・・お互い様ですね・・?・・」

「・・ああ・・そうだな・・途中の道沿いにショートステイホテルがあったら入るよ・・?・・3時間は寝られるだろう・・起きたらシャワーを浴びて、服を着直して行こう・・」

「・・分かりました・・お寝すみになっている間に、アドルさんの服を買って来ます・・」

「・・これじゃダメかい・・?・・」

「・・今日の視聴者数は、おそらく対談番組の時の100倍以上です・・降ろし立てを着た方が好いと思います・・」

「・・分かった・・それも任せるよ・・ありがとう・・」

「・・いいえ・・」

「・・君は最高の秘書で・・最高のマネージャーだね・・」

「・・ありがとうございます・・」

・・後30分程度で運営本部に着くだろうと言う頃合いでショートステイホテルが観えたので、そこに入った・・キスしたりハグしたりもしなかった・・眠れなくなると困ると思ったからだ・・時間的にも寝ていられるのは3時間位だな・・リサにも起こしてくれるように頼んだが、取り敢えずアラームタイマーもセットした・・服を脱いでハンガーに掛けて吊るし、下着だけでベッドに入る・・心理的な疲れが直ぐに出て、私は1分も経ないで眠りに落ちた・・。

・・肩を揺すられて目覚める・・もう3時間経ったのか・・?・・訊けばアラームが鳴っても目覚めなかったそうだ・・まだ眠かったがバスルームに入る・・少し熱めのシャワーを浴びて頭をハッキリさせる・・丁寧に身体を洗って髭も少しあたる・・出て身体をタオルで拭くと、スッキリしてサッパリした・・リサは下着も新しく買って来た・・降ろし立ての下着を着けると、身が引き締まる・・同じく買って来てくれたシャツは、ホワイト・パールで襟の角は鋭角に縫製されている・・観立ててくれたスーツは、ピンストライプがあまり目立たない・・ミディアム・ライトブルーのスリーピースで、ネクタイは細身のライト・カーマインレッドだった・・ネクタイピンはゴールドで、カフスボタンはシルバーだった・・無論、サイズはピッタリだ・・。

「・・ありがとう、リサさん・・まるで誂えたみたいにピッタリだよ・・それに、このデザインや色も、僕の1番好きなものだ・・訊かれた記憶は無いけど、よく判ったね・・?・・」

「・・どう致しまして・・ありがとうございます・・これもセクレタリィとしての訓練のひとつで・・サポートする相手の趣味や好みや傾向を、質問などしなくても出来る限り早く把握するようにと、叩き込まれていましたので・・」

「・・そうなんだ・・秘書の皆さんの、技能や感覚には感心するよ・・」

「・・秘書としての私は・・ダメです・・二流にもなれない・・サポートする相手と寝るなんて、以ての外ですから・・でも・・それでも好いと思っています・・愛して・・いますから・・」

「・・・全力で・・君が幸せになれる道を・・考えるよ・・店を開いたら、来てくれるよね・・?・・」

「・・それは、勿論です・・」

「・・OK・・じゃあ、これで好いかい・・?・・」

・・そう言って、リサの前で回って見せる・・。

「・・完璧です・・」

「・・よし・・じゃあ、行こう・・」

・・そう言って、コートを着る・・それまで着ていた服は畳んでスーツを入れていた紙袋に入れて、私のバッグもその中に入れてリサが持つ・・支払いを済ませてエレカーに乗り、スタートさせる・・。

「・・運営推進本部の敷地内に入ったら終わって出るまで、すみませんが禁煙して下さい・・アドル主宰のイメージ戦略です・・ハイラム・サングスター艦長には、私からメッセージで今そのように伝えます・・」

「・・了解したよ・・リサさん・・」

・・程無くして運営推進本部の正門から乗り入れる・・ガードステーションの前で停めて降り、PIDカードを提示し、更に右手の掌紋と左眼の網膜パターンで生体情報認証も行って、確認して貰う・・『ディファイアント』に持ち込む私物の届け出について訊くと、こちらで預かりますと言われたので総て降ろして預けた・・そして駐車場所と控室に付いての指示を受けてまた車に乗り込み、そこに向かう・・。

「・・あれ・?・この前に来た時よりも、敷地も建物の数も増えているね・・ほら・・この前はあそこから先が何も無かった・・でも今は、5階建てのビルが2つ建ってる・・まったく・・一体どこまで予算があるのやら・・?・・」

