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・・『開幕』・・

・・2月25日・水曜日・・

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・・翌日・2月25日・水曜日・・05:48・・

・・染み入る寒さで目醒める・・私だけが毛布に包まっている・・寒い・・しまった・・厚手の毛布2枚とは言え、裸で眠りに落ちたのはマズかった・・パジャマを着直して寝るべきだった・・今朝はイヤに冷えるな・・そう思いながら毛布の中でパジャマを着直し、ノロノロと起き上がる・・。

・・キッチンに入ると、マーリーがもうしっかりとセットアップしてエプロンを着け、忙し気に朝食の準備をしている・・。

「・・おはよう・!・マーリー・・君は寒くなかったのか・・?・・」

「・・おはようございます、アドルさん・・私は裸ではありませんでしたので・・それでも寒かったです・・さあ、私が点てたものですみませんが、コーヒーです・・飲まれたらバスに浸かって温まって下さい・・朝食はもうすぐ仕上がりますので、暫くお待ち下さい・・」

「・・分かったよ、マーリー・・それじゃ君が手ずから点ててくれた初めてのコーヒーを頂こう・・」

・・そう言うとテーブルに着き、眼の前に置かれたカップを取り上げて香りを確かめると、一口飲む・・。

「・・うん・・なかなか旨いね・・今度ちゃんと教えるから、その後もう一度君に点てて貰おう・・」

「・・ありがとうございます・・替えの下着は脱衣場のカゴに入れて置きましたから・・あと、今日着られる服も観立てました・・」

「・・ありがとう・・重ねて感謝するよ・・」

・・そう言ってから3分程でコーヒーを飲み終えた私は、カップをシンクの中に置くとバスルームに入った・・少し熱めのシャワーで汗を洗い流して、バスに浸かる・・ああ・・温まる・・まだまだ寒い日は続くな・・バスに浸かって温まりながら15分程瞑想して上がる・・髪と身体を軽く洗い、髭も軽く当って流して出る・・アフター・シェイブローション・・アフター・スキンクリームも入念に使い、服を身に着ける・・スーツの上着はまだ着ないでダイニング・ルームに入る・・。

「・・お帰りなさい・・!・・さあ、頂きましょう・・!・・」

・・活き活きと輝くマーリーの笑顔が弾けていて可愛い・・リサと朝を迎えた時にも感じた、別世界(パラレル・ワールド)で彼女と新婚夫婦として平日の朝を迎えたその世界での自分のように感じる・・昨夜残ったスペシャル・シーフード・パスタに一手間を加えた、ボリュームたっぷりのスペシャル・シーフード・温野菜・肉サラダパスタ・・?・・ベーコン・ソーセージ・ポテト・卵のソテー・・オニオン・コンソメスープ・・少なめのライス・・オレンジジュースとミルク・・さすがにマーリー・マトリン・・とても充実した朝食だ・・。

「・・とても美味しいよ、マーリー・・これを頂くだけで今日1日の活力は満タンだね・・これでアリソンから料理を習ったら、君は完璧になるよ・・」

「・・ありがとうございます・・お宅での壮行会で、奥様にお会い出来るのが嬉しいですし楽しみです・・」

「・・そう言ってくれると僕も嬉しいよ・・それに明日のお昼に食べさせて貰える、マーリーお手製のお弁当が今からすごく楽しみになって来ているよ・・」

「・・ありがとうございます・・ちょっとプレッシャーが掛かって緊張しますけど、美味しいお弁当を作ります・・」

・・2人とも、食べながら飲みながらで話が続く・・。

「・・ああ、そうだ・・艦長の制服を新しくデサインしてくれるって事になった、ヴィヴィアン・カークランド先生がね・・個人的に僕が着る新しいスーツをデサインしてくれるんだってさ・・」

「・!・・ホラ・やっぱりその先生も、もうかなりアドルさんの事が好きですよ・・その先生だけじゃありません・・アドルさんの肖像画を描きたいと言われた方も・・アドルさんの事をご主人とタイプが似ていると評した大学教授の先生も・・バリバリのキャリアウーマンの方も・・フリー・ITシステムエンジニアの方も・・女性用高級服飾店の店長さんも、もうアドルさんの事がかなり好きになっていますね・・」