・・もう運営推進本部の中枢、センターポール『1』と『2』と『3』が観えている・・ひとつの階に50ものフロアを抱え込み、3棟とも50階以上もの高さを誇って聳え立っている・・前回に入ったのはセンターポールの『2』号棟だったが、今回は『1』号棟の地下3階の駐車スペースでの駐車が指示され、取り敢えずの控室として27階のC7会議室が指定されている・・左折して『1』号棟を左回りに廻り込み、地下階へと降りる入り口から入る・・地下3階駐車スペースでの指定スポットに駐車する・・荷物は車内に残して降り、コートも脱いで車内に入れた・・リフトで27階まで昇り、降りてC7会議室に入るとシエナ・ミュラーが先に来ていた・・。

「・・お早うございます、アドル艦長・・リサさんも・・」

「・・お早う、副長・・早かったね・?・迷わなかった・・?・・」

「・・ええ、指示された通りに来ましたので・・」

「・・持ち込む私物は預けたの・?・僕はガードステーションで預けたけど・・」

「・・はい・・私もガードステーションで預けました・・」

・・そんな事を話しながらドリンク・ディスペンサーにコーヒーを出させる・・ここは70人程が座れる会議室だ・・近い席に3人で座る・・。

「・・素敵なスーツですね・・降ろし立てですか・・?・・」

「・・うん・・リサさんの観立てでね・・」

「・・やっぱり・・そう思いました・・」

「・・ところでね、相談があるんだ・・3月4日の水曜日の終業後に接待と言う事で呼ばれている・・勿論こちらが持て成す側でね・・招くのは機関投資家・・民間の大口投資家・・大口の株主・・メインバンクのトップ近くの方・・等のお歴々で、多くても15人と言った処だそうです・・それでこちら側からは私とリサさん・・ハーマン・パーカー常務とエリック・カンデルチーフ・・グレイス・カーライル艦長とカーネル・ワイズ・フリードマン副長・・が、現在の処予定されています・・しかしこのままの状況で始まると、持て成す側が招かれる側の半分程の人数と言う事になって、いささか体裁が整え辛いのではないかと言う事でね・・激励壮行会の時とはまたシチュエーションが異なる処なんだけれども、『ディファイアント』のスタッフクルーと同盟に参画する女性副長の皆さんにも手伝って貰えないだろうかと言う事で、今初めて君に相談している・・」

「・・分かりました・・私は参加しますし・・スタッフクルーには、先ず連絡網で流します・・その上でまた顔を合わせた時に、改めて訊いてみます・・女性副長の皆さんは今日全員集まりますから、その時に訊かれてみては如何でしょう・・?・・」

「・・ありがとう、シエナ副長・・そうだね・・今日は全員集まるから訊いてみる事にするよ・・」

・・不意に私の携帯端末から着信音が響く・・音声通話の要請だ・・ポケットから取り出してテーブルの上に置き、スピーカーに切り換える・・。

「・・こんにちは、サイン・バードさん・・そろそろお話が出来るのではないかと思っていましたよ・・」

「・・こんにちは、相変わらずの鋭い洞察ですね、アドルさん・・」

「・・それで・・230隻ぐらいになりましたか・・?・・」

「・・惜しいですね・・227隻です・・こちらの観測ですが、230隻は超えない模様です・・」

「・・そうですか・・ありがとうございます・・予想の範囲内ではあります・・」

「・・勝算は、ありますか・・?・・」

「・・ありますよ・・最悪の場合でもね・・」

「・・分かりました・・具体的な詳細をお知らせしましょうか・・?・・」

「・・そうですね・・データファイルにして、この端末に送って頂けませんか・・?・・」

「・・分かりました・・送ります・・」

「・・それで・・そちらの観測として、戦術巧者と思えるような艦長はいますかね・・?・・」

「・・そうですね・・3人程でしょうか・・その3人に付いては、ファイルに注釈として付記しておきますが・・アドルさん・・戦術の成功・失敗は、艦長だけが要因となるものでもないかと・・」

「・・無論、それは分かっています・・まあ、大凡の参考までにと言う程度ですね・・」

「・・分かりました、アドルさん・・」

「・・ありがとうございます、バードさん・・それで・・何か質問はありますか・・?・・」

「・・お見通しですね、アドルさん・・実は・・改めて貴方の基本姿勢に付いてお訊きしておきたいのですが、宜しいでしょうか・・?・・」

「・・好いですよ・・何でも訊いて下さい・・」

「・・最初から同盟を作るつもりだったのですか・・?・・」

「・・いや・・当初はもっと緩い・・互助会のような寄り合いを作れれば好いと思っていました・・」

「・・何故、このような形に・・?・・」

「・・これは、私の失敗ですね・・そのような寄り合いを作りたいがあまりに、皆の切迫感・焦燥感・猜疑心・恐怖心をも、必要以上に煽ってしまった・・その結果です・・」

「・・では、同盟と言う形態が拙かったと・・?・・」

「・・私は同盟のリーダーになっていますが、同盟は私のものではありません・・皆のものです・・特にこれからは・・戦いに不慣れな艦・・戦いに不安を覚えている艦長の為に同盟は、役に立たなければなりません・・ゲームが進めば進む程に、戦いに不安を覚える艦長達は同盟を頼ろうとするでしょう・・そして同盟はそんな彼等を拒絶出来ない・・結果・・同盟はますます膨れ上がるでしょう・・私や『ディファイアント』が同盟の中で優先されるなど、在りうべからざる事なのです・・」

「・・だから・・?・・」

「・・だから・・私はクルーや『ディファイアント』や同盟に最初から居る仲間達に負担を強い、過酷な指示を出してでも戦いに不慣れな艦を援護して守らなければなりません・・ですがこの先・・同盟に参画する艦が100隻を超えたら・?・200隻をも超えたら・?・どうすれば守れますか・・?・・私はそれをする為に・・仲間達に更に負担を強い、更に過酷な指示を出すなど出来ない・・そんな事をするぐらいだったら、ハイパー・モードを1時間続けたり・・私一人がシャトルに乗って、囮として出る方が余程好い・・私は最初から居る仲間達に犠牲を強いたくないのです・・同盟参画艦が200隻を超えたら・・全艦は守り切れない・・」

「・・分かりました、アドルさん・・ありがとうございました・・アドルさんからそのお話を聴けただけで、私の懸念は解消されました・・今後は、私やモリー・イーノス女史が事前に収集し得た情報の総てを以て、貴方と『ディファイアント』・・そして同盟の皆さんをサポートさせて頂きます・・どうか気持ちを楽にして臨んで下さい・・」

「・・ありがとうございます、サイン・バードさん・・こちらこそ宜しくお願いします・・これで少しは楽に戦えそうです・・」

「・・気持ちを楽にして頂けて好かったです・・やはり貴方は素晴らしい人格の方でした・・」

「・・ただの普通の男ですよ、バードさん・・美しい女性の魅力には、抗えませんから・・(苦笑)・・」

「・・だからこそ、貴方の人格の素晴らしさが際立つのだと思いますよ・・アドルさん・・時間を取らせてすみませんでした・・またお話しましょう・・直にお会いできる日も、然程遠くは無いと思います・・それではまた・・」

・・通話はバードさんの方から切られた・・私も切って端末をポケットに仕舞う・・。

「・・皆、ハッピーエンドが好きだ・・だろ・・?・・でも毎回いつも、そうはならない・・どんなに篤くサポートされていても・・どんなに支えて貰っていてもね・・だから僕が先ずするのは、皆を全面的に信頼する事だ・・1人1人に対して・・僕は何も隠さずに本音で話す・・でなければ皆からも信頼はされない・・それが出来て・・精一杯力を尽くした結果を・・受け容れて、先に進むだけだな・・」

「・・アドルさん・・」

「・・リサ・・何時からかは判らないけど・・君は僕の発言を録音しているね・・?・・」

・・そう訊かれてリサは慌てて自分の携帯端末から音声データを削除しようとしたが、それよりも早く私は左手で彼女の右手を押えた・・。

「・・好いんだよ、リサさん・・君を咎めも責めもしない・・それは正しい行いだ・・発言記録は重要だ・・いつか必ず、役に立つ時が来る・・それで頼みがあるんだ・・私とバードさんとの会話の部分と、君が私を呼んだ直前までの私の話を・・バードさんの存在を知るスタッフクルーの全員に転送して欲しい・・それで私の真意が・・多分伝わるだろう・・」

「・・分かり・・ました・・」

・・リサ・ミルズは泣きそうになりながらも、改めて自分の携帯端末を操作する・・。

・・シエナ・ミュラーは、左手で持っていた自分の端末をテーブルに置いて、通話を解除する・・。

(・・?・何だ・・?・・)

・・次いでドアチャイムが聴こえてシエナが応答すると、開いたドアから19人の艦長と19人の副長が全員で続々と入って来た・・ああ・・そうか・・これは一本取られたな・・私とした事が・・抜かったようだ・・しかし・・?・・。