「・!・えっ・デボラさんもそう観えるのかい・・?・・さすがに彼女は違うんじゃないのかい・・?・・」

「・・いいえ・あの店長さんもアドルさんの事が好きです・・私にはそう観えます・・私じゃなくても、アドルさんの事が好きな女性なら分かります・・」

「・・へえ・・そんなものなのかね・・?・・まあ・俺にはどうする事も出来ないけどね・・」

「・・アドルさん・・これから女性と話す時には、必要最小限に抑えた方が好いと思います・・」

「・・そう考えた事もあったけどね・・それじゃ味気ないし、違和感も強い・・いずれにしても今更他人行儀には戻れないし、戻りたくもない・・それに会社の同僚や『ディファイアント』のクルーと違って、他の艦の艦長だ・・話すにしてもモニター越しだろうし、平日に2人で逢うなんて事にはならないと思うよ・・」

「・・アドルさん・・想いを募らせた女性は、何をするか判りません・・今はそれだけでも、頭の片隅に入れて置いて下さい・・」

「・・分かりました・・入れて置きます・・」

・・その後は2人とも話さなかった・・8分ほどしてマーリーが立ち、ストレートティーを2杯淹れてテーブルに置いた・・スープを飲み終えていたので、礼を言って一口飲む・・多くの女性が私を慕って付いて来てくれている・・付いて行きたいと言ってくれている女性(ひと)もいる・・彼女達には充実した人生を送って貰いたい・・幸せになって欲しいとも思う・・だが私一人では限界が観えている・・先ずは『ディファイアント』を出来得る限り長く存続させて・・その間で彼女達に報いる方法を考えよう・・やはり10年・・それがひとつの区切りだな・・。

「・・ご馳走様でした・・結構な朝食でした・・ありがとうございました・・」

「・・どう致しまして・・喜んで頂けて、好かったです・・」

「・・それじゃあ、片付けよう・・」

・・残っている料理はラップを掛けて保存モードに入らせる・・空いた食器を2人で洗って拭き上げて収納する・・直ぐに終った・・歯を磨いて顔を洗い、服を整えてネクタイを締めて上着を着る・・。

「・・それじゃ、早いけど行こうか・・?・・」

「・・ええ、行きましょう・・」

・・微笑み掛けてくれているマーリーを抱き寄せて唇を重ねる・・顔も身体も動かさないがしっかりと舌を絡め合わせて吸い合う深いキスを80秒・・瞼を開きながらゆっくりと顔を離す・・。

「・・フフッ・・朝から熱いですよ・・?・・」

「・・次まで忘れないようにさ・・」

・・そう応えてコートを羽織る・・小間物をポケットに入れてバッグを携え、室内からガレージへと2人で出て車に乗り込む・・車内からシャッターを開き、出庫してから閉める・・走行中の車内でマーリーはメイクを施す・・何も話さなかった・・。

・・本社のパーキングエリアから600m程手前の道沿いに開店しているコンビニエンスストアのパーキングに滑り込ませ・・私が先に降りて店内に入り、健康ドリンク等を物色し始めると・・彼女がゆっくりとドアを開いて降り、店内にいる私を観ないで歩き始めた・・。

・・結局私は右手に持っているドリンク一本だけを買って車に戻り、本社のパーキングエリアに滑り込ませる・・いつもよりかなり早い時間だ・・1階のラウンジ・カフェテリアに入っても、寛いでいる人は殆どいない・・カウンターで保温モードにされている備え付けのコーヒーポットを取り上げてカップをコーヒーで満たし、そのまま持って喫煙エリアに入ると観えた光景に僅かに残っていた眠気が飛ばされた・・。

・・ハーマン・パーカー常務とチーフ・カンデルが並んで座っていて、その対面にリサ・ミルズが座っている・・リサは私に背中を向けているが、彼女だとは分かる・・それよりもこのシチュエーションは私を待っていると言う事だ・・落ち着いて歩み寄ると、2人が気付いたので立ち止まって会釈した・・。

「・・おはようございます・・お二人とも早いですね・・それにリサさんも・・」

「・・おはようございます、アドル艦長・・いや、今は主宰ですかな・?・驚かせてしまったのなら、申し訳ない・・実はリサ・ミルズ女史からある件について指摘を受けたので、今朝はこうして貴方を待っていたのです・・先ず、どうぞお座り下さい・・」

・・ハーマン・パーカー常務の言葉を受けてリサが奥の席に移ったので、私は先ずコーヒーを置いてコートを脱ぎ、椅子の背凭れに掛けて座った・・。

「・・常務・・先ず私に敬語を使うのは止めて下さい・・違和感が強過ぎます・・一介の係長ですからね、まだ・・接待の件で、待っておられたのだろうとは思いますが・・それにしてもどうされたんですか・・?・・」

・・そう言って、コーヒーを二口飲む・・マーリー・マトリンがラウンジに入って来たが、私達4人を観留めると他の3人に気付かれないよう、カウンターで自分の紅茶を淹れてカップをソーサーに乗せて持ち、あまり離れていない席に座った・・。

「・・既に【『ディファイアント』共闘同盟】の主宰である君に対して、一介の部下であるように接して話をするのはどうにも心苦しい・・それだけ・・いや、それ以上に君の存在は大きくなっているんだ・・正直・・役員会でも、今後の君をどう扱えば良いのかについては揺れている・・率直にどう思うかな・・?・・」

「・・今迄通りに、普通に話をして下さい・・目下として観て話をし辛いのでしたら、気の措けない友人として話しましょう・・あんまり特別扱いしないで下さい・・一介の営業社員ですから・・(声を落として)・・課長への昇進は、予定通りに行って下さい・・新しい課を創設して、スタッフを募集する・・普通にやって行きましょう・・今年のボーナスは、期待させて頂きますよ・(笑)・私もこれからは色々と物入りになりますのでね・・そんな感じで・・あまり気にしないで仲良くやりましょうよ・・?・・」

「・・俺も、君を気軽に接待なんぞに連れ出そうとして、済まなかったと思っているよ・・」

「・・好いんですよ、チーフ・・!・・僕は出ても好いんですよ・・ただ、『ロイヤル・ロード・クライトン』も完成しているのに・・グレイス・カーライル艦長を差し置いて、僕だけ出ても好いのかなって思っただけですから・・その前に、接待の日程は活きているんですね・・?・・」

「・・ええ、活きています・・場所も決定しています・・」

「・・こちらが持て成す人達は、何人ですか・・?・・」

「・・今の処、10人弱か10人強か・・まだ確定はしていないですね・・」

「・・そうですか・・持て成す側が半分以下の人数だとちょっとマズいですね・・分かりました・・激励壮行会の時にも来て貰いましたので、『ディファイアント』のスタッフで接待に慣れている人達と・・共闘同盟に参画してくれている男性艦長艦の副長の皆さんにも、お願いしてみますよ・・」

「・・好いんですか・?!・アドルさん・?・激励壮行会の時ならいざ知らず、本来ならそちらの方々は我が社とは関係が無いのに・・?・・」

「・・今はまだね・・ですが、将来的には分かりません・・好い機会ですので一つお伝えして置きますが、我が社が独自にアイソレーション・タンクベッドのCMを制作する際には、私も彼女達も参加する意向です・・これは宣伝部にもお伝え下さい・・なので・・せっかく持て成して楽しんで貰うんですから、満足されるまで楽しんで頂きましょう・・?・・」