「・・アドルさん・・何時でも何処ででも、最強に厳しい過酷な指示を僕に出して下さい・・喜んでやりますから・・」

・・ヤンセン・パネッティーヤが私の右手を両手で掴み、次いで強くハグした・・。

「・・アドルさん・・私は言われる前に、一番過酷な場所に行きます・・」

・・アシュリー・アードランドが泣きそうな顔で私をハグする・・。

「・・アドルさん・・水臭い・・『サライニクス・テスタロッツァ』は何時でも何処ででも、仲間の盾となります・・言われなくてもね・・」

・・そう言いながらハイラム・サングスターは、私の右手を強く握る・・痛い・・。

「・・アドルさん・・『フェイトン・アリシューザ』は貴方のどのような指示にも即応します・・使い倒して下さい・・」

・・と、ザンダー・パスクァール・・。

「・・私の『ラバブ・ドゥーチェン』も同様です・・私は何時も一番過酷で危険な場所にいます・・やはり貴方がリーダーで好かった・・貴方の麾下に入れた事は、私の幸運ですよ・・アドルさん・・」

・・と、アリミ・バールマン・・。

「・・アドルさん・・同盟に入れて本当に好かったです・・どんなに厳しい指示でも大丈夫ですから、私にも言って下さい・・精一杯務めます・・同盟は、本当にもっと大きくなるのでしょうか・・?・・」

・・エイミー・カールソンさんも涙目で私の手を握る・・。

「・・なりますね・・ファーストシーズンの終わりには、30隻前後になっているでしょう・・シエナ副長・・皆さんにバードさんの事を伝えたの・・?・・」

「・・はい・・暫く前に独断で皆さんに打ち明けました・・勝手な判断をしてしまって申し訳ありません・・」

「・・いや、好いよ・・適切な判断だ・・いずれは周知しなければならない事だったからね・・何時から通話を繋いでいたの・・?・・」

「・・ありがとうございます・・接待の件で、私に相談された時点からです・・」

「・・流石は私が観込んだ副長だ・・私とした事が・・抜かったよ・・」

「・・ありがとうございます・・」

「・・サイン・バードさんとは、何者なのでしょう・・?・・」

・・カーラ・ブオノ・マルティーヌ副長が、私と握手を交わしながら訊く・・。

「・・20年程前に、その界隈で話題になった伝説的なハッカーがいてね・・今はハッカーと呼ばないけど・・私はそれが彼だと思っています・・多分今も・・そこの監視カメラで私達を観ていますよ・・ああ・!・気にしないで、普通に過ごしましょう・・彼はただ観ているだけで・・そして今は、完全に私達の味方です・・どうぞ皆さん、座って下さい・・まだ早いですから・・流石に皆さん、キメて来ましたね・・私もリサさんに言われて新調して来ましたけど・・見劣りしていないようで、好かったです・・」

「・・アドルさんも最高にキマってますよ・・リサ・ミルズさんの観立てがスゴイって処もありますけど、総合してザンダーさんやヤンセンさんよりもキマってます・・」

「・・ありがとう、アシュリーさん・・貴女のいで立ちも素晴らしいですよ・・」

「・・ありがとうございます・・」

「・・ええと、接待の件で・・シエナ副長に相談していたんですけれどもね・・もしも都合とかお気持ちとかも含めて宜しければ、女性副長の皆さんの中で・・手伝って頂ける方には、お願いしたいと思っています・・まだ時間もありますので、表明は今でなくても結構です・・開幕してから、また伺いに廻ります・・」

「・・お誘いを掛けていらっしゃるのは、女性副長の皆さんだけですの・?・アドル主宰・・?・・」

・・と、アシュリー・アードランド艦長・・。

「・・いや・・同じ同盟に参画して頂いている皆さんですけれども・・弊社の業務的な行事にお付き合いをお願いするのは、流石にご迷惑でしょうし心苦しいですので・・(苦笑)・」

「・・宜しければ、参加させて頂きたいと思っています・・それまでには私の上司からの反応も持ち寄れると思いますし、ハーマン・パーカー常務様やエリック・カンデルチーフ様にもお眼に掛かりたいですので・・」

「・・分かりました・・そこ迄仰って頂けるのでしたら、私としても宜しくお願いしますと申し上げます・・」

「・・ありがとうございます・・頑張って、お手伝いさせて頂きます・・」

「・・私もお手伝い致します・・」

・・と、カーラ・ブオノ・マルティーヌ副長・・。

「・・私達もお手伝いさせて頂きます・・」

・・と、そう言ったのは、シャロン・ヒューズ副長・・。

「・・私達・・?・・」

・・訊き返すと、ローズ・クラーク副長とアレクシア・ランドール副長が右手を挙げている・・もう6人か・・。

「・・分かりました、皆さん・・本当にどうもありがとうございます・・今日の処の表明は、もうこれで結構ですので・・今日の会見が終わって戻られましたら、今一度皆さんそれぞれのスケジュールを確認して頂いて、ご都合でも気持ちの面でも差し障りがないようでしたら、ご参加の判断をお願いします・・本当に感謝しています・・宜しくお願いします・・」
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