「・・分かりました・・宜しくお願いします・・」

「・・まだまだ固いですよ、常務・・それで・・こちらから接待に参加するのは・・?・・」

「・・ここにいる4人と・・?・・」

・・と、エリック・カンデルチーフ・・。

「・・グレイス・カーライル艦長と、カーネル・ワイズ・フリードマン副長と、そちらから来て下さる皆さん、ということになるね・・」

・・と、後を引き取ってハーマン・パーカー常務が応える・・。

「・・分かりました・・それでは、15人から20人を目処にして頼んでみます・・」

「・・本当に好いのかね・・?・・何度も訊くようだけど・・そんなに沢山の方にお願い出来ますか・・?・・」

・・と、常務が少し不安そうに訊く・・。

「・・勿論、勘弁して欲しいとか・・遠慮させて欲しいと言う人に無理強いはしません・・今の処、彼女達は我が社と関係がありませんし、仕事でもありませんからね・・でもまあ・・出来る範囲での協力と言う事でお願いすれば、何人かは応じてくれると思います・・15人から20人と言ったのは、お客様1人に対して2人で接待できるようにしたかったからです・・その体制が採れれば、ハラスメント的な展開にはならないでしょうから・・」

「・・分かりましたよ、アドルさん・・この接待の件については、お任せします・・宜しくお願いします・・」

・・ここで少し、常務が安堵したような表情を観せる・・私は残っているコーヒーを飲み干したが、まだ出社してから最初の一本を喫っていない・・隣のテーブルから灰皿を取って来て、ライターとシガレットのボックスをポケットから取り出しながら訊いた・・。

「・・どこでやるんですか・・?・・」

「・・インターナショナル・クライトンホテルに話は入れている・・人数が確定したらそれを伝えて、部屋を決めて貰う事になってる・・」

・・と、チーフ・カンデルがそう応えた・・一本を咥えて点け、少し深めに喫って蒸し、燻らせてゆっくりと吐く・・。

「・・役員会の皆さんに伝えて頂けませんか・・?・・今後の私の事は、取り敢えず新任課長として扱って欲しいと・・新任の課長とも成れば、様々な課長研修に参加して学ぶ事も多いですし、学ぶ機会も多くなりますから・・取り敢えず新入生って事で、宜しくお願いします・・」

・・これには2人とも、苦笑いをするだけで応えなかった・・。

「・・今日も行くんだよな・・?・・」

・・と、チーフ・・。

「・・ええ・・昼食を摂ったら行きます・・今日の会見が終われば、3日後の午前8時に開幕です・・前日の27日金曜日に、こちらの最重要金庫室にアイテムを預けているクルーを全員、午前10時を目処に集合させますので、解除・開封をお願いします・・」

「・・分かりました・・それはお任せ下さい・・」

「・・そして、『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』の初回配信は、3月8日・日曜日の20:00から、1時間の枠です・・」

「・・承知しました・・我々として、出来る事は・・?・・」

「・・開幕までにアイソレーション・タンクベッドが私の社宅に配備されるのなら、3月2日の月曜日は通常通りに出社出来ると思いますが、もしも配備が間に合わないようでしたら休暇を頂くかも知れません・・あとは、応援のお気持ちだけで・・」

「・・その点に付いては安心して下さい・・アドルさんが会見に出席されている間に、社宅に搬入される手筈になっています・・」

「・・そうですか・・それは、ありがとうございます・・(・・もう少し整理して置けば好かった・・事前に言ってくれれば・・)・・それで、立ち合いはどなたが・・?・・」

「・・アンブローズ・ターリントンさんにお願いしました・・」

「・・そうですか・・分かりました・・(逃れられない巡り合わせか・?・)」

・・そう応えてシガレットを喫い終らせ、揉み消す・・マーリー・・聴こえているかな・・?・・。

「・・それでは、アドルさん・・朝の貴重なお時間をお借りして申し訳ない・・私達は朝礼や朝会もありますので、これで失礼します・・お昼からは気を付けて行って下さい・・何かありましたら連絡を・・それではまた・・」

「・・どう致しまして・・常務、まだ固いですよ・・フレンドリーにいきましょう・・?・・」

「・・分かりました・・それじゃ・・」

・・そう言って常務とチーフは立ち上がり、ラウンジから出て行った・・マーリーに席を立つ気配は無い・・こちらに来るつもりは無いようだ・・リサはいつものハーブティーを少しずつ飲んでいる・・。

「・・リサさんは何と言って指摘したの・・?・・」

「・・別に・・普通に指摘しただけですよ・・慌てふためき出したのは、向こうからでしたから・・」

「・・そう・・でも、僕から話をするからって言ったよね・・?・・」

「・・ええ・・でも、どんな話なんだろうってしつこく訊かれたものですから・・」

「・・そう・・ちょっと驚いたけど、上はそんなに僕を扱いかねているのかな・・?・・」

「・・そのようですね・・私も予想外でしたが・・でもそれだけ、アドルさんの存在が大きくなって来ているのは、私も実感しています・・顧客の方と対話しても、皆さん直接アドルさんとお話したがっていますから・・」

「・・そうなんだね・・益々の重責が途方も無いよ・・まあ・・平日は出来るだけ対話するけど・・」

「・・アドルさん・・(ここからリサは上体を寄せて声を落とす)・・マーリーがあそこに座っているのは判っています・・昨夜は彼女と一緒だったんですね・・彼女のコロンが香っています・・出社間際にキスするのはマズいですよ・・?・・」

「・・うん・・昨夜、彼女が社宅に来たんだよ・・」

「・・嘘・・貴方は彼女が来るのを予想していた筈です・・それぐらいの予想が簡単に出来る人なんですよ、貴方は・・だから、彼女と連絡を執って迎えに行ったんでしょう・・?・・」

「・・怖いね、君も・・アリソン並みになって来たね・・?・・」

「・・私も伊達に貴方の傍にいる訳じゃありませんから・・それで、何をしたんですか・・?・・」

「・・彼女には、僕の実験に付き合って貰ったんだよ・・つまり、僕のハイパー・モードがどのくらいの時間、維持できるのか・・そして、限界になったらどんな状態になるのかを観察して把握して貰ったんだ・・後でそれを僕も聞いて、把握した・・」

「・・どうして私に、その実験の手伝いを頼まなかったのですか・・?・・」

「・・君なら、そんな危険な実験は止めてくれと言うだろう・・?・・」

「・・確かに・・言うと思います・・でも、必要な事なら手伝います・・」

「・・分かった・・この次に危険な実験が必要になったら、それは君に頼む・・」

「・・ありがとうございます・・マーリーは好い娘ですよ・・あの娘の貴方への想いは一途ですけれども、真面目ですからどんなに貴方の事が好きでも無茶はしない娘です・・ですから貴方と深い関係になっていないのも分かります・・でも、アンバーは危険です・・あの女(ひと)は、はっきり言って何をするか分かりません・・アンバーが貴方に逢おうとしているのも予想していたのでしょう・・?・・今日社宅に帰ったら、アンバーが待っているでしょう・・タンクベッドの搬入と設置に立ち会うのですから・・お願いですから、アンバーとだけはキスしないで下さい・・取り返しの附かない事になり兼ねません・・それぐらい危険な女(ひと)です・・話はしても無難に対応して早く帰らせて下さい・・そして、今後も出来るだけ遠ざけて下さい・・一度キスしたら彼女は軽く一線を越えようとして来ます・・深い関係になってしまったら、奥様とお嬢さんが悲しみます・・どうか自制して下さい・・」

「・・よく分かったよ・・僕も彼女の危険性は感じている・・出来るだけ無難に対応して早く帰らせるから安心してくれ・・大丈夫だから・・?・・」

「・・分かりました・・ありがとうございます・・宜しくお願いします・・長い話を聴いて下さってありがとうございました・・私はこれで失礼します・・ちょっとマーリーとも話をして、フロアに上がります・・」

「・・喧嘩するなよ・・?・・」

「・・喧嘩なんかしませんよ・・ちょっと女同士の話をするだけです・・私達は、同じ立場ですから・・」

・・そう言ってリサは立ち上がり、移動してマーリーの座る席の対面に座った・・スコットやズライが来るにはまだ早いか・・。

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